消費者センターに相談するとどうなる?何をしてくれるか、解決しないときの対処法まで解説

「消費者センターに相談したいけれど、実際にどのような解決が期待できるの?」

「消費者センターへの相談では、どのような準備が必要なの?」

一般的に、「消費者トラブルがあったら消費者センターへ」と言われますが、上記のような様々な疑問が出てくるかと思います。

消費者センターは公的機関の一つで、地域によって「消費生活センター」「消費者情報センター」等様々な名称で呼ばれています。

結論からお伝えすると、消費者センターに相談すると、専門の相談員から、自分で事業者と交渉するための助言を受けられます。自分での交渉が難しい場合は、契約者本人の申し出を受けて、相談員が事業者との話し合いの間に入る「あっせん」が行われることもあります。ただし、あっせんに法的な強制力はなく、事業者が応じなければ解決しない場合もあります。

本記事では、消費者センターが何をしてくれるのか、相談から解決までの流れ、「意味がない」と言われる理由、解決しないときに泣き寝入りしないための手段まで、具体的に解説します。

事業者とのトラブルで悩んでいる方は、まずはこの記事で消費者センターへの理解を深めましょう。

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目次

消費者センターとは?

消費者センターは、商品購入やサービス契約に関するトラブルから消費者を守るために設けられた公的機関です。

ネットではよく名前を聞きますが、実際にどのようなものなのか知らないです。

弁護士

全国の地方自治体が運営しており、専門の相談員が消費者から寄せられた相談に無料で対応しています。

消費者センターの役割と特徴

消費者センターの主な役割は、消費者と事業者の間で発生したトラブルの解決を支援することです。

契約者本人が相談を受けることが望ましいですが、相談者の家族や支援者でも相談は受け付けており、専門の相談員が対応します。

支援方法には、主に以下の3つがあります。

  • 自主交渉の助言
    クーリング・オフ期間内における契約の解約方法など、消費者自身で解決できる方法を助言します。
  • あっせん
    クーリング・オフ期間が過ぎた場合でも、契約に問題がある場合には、契約者本人の申し出を受けて、事業者との話し合いの間に入ります。
    法的な強制力はありませんが、専門知識を活かして適切な解決策を提案します。
  • 情報提供
    契約や商品に関する情報提供を行い、必要に応じて弁護士や司法書士などの専門家を紹介します。

国民生活センターとの違い

国民生活センターは、消費者問題に関する中核的な役割を担う機関で、国が運営しています。

一方、消費者センターは地方公共団体が運営する機関です。

国民生活センターは全国の消費者センターと連携し、土日祝日や消費者センターが閉所している時間帯の相談対応も行っています。

相談情報は全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)で共有され、消費者被害の防止に活用されています。

消費者センター国民生活センター
運営主体地方公共団体国(独立行政法人)
設置数全国857カ所1機関
主な役割消費者からの直接相談対応、あっせん消費者センターのバックアップ、情報集約
相談受付時間各センターの営業時間内土日祝日や消費者センター閉所時も対応
相談方法電話、来所、メール等電話(消費者センター閉所時)、越境消費者センター等

消費生活全般を守るためのネットワーク

消費者センターは、地域の消費者を守る重要な役割を担っています。

令和7年4月1日現在、全国847か所に設置されており、消費者ホットライン「188(局番なし)」に電話することで、最寄りの消費者センターにつながります。

参照元:令和7年度地方消費者行政の現況調査(消費者庁)

また、消費者センターに寄せられた相談は、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)に登録され、行政機関による法執行や消費者政策の企画・立案、国民への情報提供などに活用されています。

参照元:相談情報の収集・管理(国民生活センター)

消費者センターに相談するとどうなる?相談から解決までの流れ

実際に相談したら、そのあとはどうなるのでしょうか?

弁護士

まずは相談員が話を聞き、自分で解決するための助言をするのが基本です。必要な場合に限って、相談員が事業者との間に入ります。

消費者センターに相談すると、一般的には次のような流れで進みます。細かな運用はセンターによって異なりますが、大まかな流れは共通しています。

1. 消費者ホットライン「188」などで相談する

電話のほか、窓口によっては来所やメール・Webフォームでも相談できます。188に電話すると、最寄りの消費者センターなどの相談窓口につながります。

2. 相談員が経緯を聞き取る

いつ、どこで、何を、いくらで契約したのか、事業者とどのようなやり取りをしたのかを確認されます。契約書や画面のスクリーンショットがあると、聞き取りがスムーズに進みます。

3. 自分で解決するための助言を受ける

クーリング・オフや契約の取消しができるかどうか、事業者に何をどのように伝えればよいかなど、相談者自身が事業者と交渉するための助言を受けます。消費者センターの対応は、この助言が基本です。

4. 必要に応じてあっせんが行われる

自分で交渉しても解決が難しい場合などには、契約者本人の申し出を受けて、相談員が事業者との話し合いの間に入る「あっせん」が行われることがあります。あっせんを行うかどうかは、話を聞いたうえでセンターが判断します。

5. 解決、または別の手段へ進む

事業者が返金や解約に応じれば解決です。事業者が話し合いに応じない場合や、あっせんを続けても解決の見込みがない場合は、あっせんは終了し、必要に応じて弁護士会などの専門機関を案内されます。

あっせんが行われるのはどんなとき?

あっせんは、相談者が自分で事業者と交渉しても話が進まない場合などに検討されます。あっせんを希望する場合は、契約者本人からの申し出が必要です。

センターによっては、原則として契約者本人が事業者あての経緯と要望を記した書面を作成し、相談員がそれをもとに事業者と話し合います。そのため、あっせんを行う場合は、相談者の了承のもとで、誰からの申し出なのかが事業者に伝わることになります。

ただし、センターによるあっせんは法的な指導権限や強制力を伴うものではなく、相談員が相談者の代理人になって交渉するものでもありません。事業者があっせんに応じなければ、それ以上の対応は難しくなります。あっせんにかかる期間も、事業者の対応や案件の内容によって異なります。

参照元:相談時のポイント―相談を受けるにあたって知っておいていただきたいこと―(千葉県)

消費者センターへの相談方法について

消費者センターでは、電話の他にメール・Webフォームからの相談も受け付けています。

各自治体の消費生活相談窓口一覧は、消費者庁のWebサイトで確認できます。

ただし、緊急性の高い案件は電話相談がおすすめです。

また、複雑な相談内容の場合、対面での相談が必要になる場合もあります。

消費者センターへ相談に要する時間について

相談内容によって所要時間は大きく異なります。

事前に以下の準備をしておくと相談がスムーズになります。

  • トラブルに至った経緯のメモ
  • 約款や契約書
  • チラシやパンフレット
  • 広告画面や注文画面のスクリーンショット

「短時間しか対応してくれなかった」「詳細について根ほり葉ほり聞かれ、時間がかかった」等、理想との違いに驚くこともあるかと思います。

事前に、相談内容が消費者センターで相談できる内容なのかどうかを確認し、スムーズに相談できる準備を整えてから相談すると良いでしょう。

匿名で通報や相談はできる?

個人情報を明かさずに相談できるのが理想ですが、残念ながら消費者センターは完全な匿名での相談は受け付けていません。

相談時には、氏名や住所・電話番号・性別・年齢・職業を聞かれます。

これは相談内容の正確な把握と適切な解決策の提案に必要な情報だからです。

ただし、相談員には守秘義務があり、外部に情報が漏れることはありません。

また、本人の同意なしに他の目的で個人情報が利用されることもないのでご安心ください。

事業者との交渉時も、相談者の承諾なく個人情報が開示されることは一切ありません。

消費者センターは意味ない?期待される役割と実際にできること

消費者問題が起こった時は何でも相談できますね!

弁護士

ただ、もちろんできることとできないことがありますから、よく理解したうえで利用するとよいと思います。

消費者センターができる対応とは

消費者センターには、消費者トラブルを完全に解決してくれる機関としての期待が寄せられています。

しかし、実際には法的な制限や実務上の制約があり、すべての期待に応えられるわけではないのが現状です。

理想的なイメージイメージの詳細実際の対応
トラブルを即座に解決してくれる消費者センターに相談すれば即座に問題が解決する

詐欺的な取引や高額な被害の場合、早急な解決を求める
事業者が非協力的な場合や、複雑な契約問題の場合、解決までに相当の時間を要することがある

事業者との連絡が取れない場合や、海外の事業者との取引の場合は、解決が一層困難となる
自分に代わって事業者と交渉してくれる消費者センターの相談員が完全に代理人となって交渉してくれることを期待する

高齢者や若年層は、専門家による全面的な支援を求める傾向がある
相談内容に応じて、クーリング・オフの方法や、契約の問題点についての説明、適切な対応方法の助言を中心に行う
法的な手段で強制的な対応を引き出してくれる消費者センターには行政機関としての強制力があり、事業者に対して返金や契約解除を強制できると期待する事業者との交渉(あっせん)を行う場合でも、法的な強制力はない

事業者の任意の協力が得られない場合、解決が困難になることがある

必要に応じて、弁護士や司法書士などの専門家を紹介することもある

消費者センターは、一般市民である消費者と事業者間でのトラブルを解決するための機関ではありますが、「なんでも任せることができる」という訳ではありません。

期待を寄せすぎてしまうと「こんなはずじゃなかった」とますます深みにはまってしまう可能性もありますので、消費者センターの役割を正しく認識することが大事だといえます。

消費者センターが「意味ない」「役に立たない」と言われる理由

消費者センターについて「相談しても意味がなかった」という声が聞かれるのは、主に次のような理由によるものです。

  • 法的な強制力がない:あっせんは話し合いの手伝いであり、事業者に返金や解約を命じることはできません。
  • 相談員は代理人にならない:交渉の主体はあくまで相談者本人で、相談員が代わりに交渉してくれるわけではありません。
  • 事業者が応じなければ終了する:事業者と連絡が取れない場合や、話し合いを拒否された場合は、解決の見込みがないとしてあっせんが終了することがあります。海外の事業者や、所在がわからない事業者との取引も解決が難しくなりがちです。
  • 相談できる内容に限りがある:個人間のトラブルや労働問題など、消費者と事業者の間の契約トラブル以外は、ほかの窓口を案内されます。

「意味がない」と感じる背景には、消費者センターの役割と相談者の期待とのずれがあります。消費者センターは「代わりに解決してくれる場所」ではなく、「自分で解決するための助言と、必要な場合の話し合いの手伝いをしてくれる場所」と考えておくと、相談後に何をすべきかが見えやすくなります。

消費者センターに相談することが役立つケース

一方で、次のような場合は、消費者センターに相談する意味が大きいといえます。

クーリング・オフの期間内である
訪問販売や電話勧誘販売などは、申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から8日間(連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引は20日間)であれば、クーリング・オフで契約を解除できます。2022年6月1日からは、書面だけでなく電子メールなどの電磁的記録でも通知できるようになりました。期間内であれば、通知の方法について具体的な助言を受けられます。

なお、通信販売にはクーリング・オフ制度がありません。返品できるかどうかは事業者の返品特約によって決まり、特約がない場合は商品を受け取った日を含めて8日以内であれば返品できます(返品の費用は消費者の負担です)。

参照元:クーリング・オフ(国民生活センター)

関連記事:クーリングオフを拒否された!業者からできないと言われたときの正しい対応【弁護士監修】

事業者が話し合いに応じる姿勢を見せている
連絡が取れる事業者であれば、相談員の助言どおりに要望を伝えたり、あっせんを利用したりすることで、返金や解約に応じてもらえる可能性があります。

自分の主張が通るのか確認したい
契約の取消しや解約を主張できるかどうかを、無料で確認できます。主張の根拠がわかれば、事業者と交渉するときや、弁護士に相談するときにも役立ちます。

また、消費者センターに寄せられた相談はPIO-NETに登録され、行政機関による法執行や、消費者被害の未然防止・拡大防止に活用されています。自分のトラブルがすぐに解決しなくても、相談したことが、同じ事業者による被害を防ぐ手がかりになる場合があります。

消費者センターで相談されるトラブルの事例

全国の消費者センターなどには、2025年度に約100.6万件もの相談が寄せられています。

参照元:2025年度 全国の消費生活相談の状況-PIO-NETより-(国民生活センター)

とても多くの相談がされているように感じますが、どのような内容が多いのでしょうか?

弁護士

インターネット取引の拡大や新たな決済手段の普及により、消費者トラブルは複雑化・多様化しています。

架空請求や通信販売に関するトラブル

通信販売の定期購入問題

2025年度における定期購入に関するトラブルの相談件数は、約9.3万件に上りました。

参照元:各種相談の件数や傾向(国民生活センター)

具体的には、以下のようなケースが報告されています。

  • 1回限りの購入のつもりが定期購入になっていた
  • 解約の連絡をしない限り商品が届き続ける
  • 解約時の電話がつながらない
  • Web上の解約手続きがスムーズに進まない

詐欺的な架空請求やSMSへの対応

2025年度の架空請求の相談件数は、約8,500件でした。

主な内容としては、利用した覚えのない商品やサービスの請求が届くケースです。

中には「支払わないと自宅へ出向く」「訴訟・差し押さえをする」などと脅迫する悪質業者も存在します。

こうした請求は、SMSやメール、ハガキなどさまざまな手段で行われますが、身に覚えがない場合は絶対に連絡しないことが大切です。

関連記事:架空請求詐欺の電話・SMS事例と対処法。その請求、無視して大丈夫?

賃貸契約や住宅関連のトラブル

原状回復費用を巡る問題

2025年度における、賃貸住宅の原状回復に関するトラブルの相談件数は、約1.5万件に上りました。

このトラブルの多くは、主に、退去時の費用負担を巡って発生しています。

例えば、入居時からあった傷の修繕費用を請求されたり、クロスの張替えなどで高額な費用を請求されたりするケースが多く見られます。

関連記事:敷金が返ってこない理由と対処法|返還されない時の流れを徹底解説

訪問販売によるリフォーム詐欺

2025年度におけるリフォーム工事の相談件数は約5,500件、点検商法に関する相談は約2万件に上りました。

リフォーム関連トラブルでは、業者が突然訪問し、「屋根が傷んでいて危険」などと不安を煽って、契約を強引に迫るケースが多く見られます。

関連記事:その業者、本当に大丈夫!?【点検商法】業者の詐欺について解説

金融関連のトラブル

クレジットカードのリボ払い問題

クレジットカードのリボ払いに関するトラブルでは、知らないうちに設定がリボ払いになっていたり、返済額が膨らんで支払いが困難になったりするケースが報告されています。

多重債務の相談事例

2025年度の多重債務問題の相談件数は約2.4万件でした。

主に、既存の借金の返済のために他の貸金業者からの借り入れを繰り返し、返済が困難になるケースが多くみられます。

その原因としては、リボ払いの認識不足や、安易な借り入れがほとんどです。

消費者センターで解決が難しいケース

消費者センターは消費生活に関する相談を専門に扱う機関ですが、扱える範囲には制限があります。

例えば、個人間のトラブルや専門的な法律問題は、他の専門機関へ相談する方が適している場合があります。

消費者センターに相談することが適切でない場合もあるんですね。

弁護士

相談内容に応じて、適切な窓口を紹介することも消費者センターの重要な役割の一つと言えるでしょう。

個人間のトラブルや法律問題

消費者センターが対応できないケースとして、以下のようなものがあります。

  • 個人間の金銭トラブル
  • 相続や家族関係の問題
  • 人間関係に起因する争い
  • 労働問題

上記の問題については、専門家による法的な助言や対応が必要だといえます。

簡単なアドバイスや一時受付は消費者センターで相談可能な場合もありますが、法律の専門家に相談するべき内容の場合には、適切な窓口を案内します。

関連記事:労働問題はどこに相談する?労基署など相談窓口の選び方と相談するとどうなるか

消費者センター以外の適切な相談窓口

専門的な対応が必要な場合、以下のような窓口が用意されています。

法律相談弁護士会や司法書士会
労働問題労働基準監督署や労働局
相続問題法テラスや弁護士による専門相談
金融トラブル金融庁や金融ADR
不動産トラブル不動産関連の業界団体や専門家への相談

特に、裁判外紛争解決手続き(ADR)は、公正中立な第三者が間に入るため、話し合いを通じて問題の解決をはかる手続きとして有効な手段となります。

消費者センターの活用方法

弁護士

消費者センターを効果的に活用するには、問題解決に必要な情報を整理し、相談後は適切な対応をとることが重要です。

状況に応じて適切な専門家のサポートを受けることで、より確実な解決が期待できますね!

効果的に利用するための準備

必要な書類や証拠を揃える

消費者センターへ相談する際には、以下の資料を用意するとよいでしょう。

  • 約款や契約書
  • チラシやパンフレット
  • 広告画面や注文画面のスクリーンショット

トラブルの内容を証明できる資料があると、相談員が正確に状況を把握できるため、より適切なアドバイスを提供しやすくなります。

問題の詳細を記録しておく

消費者センターへ相談する前に、トラブルに至った経緯のメモをまとめておくことが重要です。

問題解決に必要な情報を詳しく聞かれることが多いため、事前に整理しておくと相談がスムーズに進められます。

消費者センターで解決しないときに泣き寝入りしないための手段

事業者があっせんに応じなかったら、もうあきらめるしかないのでしょうか?

弁護士

いいえ。消費者センターで解決しなくても、裁判所の手続きや弁護士への依頼など、取れる手段はほかにもあります。

消費者センターのあっせんで解決しなかった場合でも、請求をあきらめる必要はありません。トラブルの内容や金額に応じて、次のような手段を検討しましょう。

国民生活センターの紛争解決委員会(ADR)を利用する

国民生活センターには、裁判によらずに消費者と事業者の紛争の解決を図る「紛争解決委員会」が設けられています。扱うのは「重要消費者紛争」とされる案件で、相手方と交渉や話し合いをしても解決できていない状態にあることが前提です。

手続きには、仲介委員が当事者の間に入って話し合いによる和解を目指す「和解の仲介」と、仲裁委員が解決策を判断する「仲裁」があります。和解の仲介は話し合いによる解決のため、事業者が和解案を受け入れなければ成立しません。仲裁を利用するには、申請の前に当事者間の仲裁合意が必要です。

少額訴訟や支払督促で返金を請求する

事業者に支払いを求める金額がはっきりしている場合は、裁判所の手続きを自分で利用する方法もあります。

  • 少額訴訟:60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用できる手続きで、原則として1回の審理で紛争の解決を図ります。
  • 支払督促:書類の審査だけで、裁判所書記官が相手方に支払いを命じる手続きです。裁判所に出向く必要はありませんが、相手方から異議が出されると通常の訴訟に移行します。

参照元:少額訴訟(裁判所)

関連記事:少額訴訟は自分でできる|60万円以下のお金を取り戻す手続きと費用【体験談4件】
関連記事:自分で支払督促をする際の手続き流れと費用|デメリットと注意点も紹介

弁護士に依頼する

事業者が請求に応じない場合や、被害額が大きい場合、相手が悪質な事業者である場合は、弁護士への依頼を検討しましょう。消費者センターの相談員と異なり、弁護士は依頼者の代理人として事業者と交渉し、必要に応じて訴訟などの法的手続きを進めることができます。

弁護士費用は別途かかりますが、交渉や手続きを任せられるため、自分で事業者とやり取りする負担から解放されます。費用の支払いが難しい場合は、収入や資産が一定の基準を満たせば、法テラスの民事法律扶助制度を利用して弁護士費用の立替えを受けられる場合があります。

関連記事:弁護士費用の相場はいくら?安く抑えるコツを徹底解説
関連記事:弁護士費用が払えないとどうなる?お金がないときの対処法と使える制度

消費者団体訴訟制度の役割を知っておく

消費者団体訴訟制度は、内閣総理大臣が認定した消費者団体が、消費者に代わって事業者に対して訴訟などをすることができる制度です。ただし、個々の相談者のトラブルを一件ずつ代理して解決する制度ではありません。

適格消費者団体による差止請求は、事業者の不当な行為(不当な勧誘や不当な契約条項など)をやめさせ、不特定多数の消費者の利益を守るためのものです。また、特定適格消費者団体による被害回復の手続きは、同じ原因で多数の消費者に生じた被害をまとめて回復するためのものです。

自分のトラブルを個別に解決したい場合は、ここまで紹介したADRや裁判所の手続き、弁護士への依頼を検討しましょう。

参照元:消費者団体訴訟制度とは(消費者庁)

消費者センターに相談・通報された事業者はどうなる?

お客様から「消費者センターに言う」と言われてしまいました。事業者側は訴えられてしまうのでしょうか?

弁護士

消費者センターが事業者を訴えることはありません。ただ、連絡があったときは、事実関係を確認して誠実に対応することが大切です。

消費者センターは事業者を指導・処分する機関ではなく、あっせんにも法的な強制力はありません。そのため、消費者センターに相談・通報されたことを理由に、消費者センターが事業者を訴えたり、罰則を科したりすることはありません。

参照元:消費生活相談にあたり知っておいていただきたいこと(前橋市)

消費者センターから連絡が来たときの対応

あっせんの連絡を受けても、事業者があっせんに応じる法的な義務はありません。しかし、連絡を放置すると、消費者が裁判所の手続きや弁護士への依頼に進むこともあります。

また、消費者センターに寄せられた相談はPIO-NETに登録され、行政機関による法執行にも活用されます。特定商取引法などに違反する販売方法をしている場合は、同じような相談が集まることで、消費者庁などによる行政処分につながることもあります。

関連記事:行政指導とは?行政処分との違い!従わないとどうなるかについて分かりやすく解説!

連絡を受けたときは、次の手順で対応しましょう。

STEP
事実関係を確認する

どの取引について、消費者が何を求めているのかを相談員から聞き取ります。

STEP
契約書や記録を整理する

契約書、申込画面、メールなどのやり取りを確認し、自社の対応に法令違反がないかを確かめます。

STEP
法令に沿って回答する

自社に問題がなければ、その根拠を示して説明します。表示や手続きに不備があれば、速やかに改善します。

判断に迷う場合や、消費者から法的な請求を受けている場合は、早めに弁護士に相談しましょう。

関連記事:通販でよくあるクレームとその対策を徹底解説!クレーム対応の基本ポイント5つ
関連記事:特定商取引法とは?個人のネットショップにも必要な表示を5分で解説

全国の消費者センターの電話番号・営業時間・URL一覧

消費者トラブルの際は、最寄りの消費者センターに相談することをおすすめします。

以下では、消費者ホットライン「188」の共通窓口に加え、全国47都道府県の消費者センターの連絡先情報、受付時間、相談方法をまとめています。

電話相談のほか、メールやWebフォームでの相談にも対応している窓口が増えていますので、ご自身の状況に合わせて最適な相談方法をお選びください。

なお、土日祝日や消費者センター閉所時は、国民生活センターでも相談を受け付けていますので、緊急の場合はそちらもご活用ください。

地域センター名電話番号営業時間
共通消費者ホットライン(全国共通)
公式WEBサイト
188(いやや!)最寄りのセンターによる
最寄りの消費者センターに案内されます。
北海道北海道立消費生活センター
公式WEBサイト
050-7505-0999平日 9:00~16:00
青森県青森県消費生活センター
公式WEBサイト
017-722-3343平日 8:30~17:00
岩手県岩手県立県民生活センター
公式WEBサイト
019-624-2209平日 9:00~16:30
宮城県宮城県消費生活センター
公式WEBサイト
022-261-5161平日 9:00~17:00
秋田県秋田県生活センター
公式WEBサイト
018-835-0999平日 8:30~17:15
山形県山形県消費生活センター
公式WEBサイト
023-624-0999平日 8:30~17:15
福島県福島県消費生活センター
公式WEBサイト
024-521-0999平日 8:30~17:15
茨城県茨城県消費生活センター
公式WEBサイト
029-225-6445平日 9:00~16:30
栃木県栃木県消費生活センター
公式WEBサイト
028-625-2227平日 8:30~17:15
群馬県群馬県消費生活センター
公式WEBサイト
027-223-3001平日 9:00~16:00
埼玉県埼玉県消費生活支援センター
公式WEBサイト
048-261-0999平日 9:00~16:30
千葉県千葉県消費者センター
公式WEBサイト
047-434-0999平日 9:00~16:30
東京都東京都消費生活総合センター
公式WEBサイト
03-3235-1155平日 9:00~17:00
神奈川県神奈川県中央消費生活センター
公式WEBサイト
045-311-0999月~金 9:30~17:00、土 9:30~16:30
新潟県新潟県消費生活センター
公式WEBサイト
025-285-4196平日 9:00~16:00
富山県富山県消費生活センター
公式WEBサイト
076-432-9233平日 9:00~17:00
石川県石川県消費生活支援センター
公式WEBサイト
076-267-6110平日 8:30~17:15
福井県福井県消費生活センター
公式WEBサイト
0776-22-1102平日 8:30~17:15
山梨県山梨県県民生活センター
公式WEBサイト
055-235-8455平日 8:30~17:00
長野県長野県消費生活センター
公式WEBサイト
026-223-6777平日 9:00~17:00
岐阜県岐阜県消費生活センター
公式WEBサイト
058-277-1003平日 9:00~16:30
静岡県静岡県消費生活センター
公式WEBサイト
054-221-2719平日 9:00~16:30
愛知県愛知県消費生活総合センター
公式WEBサイト
052-962-0999平日 9:00~17:00
三重県三重県消費生活センター
公式WEBサイト
059-228-2212平日 9:00~17:00
滋賀県滋賀県消費生活センター
公式WEBサイト
077-522-0999平日 9:00~17:00
京都府京都府消費生活総合センター
公式WEBサイト
075-256-0800平日 9:00~16:30
大阪府大阪府消費生活総合センター
公式WEBサイト
06-6616-0888平日 9:00~17:30
兵庫県兵庫県消費生活センター
公式WEBサイト
078-371-1221平日 9:00~17:00
奈良県奈良県消費生活センター
公式WEBサイト
0742-26-0931平日 9:00~17:00
和歌山県和歌山県消費生活センター
公式WEBサイト
073-433-1551平日 9:00~17:45
鳥取県鳥取県消費生活センター
公式WEBサイト
0857-26-7605平日 8:30~17:15
島根県島根県消費生活相談センター
公式WEBサイト
0852-32-5916平日 8:30~17:15
岡山県岡山県消費生活センター
公式WEBサイト
086-226-0999平日 9:00~16:00
広島県広島県消費生活センター
公式WEBサイト
082-223-6111平日 9:00~17:00
山口県山口県消費生活センター
公式WEBサイト
083-924-0990平日 8:30~17:15
徳島県徳島県消費者情報センター
公式WEBサイト
088-623-0110平日 9:00~17:00
香川県香川県消費生活センター
公式WEBサイト
087-833-0999平日 9:00~17:00
愛媛県愛媛県消費生活センター
公式WEBサイト
089-925-3700平日 9:00~17:00
高知県高知県立消費生活センター
公式WEBサイト
088-824-0999平日 9:00~16:30
福岡県福岡県消費生活センター
公式WEBサイト
092-632-0999平日 9:00~16:00
佐賀県佐賀県消費生活センター
公式WEBサイト
0952-24-0999平日 9:00~16:30
長崎県長崎県消費生活センター
公式WEBサイト
095-824-0999平日 9:00~16:30
熊本県熊本県消費生活センター
公式WEBサイト
096-383-0999平日 9:00~17:00
大分県大分県消費生活・男女共同参画プラザ
公式WEBサイト
097-534-0999平日 9:00~17:00
宮崎県宮崎県消費生活センター
公式WEBサイト
0985-25-0999平日 9:00~17:00
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まとめ

消費者センターは、消費者トラブルを解決するための公的な相談窓口として重要な役割を担っています。

全国847か所に設置されており、消費者ホットライン「188」に電話をかけるだけで、最寄りの窓口につながります。

ただし、消費者センターの役割は助言とあっせんが中心で、法的な強制力はありません。あっせんで解決しない場合も、国民生活センターのADRや少額訴訟・支払督促、弁護士への依頼など、泣き寝入りせずに済む手段があります。

消費者センターがトラブル解決の「最初の相談窓口」となり、状況に応じて他の専門機関と連携しながら、消費者の権利を守るための支援を行っています。

気になることがあれば、一人で抱え込まず、まずは相談してみましょう。

専門家のアドバイスが、より良い解決への第一歩となるはずです。

弁護士
東拓治弁護士

東 拓治 弁護士
 
福岡県弁護士会所属
あずま綜合法律事務所
福岡県福岡市中央区赤坂1丁目16番13号上ノ橋ビル3階
電話 092-711-1822

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