犬の糞尿被害は警察に通報できる?相談先の使い分けと証拠の集め方を弁護士が解説

「家の前に、毎日のように犬のフンが放置されている」
「駐車場の車に犬の尿をかけられて、においが取れない」
「注意したいけれど、近所の人だから角が立ちそうで言えない」

このように、犬の糞尿被害に悩まされている方は少なくありません。

自分で掃除を続けるうちに「自分が神経質なだけなのだろうか」と考えて我慢してしまい、警察や役所に相談していいものか判断がつかないという方も多くいらっしゃいます。

結論から言うと、犬の糞尿の放置は単なるマナー違反ではありません。

多くの自治体では条例で禁止されており、違反行為にあたる場合があります。

ただし、いきなり警察に相談してもすぐに対応してもらえないケースもあります。

本記事では、犬の糞尿被害への対処法について、適用される法律と罰則、相談先の使い分け、証拠の集め方、飼い主に費用を請求できるケース、そして絶対にやってはいけない対処法まで、弁護士監修のもと、解説していきます。

記事に入る前に・・・

絶対に許せない。弁護士を立てて訴えてやりたい!
だけど費用的に無理・・・という時代は終わりました。
加入者数30,000件突破!弁護士費用お支払い件数15,000件突破! *1
12年連続No.1「弁護士保険ミカタ」
*2
  • 離婚・男女トラブル
  • 労働トラブル
  • 近隣トラブル
  • 誹謗中傷トラブル
  • 相続トラブル

私たちの身の回りに潜む身近なこれらのトラブルに遭遇したときの弁護士費用を補償する保険。

トラブルの初期段階で弁護士に電話で、相談料無料で初期相談ができる「弁護士直通ダイヤル」トラブルを未然に防ぐアイテム「弁護士保険被保険者証」も大変好評です! *3

気になる方はまずは資料請求から!(ご自宅への送付、メールへの送付が選べます)

\ 累計資料請求100,000件突破 /

丸山弁護士

「私、弁護士保険に入ってるんですよ」このひと言は非常に強烈なんです。

*1 件数は2025年3月現在  *2  2013年~2024年。単独型弁護士保険として。2025年3月当社調べ。*3 初期相談‥事案が法律問題かどうかの判断や一般的な法制度上のアドバイス 

目次

犬の糞尿被害は「マナー」ではなく法律で対処できる問題

弁護士

結論から言うと、犬の糞尿を繰り返し放置される被害は「我慢するしかない問題」ではありません。

今まで「嫌だなあ」と思いながら我慢していました!

たとえば千葉県の一宮町は、飼い犬のふんの処理が県の条例で飼い主の責務とされていること、状況によっては軽犯罪法や廃棄物処理法による処罰の対象になりうることを住民向けに明示しています。

ただし、被害に気づいた直後に警察へ駆け込んでも「当事者間で話し合ってください」と言われて終わるケースが少なくありません。

適切に対応してもらうには、順を追って対応する必要があります。

被害を止めるまでの4つの手順

犬の糞尿被害を止める手順は、以下のとおりです。

  1. 記録する(日時・場所・状態を残し、写真に撮る)
  2. 自治体に相談する(環境課や生活衛生課が窓口)
  3. 警察に相談する(常習性と証拠がそろった段階で)
  4. 民事で請求する(金銭で説明できる損害がある場合)

犬の糞尿の放置は、法律上、複数の法令や条例に抵触する可能性はありますが、単発の行為だけで刑罰が科されることはほとんどありません。

そのため、まずは「いつ・どこで・何度行われたか」といった被害の記録を積み上げる必要があります。

記録がないまま警察や行政に相談しても、事実関係を確認できないため、担当者は対応できないのです。

逆に言えば、記録さえ残していれば、その後の対応を進めやすくなります。

すぐに始められるのは記録を残すことです。

この手順を省いてしまうと、解決が遠のいてしまいます。

被害を我慢し続ける必要がない理由

「自分が神経質なだけではないか」と考えて相談をためらう方がいますが、我慢する必要はありません。

その理由は3つあります。

第一に、犬の糞尿被害は、行政が公式に対策を講じている問題です。

たとえば、大阪府の熊取町のように、犬や猫の糞尿被害の相談が多数寄せられていることを自治体自身が公表している例もあります。

第二に、糞尿は法律上「廃棄物」に分類される汚物に該当します。

すなわち、感情の問題ではなく、衛生上の問題にも該当します。

第三に、放置し続ければ、被害は拡大します。

犬は同じ場所で排泄する習性があるため、一度定着した場所は繰り返し行う可能性があります。

被害に気づいたら早めに記録を取り、行動することが、解決への近道です。

犬の糞尿被害で実際に起きている問題

犬の糞尿による被害は、大きく4種類に分かれます。

弁護士

請求できる可能性がある損害の内容は、それぞれ異なります。

被害の種類具体的な内容想定される請求
衛生・健康被害悪臭、ハエの発生、寄生虫や細菌への接触清掃費用、消毒費用、慰謝料
物的損害尿による外壁・門柱のシミ、車体の腐食、植栽の枯れ原状回復費用、修理費用
事故のリスク子どもや高齢者が踏んで転倒する、手で触れる治療費(事故が起きた場合)
営業上の損害店舗入口の悪臭による客足への影響清掃費用、逸失利益

このうち見落とされやすいのが物的損害です。

尿は酸性のため、繰り返しかけられることで金属部分の腐食や外壁の変色を招くこともあるでしょう。

「掃除すれば済む話」と考えて証拠写真を残さずにいると、後から損害について説明できなくなってしまいます。

いつも、もやもやした気持ちを抱えながら掃除していました…。

また、公園など公共の場所では、小さな子どもが誤って触れたり口に入れたりする危険があり、自治体もこの点を注意喚起しています。

糞尿による被害は、単なる美観の問題ではなく、健康被害につながる問題として扱われています。

犬の糞尿の放置に適用されうる法律と罰則

犬の糞尿の放置には複数の法律が関係しますが、条文上「該当しうる」ことと、実際に処罰されることは別の問題です。

罰則の重さだけに注目すると「なぜ警察は動いてくれないのか」と、対応に落胆することになります。

なお、2025年6月1日に施行された改正刑法により、それまでの「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されています。

弁護士

古い記事では「懲役」と表記されていることもありますが、現在の条文表記は拘禁刑です。

廃棄物処理法と軽犯罪法

まず、犬の糞尿は法律上の「廃棄物」にあたります。

廃棄物処理法第2条第1項は、廃棄物を次のように定義しています。

「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの」

定義に「ふん尿」が明記されているため、犬の糞尿は廃棄物に該当します。

同法第16条は何人もみだりに廃棄物を捨ててはならないと定め、違反者には重い罰則が用意されています。

軽犯罪法第1条第27号も、公共の利益に反してみだりに汚物や廃物を捨てた者を拘留または科料に処すると定めています。

ただし、廃棄物処理法では「みだりに」、軽犯罪法では「公共の利益に反してみだりに」といった要件があり、犬の糞尿を一度放置した行為が直ちに刑事処分の対象になるとは限りません。

実際に処罰の対象となるかは、行為の態様、反復性、場所などの具体的事情によって判断されます。

動物愛護管理法と自治体の条例

通常の犬の散歩中の糞尿放置について、実務上まず重要となるのは自治体の条例です。

動物愛護管理法による対応が問題となる場合もありますが、その適用範囲には注意が必要です。

動物愛護管理法25条は、多数の動物の飼養または保管に起因して周辺の生活環境が損なわれている事態について、都道府県知事が必要な措置をとるよう勧告・命令等を行う仕組みを定めています。

そのため、散歩中の犬1頭による糞尿の放置に同条が直ちに適用されるわけではなく、このようなケースでは自治体の条例や個別の事実関係を確認することが重要です。

また、法律よりも自治体の条例のほうが、住民にとってはより身近なルールと言えます。

たとえば神奈川県平塚市は「平塚市さわやかで清潔なまちづくり条例」でふん尿の始末を規定しており、相手の飼い主が特定できている場合は市の環境保全課が対応すると案内しています。

条例の有無や内容、過料の金額は自治体ごとに異なります。

まず自分の住む市区町村の条例を確認してください。

私有地への放置は器物損壊罪になる?

自宅の敷地内に糞を放置された場合に、器物損壊罪が成立するかどうかは断定できません。

器物損壊罪にいう「損壊」は、物理的に壊す場合に限らず、その物の効用を害する場合を含むと解されています。

糞を置かれても容易に洗い流せる状態であれば損壊と評価されにくい一方、尿による外壁の変色や金属部分の腐食など、物の効用を害する程度の状態が生じた場合には、具体的事情によって器物損壊罪が問題となる可能性があります。

ただし、器物損壊罪の成立には、飼い主について物の効用を害することに対する故意が必要です。

単に散歩中の犬が偶然そこで排泄したというだけのケースでは、飼い主の故意を認定することは一般に容易ではありません。

なお、刑事責任の追及が難しくても、次章以降で説明する民事の損害賠償請求ならできる場合があります。

刑事で動かないことと、金銭的な責任を追及できないことは同じではありません。

犬の糞尿被害はどこに通報すればいいのか

実際に自宅前に糞尿が放置されてしまった場合、まずはどこに連絡するのがいいのでしょうか?

弁護士

通報先は、飼い主が特定できているかどうか、被害場所が公道か私有地か、集合住宅かどうかで窓口が異なります。

警察が動くケースと動きにくいケース

警察への相談では、常習性や客観的な証拠がそろっているほど具体的な対応につながりやすくなります。

ただし、嫌がらせ、器物損壊、脅迫などが疑われる場合には、被害が繰り返されるまで待たずに相談して構いません。

動きやすい状況

  • 同一人物が繰り返し放置していることが映像や記録で示せる
  • 自宅敷地内を狙った嫌がらせと評価できる事情がある
  • 条例で罰則が定められている自治体である

動きにくい状況

  • 一度きりの放置で、誰の犬かも分からない
  • 記録がなく、口頭の説明しかない
  • 条例に罰則の定めがない自治体である

警察に相談しても取り合ってもらえなかったという声が多いのは、多くの相談が動きにくい状況にあたるためです。

あなたの被害が軽いから断られたという意味ではありません。

証拠を積み上げてから再度相談すれば、対応が変わることもあります。

市区町村・保健所・管理会社の使い分け

犬の糞尿被害で最初に相談すべき窓口は、市区町村の環境課や生活衛生課です。

各窓口の役割は次のとおりです。

  • 市区町村(環境課・生活衛生課など):
    啓発看板の配布、パトロールの実施、条例にもとづく指導。飼い主が特定できている場合は直接指導してもらえることがある
  • 保健所・動物愛護センター:
    飼育状況に問題がある場合の指導、飼い主向けのしつけ方教室の案内
  • 管理会社・管理組合:
    マンションやアパートの共用部での被害。管理規約にもとづく注意喚起や掲示が可能
  • 警察:
    常習性が明らかで、証拠がそろっている段階

神奈川県茅ケ崎市のように、被害に困っている住民へ黄色いチョークを窓口で配布したり、自治会と協力してマナー啓発パトロールを実施したりしている自治体もあります。

通報時に伝えるべき情報と匿名相談

対応してもらえるかどうかは、伝える情報の具体性で大きく変わります。

たとえば、平塚市では、飼い主への対応には住所や名前など対象を特定できる情報が必要であり、加えて犬の種類・毛色・頭数といった情報があると対応しやすくなると案内しています。

相談前には、以下の内容を整理しておきましょう。

  • 被害の日時(できるだけ複数回分)
  • 被害の場所(自宅前の道路上か、敷地内か)
  • 犬の特徴(犬種、大きさ、毛色、頭数)
  • 飼い主の特徴(性別、年代、時間帯、通るルート)
  • 写真や映像の有無

なお、匿名で相談できるかは自治体によって異なります。

相談者名を伏せたままでも、地域全体への啓発活動として対応してもらえる場合もあります。

近所付き合いへの影響が心配なときは、相談の冒頭でその旨を伝えてください。

飼い主が特定できないときの証拠の集め方

家を空けている時間が長くて、相手が特定できません…。

弁護士

飼い主が分からない段階でも、できることはあります。

むしろこの段階に動く方が、より迅速に解決できる場合もあります。

イエローチョーク作戦と被害記録表

飼い主が特定できないときに自治体が推奨しているのが「イエローチョーク作戦」です。

これは、路上に放置された糞の周囲を黄色いチョークで囲み、発見した日時を書き込むことで、困っている人がいることを飼い主に伝える方法です。

糞は片づけずに残しておく点が特徴で、放置されている事実を目立たせることが目的です。

大阪市では試行実施の結果、糞が少なくなった場所があり、一定の効果が確認できたと報告されています。

実施する際は、通行の妨げにならないよう注意してください。

あわせて、以下の内容をメモした被害記録表をつけます。

  • 発見した日付と時刻
  • 場所(できるだけ具体的に。自宅門柱の右側、など)
  • 状態(量、乾き具合、におい)
  • 撮影した写真の番号
  • その日の対応(清掃した、チョークで囲んだ)

こうした記録が、行政や警察への相談、民事請求などを進める際の、重要な資料となります。

防犯カメラと写真撮影

防犯カメラによる映像は、強い証拠になりますが、設置には配慮が必要です。

カメラの撮影範囲は、自宅の敷地とその前面道路の必要最小限にとどめてください。

近隣住宅の玄関や窓、室内が継続的に映り込む向きに設置すると、相手方からプライバシー侵害を主張され、こちらが不利な立場に置かれることがあります。

撮影していることを示す表示を出しておくと、抑止効果と適法性の両面で有利です。

写真の撮り方にもコツがあります。

  • 日付と時刻が記録される設定にしておく
  • 接写だけでなく、周辺の景色が入る引きの構図も撮る
  • 同じ場所を毎回同じ角度から撮る

引きの構図が必要なのは、被害場所が自宅前であることを客観的に示すためです。

糞だけを接写した写真は、どこで撮ったものか説明できません。

犬の糞尿被害でやってはいけない対策

ずっと被害を受けているので、復讐したいです!

弁護士

被害が続くと報復したくなりますが、私的制裁は避けるべきです。

加害者だったはずの相手が被害者に変わり、こちらが刑事責任を問われる立場になってしまいます。

やってしまいがちな行為問われうる責任
毒物や有害な薬剤をまく動物愛護管理法違反等の可能性
刺激の強い薬剤を排泄場所に散布する同上(犬に危害が及べば同様)
飼い主の顔写真や氏名を貼り出す名誉毀損・プライバシー侵害等の可能性
拾った糞を相手の家の前に置く廃棄物処理法違反、軽犯罪法違反
電柱や他人の壁に警告文を貼る軽犯罪法違反、屋外広告物条例違反

毒物や薬剤をまく行為

犬に害を及ぼす目的で毒物や薬剤をまく行為は、自宅の敷地内であっても犯罪となる可能性があります。

動物愛護管理法は、愛護動物をみだりに殺し、または傷つけた者に刑罰を定めており、犬は愛護動物に含まれます。

犬に危害を加える目的で毒物等を置き、実際に犬を死亡させたり負傷させたりした場合などには、同法違反が成立する可能性があります。

インターネット上には塩素系洗剤などを使う方法を紹介する情報もありますが、犬が舐めて体調を崩せば同じ問題が生じます。

動物に危害が及ぶ性質のものは、市販品であっても使わないでください。

飼い主を晒す、フンを返すなどの報復行為

飼い主の写真や氏名を貼り出す行為は、内容や掲示方法によっては名誉毀損罪が成立する可能性があるほか、肖像権・プライバシーをめぐる民事上の問題が生じることもあります。

事実が真実であっても直ちに適法になるわけではありませんので、個人を特定して晒す方法は避けるべきです。

拾った糞を相手の家の前に置く行為も避けてください。

これはあなた自身が廃棄物をみだりに捨てる行為となり、相手と同じ違反を犯すことになります。

しかも、あなたには「故意に相手の家を狙った」という事情が加わるため、悪質性は相手よりも高く評価されるおそれがあります。

電柱や他人の塀への貼り紙も同様です。

警告文を出す場合は、自宅の敷地内に限ってください。

私的制裁が民事で不利になる理由

報復行為は、刑事責任だけでなく民事上も不利に働きます。

報復行為それ自体が別個の不法行為や犯罪となり、相手から反対に損害賠償を請求される可能性があります。

また、紛争拡大後に生じた損害については、因果関係などの判断に影響することもあります。

報復した時点で、あなたは「被害者」という立場だけではなくなってしまいます。

行政も警察も、どちらか一方が明確に被害者である事案のほうが対応しやすい傾向があります。

こちらに落ち度がない状態を保つことが、早期解決につながるでしょう。

法的に問題のない自衛策と効果

猫除けを敷いたり、看板を出していても、あまり効果が無いように思います…。

弁護士

自衛策は被害を減らす助けになりますが、決定打にはなりません。

効果を過大に期待せず、記録と行政相談を並行して進めてください。

忌避剤や100均グッズなどの効果とは

市販の忌避剤や超音波式の犬よけ機は、一定の効果が期待できるものの、確実に被害を防止できるものではありません。

犬によって嫌がるにおいが異なり、また同じ刺激に慣れてしまう個体もいるためです。

コーヒーかすや100円ショップのグッズについては、体験談として効果を語る情報は多いものの、公的機関による効果の裏づけは見当たりません。

費用が安いので試す価値はありますが、これで確実に解決できるわけではありません。

ほかにも砂利を敷く、水を撒く、プランターを置くといった物理的対策も同じ位置づけです。

排泄場所を移動させる効果はあっても、被害そのものをなくすものではありません。

看板の文面と設置場所

糞尿禁止の看板は、書き方と設置場所の両方で効果が変わります。

設置場所は自宅の敷地内に限ってください。

道路上に立て看板を設置することは原則として認められず、電柱や他人の壁への掲示も違反になります。

文面は、単に「禁止」と書くだけでは効果が薄くなります。

次の要素を入れると抑止力が上がります。

  • 条例違反にあたる行為であることを明示する
  • 監視カメラを設置している旨を記載する(実際に設置している場合)
  • 地域名や自治体名を入れて、地域ぐるみの取り組みであることを示す

なお、自治体によっては啓発看板を無料で配布しています。

まず市区町村の窓口に問い合わせてみてください。

自作の看板より、自治体名の入った看板のほうが抑止効果は高くなります。

飼い主に清掃費用や慰謝料を請求できるのか

弁護士

飼い主に清掃費用や慰謝料を請求できる可能性はありますが、実際には簡単なことではありません。

どのように請求を進めていくのが良いでしょうか?

あらかじめポイントを理解しておけば、判断を誤らずにすむでしょう。

請求できる損害の範囲と金額感

飼い主に対しては、民法709条の一般不法行為責任に加え、犬という動物が他人に損害を与えた場合には、民法718条の動物占有者等の責任が問題となることがあります。

具体的な責任の有無は、飼い主の管理状況や被害の態様などを踏まえて判断されます。

請求の対象になりうる損害は次のとおりです。

  • 清掃や消毒にかかった実費
  • 変色や腐食の原状回復費用
  • 被害に伴う精神的苦痛に対する慰謝料

問題は金額です。

糞尿被害について慰謝料が認められるか、また認められる場合の金額は、被害の頻度・期間・程度、悪臭等の状況、相手方への申入れ後の経緯など、個別の事情によって大きく異なります。

判断の基準になるのは、被害の程度が社会生活上の受忍限度(社会生活上、ある程度までは我慢すべきと法律上判断される限界のこと)を超えているかどうかです。

具体的には、頻度・期間・においの程度・注意しても改善されなかった経緯が重要になります。

内容証明・民事調停・少額訴訟

請求の方法は3つあり、被害額と相手の態度で選び分けます。

手段費用の目安期間向いているケース
内容証明郵便数千円(弁護士に依頼すれば別途費用)数日まず正式に警告し、心理的圧力をかけたい
民事調停数千円程度の申立費用1か月から数か月関係を壊さず話し合いで解決したい
少額訴訟訴額に応じた印紙代原則1回の期日で終結60万円以下の金銭請求で、証拠がそろっている

内容証明郵便による正式な警告で被害が改善することもありますが、必ず解決するわけではありません。

訴訟まで進めるかどうかは、損害を具体的な金額で示せるか、相手方が任意の対応に応じるかなどを踏まえて判断することになります。

弁護士に依頼する判断基準

犬の糞尿被害で弁護士に依頼する場合、請求できる金額より弁護士費用のほうが高くなる、いわゆる費用倒れが起きやすい点に注意してください。

弁護士に依頼する判断の目安は次のとおりです。

  • 請求額が10万円前後にとどまり、被害が止まればよい場合は、行政相談と内容証明で足りることが多い
  • 物的損害が明確で、修理費が数十万円規模になる場合は、弁護士への相談を検討する価値がある
  • 相手が逆上して別のトラブルに発展している場合は、金額にかかわらず早めに専門家を入れる

金銭の回収ではなく「被害を止めること」が目的であれば、訴訟は必ずしも最適な手段ではありません。

まずは、何を目的にするのかを先に決めることが重要です。

犬の糞尿被害についてよくある質問

犬が他人の敷地にフンをしてしまったら、飼い主はどうすべきですか

その場で完全に回収し、可能であれば土地の所有者に一言声をかける

糞は袋に入れて持ち帰り、自治体のルールに従って処分します。

尿の場合は、水で洗い流すか、ペットシートに吸収させるとよいでしょう。

何もせずに立ち去れば、条例違反として指導の対象になりうるほか、後日カメラ映像から特定されて損害賠償を求められる可能性もあります。

野良犬や野生動物の可能性があるときはどうすればいいですか

飼い犬の場合と対応が変わる点に注意

タヌキ、ハクビシン、イタチ、野良猫などの可能性もあるため、まず糞の大きさや形状、発見される時間帯を記録してください。

飼い主のいない動物が原因であれば、飼い主への注意では解決しません。

この場合は忌避剤や物理的対策が中心になり、自治体の担当課も鳥獣対策の窓口に変わることがあります。

賃貸マンションの共用部での被害は誰に相談しますか

管理会社または管理組合が最初の窓口となる

共用部の管理責任は管理者側にあり、掲示や全戸への注意喚起、防犯カメラの設置検討といった対応を求められます。

個人で犯人捜しをすると住民間のトラブルに発展しやすいため、まず管理者に記録を渡して対応を依頼しましょう。

それでも改善しなければ、自治体や警察への相談へ進みます。

弁護士に相談するタイミングはいつですか

継続して被害がある場合には検討すべき

行政に相談しても改善せず、被害が数か月以上続いている場合は、弁護士への相談を検討する一つの目安となります。

その際は、飼い主を特定できている、記録や写真がそろっている、実費として説明できる損害があることが重要です。

これらの条件がそろえば、より具体的なアドバイスを受けやすくなるでしょう。

逆に、記録が何もない状態で相談しても、取れる手段は限られます。

相談前に記録を整えておくことが、問題をスムーズに解決するポイントとなります。

あなたが泣き寝入りしないために

絶対に許せない。弁護士を立てて訴えてやりたい!
だけど費用的に無理・・・という時代は終わりました。
加入者数30,000件突破!弁護士費用お支払い件数15,000件突破! *1
12年連続No.1「弁護士保険ミカタ」
*2
  • 離婚・男女トラブル
  • 労働トラブル
  • 近隣トラブル
  • 誹謗中傷トラブル
  • 相続トラブル

私たちの身の回りに潜む身近なこれらのトラブルに遭遇したときの弁護士費用を補償*3

トラブルの初期段階で弁護士に電話で、相談料無料で初期相談ができる「弁護士直通ダイヤル」トラブルを未然に防ぐアイテム「弁護士保険証」も大変好評です! *4

気になる方はまずは資料請求から!(ご自宅への送付、メールへの送付が選べます)

\ 累計資料請求100,000件突破 /

丸山弁護士

「私、弁護士保険に入ってるんですよ」このひと言は非常に強烈なんです。

*1 件数は2025年3月現在  *2  2013年~2024年。単独型弁護士保険として。2023年3月当社調べ。*3 補償額は実費相当額もしくは一部 *4 初期相談‥事案が法律問題かどうかの判断や一般的な法制度上のアドバイス 募集文書番号 M2022営推00409

まとめ

犬の糞尿被害は、感情の問題ではなく法的に対処できる問題です。

近隣トラブルは、請求できる金額より解決にかかる費用のほうが上回るケースも少なくありません。

今回の被害については、まず自治体の相談窓口や弁護士の初回無料相談を利用し、今後の対応方針を確認するとよいでしょう。

こうしたトラブルは、長期化したり再発したりすることも考えられます。

将来に備える方法の一つとして、弁護士費用保険を検討しておけば、費用面の心配を軽減できます。

弁護士

足立高志 弁護士

大本総合法律事務所
〒100-0004
東京都千代田区大手町1-1-1
大手町パークビルディング8階
tel 03-5224-4555
fax 03-5224-4556
mail adachi@omoto.top

【経歴】
中央大学法学部卒
2007年弁護士登録

中小企業から個人の方まで幅広く対応しております。過去は変えられませんが、より良い未来となるよう、手助けができればと思っています。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2019年よりミカタ少額短期保険(株)が運営する法律メディアサイトです!

日常生活で困ったこと・疑問に思ったこと等、

法律に関するトラブル解決方法やお役立ち情報を、

弁護士監修のもと発信しています♪

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
目次