ChatGPTやAIで法律相談する危険性|弁護士が実例で解説する3つの落とし穴

「ChatGPTに聞いたら、私の事例なら300万円請求できると言われました」

そう言って法律事務所を訪れた方に、「実際に請求が見込めるのは、20〜30万円ですよ」と伝えた時の、落胆した表情が今も印象に残っています。

ChatGPTは24時間無料(有料プランもあり)で法律相談できる便利なツールですが、その回答を鵜呑みにすると、期待と現実のギャップに戸惑うことになりかねません。

問題なのは、ChatGPTが「存在しない法律」をあたかも根拠があるかのように提示してしまうことです。

本記事では、10年以上の実務経験を持つ弁護士が、AIで法律相談する際の危険性と、正しい使い分け方を実例付きで解説します。

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目次

ChatGPTで法律相談は可能か?

そもそもChatGPTとは?

ChatGPTとは、OpenAI社が開発した対話型AIのことで、以下の特徴があります(2026年1月現在)。

  • インターネット上の膨大なデータを学習
  • 人間のような自然な対話が可能
  • 質問の回答、文章作成、要約、翻訳などが可能
  • 個人向けは無料版と有料版(月額約1,400円と3,000円と3万円の3プラン)がある
弁護士

法律相談においても、基本的な法律知識や手続きの流れを教えてくれます。

1-2,法律相談に使う人が増えている

最近の法律相談では、相談者が事前にChatGPTで調べてから来所するケースが目立ちます。

「ChatGPTでこう言われたのですが、本当ですか?」
「AIの回答と先生の意見が違うのですが、どちらが正しいですか?」

こうした質問が日常的に寄せられるようになりました。

ChatGPTは手軽に使える便利なツールですが、法律相談で使用する際には注意が必要です。

ChatGPTが得意な法律分野

弁護士もAIに興味があるので、ChatGPTを使うことがあります。

その中で分かった「AIが得意とする分野」について紹介します。

機械的な計算(法定相続人の確認)

ChatGPTは数値計算を伴う法律問題においては強みを発揮します。

相続が発生した際に、誰が相続人になるかの判断は、状況によって複雑になるケースがあります。

例えば、本人が死亡し、離婚した元妻、子供2人、母親1人、妹2人がいる場合、法定相続人は誰でしょうか?と質問を投げかけると、ChatGPTは図解付きで以下のように回答してくれます。

  • 法定相続人:子供2人のみ
  • 離婚した元妻:相続権なし
  • 母親:子供がいるため相続権なし
  • 妹2人:直系尊属(母親)がいるため相続権なし

相続放棄の連鎖についても正確に説明してくれるため、事前の情報整理に役立ちます。

弁護士

ただし、絶対に間違わないという保証はありませんので、その点はご自身でも確認するようにしましょう。

機械的な計算(養育費・婚姻費用の計算)

離婚に伴う養育費や、別居中の婚姻費用の計算も、ChatGPTの得意分野です。

例として、夫の年収650万円、妻の年収250万円、子供2人(14歳未満)の場合はどうなりますか?という質問に対し、ChatGPTは以下のように回答しました。

  • 婚姻費用(別居中):月10万〜12万円
  • 養育費(離婚後):月8万〜10万円

これは、裁判所が公開している算定表に基づいた回答となっており、実際の基準とほぼ一致しています。

※HPリンク 裁判所が公開している養育費・婚姻費用の算定表
平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所

ChatGPTで法律相談する場合の3つの危険性

ここからが最も重要なパートです。

ChatGPTの法律相談には、3つのリスクがあります。

危険性①:専門用語を混同して間違った回答をする

法律用語は似たような言葉が多く、正確に理解しなければ解釈を誤るおそれがあります。

その一例が「婚姻関係の破綻」と「婚姻を継続し難い重大な事由」です。

離婚の法律要件について質問した際、ChatGPTは以下のように回答しました。

質問
「婚姻関係の破綻」とはどういう場合ですか?

ChatGPTの回答
裁判所が破綻していると判断するためには、長期間の別居などの客観的事実が必要です

残念ながら、この回答は間違いです。正しくは、こちらです。

  1. 「婚姻関係の破綻」:夫婦関係が壊れた日を指します。
    (例:別居した日、離婚の申し出がなされた日、離婚調停を申し立てた日、送金が停止された日など)
  2. 「婚姻を継続し難い重大な事由がある」:夫婦関係が壊れた状態が続いて「法律上の離婚事由」になった状態を指します。
    (例:別居の場合は3〜5年の別居で認められることが多いと言われています)
弁護士

この2つは似ているようで全く違う概念です。

なぜこの違いが重要なのでしょうか?

別居後すぐに他の異性と交際した場合は、以下のように判断されます。

  • 婚姻関係が破綻していれば:不貞行為にならない
  • 婚姻関係が破綻していなければ:不貞行為として慰謝料請求される

たとえば、「お試しで別居してみた」という場合、別居4日後に浮気がばれたとします。

この場合ですと、まだお試しの別居にすぎないので、「別居している」という事実だけでは婚姻関係の破綻があるとは認められず、慰謝料支払いが命じられてしまう可能性が高いです。

このように、専門用語の微妙な理解の違いが結論を180度変えてしまうことがあるので注意が必要です。

危険性②:存在しない法律や判例を創作する

ChatGPTは、ありもしない法律や判例を作り上げて回答を出すことがあります。

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ここでは、2つの事例を紹介します。

【架空の法律条文を示す事例】

質問
祖父母が孫の監護権の審判を申し立てられますか?

ChatGPTの回答
実はこれも可能です。家事事件手続法152条には、このように定められています。

実際に家事事件手続法152条を確認すると、そのような内容は一切記載されていませんでした。

そのことを指摘すると、ChatGPTは謝罪してきましたが、このように存在しない法律を自信満々に提示してくる危険性があります。

【架空の判例を提示する事例】

ChatGPTからの回答で「平成25年◯月◯日の判例ではこう書いています」と判例を示されました。

しかし、実際にはその判例は存在しませんでした。

アメリカでは、弁護士がChatGPTの架空判例をそのまま書面に記載して提出し、問題になった事例も報告されています。

危険性③:金額の見積もりが大きく外れる

法律問題の賠償額や請求額について、ChatGPTは現実と乖離した回答をすることがあります。

【著作権侵害の損害賠償額の事例】

質問
週刊誌が企業社長の写真を無断使用した場合の著作権侵害で請求できる金額は?

ChatGPTの回答
300万円請求できます。

こういった事案の実際の相場は20万〜30万円程度で、1/10以下の金額だったのです。

相談者は300万円もらえる!と期待して法律相談に来たため、現実を伝えたときは、がっかりされていました。

弁護士が使うAI「リーガルスケープ」とChatGPTの違い

多くの弁護士はChatGPTで仕事をしていない

法的判断が伴う業務において、ChatGPTを使わないようにしている弁護士は少なくありません。

その理由は、嘘が混ざっている可能性があるものを依頼者に提供できないからです。

弁護士が根拠のない情報を提示することは、決して許されません。

ChatGPTの回答は参考程度にとどめ、最終的には法律書籍や判例データベースで確認する必要があります。

弁護士専用AI「リーガルスケープ」の特徴

現在、弁護士業界で急速に導入が進んでいるのが「リーガルスケープ」という法律専門AIです。

ChatGPTとの主な違いは以下のとおりです。

項目ChatGPTリーガルスケープ
データソースインターネット全般法律書籍4,000冊+裁判例のみ
根拠の明示曖昧書籍名・判例番号を明示
架空の法律作成することがある絶対にない
月額費用無料〜3,000円数万円(法人向け)

リーガルスケープの回答例を紹介します。

質問
財産分与は必ず1/2ずつですか?

リーガルスケープの回答
原則は1/2ずつですが、以下のケースでは割合が変わります。

  • 財産形成への貢献度が大きく異なる場合
  • 離婚後の生活費が激減する配慮が必要な場合
  • 慰謝料的な要素を含める場合

上記回答に加え、実際の判例として「東京高裁平成◯年判決:4対6の分与を認めた事例」も提示してくれました。

弁護士

この判例は実在し、書籍のページも表示されるため、すぐに原文を確認できます。

法律相談でAIを使う際に確認すべきこと

もし相談する弁護士がAIを活用していると言ったら、このように質問してみてください。

「リーガルスケープのような法律専門AIを使っていますか?」

この問いかけで、その弁護士が最新のAI技術にどの程度対応しているか、またどのような情報を元に判断しているかを把握する手がかりとなります。

ChatGPTをはじめとした一般的な生成AIのみを使っている弁護士と、法律専門AIを導入している弁護士では、情報の正確性に差が生じることもあります。

ChatGPTと弁護士相談の正しい使い分け方

ChatGPTを使ってよいケース

以下の場合は、ChatGPTの活用が有効です。

事前の情報整理

  • 法律用語の基本的な意味を調べる
  • 自分の状況を時系列で整理する
  • 相談内容の要点をまとめる

方針の大枠を考える

  • 離婚すべきか悩んでいる
  • 相続放棄するか迷っている
  • 訴訟を起こすべきか判断したい

簡単な計算の参考値

  • 養育費のおおよその金額
  • 相続人が誰になるか
  • 婚姻費用の目安

こうしたChatGPTの回答を踏まえて弁護士に相談すれば、事実関係や論点の説明がしやすくなります。

限られた時間を有効に使えるため、相談がスムーズに進めやすくなるメリットもあります。

必ず弁護士に相談すべきケース

以下のようなケースでは、ChatGPTの回答だけで判断せず、必ず弁護士に相談してください。

法律の微妙な解釈が必要な場合

  • 別居後の交際が不貞行為になるか
  • 相続放棄の期限が迫っている
  • 契約書の有効性を判断したい

金額が大きく関わる場合

  • 損害賠償請求
  • 財産分与
  • 遺産相続

時効や期限が関係する場合

  • 相続放棄(3ヶ月以内)
  • 慰謝料請求(3年以内)
  • 未払い賃金請求(2年または3年)

裁判や調停を考えている場合

ChatGPTは訴訟戦略や具体的な主張立証の方法を正確には教えてくれません。

最終的な判断や具体的な法的対応については、専門家に相談することをおすすめします。

ChatGPTと弁護士の理想的な組み合わせ

ChatGPTの最も効果的な使い方は以下の流れです。

  1. ChatGPTで事前準備(自分で無料で)
    • 状況の整理
    • 基本的な法律知識の確認
    • 疑問点のリストアップ
  2. 弁護士に相談(有料)
    • ChatGPTの回答の正誤確認
    • 細かい事情を踏まえた判断
    • 具体的な対応策の提示
  3. ChatGPTで復習(自分で無料で)
    • 弁護士の説明内容の整理
    • 次回相談の準備

このように、事前整理、専門家による確認、相談後の振り返りという形で使い分けることで、弁護士とのやり取りがスムーズになります。

結果として、不要な手戻りが減り、相談にかかる費用負担を軽減できる点も大きな利点と言えるでしょう。

AI法律相談の未来と弁護士の役割とは?

AIが進化しても弁護士が必要な理由

今後、AIがどれだけ進化しても、弁護士の役割がなくなることはありません。

その大きな理由の一つは、ケースバイケースの判断が必要となるからです。

法律問題は、一見同じように見えても、細かな事実関係の違いによって結論が180度変わることも少なくありません。

たとえば、別居後の交際が不貞行為に該当するかどうかは、別居期間の長さだけで決まるものではありません。

このような微妙な事情の積を重ねて全体像を把握し、法的な意味づけを行う作業は、現時点のAIは正確に判断できません。

個別の事情を丁寧に聞き取り、裁判例や実務の感覚を踏まえて判断を下す点にこそ、弁護士が果たす役割の重要性があります。

また、弁護士の役割は、単に法律知識の内容を説明することだけではありません。

具体的には、以下のような対応が求められます。

  • 相手方との交渉戦略
  • 証拠の収集方法
  • 裁判所への効果的な主張
  • 依頼者の心理的サポート
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こうした状況判断や対人対応を含む業務は、現時点ではAIによる対応ができず、人間にしかできない仕事です。

これからの法律AI事情

AI業界は、急速な進化を続けています。

画像や映像の生成分野では、次のような技術が生まれました。

  • 顔写真1枚から話す動画を生成
  • 風景写真1枚から動画を作成
  • 病気の診断や疾患リスクを予測

また、法律分野でも、以下の進化が予想されます。

  • 法律相談チャットボットの高度化
  • 契約書の自動作成・レビュー
  • 簡単な訴状・準備書面の下書き作成
  • 判例検索の完全自動化

弁護士がAIを使いこなす時代へ

今後5〜10年で、弁護士業界の業務のあり方は、次のように大きく変化していくと考えられます。

  • リーガルスケープのような法律AIを使わない弁護士は、情報収集や業務効率の面で不利になる可能性がある
  • 採用のあり方や人員構成に影響が及ぶ
  • AI活用に積極的な弁護士が競争力を持つ

すなわち、弁護士がどのようにAIを活用しているのかが、専門性や対応力を見極める一つの基準になります。

あなたが泣き寝入りしないために

絶対に許せない。弁護士を立てて訴えてやりたい!
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加入者数30,000件突破!弁護士費用お支払い件数15,000件突破! *1
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*2
  • 離婚・男女トラブル
  • 労働トラブル
  • 近隣トラブル
  • 誹謗中傷トラブル
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私たちの身の回りに潜む身近なこれらのトラブルに遭遇したときの弁護士費用を補償*3

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*1 件数は2025年3月現在  *2  2013年~2024年。単独型弁護士保険として。2023年3月当社調べ。*3 補償額は実費相当額もしくは一部 *4 初期相談‥事案が法律問題かどうかの判断や一般的な法制度上のアドバイス 募集文書番号 M2022営推00409

まとめ:AIは便利だけど最終判断は弁護士に相談しよう

ChatGPTやAIは法律相談のあらゆる場面で使えるわけではありません。

使える場面と使えない場面を明確に区別することが重要です。

AI法律相談で失敗しないためには、ChatGPTの回答を鵜呑みにせず、必ず複数の情報源で確認することが大切です。

条文番号や判例が示されたら自分で検索して実在するか確かめ、金額についてもあくまで目安として扱ってください。

最も効果的な使い方は、ChatGPTで事前に整理してから弁護士に相談し、その後ChatGPTで復習するというサイクルです。

これによって、相談者は法的知識を深められ、弁護士との相談がよりスムーズになります。

ただし、AIはあくまで道具です。

最終的に信頼すべきは、豊富な実務経験と専門知識を持つ弁護士の判断となります。

ChatGPTを上手に活用しながら、適切なタイミングで弁護士に相談することが、法律問題を解決するうえでのベターな方法になるでしょう。

この記事を書いた人
松本隆弁護士

弁護士  松本 隆

神奈川県 弁護士会所属
横浜二幸法律事務所
所在地 神奈川県横浜市中区山下町70土居ビル4階
TEL 045-651-5115

労働紛争・離婚問題を中心に、相続・交通事故などの家事事件から少年の事件を含む刑事事件まで幅広く事件を扱う

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