顧問税理士契約の解除について|注意点や手順を説明

顧問税理士との契約解除は、企業運営において慎重に進める必要があります。

適切な手続きを踏まなければ、税務申告や会計処理に遅れが生じるリスクもあります。

この記事では、顧問税理士の契約解除に際して注意すべきポイントと、最適なタイミングについて詳しく解説しています。

顧問税理士との契約について悩んでいる企業の方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

顧問税理士の契約解除理由

企業が顧問税理士との契約を解除する理由は多岐にわたります。

顧問税理士は経営のパートナーとして重要な役割があります。

しかし、業務の進行やコミュニケーション、コストなど、さまざまな理由で不満が生じることも少なくありません。

以下に代表的な理由や事例を挙げ、詳しく解説します。

業界知識が乏しい

顧問税理士の契約解除の理由の一つとして、顧問税理士の自社や自社の業界についての知識が乏しいことが挙げられます。

自社や業界のことをよくわかっていない税理士から、適切なアドバイスを得ることは難しいでしょう。

顧問税理士に、業界特有の会計処理や税務の知識が不足していると、節税対策や経営改善の提案が不十分になることがあります。

例えば、飲食業界では食材費や人件費の管理が重要ですが、これらに精通していない税理士では、適切な節税対策を講じることは難しいでしょう。

また、IT業界では研究開発費の取り扱いや、特許取得に伴う税務処理が課題としてあります。

これに対応できない税理士は、企業の成長をサポートできません​​。

業界知識が豊富な税理士に変更すれば、より専門的で適切なアドバイスを受けられるようになります。

顧問契約による節税メリットが感じられない

企業が顧問税理士に期待することの一つに、効果的な節税対策があります。

そのため、期待する節税メリットを感じられない場合は、契約解除を検討することがあります。

節税効果を感じられない主な理由としては、以下が挙げられます。

  • 提案される節税策が基本的なものしかないため
  • 自社の経営状況に合った具体的な提案がないため
  • 法改正に対応した最新の節税策が提案されないため

例えば、顧問税理士を変えたことで税の軽減に成功した、とある製造業の企業を見てみましょう。

従来の顧問税理士は、減価償却方法を変えないまま数年を過ごし、新たな節税策を提案しませんでした。

そこで、他の税理士に変更したところ、様々な節税策を提案され実行した結果大幅な税額軽減を実現した、という事例です​​。

節税のメリットが感じられない場合は、より積極的で効果的な節税策を提案してくれる税理士に変更することが必要です。

相性が合わない

税理士とのコミュニケーションは、企業運営において非常に重要です。

以下のようなコミュニケーション問題がある場合、契約解除の理由となることがあります。

  • 税理士と話しづらい
  • 質問に対する回答が遅い
  • 専門用語ばかりで、説明がわかりにくい
  • メールや電話の連絡がつきにくい

例えば、顧問税理士が専門用語ばかり使う事例を見てみましょう。

税のことを相談しても専門用語ばかり使うので、経営者は話の内容を理解できないことが多々ありました。

結果として、適切なタイミングで最適な経営判断ができず、業績に悪影響を及ぼしてしまったのです​​。

税理士との円滑なコミュニケーションは、経営相談を信頼して任せるうえで、重視したいポイントです。

自社や担当者と相性のいい税理士へ変更することで、経営者は迅速かつ適切に経営判断できるようになります。

顧問料が高い

企業の予算に対して顧問料が高すぎる場合、コスト削減の一環として契約解除を検討しましょう。

特に中小企業にとって、顧問料は大きな負担となることがあります。

顧問料が高いと感じる理由には、以下が挙げられます。

  • 他の税理士と比較して高額である
  • サービス内容に対してコストが見合わない
  • 経営改善や節税効果が感じられない

例えば、顧問税理士の変更によりコスト削減を実現した実例を見てみましょう。

ある小規模企業は、顧問料の削減を目的に複数の税理士を比較検討しました。

結果として、同等のサービスを提供する別の税理士に依頼することで、年間数十万円のコスト削減を実現したのです​​。

適切な顧問料の税理士を選ぶことで、企業はコスト削減と同時に、質の高いサービスを受けられるようになります。

ただし、費用が安ければいいというものではありません。

安かろう悪かろうでは、顧問弁護士を変えた意味がなくなります。

費用とサポート内容を考慮して、最適な税理士を選択する必要があります。

よって、企業は自社のニーズに合った税理士を選定し、契約を見直すことが重要です。

顧問契約の解除手続きについて

顧問契約を解除する際は、適切な手続きを踏むことが重要です。

スムーズな契約解除と新たな税理士への引き継ぎをする上で、欠かせないものです。

以下で、顧問契約の解除手続きについて詳しく解説します。

1.顧問契約締結時の契約内容を確認する

まずは、顧問契約締結時の契約内容を確認しましょう。

契約書には、解除に関する具体的な手続きや条件が記載されているため、内容をしっかりと理解しておく必要があります。

契約書の条項を確認し、解除に関する要件や期間を把握しましょう。

例えば、「契約を解除するには3ヶ月前の通知が必要である」など、具体的な解除条件が設定されていることがあります。

また、契約期間が自動更新される場合、その更新を止めるための通知期限も確認しておくべきです​​。

これらの要件や契約期間を事前に把握しておくことで、契約解除に伴うトラブルを未然に防げます。

特に、違約金や残りの期間の報酬に関する条項がある場合は、違反しないための対策を考えておく必要があります。

2.新しい顧問税理士を見つけておく

契約解除を進める前に、新しい顧問税理士を見つけておきましょう。

そうすることで、現在の税理士との契約解除後も、スムーズに引き継ぎが進められます。

新しい税理士を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

  • 業界知識の豊富さ
    自社の業界特有の知識を持っているか
  • コミュニケーション能力
    話しやすく、説明がわかりやすいか
  • 節税対策の提案力
    効果的な節税策を提案できるか
  • 報酬の妥当性
    サービス内容に対する報酬が適切か

例えば、あるIT企業が新しい税理士を探す際は、IT業界に特化した税理士を選ぶことで、研究開発費の適切な処理や最新の税制に対応した節税策を提案してもらえます​​。

新しい税理士に依頼する際は、契約内容や期待するサービスについて、詳細に確認しておきましょう。

このように、契約解除する前に、新しい税理士を見つけておくことで、企業の税務・会計業務が滞ることなく、安心して経営に専念できるようになります。

3.契約解除の申し入れを行う

契約解除の申し入れをする際には、丁寧かつ適切な手続きを踏む必要があります。

税理士に対し、これまでの感謝の意を示し、今までの協力に対する敬意を忘れずに伝えましょう。

まず、契約書に基づいた正式な書面で契約解除の意思を伝えます。

この際、不満や批判的な内容は避け、前向きな理由を述べることが望ましいでしょう。

例えば、
「あなたの業務態度に不満がある」
という理由が本音であっても、
「業務の効率化を図るために、新たな税理士と契約することになりました」
といった、ポジティブな理由に​​変換するのがおすすめです。

また、顧問税理士に対して、感謝の意を示すことも大切です。

「今までのご協力に感謝いたします。貴重なご助言を頂けたことに感謝しています」といった一言を添えましょう。

そうすることで、円満な関係を保ちながら、契約解除を進められます。

最後に、書類やデータの返却を確実に行い、新しい税理士とのスムーズな引き継ぎができるよう準備を整えます。

このように手続きを丁寧に行うことで、トラブルを避け、円滑に契約を解除できます。

顧問契約を解除する最適なタイミング

顧問税理士との契約を解除する際には、適切なタイミングを選ぶことが重要です。

業務の継続性を保ちつつ、トラブルを回避できるからです。

以下に、顧問契約を解除する最適な3つのタイミングについて解説します。

法人税申告書の提出後

法人税申告書の提出が完了した直後は、顧問契約を解除する良い機会です。

申告書の提出を終えたばかりの時期は、税務関連の業務が一区切りついた状態であり、次の大きな税務イベントまで時間があるため、新しい税理士への引き継ぎがスムーズに行えるからです。

このタイミングを選ぶメリットは以下の通りです。

  • 業務の中断を最小限に抑える
    申告書提出後は、次の決算や申告まで時間があるため、新しい税理士に業務を引き継ぐ余裕が生まれます。
  • データの一貫性
    一つの会計期間が終了した後の引き継ぎであるため、データの一貫性が保たれ、誤りが生じにくくなります。

法人税申告書の提出後に顧問税理士を変更したケースでは、新しい税理士が次の会計期間の初期から関与することで、事業計画の立案や節税対策の提案が円滑に進んだ事例もありました​​。

法人税申告書を提出したあとに税理士を変更すると、次年度の計画立案に時間を使えるため、新しい税理士との関係構築もしやすくなるでしょう。

税務調査の修正申告終了後

税務調査の修正申告が終了した直後も、顧問契約を解除する1つのタイミングとしておすすめです。

修正申告とは
法定申告期限よりも後に、すでに提出した確定申告の申告額を訂正するための作業のこと

税務調査が完了し、修正申告が無事に済んだ後は、税に関する不確定要素が少なくなり、業務が安定します。

税務調査の修正申告終了後のタイミングを選ぶ利点は、以下の通りです。

  • トラブル回避
    税務調査中に契約を解除すると、新しい税理士が調査内容を把握しきれず、トラブルが発生する可能性があります。
    修正申告が終了した後ならば、そうしたリスクを回避できます。
  • スムーズな引継ぎ
    修正申告が完了しているため、安心して新しい税理士に業務を引き継げます。

税務調査後に税理士を変更すれば、修正申告の終了を確認した上で引き継ぎできるため、新しい税理士が円滑に業務を開始できます。

また、追加の税務問題が発生することもほぼありません​​。

修正申告直後に新しい顧問税理士を迎えることで、業務の引き継ぎがスムーズにできます。

決算報告後

決算報告が完了した後も、顧問契約を解除する適切なタイミングです。

決算報告後は、会計年度が一段落し、新しい年度が始まる前の落ち着いた時期であるため、税理士の変更が比較的スムーズに行えます。

このタイミングを選ぶメリットは以下の通りです。

  • 会計データの明確化
    決算報告が完了しているため、会計データが整理され、新しい税理士に引き継ぎやすくなります。
  • 計画立案のしやすさ
    新しい年度が始まる前に税理士を変更することで、新しい税理士とともに新年度の計画を立てられます。

決算報告後に顧問税理士を変更し、新しい税理士とともに新年度の事業計画と節税対策を見直すことで、業績向上につなげられます​​。

タイミングを考慮すれば、顧問税理士との契約解除をスムーズに行えるはずです。

そして、次期は新しい税理士と円滑にスタートできます。

適切なタイミングでの顧問税理士の変更は、企業の経営にプラスの影響を与えるでしょう。

顧問契約を解除する際の注意点

顧問税理士との契約を解除する際には、慎重に行いましょう。

不適切な手続きを踏むと、トラブルや業務の停滞を招く可能性があります。

以下で、契約解除時の注意点について詳しく解説します。

契約内容の確認

契約を解除する前に、顧問契約書の内容を詳細に確認しましょう。

契約書には、解除に関する具体的な手続きや条件が記載されているため、内容をしっかりと理解しておかなければなりません。

契約書の内容を確認する際には、特に以下のポイントをチェックしてください。

  • 解除条件:通知期間や違約金の有無
  • 契約期間:自動更新の有無と更新のタイミング
  • 具体的な手続き:解除の方法(書面、メールなど)

例えば、契約を解除するには、3ヶ月前の通知が必要とされる場合もあります。

また、契約期間中に解除する場合には、違約金や残りの期間の報酬に関する条項が設定されていることもあります。

契約情報を事前に把握することで、契約解除に伴うトラブルを未然に防げます​​。

新しい税理士の確保

顧問契約を解除する前に、新しい税理士を見つけておくことが重要です。

新しい税理士が決まっていない状態で契約を解除すると、業務の継続に支障をきたす可能性があるからです。

新しい税理士を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

  • 業界知識
    自社の業界に精通しているか
  • コミュニケーション能力
    話しやすく、説明がわかりやすいか
  • サービスの質
    節税対策や経営アドバイスの質
  • 報酬
    サービス内容に対する報酬が適切か

例えば、IT業界に特化した税理士を選ぶことで、研究開発費の適切な処理や最新の税制に対応した節税策を取り入れられるようになります​​。

信頼できる税理士を探す場合は、口コミや費用の透明性なども踏まえて選ぶと良いでしょう。

正式な解除手続き

契約解除の意思を正式に伝える際には、丁寧かつ適切な手続きを踏むことが求められます。

感謝の意を示し、今までの協力に対する敬意を忘れずに伝えましょう。

以下で、具体的な手順を紹介します。

STEP
契約書に基づいた正式な書面で契約解除の意思を伝える

不満や批判的な内容は避け、前向きな理由を述べることが望ましいでしょう。

例えば、「業務の効率化を図るために、新たな税理士と契約することになりました」といった理由が考えられます​​。

STEP
顧問税理士に対して感謝の意を示す

「今までのご協力に感謝いたします」「貴重なご助言を頂けたことに感謝しています」といった一言を添えることで、円満な関係を保ちつつ契約解除が進められます。

STEP
書類やデータの返却を確実に行う

新しい税理士とのスムーズな引き継ぎができるよう準備を整えます。

以上のような手続きを丁寧に行うことで、トラブルを避けられ、円滑に契約を解除できるようになるでしょう。

引き継ぎの準備

契約解除に伴い、現行の顧問税理士から新しい税理士への引き継ぎを円滑に行うための準備も欠かせません。

引き継ぎがスムーズに行われることで、業務の中断を最小限に抑えられます。

引き継ぎの際に注意すべきポイントは以下の通りです。

  • 重要書類の返却
    必要な書類やデータを確実に返却してもらう
  • データの移行
    会計データや税務データの移行を適切に行う
  • 情報の共有
    新しい税理士と重要な業務内容やスケジュールを共有する

例えば、e-Taxの利用者識別番号や暗証番号・クラウド会計システムのログイン情報を正確に引き継ぐ、等があります。

適切かつ正確に引き継ぐことで、業務の遅延を防ぎます​​。

これらに注意することで、顧問税理士との契約解除を円滑に行い、新しい税理士との良好な関係を築けます。

まとめ

顧問税理士との契約を解除する際には、慎重な対応と適切なタイミングが求められます。

まず、契約書の内容を詳細に確認し、解除に伴う条件や手続きを把握することが重要です。

一方で、新しい税理士を探しておくことも大切です。

業界知識やコミュニケーション能力、サービスの質などを確認することで、スムーズに移行できます。

契約解除の意思を正式に伝える際には、感謝の意を示し、前向きな理由を述べます。

円満な関係を保ちながら、契約解除の手続きを進めていくことが重要です。

また、引き継ぎの準備として、重要書類やデータの返却、新しい税理士との情報共有を確実に行うことで、業務の停滞を最小限に抑えられます。

いくつかのポイントを守ることで、顧問税理士との契約解除をスムーズに行うことができるでしょう。

新しい税理士との良好な関係を築くことができ、企業の経営にプラスの影響を与えるはずです。

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