示談書の守秘義務違反って何が問題?口外禁止条項について解説

「示談書に守秘義務って書いてあったけど、友達に相談してもいいの?」

「SNSで業務の愚痴を書いたら違反になる?」

弁護士に相談するほどでもないけれど、示談の守秘義務について気になることはありませんか?実は、多くの方が同じ疑問を抱えています。

この記事では、守秘義務のイロハから違反時の対応まで、分かりやすく解説します。

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目次

示談と守秘義務違反・口外禁止条項との違い

示談とは、民事上の紛争を当事者間の合意によって解決する手段のことです。

弁護士

特に近年では、守秘義務違反が新たな紛争を引き起こすケースが増加しており、示談に対する適切な理解と対応が求められています。

守秘義務違反と口外禁止条項はどのように違うのでしょうか?

示談とは?

示談とは
当事者間で和解書や示談書を作成し、互いの権利義務関係を明確にする手続きのこと

通常、当事者同士で和解書や示談書を作成する際、口外禁止条項(守秘義務条項)が設けられることが一般的です。

示談金の支払いや解決方法の詳細、そして守秘義務に関する取り決めなどが含まれます。

守秘義務条項は、事案を問わず盛り込まれることが多い事項の一つで、追加的な金銭等の要求を防止する「清算条項」と並び、スムーズに合意形成するために必要なものです。

この条項があることによって、示談内容の外部への漏えいを防ぎ、円滑な紛争解決が期待できます。

守秘義務違反・口外禁止条項とは?

守秘義務とは
特定の案件について知り得た事実や情報を第三者に開示・漏えいしない義務のこと

この義務は、示談に限らず、ビジネスや専門職など、さまざまな場面で発生する基本的な義務としても役割を果たします。

一方、口外禁止条項は、今回のトラブルやそのトラブルをどうやって解決したかという示談に至る経緯などについて、他人には言わないという約束のことです。

示談特有の守秘義務を具体化した条項であり、違反した場合の違約金などの取り決めを含むことがあります。

守秘義務と口外禁止条項の違い
項目守秘義務口外禁止条項(示談関連)
定義特定の案件について知り得た事実・情報を第三者に開示・漏えいしない一般的な義務示談に関する事実や解決経緯を第三者に口外しないという特定の約束
適用範囲ビジネス全般、専門職、各種契約など広範囲示談合意に限定
期間一般的に期限の定めなし示談書に明記された期間
違反時の対応損害賠償請求の可能性あり(立証が必要)違約金条項がある場合は違約金、ない場合は損害賠償請求の可能性
効力の及ぶ範囲当事者および関係者原則として示談当事者のみ

守秘義務違反は犯罪になるの?

守秘義務違反自体は、民事上の契約違反です。

SNSでの情報発信は名誉毀損罪が成立する可能性があり、損害賠償請求の対象となります。

一般的な示談書では、これらのリスクを考慮して、以下のような条項が設けられます。

甲及び乙は、本件の内容及び本示談に至る一切の経緯について、第三者に口外してはならない。

本条項に違反した場合、違反者は相手方に対し、金○○円を違約金として支払わなければならない。

示談書における守秘義務条項の役割

示談書の守秘義務条項は、双方の利害を守るために必要なものです。

本来トラブルを知らないはずの第三者がそれを知っていたという状況を防ぎ、プライバシー保護と円滑な紛争解決のために欠かせません。

守秘義務条項を設けることによって、他人にトラブルの内容を知られないようにするということですね。

弁護士

特にネットワークが発達した現在社会において、守秘義務条項は非常に重要といえます。

守秘義務条項が重要な理由

情報が一度外部に流出すると、その拡散を食い止めることは極めて困難です。

特にSNSを活用した情報共有が一般化した現代においては、情報の拡散スピードが非常に速く、一度流出した情報を完全に回収したり削除したりすることはほぼ不可能と言えるでしょう。

守秘義務条項は、この情報拡散を未然に防ぐ法的な歯止めとして役割を果たします。

実際の事例では、守秘義務違反によって、自身や企業の信用が損なわれることになるなど、深刻な影響を及ぼすケースもあります。

守秘義務条項が設けられる主なケース

守秘義務条項が設けられる、具体的なケースについて見てみましょう。

不倫問題

不倫問題では、勤務先の上司や同僚、家族、知人など、周囲の者に知られることになれば、自分の信用が大きく傷つき信用を損なうことにもなります。

そのため、守秘義務条項は「当事者の間で密かに決着させたい」という双方の意向を保護するために、重要な役割を担います。

労働トラブル

労働問題では、会社の方針によって人事上でペナルティを受けることもあり、職場での評価や今後のキャリアに影響を及ぼす可能性があります。

特に、同じ職場内での人間関係に関わる場合は、情報管理や対応の仕方が極めて重要となります。

交通事故の示談

交通事故の示談では「情報開示先に警察を除く」というような内容や「正当な理由のない限り」といった留保をつけることで、必要な範囲で認めつつ、それ以外の情報漏えいを防ぐ工夫がされています。

守秘義務条項のリスク

守秘義務違反の最大のリスクは「立証の困難さ」です。

もし外部に漏れてしまった場合、情報を漏らしたのが口外禁止を約束した当事者であると立証できれば、責任を問えます。

しかし実際には、SNSなどを用いて情報発信した場合を除き、違反の特定は極めて困難です。

そのため、違約金条項を設定し、違反時の具体的な制裁を明確化することで、抑止効果を高める方法が採られています。

守秘義務違反を防ぐために示談書でできることはあるか

示談書には、状況に応じた守秘義務条項を設定することが重要です。

基本的な守秘義務に加え、必要に応じて例外規定を設けることで、実務的な運用が可能になります。

例えば、「甲及び乙は、本件の内容及び本示談に至る一切の経緯について、正当な理由のない限り、第三者に口外してはならない。」という条項を設定することで万が一のリスクを下げることができるでしょう。

守秘義務違反と口外禁止条項違反の法的ポイント

守秘義務違反と口外禁止条項違反は、情報漏えいという結果は同じでも、法的な性質と対応方法が異なります。

弁護士

特に近年のSNS普及により、違反の立証方法や対応策も変化してきました。

具体的にはどのような方法になるのでしょうか?

守秘義務違反が成立する条件

守秘義務違反の成立には、情報漏えいの事実と当事者による漏えいの因果関係の立証が必要です。

たとえば、守秘義務で守られた情報について知らないはずのAが内容を知っていた場合、その情報をだれから聴いたのか確認しなければなりません。

もしも、Bからであるとわかった場合、そのBはだれから聴いたのか確認するという特定作業が必要となります。

口外禁止条項違反の特徴と違約金請求の仕組み

口外禁止条項違反の場合、違約金条項を設けていないと、違反した相手に対し、何ら損害賠償請求することができないのでしょうか?

結論は、請求可能です。

口外されたことによる損害が認められ、それを立証できれば問題ありません。

たとえば、契約書や通信記録、証人の証言など、事実を裏付ける証拠が必要です。

特に、SNSで情報発信した場合は口外禁止条項違反が明確になりやすく、発信した内容によっては、名誉毀損罪も成立し得る可能性があります。

双方のリスクを防ぐための具体的な条項設定

条項設定では、「正当な理由のない限り」という留保を付けることで、必要な情報開示(警察への届出など)を例外として認める工夫が必要です。

秘密情報の保護を維持しつつ、必要な場合には例外的に対応できるようにしておきます。

また「本件や本件の示談経緯について、理由の如何を問わず第三者に口外しない」という基本的な文言に加え、違約金条項を設定しておくことも効果的です。

守秘義務違反に備えた違約金条項の例

違反を訴えるには、情報漏えいの証拠と経路の特定が必要です。

損害の立証が難しい場合に備え、多くの示談書では違約金条項を設定します。

本条項に違反した場合、違反者は損害の発生及び金額にかかわらず、金○○円を違約金として支払うものとする。

このような違約金条項を設定することにより、立証の困難さを補完するだけでなく、抑止効果を高められます。

守秘義務違反・口外禁止条項違反が発覚した場合の対応

もしも、守秘義務条項を設けたにもかかわらず、情報が漏れてしまった場合にはどのように対応していけばいいのでしょうか?

守秘義務違反や口外禁止条項違反が発覚した際は、迅速な対応が求められます。

特にSNSでの情報拡散やメディアへ情報提供した場合は、影響が広がる前に対処が必要です。

違反によって最適な対応が異なるため、まずは状況の正確な把握が不可欠です。

一般的な対応の流れとして、以下の手順が挙げられます。

  • 事実確認
  • 証拠収集
  • 契約書や社内規定の確認
  • 違反者に通知
  • 拡散防止
  • 法的措置の検討
  • 再発防止の強化
弁護士

特に違反による影響が大きい場合は、早めに弁護士や専門家へ相談することをおすすめします。

違反が発覚したときの初期対応

情報漏えいを発見した場合、まず情報の拡散状況と経路を把握する必要があります。

SNSの情報発信の場合は、証拠としてスクリーンショットなどで記録を保存しましょう。

名誉毀損に該当する可能性がある場合は、法的対応の検討も必要です。

特に重要となるのは、示談前の相談行為と、示談後の情報開示を明確に区別することです。

示談前の相談行為は違反に該当しないため、時系列を整理する必要があります。

証拠収集と立証の方法

証拠収集では、情報の拡散経路をさかのぼり、詳細を特定する必要があります。

具体的には以下の手順で進めます。

  1. 情報を知った人物の特定
  2. 情報の入手経路の確認
  3. 情報発信者の特定
  4. 発信内容や時期の記録

特にSNSでの投稿は、投稿日時や内容が明確に記録されるため、重要な証拠となります。

たとえば、スクリーンショットで投稿内容やプラットフォーム名を記録し、証拠として保存するとよいでしょう。

必要に応じて、相手にヒアリングを行い、どのように情報を収集したかを把握することも効果的です。

弁護士に相談する前に準備するべきこと

弁護士へ相談する前に、示談書の内容、特に守秘義務条項や違約金に関する条項を確認し整理しましょう。

また、情報漏えいによる具体的な損害の内容や、示談前後の時系列もまとめておくとスムーズな相談が可能です。

事例紹介【示談金9000万円の例】

芸能人の不祥事などは、守秘義務条項違反や社会的な影響を考える上で、重要な教訓があるといえるでしょう。

世間の関心の高さと報道の広がりにより、守秘義務の実効性について新たな課題が浮き彫りとなりました。

確かに、有名人と一般人だと情報の広がり方が違いますよね。

弁護士

ここでは一つの事例とポイントについて解説します。

事例の概要と特徴

芸能人A氏と元テレビ局社員との間でトラブルが発生、A氏が9,000万円の示談金を支払うことで合意しました。

ところが、A氏が不祥事を起こしたということがSNSやニュースなどで大きく報じられてしまいました。

この9,000万円という金額について、弁護士Bは「社会的影響力が非常にある者が加害者の場合、9,000万円という金額であってもおかしくない」と指摘したこともあり、世間の注目を集めることとなりました。

違反の実態と影響

本件では、守秘義務契約があったにもかかわらず、週刊誌での報道や関係者の証言により情報が公になりました。

しかし、情報漏えいの経路特定が困難で、不明瞭な憶測が飛び交っている状況のため、違反者の特定や責任追及は実質的に不可能な状況となっています。

この事例では、高額示談金と守秘義務の関係性、情報管理の限界、SNS時代における情報拡散リスクなど、現代の示談実務における課題が明らかになりました。

示談書作成時に気を付けるべきポイント

示談書の作成では、守秘義務条項と違約金条項の設定が欠かせません。

特にSNSの普及により情報拡散リスクが高まっている現代では、より慎重な条項設定が求められています。

守秘義務条項を効果的に盛り込む方法

守秘義務条項の基本形として、「本件や本件の示談経緯について、理由の如何を問わず第三者に口外しない」という文言が一般的です。

ただし、状況に応じて「正当な理由のない限り」という例外規定を設けることで、必要な情報開示(警察への届出など)を可能にできます。

条項設定では、示談前の相談行為と示談後の情報開示を明確に区別することも重要です。

示談前の第三者への相談は違反に該当しないため、この点を明確にしておくことで、不要な紛争を防げます。

違約金条項を設定する場合の注意点

違約金条項の設定では、違反時の立証可能性を考慮する必要があります。

SNSでの情報発信は立証が比較的容易ですが、口頭で情報漏えいした場合は困難です。

そのため、違約金額の設定は、抑止効果と現実的な執行可能性のバランスを考慮して決定する必要があります。

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まとめ

示談における守秘義務と口外禁止条項は、現代の情報管理社会において、重要な役割を果たします。

SNS時代の情報拡散リスクに対応するため、適切な条項設定と違反時の対応策を講じることは必要不可欠です。

特に、示談前の相談と示談後の情報開示を明確に区別し、違約金条項による抑止力を確保する必要があります。

また、トラブルの予防と解決には、適切な守秘義務条項の設定や、必要に応じた法的専門家への相談が欠かせません。

弁護士

畝岡 遼太郎 弁護士

大阪弁護士会所属

 

西村隆志法律事務所

大阪市北区西天満2丁目6番8号 堂島ビルヂング501号
TEL:06-6367-5454

ひとりひとりに真摯に向き合い、事件解決に向け取り組んでます。気軽にご相談が聞けて、迅速に対応できる弁護士であり続けたいと考えております。 

※事前予約いただければ平日夜間や土日にも対応可能です。

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