投資詐欺の手口は年々巧妙化し、SNSを利用した新たな手法や高齢者を狙った悪質な手口が増加しています。
「必ず儲かる」「元本保証」といった甘い言葉に惑わされ、大切な資産を失ってしまう人が後を絶ちません。
この記事では、最新の投資詐欺の手口と、その対策について詳しく解説しています。
SNSでの注意点や、高齢者を守るための家族の役割、万が一被害に遭った場合の対応まで、幅広く取り上げています。
投資に興味がある方はもちろん、家族に高齢者がいる方、SNSを活用している方など、誰もが知っておくべき重要な情報が満載です。
この記事を読めば、投資詐欺から自身と大切な人を守る方法が理解できますので、ぜひ最後までお読みください。
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投資詐欺とは?最新の動向と被害状況
投資詐欺自体は昔からあると思いますが、SNSを使った詐欺もあるのですね。
投資詐欺は、金融市場の発展とともに巧妙化し、特にSNSの普及により、新たな局面を迎えています。
被害の実態と傾向を知ることは、自身を守る第一歩となります。
投資詐欺の定義と特徴
冒頭で紹介したとおり、典型的な手口には、「必ず儲かる」「元本保証」といった甘い言葉で勧誘するものがあります。
近年では、SNSを活用した新たな手法が急増しています。
投資詐欺による被害が、高齢者を中心に後を絶たない状況が続いており、その手口は多様化しています。
例えば、未公開株や社債、外国通貨、自然エネルギー関連の権利など、その時々の話題に乗じた投資話を持ちかけるケースなどです。
また、複数の業者が関与する「劇場型」詐欺や、被害者を装って二次被害を狙う「被害回復型」詐欺など、手口は年々巧妙化しています。
投資詐欺の特徴として、被害金額の高さや、被害回復の困さが挙げられ、その社会的影響は看過できません。
SNS型投資詐欺の急増<統計データから見る実態>
近年、SNSを利用した投資詐欺は、急激に増加しています。
総務省の調査によると、「SNSを悪用した投資・ロマンス詐欺の被害発生状況等について」の報告で、令和5年1月が85件だったのに対し、同年12月には369件と約4.3倍に増加しています。
この急増の背景には、SNSの普及と、それを悪用する犯罪者の巧妙化があります。
特に、LINEやInstagram、Facebookなどの主要SNSが詐欺の温床となっています。
注目すべきは、「被害時の連絡に使用されたSNS」の約89%がLINEだったという点です。
これは、他のSNSで勧誘した後、よりプライベートなやりとりが可能なLINEに誘導するという手口が一般的であることを示しています。
また、AIの発達により、著名人の音声や映像を偽造する「ディープフェイク」技術を用いた詐欺も出現しています。
これらの新しい手口は、従来の対策では防ぎきれない可能性が高く、より一層の警戒が必要です。
被害者の傾向分析<年齢層や性別による特徴>
投資詐欺の被害者には、一定の傾向が見られます。
総務省の同調査によると、投資型詐欺における被害者の性別の割合は、男性が約57%、女性は約43%となっており、男性のほうが多いことが分かっています。
年齢層については、40代以降が多く、男性が約86%、女性は約80%です。
その中でも特に、男女とも50代がもっとも被害に遭っているという結果が出ています。
この傾向は、中高年層が老後の資金不安や退職金の運用などを考え始める時期と重なっていることが要因の一つと考えられます。
被害に遭いやすいSNSにも、性別による差異が見られます。
男性はFacebook、LINE、Instagram、マッチングアプリの順で、女性はInstagram、LINE、マッチングアプリ、Facebookの順で使用回数が多くなっています。
さらに、高齢者を狙った新たな手口として、「認知症高齢者などを狙って物件購入契約をさせる」というケースも報告されています。
これは、判断能力の低下した高齢者を狙い撃ちにする悪質な手口であり、家族や周囲の人々の見守りが特に重要となります。
以上の傾向を踏まえ、自分や家族が該当する年齢層や利用しているSNSに応じた対策を講じることが、投資詐欺から身を守る上で効果的だと言えるでしょう。
SNS型投資詐欺の主な手口
私も知らず知らずのうちに、詐欺に引っ掛かりそうで心配です…。
SNS型投資詐欺は、テクノロジーの進化と人間心理を巧みに利用して、被害を拡大させています。
手口は多岐にわたり、一般的な注意喚起だけでは防ぎきれないほど巧妙化しています。
以下、主な手口を詳しく見ていきましょう。
SNS広告を利用した勧誘手法
SNS広告を利用した投資詐欺は、近年急増している手法です。
これらの広告は、ユーザーの興味関心に合わせて表示されるため、信頼できるように見えてしまいます。
特に注意が必要なのは、著名人の画像や名前を無断で使用した広告です。
「当社は金融庁に『届出』をした業者です」「当社は限られたプロ投資家を対象とした『プロ向けファンド』を運用しています」などと謳い、信頼性を演出します。
しかし、実際には、金融庁への正式な登録を行っていないケースがほとんどです。
また、「上場確実」「必ず儲かります」「元本は保証されています」といった文言には要注意です。
これらは投資詐欺の典型的な表現であり、真っ当な投資広告では決して使用されません。
また、風力発電や太陽光発電、HIVやiPS細胞など、その時々に話題となっているキーワードに関連して、発電設備を設置する土地の権利や、新技術に関する知的財産権などへの投資を勧誘するケースもあります。
これらは、時事的なトピックを利用して信頼性を高める悪質な手法です。
ダイレクトメッセージによる個別アプローチ
ダイレクトメッセージ(DM)による勧誘は、SNS投資詐欺の中でも特に巧妙な手法です。
まず、知らない相手から突然フォローされ、DMで話しかけられます。
初めは雑談などの一般的な話で警戒心を緩め、徐々に投資の話題に誘導していきます。
特徴的なのは、最初のうちは投資の話を持ち出さないことです。
相手との信頼関係を築くことに注力し、ある程度の関係性ができた後に投資の話を持ち出します。
この手法は、相手の心理的な抵抗を下げる効果があります。
注意すべきは、DMでのやり取りが、ややぎこちない場合です。
これは、外国人が翻訳機能を使ってやり取りをしている可能性が高いでしょう。
国際的な詐欺グループによる犯行であるかもしれないため、特に警戒が必要です。
投資額がある程度までいくと、突然フォローを外されるケースもあります。
この時点で詐欺だと気づいても、すでに多額の被害が発生していることも少なくありません。
SNSグループを利用した集団的勧誘
SNSグループを利用した集団的勧誘は、「劇場型」と呼ばれる手口の一種です。
まるで映画のような巧妙な演技で、信頼関係を築いた上でお金をだまし取ります。
手法としては、まずLINEなどのグループチャットに突然招待され、そこで投資に関する話題が展開されます。
この手法の特徴は、複数の「役者」が存在することです。
例えば、投資の専門家を装う人物、実際に利益を得たという投資家、中立的な立場のアドバイザーなど、様々な役割を持つ人物が登場します。
これにより、投資話の信ぴょう性を高め、被害者を安心させる効果があるのです。
「友だちをグループに自動で追加」する設定を悪用し、知らないうちにグループへ追加されるケースもあります。
このような不審なグループに追加された場合は、即座に退会し、設定を見直す必要があります。
グループ内での投資に関するトークのやり取りを観察した後、個別にDMで投資を持ちかけられるという流れも一般的です。
グループでの盛り上がりを演出することで、個別の勧誘に応じやすくなる心理を利用しています。
著名人を装った詐欺の手口
著名人を装った投資詐欺は、被害者の信頼を得やすい手法として横行しています。
特に、投資家として有名な人物や経済評論家、さらには政治家や芸能人の名前をかたるケースが多く見られます。
また、著名人の画像や動画を使用し、あたかもその人物が直接投資を勧めているかのように見せかける手法も存在します。
これらは、高度な画像編集技術やディープフェイク技術を駆使して作られており、一見しただけでは偽物と見抜くのが難しいでしょう。
特に注意が必要なのは、著名人の名前を利用した「プロ向けファンド」の勧誘です。
一般投資家には手の届かない特別な投資機会を提供するように装い、高額な投資を促すケースがあります。
AIを悪用した新たな詐欺テクニック
AI技術の進歩は、残念ながら詐欺の手口も高度化させています。
特に生成AIの発達により、著名人の音声や映像を極めて精巧に偽造することが可能となりました。
例えば、AIを使って著名人の声を合成し、あたかもその人物が直接投資を勧めているかのような音声メッセージを作成するケースがあります。
この音声は、細かなイントネーションなどを除けば、本人のものとほぼ見分けがつかないほど精巧です。
また、AIを使って偽の投資シミュレーションを作成し、必ず利益が出るように見せかける手法も報告されています。
実際の市場データを基に作成されているように見えるため、素人目には本物と区別がつきにくいのが特徴です。
さらに、AIを利用して個人の興味関心や行動パターンを分析し、それに基づいてカスタマイズされた詐欺的な投資提案を行うケースも出てきています。
ターゲットの心理を巧みに操作した、卑劣な手法です。
AIを用いた詐欺は日々進化しており、従来の注意喚起だけでは対処しきれない可能性があります。
常に最新の情報を入手し、疑わしい投資話には慎重に対応することが重要です。
投資詐欺の逮捕事例<実際の犯罪手口と検挙状況>
たくさんのSNS型投資詐欺の手口がありますが、逮捕された事例などはあるのでしょうか?
投資詐欺は年々巧妙化し、その手口も多様化していますが、法執行機関の努力によって、大規模な摘発事例も増えています。
ここでは、実際の逮捕事例を通じて、投資詐欺の実態と対策を紹介します。
大規模SNS型投資詐欺グループの摘発事例
2024年に発生したSNS型投資詐欺事件では、規模の大きさと手口の巧妙さから、社会に大きな衝撃を与えました。
大阪に拠点を置く2つのグループの計96名が逮捕された、という内容の事件です。
手口は非常に組織的で、「エース」や「オールイン」などのポーカー用語でチーム分けをし、役割を細分化していました。
SNSでターゲットを探す者、やり取りする者、振り込まれた金銭を引き出す者、そして資金をロンダリングする者など、それぞれが特定の役割を担っていたのです。
グループは主に、バイナリーオプション(ある一定の期間内に、指定したレートが上昇するか下降するかを予測する取引)と呼ばれる金融商品を販売し、だまし取った総額は約10億円に上ると見られています。
注目すべき点は、グループチャットを使用して「打ち子」と呼ばれる実行犯に指示を出すなど、その手口が非常に巧妙であったことです。
この事件は、国際的な組織犯罪が関与していました。
一部のメンバーは外国人で、翻訳ツールを使用してコミュニケーションを取っていたことが明らかになったのです。
このように、SNSを通じた国際的な犯罪が広がりを見せています。
特に、SNSを利用した情報の拡散や勧誘活動が組織犯罪の手口として巧妙化しており、グローバルな対策が求められます。
著名人を装った詐欺事件の検挙例
著名人を装った投資詐欺も後を絶たず、その手口はますます巧妙化しています。
2024年に発生した事件では、著名な投資家を装った詐欺グループが摘発されました。
この事件では、SNSで著名投資家になりすましたアカウントを作成し、投資に関する情報や助言を発信していました。
LINEを通じて「全力でサポートします」などと投資をもちかける手法で、最終的に4,500万円以上の被害が発生しました。
詐欺グループは、生成AIを使用して著名人の音声を合成し、音声メッセージを作成するなど、高度な技術を駆使。
これらの音声は、イントネーションなどを除けば本人の声と見分けがつかないほど、精巧なものでした。
さらに、偽の投資シミュレーションツールを作成し、必ず利益が出るように見せかけています。
このツールは実際の市場データを基に作成されているように見えたため、被害者を信用させる効果がありました。
この事件の特徴は、技術の悪用が著しく、従来の対策では防ぎきれない新たな脅威が発生したことです。
これにより、著名人とAIを用いた詐欺への対策の必要性が強く認識されることとなりました。
逮捕事例から学ぶ投資詐欺の傾向と対策
これまでの逮捕事例から、投資詐欺の最新の傾向と効果的な対策が浮かび上がってきました。
まず、詐欺グループの組織化と国際化が進んでいることです。
役割の細分化により、個々のメンバーが全体の犯罪を把握していないケースも多く、より捜査を困難にしています。
よって、国際的な法執行機関の連携強化が不可欠です。
次に、技術の悪用が著しく進んでいることが挙げられます。
例えば、AIを用いた音声合成や、精巧な偽投資シミュレーションツールの使用など、見破ることが難しい手口が増加しています。
これに対しては、AI技術を用いた詐欺検出システムの開発や、デジタルリテラシー教育の強化が必要です。
また、SNSを通じた勧誘が主流となっていることから、SNSプラットフォーム側の対策強化も欠かせません。
不審な広告の削除や、なりすましアカウントの即時凍結などの対応が必要です。
個人レベルでの対策としては、以下の点が重要です。
- 投資の基礎知識を身につけ、「必ず儲かる」などの甘い言葉に惑わされない。
- SNSでの知らない人からの接触には慎重に対応し、個人情報の開示を控える。
- 投資を決める前に、必ず公的機関(金融庁など)で事業者の登録状況を確認する。
- 不審な勧誘を受けた場合は、すぐに警察や消費者ホットライン(188)に相談する。
- 家族や友人と情報を共有し、一人で判断しない。
上記の対策を徹底することで、投資詐欺の被害を大幅に減らせるでしょう。
また、常に最新の情報に注意を払い、疑わしい投資話には慎重に対応することが重要です。
投資詐欺の見分け方<要注意な兆候>
SNSの情報の中には、本物の投資情報もあると思うのですが、何か見分け方はあるのでしょうか?
投資詐欺は年々巧妙化していますが、共通する特徴や兆候があります。
これらを知ることで、詐欺の被害を未然に防げるでしょう。
「絶対にもうかる」「元本保証」などの甘い言葉
投資詐欺の最も典型的な特徴は、「絶対にもうかる」「元本保証」などの甘い言葉で勧誘することです。
金融庁の注意喚起によると、「上場確実ですので、必ず儲かります!元本も保証します!」といった断定的な表現は、詐欺的な投資勧誘の典型的な例とされています。
正当な投資では、このような断定的な表現は使用されません。
なぜなら、すべての投資には何らかのリスクが伴うからです。
特に「元本保証」という言葉には注意が必要です。
出資法によって、銀行などの一部の金融機関の預金以外では、元本保証をうたうことは禁止されています。
また、「未公開株」や「新規公開株」の勧誘で「上場確実」と言われた場合も要注意です。
上場までの過程は複雑で、確実に達成できる保証はありません。
さらに「限られたプロ投資家を対象としたファンドに参加できる」などと持ちかけられた場合も、詐欺の可能性が高いでしょう。
投資には常にリスクが伴い、利益が確定しているものはありません。
したがって、「儲かる」「必ず利益が出る」などの甘い言葉で投資を持ちかける業者は、詐欺の可能性が非常に高いと考えるべきです。
急かされる投資判断と支払い
投資詐欺の手口でよく見られるのが、投資判断や支払いを急かす手法です。
「支払期限はもうすぐ」「先着○名限り」などと言って、判断やお金の支払いを急がせるケースが多く報告されています。
この手法が行われる主な目的は、被害者の冷静な判断力を奪うことです。
「もうけるチャンスがあるのに、ゆっくり考えていたらそれを逃してしまう」という焦りを被害者に植え付け、十分な検討や調査を行う時間を与えないようにします。
具体的には、以下のような表現に注意しましょう。
この機会を逃すと二度とチャンスはありません!
今日中に決断しないと権利を失います!
あと3名で締め切ります!
これらの表現は、投資の本質とは相容れません。
健全な投資機会であれば、十分な検討時間が与えられるはずです。
もしも急かされてしまっても、次のような対応が重要です。
- 落ち着いて、冷静に考える時間を取る
- 家族や信頼できる人に相談する
- 公的機関(金融庁など)で業者の登録状況を確認する
- 独立した情報源で投資商品について調査する
時間をかけて慎重に判断することで、不要な損失を防げるでしょう。
複数の業者が登場する「劇場型」の手口
「劇場型」と呼ばれる詐欺手法は、複数の業者が登場し、巧妙に役割分担をして被害者を騙す手口です。
この手法は特に巧妙で、被害者を心理的に追い込んでいくのが特徴です。
典型的な「劇場型」の流れは以下のようになります。
- ある業者がAという未公開株や社債の購入を勧誘する
- 被害者が断ると、別の業者からAの株や社債を「高く買い取る」という連絡が来る
- さらに別の業者から「Aの株を買えば必ず儲かる」と助言される
これらの業者は、一見別々の会社を装っていますが、実際は同じ詐欺グループの一味です。
複数の人物が異なる役割を演じることで、投資話の信ぴょう性を高めています。
「劇場型」詐欺の具体例として、次のようなケースが報告されています。
証券会社を名乗る者が未公開株の購入を勧め、その直後に投資コンサルタントを名乗る別の人物から「その株を高値で買い取りたい」と連絡が来るケース。
パンフレットが突然送られてきた後、別の業者から「そのパンフレットの会社の株を買えば儲かる」と電話がかかってくるケース。
これらの手口に共通するのは、被害者に「偶然の好機」を演出し、投資判断を誤らせる点です。
しかし、実際にはすべてが計画的に仕組まれた詐欺です。
このような手口に遭遇した場合は、以下の対応が重要となります。
- 複数の業者から続けて連絡が来ることに違和感を持つ
- 一人で判断せず、必ず第三者(家族や専門家)に相談する
- 公的機関で各業者の登録状況を確認する
- 焦らずに冷静な判断を心がける
「劇場型」詐欺は非常に巧妙ですが、冷静に状況を分析することで、被害を防げるでしょう。
金融庁への登録が確認できない業者からの勧誘
投資詐欺を見破る重要なポイントの1つが、勧誘してくる業者の正当性を確認することです。
日本では、幅広い投資家に対してファンドへの出資を勧誘できるのは、金融庁(財務局)の登録を受けた業者に限られています。
金融庁は、「免許・許可・登録を受けている業者一覧」をウェブサイトで公開しています。
この一覧で確認できない業者からの勧誘は、法律違反の可能性が高いと考えるべきです。
注意すべき点として、詐欺業者が「金融庁に『届出』をした業者です」と主張するケースもありますが、「届出」と「登録」は異なる概念です。
「プロ向けファンド」と呼ばれる特定の商品を扱う業者は、以前は「届出」で済んでいました。
しかし、2016年3月の法改正により、こうした業者も厳格な規制の対象となりました。
また、金融庁や他の公的機関(証券取引等監視委員会、消費者庁など)の名前を騙る詐欺にも注意が必要です。
これらの機関が、投資の勧誘やそれに類した業務を民間業者に委託・指示することは一切ありません。
金融庁への登録が確認できない業者から勧誘を受けた場合の対応は、以下を参考にしてください。
- 金融庁のウェブサイトで業者の登録状況を確認する
- 登録状況が確認できない場合は、勧誘を即座に断る
- 不審な点があれば、金融サービス利用者相談室に相談する
- 被害に遭った場合は、速やかに警察や消費者ホットライン(188)に連絡する
正規の登録を受けていない業者との取引は、トラブルが発生した際に適切な保護を受けられない可能性が高くなります。
自身の資産を守るためにも、業者の正当性を確認することが重要です。
投資詐欺から身を守るための対策
投資に興味はありますが、詐欺に引っ掛かりたくありません。
何か対策方法はありますか?
投資詐欺は年々巧妙化していますが、適切な知識と対策を身につけることで、被害を防げます。
ここでは、投資詐欺から身を守るための具体的な方法を詳しく解説します。
金融リテラシーの向上<基本的な投資知識の重要性>
投資詐欺から身を守る最も効果的な方法は、金融リテラシーを高めることです。
基本的な投資知識を身につけることで、不自然な投資話を見分けられるようになります。
まず、「必ず儲かる」「元本保証」といった言葉に惑わされないことが重要です。
正当な投資には必ずリスクが伴い、100%安全な投資は存在しないことを理解しましょう。
また、「未公開株」や「プロ向けファンド」などの、専門用語についても基本的な知識を持つことが大切です。
例えば、一般の投資家に対して未公開株の購入を勧誘することは、原則として禁止されています。
このような基本的なルールを知っているだけでも、不審な勧誘を見分けるのに役立ちます。
金融リテラシーを高める方法としては、以下のようなものがあります。
- 金融庁や証券取引等監視委員会のウェブサイトで公開されている投資家向け教育資料を活用する。
- 信頼できる金融機関や証券会社が開催するセミナーに参加する。
- 投資の入門書を読む。
- 経済ニュースを定期的にチェックし、最新の金融トレンドを把握する。
金融リテラシーの向上は、投資詐欺対策だけでなく、将来の資産形成にも役立ちます。
継続的な学習を心がけましょう。
SNSでの情報の取扱い方<プライバシー設定と注意点>
SNSは便利なコミュニケーションツールですが、投資詐欺の温床にもなっています。
SNSを安全に利用するためには、適切なプライバシー設定と情報の取り扱いに注意が必要です。
SNSを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
- プライバシー設定を厳重にする
- 投稿やプロフィールの公開範囲を制限する
- 位置情報の共有を控える
- 個人情報の公開を最小限に抑える
- 本名、生年月日、住所などの個人情報を公開しない
- 資産状況や投資経験に関する情報を投稿しない
- 不審なアカウントとの接触に注意する
- 突然のフォローやメッセージには警戒する
- プロフィールや過去の投稿が不自然なアカウントとは関わらない
- SNS広告の取り扱いに注意する
- 投資関連の広告をむやみにクリックしない
- 広告主の信頼性を必ず確認する
- グループチャットの招待には慎重に対応する
- 知らない人からのグループ招待は断る
これらの対策を講じることで、SNSを通じた投資詐欺のリスクを大幅に軽減できるはずです。
SNSは便利なツールですが、常に慎重な利用を心がけましょう。
不審な勧誘を受けた場合の対処法
投資詐欺の勧誘を受けた場合、冷静かつ適切な対応が被害を防ぐ鍵となります。
- 即座に断る
不審な勧誘を受けたら、まずは毅然とした態度で断ることが重要です。
「検討する」などの曖昧な返事は、さらなる勧誘を招く可能性があります。 - 個人情報を提供しない
名前、住所、電話番号などの個人情報は絶対に提供しないようにしましょう。
情報が悪用される可能性があります。 - 公的機関で確認する
勧誘してきた業者の正当性を確認するため、金融庁のウェブサイトで登録状況をチェックしましょう。 - 専門家や公的機関に相談する
不審な勧誘を受けた場合は、一人で抱え込まず、専門家や公的機関に相談することが重要です。
以下の窓口が利用可能です。- 【金融サービス利用者相談室】金融商品やサービスに関する相談を受け付けています。
- 【消費者ホットライン 】(局番なし)188で、最寄りの消費生活相談窓口を案内してくれます。
- 【警察相談専用電話】#9110で、全国どこからでも相談が可能です。
- 証拠を保存する
メールやSNSのメッセージ、通話記録など、勧誘に関する証拠は全て保存しておきましょう。
後々の対応や被害回復に役立つ可能性があります。 - 焦らず冷静に判断する
「今すぐ決めないと機会を逃す」などと急かされても、焦らず冷静に判断することが重要です。
時間をかけて慎重に検討することで、不審な点に気づけます。 - SNSでの対応
SNSを通じた不審な勧誘の場合は、即座にブロックし、プラットフォームの運営者に報告することも有効です。
これらの対処法を知っておくことで、不審な勧誘を受けた際にも冷静に対応し、被害を防げます。
常に警戒心を持ち、少しでも不審に感じたら、ためらわず専門家や公的機関に相談しましょう。
家族や周囲の人との情報共有の重要性
投資詐欺から身を守るためには、家族や周囲の人との情報共有が非常に重要です。
一人で判断するのではなく、信頼できる人と相談することで、詐欺の被害を未然に防げます。
特に高齢者を狙った投資詐欺が増加していることから、家族間のコミュニケーションがますます重要になっています。
認知症高齢者を狙った新たな手口も報告されており、家族の見守りが欠かせません。
以下に、家族や周囲の人との効果的な情報共有の方法を紹介します。
- 定期的な家族会議の開催
投資や金融に関する話題を定期的に家族で話し合う機会を設けましょう。
情報を共有しあうことで、不審な勧誘があった場合に、相談しやすくなります。 - 投資判断の共有
大きな投資を行う前には、必ず家族や信頼できる人に相談する習慣をつけましょう。
第三者の視点が入ることで、冷静な判断ができるようになります。 - 不審な勧誘の報告
家族や友人が不審な勧誘を受けた場合、互いに報告し合う体制を作りましょう。
同様の手口で被害に遭うのを防げます。 - 金融リテラシーの共有
家族や友人と一緒に金融セミナーに参加したり、投資に関する本を読み合ったりすることで、共に知識を高められます。 - 高齢者の見守り
高齢の家族がいる場合は、定期的に連絡を取り、金銭的な相談にも乗るようにしましょう。
もしも、突然の大きな出費があった場合は、詐欺の可能性を疑うことも必要です。 - SNSの利用状況の共有
家族間でSNSの利用状況を共有しましょう。
SNSで困ったことがあれば、気軽に相談できる関係を築きましょう。 - 家族信託の検討
認知症などのリスクがある場合は、家族信託の利用を検討してみてもよいでしょう。
信頼できる家族が財産管理を行うことで、詐欺被害のリスクを減らせます。
このように、家族や周囲の人との情報共有は、投資詐欺対策において非常に重要です。
一人で抱え込まず、オープンなコミュニケーションを心がけることで、詐欺被害のリスクを大きく減らせるでしょう。
投資詐欺被害に遭った場合の対応
もしも詐欺被害に遭ってしまったら、どのように対処すればいいのでしょうか?
投資詐欺に遭ってしまった場合、迅速かつ適切な対応が被害の拡大を防ぎます。
ここでは、被害発覚後に取るべき、具体的な行動指針を紹介します。
即座に取るべき行動<証拠の保全と連絡の遮断>
投資詐欺の被害に気づいたら、最初に行うべきは証拠の保全と詐欺業者との連絡遮断です。
- すべての通信記録(メール、SNSのメッセージ、通話履歴)を保存する
- 振込明細書や契約書など、関連する書類をすべて保管する
- 詐欺業者からの電話やメッセージをすべてブロックする
- SNSでのやり取りがある場合、アカウントのパスワードを変更する
このように対処することで、後の法的対応や被害回復の際に重要な証拠となります。
特に、詐欺業者との連絡を断つことは、さらなる被害の防止につながります。
弁護士への相談と法的対応の検討
投資詐欺被害の回復には、法的な対応が必要になる場合があります。
弁護士に相談することで、以下のメリットが得られます。
- 詐欺事件であることの立証
- 損害賠償請求の可能性の検討
- 詐欺グループとの返金交渉
- 民事訴訟の提起と進行についての助言
- 刑事告訴のサポート
ただし、弁護士への依頼には費用が発生します。
着手金、報酬金、日当などの支払いが必要になるため、事前に費用の見積もりを確認することが重要です。
被害回復の可能性と注意点
投資詐欺の被害回復は、決して容易ではありません。
しかし、可能性が0ではないので、以下の点に注意しながら、回復に向けて行動しましょう。
- 早期対応
被害発覚後、即座に行動を起こすことで回復の可能性が高まります。 - 二次被害への注意
「被害を取り戻せる」という新たな詐欺に遭わないよう注意が必要です。 - 口座凍結の申立
詐欺業者の銀行口座の凍結を申し立てることで、資金の移動を防げる可能性があります。 - 民事訴訟の検討
被害額や証拠の状況によっては、民事訴訟を起こすことも選択肢の一つです。
被害回復には時間と労力がかかりますが、諦めずに行動することが重要です。
専門家のアドバイスを受けながら、粘り強く対応していきましょう。
高齢者を狙う投資詐欺と家族の役割
高齢者を標的とした投資詐欺が増えていると聞いたのですが…。
特に認知症の方々を狙うケースが多く報告されており、家族の見守りと適切な資産管理が必要です。
認知症高齢者を狙う新たな手口
認知症高齢者を狙う投資詐欺の手口が巧妙化しています。
最近のニュースでは、認知症高齢者などを狙って物件購入契約をさせるという、新たな手口が報告されました。
例えば、不要な不動産や高額な金融商品の購入を勧誘したり、架空の権利への投資を持ちかけたりするケースがあります。
詐欺師は、高齢者の孤立や寂しさにつけ込み、親身な態度で接近することもあります。
このような詐欺の手口から高齢者を守るためにも、家族や周囲の人々は、普段と異なる行動や不自然な出費に注意を払い、早期発見に努めることが重要です。
家族信託など、高齢者の資産を守る方法
高齢者の資産を守る方法として、家族信託が注目されています。
これにより、認知症などで判断能力が低下した場合でも、適切な資産管理が可能となります。
具体的には、親が子供に資産管理を委託し、生活費や不動産の管理を任せるといった形です。
家族信託は、認知症発症後も柔軟な資産管理が可能であることや、詐欺被害のリスク軽減・家族間の争いの防止など、様々なメリットがあります。
ただし、信託の設定には、金融や税などに関する専門的な知識が必要となります。
そのため、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。
日頃からの家族間コミュニケーションの重要性
投資詐欺から高齢者を守るためには、日頃からの家族間コミュニケーションが極めて重要です。
高齢者の資産管理について、親子間で日頃から話しておくことが大切です。
また、高齢者のSNS利用状況を把握し、オンライン上の詐欺に注意を払うことも重要です。
家族間の良好なコミュニケーションは、詐欺被害の早期発見と防止において欠かせないものです。
さらに、高齢者の孤立を防ぎ、詐欺師に付け込まれるリスクを減らす効果もあります。
あなたが泣き寝入りしないために
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*1 件数は2023年3月現在 *2 2013年~2022年。単独型弁護士保険として。2023年3月当社調べ。*3 99プランの場合 *4 初期相談‥事案が法律問題かどうかの判断や一般的な法制度上のアドバイス 募集文書番号 M2022営推00409
まとめ
投資詐欺は年々巧妙化しており、特にSNSを利用した手口や高齢者を狙った手口が増加しています。
被害を防ぐには、金融リテラシーの向上が不可欠です。
「必ず儲かる」「元本保証」などの甘い言葉には注意しましょう。
また、SNSでの情報取り扱いに注意し、不審な勧誘には毅然とした態度で対応しましょう。
高齢者を守るには、家族間のコミュニケーションが重要です。
家族信託などの資産保護方法も検討してみてください。
万が一被害に遭った場合は、速やかに証拠を保全し、専門家や公的機関に相談することが重要です。
常に警戒心を持ち、疑わしい投資話には慎重に対応することで、自身と家族を守れるはずです。
東 拓治 弁護士
福岡県弁護士会所属
あずま綜合法律事務所
福岡県福岡市中央区赤坂1丁目16番13号上ノ橋ビル3階
電話 092-711-1822
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