「取引先から送られてきた契約書に、このまま署名しても大丈夫?」
「契約書に、自社にとって不利な条件が入っていないか不安」
「契約書の専門用語が分からず、リスクを見落としているかもしれない.」
このように、契約書の内容に不安を感じながらも、どう確認すればよいか分からず悩んでいませんか?
契約書のチェックを怠ると、法令違反や予期せぬ損害賠償、取引トラブルに発展するリスクがあります。
契約書におけるリーガルチェックとは、契約内容を法的な観点から精査し、自社にとって不利な条項や法令違反がないかを確認することを指します。
社内の法務部門や外部の弁護士が担当し、最近ではAIツールによる効率化も進んでいますが、最終的な判断は専門家による確認が不可欠です。
本記事では、リーガルチェックの具体的な流れ、社内と弁護士依頼それぞれのメリットや費用相場について紹介しています。
そのほかにも、確認すべきポイントやAIツールの活用方法など、実務で役立つ情報を弁護士監修のもと、詳しく解説していきますので、最後までご覧ください。
「弁護士に相談なんて大げさな・・・」という時代は終わりました!
経営者・個人事業主の方へ
社内でリーガルチェックを行う場合の流れ

法務部門が社内でリーガルチェックを実施する際は、依頼の受付から契約締結までの一連の流れを体系化することが重要です。

一般的にはどのような流れになるのでしょうか?
弁護士ここでは、リーガルチェックを行う流れを5つの手順に分けて解説します。
依頼を受け付ける
まず、営業部門や製造部門など、各担当部署からリーガルチェックの依頼を受けます。
業務を効率化するために、受付窓口は一本化することが望ましいでしょう。
窓口が複数あると依頼の抜け漏れや重複が発生しやすく、対応の優先順位もあいまいになりがちです。
受付時には、取引の目的や背景、懸念事項などを事前にヒアリングしましょう。
専用の依頼フォームやデータベースを用意し、必要情報を漏れなく記入してもらう仕組みを作っておけば、後の確認作業がスムーズです。
依頼を受けた後は、案件の性質や緊急度、過去の取扱実績などを考慮し、適任の法務担当者に割り当てます。
契約書の全体像を理解する
法務担当者は契約書全体に目を通し、要点を捉えつつ内容を理解します。
特にチェックしておきたいポイントは、以下のとおりです。
- 契約に基づく取引内容
- 価格・納期・業務範囲など取引の重要要素が記載された条項
- 当事者の権利義務に関する条項
- 契約期間や損害賠償等の一般条項
過去に同じ取引先と契約を結んでいる場合は、関連契約の内容もあわせて確認し、今回の契約との矛盾や相違点がないかを把握しておきましょう。
この段階で契約の全体像をしっかり理解しておくことで、次の「修正点の洗い出し」がしやすくなります。
修正点・リスクを洗い出す
契約内容を把握したら、法令や商慣習に照らし、修正が必要な箇所を特定しましょう。
特に以下のポイントをしっかりと押さえておきます。
- 強行法規違反の有無
- 自社にとって不利益な条項の存在
- 自社のひな形
- 過去の類似契約と異なる内容
相手方が追加した条項は念入りにチェックし、不合理な点があれば修正を求める必要があります。
また、誤字脱字や条文番号のズレといった形式的な不備も見落とさないようにしてください。
修正が必要な箇所には変更履歴機能を使ってコメントを残し、「なぜその修正が必要なのか」の理由も明記します。
相手方の反発が想定されそうな修正については、特に丁寧な説明を心がけましょう。
担当部署へコメント・説明を返す
修正コメントを付したら、契約書ファイルを担当部署へ返却します。
担当部署は必ずしも法律の専門知識を持っているわけではありません。
そのため、修正理由をつけて、分かりやすく補足説明することが大切です。
実際に相手方と交渉するのは担当部署なので、どのような言葉で修正を依頼すべきか、具体的な提案も添えると親切です。
相手方向けのコメントと社内確認用のコメントの両方を用意しておくことで、やり取りがスムーズになります。
相手方へ返送する前に、社内で認識の違いがないかを最終確認し、意図しない内容で送付してしまうことがないよう十分注意しましょう。
相手方と交渉・締結・保管する
担当部署は法務からのフィードバックを踏まえて、相手方に修正案を提示します。
相手方が修正を受け入れる場合もあれば、拒否する場合もあると心得ておきましょう。
万が一拒否された場合は、引き続き修正を求めるべきか社内で再検討します。
契約書の内容が固まるまで、ファイル上のコメントで相手方とやり取りを重ね、必要に応じて対面や電話での直接交渉も行います。
双方が合意に至ったら最終版を作成し、署名捺印または記名押印、電子署名などの方法で契約の締結が完了です。
締結後の契約書は、法律で定められた保存期間や社内規程に従って適切に保管し、必要な時にすぐ取り出せるよう整理しておくことが大切です。
弁護士にリーガルチェックを依頼する場合の流れ

社内での対応が難しい契約や専門性の高い案件では、外部の弁護士にリーガルチェックを依頼することをおすすめします。

社外の弁護士に依頼する際には、どのような点に注意すべきでしょうか?
弁護士ここでは、弁護士に依頼する際の具体的な手順を解説します。
契約書と申し送り事項を整理する
弁護士にリーガルチェックを依頼する前に、まずは自社で契約書の内容を確認しましょう。
弁護士は社内事情に必ずしも精通していないため、丸投げしてしまうと状況に合わせたアドバイスが受けられないこともあります。
依頼時には、契約書本体に加えて、次の情報を添えて提出することが望ましいです。
- 取引の背景や目的
- 想定している取引内容
- 会社としての現状の意向
- 懸念点などをまとめたもの
- 資本金や従業員数、事業内容といった会社の基本情報
こうした情報は、適用される法規制に影響を与えることもあり、正確に伝えることが大切です。
内容を整理し、わかりやすい資料にまとめておくと、弁護士とのやり取りがスムーズに進められます。
弁護士に依頼する
準備が整ったら、弁護士へメールなどで正式に依頼します。
顧問弁護士がいる場合は顧問契約の枠内で対応してもらえることもありますが、個別の案件ごとに費用が発生するパターンが一般的です。
依頼前には必ず見積もりを確認し、費用や対応期間について合意してから進めましょう。
急ぎの案件の場合は、追加料金がかかり、通常よりも高額になることがあります。
また、初めて依頼する弁護士の場合は、企業法務の経験や専門分野を確認しておくことも大切です。
契約書の種類や業界によって必要な知識が異なるため、自社の事業に詳しい弁護士を選ぶと、より具体的なアドバイスを受けられます。
フィードバックを受ける
弁護士は契約書を精査し、法的な問題点や改善すべき箇所について、コメントや修正案を付して返送します。
このとき、弁護士の指摘内容をそのまま受け入れるのではなく、社内事情や取引実態に照らして確認することが重要です。
弁護士は法的な観点からリスクを指摘してくれますが、業界の商慣習や取引の実情については熟知しているとは限りません。
そのため、「法的にはリスクがある」と指摘された内容でも、業界では一般的な取引条件であれば問題がない場合もあります。
コメントの趣旨がわからない場合は遠慮なく質問し、疑問点を解消してから次の手順に進みましょう。
契約内容の修正・再交渉する
弁護士からのフィードバックを踏まえて、契約書の修正案を作成します。
弁護士のコメントをそのまま残すのではなく、会社としての公式見解の形に調整してから相手方へ送付することが望ましいでしょう。
修正案を提示する際は、変更が必要な理由を丁寧に説明することで、相手方の理解を得やすくなります。
相手方が修正を受け入れない場合は、代替案を提示するか、どこまで譲歩できるかを社内で検討します。
交渉が難航する場合は、弁護士に同席してもらったり、交渉の進め方についてアドバイスを求めたりすることも有効です。
最終確認・契約締結する
双方の合意が得られたら、契約締結前に弁護士へ最終版の確認を依頼することをおすすめします。
交渉の過程で新たな条項が追加されていたり、意図しない修正が加わっていたりする可能性があるためです。
弁護士の最終確認で特に問題がなければ、契約を締結します。
締結後の契約書は、社内規程に従って保管し、必要な時にはすぐ取り出せる状態にしておきましょう。
また、契約の履行状況を定期的に確認し、問題が生じた場合は早期に弁護士に相談することで、トラブルの拡大を防げます。
顧問契約とスポット依頼の違い
弁護士への依頼方法には、「顧問契約」と「スポット依頼」の2種類があります。
顧問契約は月額の顧問料を支払うことで、契約書チェックを含む日常的な法律相談を優先的かつ割安に受けられる仕組みです。
顧問契約は、取引頻度が高い企業やスタートアップにおすすめです。
一方、スポット依頼は案件ごとに費用を支払う方法のことで、年に数回程度しか契約書を扱わない企業に向いています。
ただし、スポットでは案件ごとに都度見積もりが必要となるため、顧問契約と比べると、緊急時の対応や継続的な相談には迅速に応じにくい面があります。
自社の取引規模や頻度を踏まえたうえで、最適な依頼方法を選びましょう。

リーガルチェックの確認ポイント

契約書のリーガルチェックでは、法的リスクに関わる「内容面」と、書類としての正確性を確保する「形式面」の両方を確認する必要があります。

内容面はもちろんですが、体裁が整っていないと信頼性が薄れてしまいますね。
弁護士ここでは、具体的なチェックポイントについて解説します。
内容面のチェックリスト
内容面では、権利義務関係に問題がないかを確認しましょう。
まず契約類型ごとに重要な条項をチェックします。
業務委託契約であれば、業務内容や報酬、売買契約であれば目的物・代金・契約不適合責任といった事項です。
次に、自社のひな形や過去に締結した類似契約と異なる条項がないかを確認します。
相手方が追加した条項には、特に注意が必要です。
自社にとって不利益な内容や法令上不適切な内容が含まれている可能性が高いためです。
また、損害賠償の範囲や契約期間、解除条件や秘密保持義務の範囲など、トラブル時に影響が大きい条項については、過度に不利な内容になっていないか、慎重に検討します。
【内容面の主なチェック項目】
| チェック項目 | 確認内容 |
| 契約類型ごとの重要条項 | 業務内容、報酬、納期、目的物、責任範囲など |
| ひな形・過去契約との相違 | 自社基準から外れた条項の有無 |
| 相手方追加条項 | 不利益条項や法令違反の可能性 |
| リスクの高い条項 | 損害賠償、解除、秘密保持など |
形式面のチェックリスト
形式面では、契約書が法的文書としての体裁を整えているかを確認します。
まず契約書のタイトルが内容を正確に表しているか、契約当事者の名称・住所・代表者名に誤りがないか、契約締結日が正しいかをチェックします。
誤字脱字や表記ゆれ、条文番号の修正によって生じた条ズレがないかも確認しておきましょう。
また、契約書が印紙税の課税文書に該当する場合は、所定額の収入印紙が貼付されているかも確認します。
署名捺印・記名押印・サインなど、契約の成立方法についても当事者間で合意した方法が適切に実行されているか、確認が必要です。
形式的不備は契約の効力に直接影響しないことも多いですが、相手方からの信頼を損なう原因となります。
【形式面の主なチェック項目】
| チェック項目 | 確認内容 |
| 基本情報 | タイトル、当事者名、住所、代表者名、日付 |
| 文書の正確性 | 誤字脱字、表記ゆれ、条文番号のズレ |
| 税務関連 | 印紙税の課税文書該当性、収入印紙の貼付 |
| 契約成立方法 | 署名捺印、記名押印、電子署名の適切な実施 |
AIを使ったリーガルチェック


近年では、AI技術を活用した契約書チェックツールなども登場して、法務業務の効率化が期待されていますよね。
弁護士AIの活用には法的な制約や限界があるため、正しく理解したうえで導入を検討しましょう。
AIはあくまで補助的ツール
AI契約書チェックツールは、大量の契約書データから条項の有無やリスクのある文言を検出する点で優れています。
しかし、契約の背景事情や個別の取引の目的に応じた判断まではできません。
たとえば、ある条項が「法的にはリスクがある」とAIが指摘しても、業界の商慣習では一般的な条件であれば問題ない場合があります。
また、AIが見落としたリスク条項によってトラブルが発生した場合、その責任は最終的には契約当事者が負います。
AIにリーガルチェックを「代行」させることはできても、「責任を委譲」することはできません。
そのため、必ず人間が最終判断を行う必要があります。
AIは一次チェックや作業時間の短縮には有効ですが、重要契約や複雑な条項については法務部門や弁護士による確認が必須です。
AIと弁護士法との関係
弁護士以外の者が報酬を得る目的で法律事務を行うことは、弁護士法第72条で禁止されています。
AI契約書チェックサービスがこの規制に抵触しないかが議論されてきましたが、法務省は2023年8月にガイドラインを公表。
最終判断は個別具体的な事情によりますが、一定の条件下では弁護士法に抵触しないという見解を示しました。
たとえば、AIツールが自動で条項の有無やリスクを指摘しても、個別の法律判断や助言を提供しない限り、通常は弁護士法違反にはならないとされています。
ただし、法的助言を伴う場合は、弁護士監修のツールやサービスを選ぶことが望ましいでしょう。
企業は、AIの機能範囲を正しく理解し、弁護士法に抵触しない形で活用することが重要です。
代表的なAIリーガルチェックツール
国内では複数のAI契約書チェックツールが提供されており、それぞれ特徴が異なります。
「Legal Force」は国内大手企業や法律事務所で多く導入されているツールです。
契約類型ごとに構築されたチェック基準によって、条項の過不足やリスクのある文言を自動で指摘します。
Word連携機能も備えており、法務の専門性が高い企業に向いています。
「GVA assist」は中小企業や非法務部門でも使いやすいUIが特長です。
自社の契約書とクラウドのひな形データベースを比較しながら、レビューできます。
修正例や解説も表示されるため、法務専任者がいない企業でも活用しやすいツールです。
「LeCHECK」は多言語に対応しており、特に英文契約のチェックに強みがあります。
AIが英文契約の定型表現や判例をベースとしたリスクの高いワードを検出し、グローバルな契約の確認作業をサポートします。
【主要AIツールの特徴比較】
| ツール名 | 主な特徴 | 適した企業 |
| LegalForce | 契約類型別チェック基準、Word連携、業界特化雛形 | 大手企業、法務専門性高い組織 |
| GVA assist | 初心者向けUI、修正例・解説表示、ひな形DB | 中小企業、法務専任者不在の組織 |
| LeCHECK | 多言語対応、英文契約特化、判例ベース検出 | 海外取引多い企業、外資系企業 |
【業種別】リーガルチェックの注意点

弁護士契約書のリーガルチェックでは、業種特有のリスクや商慣習を踏まえて確認すべきです。

業界によって注意すべき点が異なるため、よく確認したうえで契約書を作成したほうがいいですね。
ここでは、代表的な4つの業種のチェックポイントを解説します。
IT・システム開発
IT業界では、システム開発やソフトウェア提供における契約が多く、成果物の範囲と納品基準を明確に定める必要があります。
成果物に何が含まれるのか(ソースコード、ドキュメント、テストデータなど)を契約書内で具体的に定義しないと、納品後のトラブルに発展するリスクがあるためです。
また、知的財産権の帰属は特に重要な項目で、成果物の著作権が開発側に残るのか発注側に移転するのかを明確にする必要があります。
再利用可能なプログラムやライブラリについては、ライセンス条件を含めて慎重に検討すべきでしょう。
ほかにも、システムの瑕疵や不具合が発見された場合の保証期間、修補義務の範囲、損害賠償の上限なども明記しておきます。
建設・不動産
建設契約や工事請負契約で特に重視されるのは、工期の遵守と品質保証についてです。
この場合、工期の遅延に対する違約金や損害賠償責任の有無を明記し、不可抗力による遅延(天災、資材不足、感染症の流行など)についても条項を設けることをおすすめします。
また、完成後に瑕疵や契約不適合が判明した場合の補修義務、補償内容、期間の定めがないと、トラブルになりやすいため、詳細に取り決めておきましょう。
建設業法では契約書に必ず記載すべき事項が定められているため、法令遵守の確認も欠かせません。
なお、下請法が適用される取引では、支払条件や契約内容の書面交付義務についても注意が必要です。
小売・流通
商品売買契約や販売代理契約では、返品条件や在庫処分のルールを明記することが重要です。
特に委託販売や買取販売においては、売れ残った商品の返品可否や在庫の引き取り義務が不明確な場合、損失リスクの押し付け合いとなる可能性があります。
不良品、期限切れなどの返品が認められる条件や返品時の費用負担、返品期限などを具体的に定めておきましょう。
また、販売目標が未達成だった場合のペナルティの有無や対応方法についても、双方が納得できる形で明確に規定しておくべきです。
さらに、商品の所有権移転時期や危険負担の移転時期も、配送トラブルに備えて明記しておきます。
医療・ヘルスケア
医療機関や製薬・サプリメント関連事業では、個人情報(特に要配慮個人情報)を取り扱うため、個人情報保護法や医療関連法規に適合した契約条項の整備が欠かせません。
個人情報の取得、利用、第三者提供、保管、廃棄といった各段階における取り決めを明確にし、万が一、情報が漏洩した際の責任の所在や対応手順についても定めておく必要があります。
また、医薬品・医療機器に関する広告には厳格な規制があり、誇大広告や未承認の効能を記載した場合には、課徴金の対象となるほか刑事罰の対象になるリスクがあります。
内容によっては契約自体が無効となることもあるため、広告や販促に関する表現・責任分担については契約で明確に定めることが重要です。
医療データの取り扱いについては、匿名加工情報や仮名加工情報の要件を満たしているかどうかも、確認しましょう。
【業種別の重点チェックポイント】
| 業種 | 重点チェック項目 | 主なリスク |
| IT・システム開発 | 成果物の定義、知的財産権の帰属、ライセンス条件 | 納品トラブル、著作権紛争 |
| 建設・不動産 | 工期・遅延時の対応、契約不適合責任、建設業法遵守 | 工期遅延、品質問題、法令違反 |
| 小売・流通 | 返品条件、在庫リスク、販売目標未達時の扱い | 在庫負担、損失の押し付け合い |
| 医療・ヘルスケア | 個人情報保護、広告規制、医療データの取扱い | 情報漏洩、誇大広告、法令違反 |
リーガルチェックは必要なのか?重要な理由について解説


ここまでリーガルチェックの内容についてご説明いただきましたが、そもそもリーガルチェックは絶対必要なのでしょうか?
弁護士特別な理由がない限り、リーガルチェックは行うべきです。
契約書におけるリスクを見逃すと、企業は法的トラブルや予想外の損害を被る可能性があります。
法令違反を防ぐ
契約は当事者間の合意で成立しますが、法律には「強行規定」と「任意規定」があり、強行規定に反する条項は無効とされます。
たとえば、建設業法などの業法では、契約書に記載を義務づけられている項目があり、これを見落とすと法令違反に問われる可能性があります。
リーガルチェックを行うことで、専門的な視点でこうした法令との整合性を確認し、行政からの指導や罰則のリスクを未然に防ぐことが可能です。
不利な契約条件を見逃さないため
相手方が作成した契約書には、自社にとって不利な条項が含まれている可能性があります。
- 損害賠償の上限が定められていない
- 一方的な解約権が相手方にのみ認められている
- 過度な秘密保持義務が課されている
特に、取引上の立場に差がある場合は、相手方に有利な内容が一方的に盛り込まれやすくなりがちです。
民法の任意規定と比較して不当に不利益な内容になっていないか、業界の標準的な取引慣行から大きく外れていないかなどをチェックすることができます。
トラブル・損害発生時のリスクを軽減できる
契約書は、トラブルが発生した際の「紛争解決マニュアル」にもなります。
トラブルを想定した条項が不十分だと、問題が起きた時に適切な対応ができず、損害が広がるリスクもあるのです。
たとえば、システム開発契約を例に挙げると、納期遅延が起きた際に対応手順が契約書に明記されていなければ、損害賠償の範囲や責任の所在をめぐって紛争が長期化することも考えられます。
リーガルチェックを実施することで、想定されるトラブルシナリオを事前に洗い出し、契約不適合時の修補請求期間、不可抗力による免責条件、紛争解決の方法などを定められます。
実務を反映した契約内容にできる
契約書は、法的なリスクの回避だけでなく、実際のビジネスをスムーズに進めるツールでもあります。
取引の実態とかけ離れた契約内容であれば、現場に混乱を招き、関係者間で認識のズレが生じる原因となります。
たとえば、業務委託契約において業務範囲があいまいだと、追加費用や対応範囲をめぐってトラブルになることも考えられるでしょう。
リーガルチェックでは、取引の目的や背景を十分にヒアリングするため、現場が実際に使いやすい契約書になっているかどうかも確認できます。
弁護士当事者の意向をしっかりと文章化し、リーガルチェックを行うことで、お互いに共通認識を持ってビジネスを進められるでしょう。
よくある質問(FAQ)

リーガルチェックに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
まとめ
リーガルチェックは単なる法的リスクの回避手段ではなく、企業の利益を最大化し、ビジネスを円滑に進めるために欠かせないものです。
適切にチェックされた契約書は、取引先との信頼関係を深めるだけでなく、トラブルも未然に防ぎます。
現代では、社内法務部門による一次チェック、AIツールによる効率化、弁護士による専門的判断を組み合わせた「ハイブリッド型」のリーガルチェック体制を整えることが理想的です。
まずはAIで素早く処理し、重要案件や複雑な契約は弁護士に依頼することで、コストと品質を保てます。
自社の契約書管理体制を今一度見直し、法務部門の強化、AIツールの導入、顧問弁護士との連携など、最適なリーガルチェック体制の構築を検討してみてはいかがでしょうか。
木下慎也 弁護士
大阪弁護士会所属
弁護士法人ONE 代表弁護士
大阪市北区梅田1丁目1-3 大阪駅前第3ビル12階
06-4797-0905
弁護士として依頼者と十分に協議をしたうえで、可能な限り各人の希望、社会的立場、その依頼者らしい生き方などをしっかりと反映した柔軟な解決を図ることを心掛けている。
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