弁護士費用が払えないとどうなる?お金がないときの対処法と使える制度

弁護士に相談したいけど費用が心配……

法的トラブルに巻き込まれたが、弁護士費用が払えない……

借金問題で困っているのに、弁護士に依頼するお金がない……

このような悩みを抱えている方は少なくありません。法的トラブルに直面した際、弁護士の専門的なサポートが必要だと分かっていても、費用の問題で相談をためらってしまうことがあります。

実は、弁護士費用が払えない場合でも、法的支援を受ける方法は複数存在します。法テラスの立替制度、分割払い対応の事務所、債務整理特有の費用積み立て制度など、経済的に困窮している方でも利用できる制度やサービスが用意されているのです。

本記事では、弁護士費用が払えないとどうなるのか、払えないときの具体的な対処法、利用できる支援制度について、弁護士監修のもと、詳しく解説していきます。

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目次

弁護士費用が払えないとどうなる?

「弁護士費用が払えない」といっても、依頼する前の段階なのか、依頼した後なのかによって、起こることは変わります。

まずは、それぞれの場面で何が起こるのかを確認しておきましょう。

着手金が払えない場合

着手金は、弁護士に事件処理を正式に依頼する際に支払う費用です。

多くの法律事務所では、着手金の入金を確認してから業務を始めます。

そのため、着手金が用意できないと、依頼そのものが始まらないのが一般的です。

この段階では費用を滞納しているわけではないので、督促や差し押さえを受けることはありません。

ただし、トラブルの解決が先延ばしになることで、請求できる権利が時効にかかってしまったり、相手方との交渉で不利な立場に置かれたりするおそれがあります。

「着手金が払えないから」と相談自体をやめてしまうのではなく、後述する分割払いや法テラスの立替制度が使えないかを、早い段階で確認することが大切です。

関連記事:弁護士に依頼を断られる6つの理由と受任拒否・辞任されたときの対処法

依頼した後に支払いが滞った場合

弁護士費用の支払いを滞納した場合、通常の債務と同様に、督促を受けることになります。

弁護士や法律事務所は、基本的に依頼者の権利を守り、救済を目的として業務を行っていますが、同時に事務所の運営のためにも報酬を得る必要があります。

支払いが滞った場合、まず弁護士から連絡や催促があるはずです。

この段階で誠実に対応し、状況を説明することが重要です。

多くの場合、弁護士は依頼者の状況を理解し、支払い計画の見直しなど、柔軟な対応を検討してくれる可能性があります。

また、支払いが滞ったままの状態が続くと、信頼関係が損なわれたと判断され、弁護士が辞任する可能性があります。

弁護士が辞任すると、進めていた交渉や手続きが止まってしまいます。

債務整理を依頼していた場合は、止まっていた債権者からの督促が再開することになります。

しかし、長期にわたって支払いが滞り、かつ誠実な対応がない場合は、弁護士が法的手段を取る場合もあります。

最悪の場合、給与や預貯金の差し押さえなどの強制執行に発展する可能性もあることを覚えておきましょう。

このような事態を避けるためにも、支払いが困難になった時点で弁護士と相談し、対応策を検討すべきです。

また、弁護士との契約を解除しても、既に発生した費用についての支払い義務がなくなることはありません。

特に着手金は、事件の結果に関わらず返金されないのが一般的です。

支払いが困難な状況に陥った場合、分割払いの再調整や支払回数の変更など、柔軟な対応を弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士費用が払えないときの対処法

法的トラブルに直面しても、経済的な理由で弁護士に相談できない方は少なくありません。

しかし、支払い方法を工夫したり、公的な制度を利用したりすることで、手元にまとまったお金がなくても弁護士に依頼できる場合があります。

ここでは、弁護士費用が払えないときに検討したい対処法をご紹介します。

分割払いや後払いに対応している事務所に相談する

弁護士費用は一括払いが原則ですが、事情を説明すれば、分割払いや後払いに応じてくれる法律事務所もあります。

ホームページに「分割払い可」と書かれていない事務所でも、相談の際に申し出ることで対応してもらえる場合があります。

まずは「一括では払えない」という事情を、依頼前の相談の段階で正直に伝えましょう。

着手金の後払いは、相手方から金銭を回収できる見込みが高い事件ほど、認められやすい傾向にあります。

例えば、未払い残業代の請求、交通事故の損害賠償請求、過払い金の返還請求などです。

回収した金銭の中から弁護士費用を精算できるため、事務所側も後払いに応じやすくなります。

一方で、次の点には注意が必要です。

  • 収入印紙代や切手代などの実費は手続きのたびに発生するため、分割払いや後払いの対象にならないことが多い
  • 分割払いや後払いの場合、総額が一括払いよりも高めに設定されていることがある
  • 約束した支払いが遅れると、弁護士が辞任する原因になる

分割の回数や毎月の支払額は事務所によって異なるため、契約前に書面で確認しておくと安心です。

なお、借金問題で依頼する場合は、費用を積み立てながら支払える仕組みがあります。詳しくは後述の「借金で弁護士費用を払うのが困難な場合」をご覧ください。

弁護士費用は事件の種類や複雑さによって大きく異なります。

ここでは、一般的な事件別の弁護士費用の相場を紹介します。

ただし、これらは目安であり、実際の費用は個々の事案や弁護士によって変動する可能性があるため、注意してください。

相談料や着手金が無料の事務所を選ぶ

初回相談料や着手金が無料の法律事務所を選ぶことで、弁護士費用を抑えられます。

無料相談を有効活用するには、事前に問題点を整理し、具体的な資料を用意しておくことが大切です。

ただし、「着手金不要」や「着手金0円」をうたう事務所では、成功報酬が高めに設定されていたり、別途料金が発生したりする可能性があるため、総合的な費用の確認が必要です。

また、「完全成功報酬制」を採用している事務所もありますが、こちらも成功報酬を高く設定しているケースがあるため、契約する際には、トータルの内容をしっかりと確認しましょう。

弁護士

よくあるトラブルが、「判決で勝訴した場合に成功報酬が発生する」という契約内容です。
一見合理的に見えますが、「勝訴はしたが回収できるかどうかは別。(1円も回収できなくても)成功報酬は請求されてしまう」というケースもありますので、ご注意ください。

法テラスの民事法律扶助制度

法テラス(日本司法支援センター)が提供する民事法律扶助制度は、経済的に困窮している方々に法的支援を提供するための制度です。

具体的には、資産や収入が資力基準以下の方に対して、3回までの無料相談や弁護士費用の一時立て替えを行います。

弁護士

3回までの無料法律相談は、立替えではなく完全無料です。
弁護士に事件処理を依頼した場合の弁護士費用は、原則立替えで月々分割で法テラスに支払う形になります。
例外的に、償還猶予や償還免除などがあります。

立て替えられた費用は、分割で返済することになりますが、一般の弁護士事務所に直接依頼するよりも、一回で支払う費用を大幅に抑えられます。

そのため、経済的な理由で法的支援を諦めていた方でも、専門家のサポートを受けることが可能です。

ただし、この制度を利用するためには、以下の基準を満たす必要があります。

【収入基準(手取り月収額)】

  • 単身者:18万2,000円以下
  • 2人家族:25万1,000円以下 
  • 3人家族:27万2,000円以下
  • 4人家族:29万9,000円以下

※家賃や住宅ローンがある場合は、一定額まで加算可能

※東京都特別区や大阪市などにお住まいの場合は基準額が上がります(単身者:20万200円以下、2人家族:27万6,100円以下、3人家族:29万9,200円以下、4人家族:32万8,900円以下)

【資産基準】

  • 単身者:180万円以下
  • 2人家族:250万円以下
  • 3人家族:270万円以下
  • 4人家族:300万円以下

【その他の条件】

  • 裁判において勝訴の見込みがないとはいえないこと
  • 民事法律扶助の趣旨に適すること

これらの基準を確認することで、自分が制度を利用できるかどうかを事前に判断できます。詳細な条件や申請方法については、法テラスのWEBサイトや窓口で確認できます。

【立て替えてもらった費用の返済】

立て替えてもらった費用は、援助の開始が決まった後、毎月5,000円から1万円程度ずつ、分割で法テラスに返済していきます。

利息はかかりません。

毎月の返済額は、審査の際に法テラスが決定します。

相手方から慰謝料や賠償金などを受け取った場合は、原則として、そのお金から弁護士への報酬や立替金を精算することになります。

【返済の猶予・免除】

生活保護を受給している方は、事件が終わるまで返済が猶予されることがあります。

事件が終わった後も生活保護を受給している場合は、申請によって返済が免除されることがあります(相手方から金銭を受け取った場合を除きます)。

また、令和6年4月1日からは、ひとり親世帯を対象に、免除の要件を一部緩和した償還免除制度が新しく設けられました。

養育費の請求などで法テラスを利用したひとり親の方は、返済の免除を受けられる可能性があるため、法テラスの窓口で確認してみてください。

関連記事:離婚問題で法テラスを利用するメリット・デメリット、利用するまでの流れについて解説

加入中の保険に弁護士費用特約が付いていないか確認する

見落としやすいのが、すでに加入している保険の弁護士費用特約です。

自動車保険や傷害保険に弁護士費用特約が付いている場合、費用の一部または全部が保険でカバーされる可能性があるため、事前確認がおすすめです。

特約は、自動車保険のほか、火災保険や傷害保険に付いていることもあります。

契約者本人だけでなく、同居の家族が加入している保険の特約を使える場合もあります。

弁護士に依頼する前に、自分と家族の保険証券を確認しておきましょう。

補償の対象となるトラブルの範囲や上限額は、保険会社や商品によって異なります。使えるかどうかは、加入している保険会社に問い合わせて確認してください。

弁護士

自分が運転中の事故でなくても、自動車保険が適用される場合もあります。広い意味で交通事故に遭った場合には、ご自身及び乗車車両に関する保険の内容をご確認ください。

刑事事件などで弁護士費用が払えない場合に使える制度

刑事事件では、逮捕された直後から弁護士の助けが必要になります。

費用が用意できない場合でも利用できる制度が複数あるため、段階ごとに確認しておきましょう。

当番弁護士制度

当番弁護士制度とは
逮捕された人やその家族などの依頼を受けて、弁護士が留置されている場所に出向き、無料で1回面会して相談に応じる制度のこと

各地の弁護士会が運営しており、初回の面会費用は弁護士会が負担します。

資力に関係なく利用できるため、逮捕された直後は、まず当番弁護士を呼ぶことを検討しましょう。

警察官や検察官、裁判官に「当番弁護士を呼んでほしい」と伝えれば、弁護士会に連絡してもらえます。

家族が弁護士会に電話をして依頼することもできます。

ただし、無料なのは初回の1回のみです。

引き続き弁護活動を依頼する場合は、私選弁護人として契約するか、次に紹介する国選弁護人制度や、日弁連の刑事被疑者弁護援助を利用することになります。

国選弁護人制度

国選弁護人制度は、主に刑事事件において、被疑者や被告人が経済的な理由で弁護士を選任できない場合に、国が弁護人を選任する制度です。

これによって、経済的な制約を受ける方々も、公正な裁判を受ける機会が保証されます。

国選弁護人制度を利用する流れは、以下のとおりです。

  • 被疑者や被告人が、自力で弁護士を依頼できない事情を説明し国選弁護人の依頼を裁判所に申し立てる
  • 裁判所が申し立てを認める
  • 裁判所が国選弁護人を指名する
  • 弁護士が弁護活動を開始する
弁護士

実務では、①で、裁判官が被疑者を勾留する決定をするために被疑者と会う際に、被疑者の意思を確認しています。
そこで国選弁護士人を希望する旨を伝えることで、申立てが行われたことになります。

この制度の大きな特徴は、原則として、利用者による費用負担がないことです。

つまり、経済的な理由で弁護士を雇えない方でも、無料で弁護士のサポートを受けられます。

国選弁護人を請求する際は、現金や預貯金などの資産を記載した「資力申告書」を提出します。

資産の合計が50万円未満であれば、そのまま国選弁護人の選任を請求できます。

50万円以上ある場合は、先に弁護士会に私選弁護人の選任を申し出る必要があり、引き受ける弁護士がいなかったときに国選弁護人を請求できます(刑事訴訟法第36条の2、第36条の3、第37条の3)。

なお、被疑者の段階で国選弁護人が付くのは、勾留された後です。逮捕から勾留までの間は、前述の当番弁護士制度を利用しましょう。

ただし、裁判終了後に資力があると判断された場合は、費用負担を言い渡されることもあるので注意が必要です。

国選弁護人制度によって、経済的な状況にかかわらず、すべての被疑者・被告人が適切な法的支援を受けられる環境が整備されています。

関連記事:私選弁護人と国選弁護人はどう違う?メリット・デメリットから費用まで詳しく解説

日弁連委託援助業務からの支援

日本弁護士連合会(日弁連)は、経済的に困窮している方々のために法律援助事業を実施しています。

この事業は「法テラス」に委託されており、特定の条件を満たす方々に対して無償または低額で法的支援を提供しています。

援助の種類は、以下のとおりです。

  • 刑事被疑者弁護援助
  • 少年保護事件付添援助
  • 犯罪被害者法律援助
  • 難民認定に関する法律援助
  • 外国人に対する法律援助
  • 精神障害者・心神喪失者等医療観察法法律援助
  • 子どもに対する法律援助
  • 高齢者、障害者及びホームレスに対する法律援助

支援内容は案件によって異なりますが、例えば刑事事件被疑者に対しては、弁護士との接見やアドバイス、警察官や検察官との交渉、示談などが含まれます。

刑事被疑者弁護援助は、勾留される前など、まだ国選弁護人を付けられない段階で利用できる制度です。被疑者国選弁護を受けられる場合は利用できません。

また、少年事件の場合は、少年との面会やアドバイス、家庭裁判所との折衝、環境調整を行う弁護士へ、依頼者の代わりに弁護士費用を支払います。

この法律援助を利用するためには、まず弁護士に相談し、その弁護士を通じて法テラスに申込む必要があります。

なお、犯罪の被害にあった方については、2026年1月13日から、法テラスの「犯罪被害者等支援弁護士制度」の運用も始まっています。

殺人や性犯罪など一定の犯罪の被害者やその家族が、要件を満たせば、原則として法テラスの費用負担で、被害の直後から弁護士による支援を受けられる制度です。

対象となる犯罪や利用の要件は、法テラスのWEBサイトで確認できます。

弁護士費用の内訳や、離婚・相続・交通事故など事件別の相場は、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:弁護士費用の相場はいくら?安く抑えるコツを徹底解説

弁護士費用を安く抑えるには?

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弁護士費用は法的問題解決の障壁となることがありますが、適切な方法を知ることで費用を抑えられます。

ここでは、弁護士費用を安く抑えるための方法を紹介します。

これらの方法を活用することで、質の高い法的サポートが受けられ、経済的負担を軽減しやすくなるでしょう。

こじれる前に相談!

法的トラブルは早期に対応することが重要です。

複雑な手続きや長期にわたる交渉で、問題が大きくなればなるほど、解決に要する時間や労力、費用が増える傾向にあります。

そのため、疑問や不安を感じた時点で専門家の意見を求めることが重要です。

多くの法律事務所では、初回相談会を無料で開催しています。

この機会を利用して、問題の詳細や対応策を把握しましょう。

無料相談を効果的に活用するためには、事前に問題点や悩みを整理し、関連する書類や証拠を用意しておくことが大切です。

そうすれば、限られた相談時間内で的確なアドバイスを得られ、その後の方針を立てやすくなるはずです。

また、早期相談により、問題が訴訟に発展する前に解決できるケースもあります。

調停や和解などの裁判外紛争解決手続き(ADR)を活用することで、裁判よりも低コストで問題を解決できる可能性が高くなります。

早期に対応すれば、弁護士の作業時間削減となり、結果として費用を抑えられるでしょう。

弁護士会の無料相談サービスを利用する

各地域の弁護士会が行っている無料相談サービスでは、経験豊富な弁護士が様々な法律問題について初期的なアドバイスを提供しています。

相談時間は通常20分から30分程度です。

無料相談サービスで、問題の概要を把握しておけば、今後の方針を立てる上で役立てられます。

ただし、複雑な案件の詳細な検討は難しいでしょう。

なお、無料相談サービスは予約制のことが多く、人気の高い時間帯はすぐに埋まってしまうこともあるため、早めの予約をおすすめします。

また、相談時間が限られているため、事前に相談内容を整理し、必要な資料を用意しておくのがおすすめです。

弁護士会の無料相談を利用することで、費用をかけずに専門家に相談でき、その後の対応を検討する上で貴重な情報を得られるメリットがあります。

さらに、必要に応じて適切な弁護士を紹介してもらえる場合もあります。

地方自治体が提供する法律相談を活用する

多くの地方自治体(市区町村)では、住民向けの無料法律相談サービスを提供しています。

通常、地域の弁護士会と連携して実施されており、経験豊富な弁護士が担当します。

相談時間は30分程度で、基本的な法的アドバイスを受けられます。

対象となる問題は多岐にわたり、離婚、相続、借金、労働問題など、日常生活で直面する様々な法的問題について相談できるでしょう。

これらのサービスを利用する際の注意点は以下のとおりです。

  • 予約が必要な場合が多いため、早めに申し込む
  • 相談時間が限られているため、事前に相談内容を整理し、必要な資料を用意しておく
  • 申し込みの条件を、事前確認しておく

地方自治体の法律相談を活用することで、費用をかけずに初期段階での専門家のアドバイスを受けられます。

早めに相談すれば、問題の深刻化を防ぎ、結果的に弁護士費用の削減につながる可能性があります。

借金で弁護士費用を払うのが困難な場合

借金問題を抱えている人が弁護士費用を支払うのは確かに困難に思えます。

しかし、多くの弁護士事務所ではこのような状況を理解しており、柔軟な支払いプランを用意していることが多いです。

分割払い対応をしている法律事務所に依頼する

分割払いによって、一度に大きな金額を支払う必要がなくなります。

特に債務整理や自己破産の案件では、依頼者の経済状況を考慮した支払いプランを提案してくれる事務所が多いでしょう。

債務整理には、お金がない人でも弁護士費用を支払える特別な仕組みがあります。

【受任通知による取り立てストップ】

弁護士が債務整理を引き受けると、すぐに債権者(貸金業者など)に「受任通知」を送付します。この通知を受け取った債権者は、法律上、債務者への直接的な取り立てを停止しなければなりません。

【借金返済の一時停止】

受任通知が送られると、和解が成立するまでの間、借金の返済も一時的に止まります。これにより、毎月の返済に充てていたお金が浮くことになります。

【弁護士費用の積み立て】

浮いたお金を弁護士費用として積み立てることで、無理のない範囲で費用を支払えるようになります。多くの事務所では、必要な費用が貯まってから、本格的な債務整理手続きを開始します。

このように、債務整理では「お金がないから弁護士に頼めない」という矛盾を解決する仕組みが、法律で保障されているのです。

なお、法テラスの民事法律扶助制度は、債務整理でも利用できます。ただし、自己破産で裁判所に納める予納金は、生活保護を受給している方を除いて、立替えの対象になりません。

多くの弁護士は、依頼者の状況を理解し、可能な範囲で柔軟な対応をしてくれます。

まずは無料相談を利用して、自分の状況に合った支払い方法や支援制度について相談することをおすすめします。

弁護士費用は相手に請求できる?

弁護士費用や裁判費用を相手に請求できるかどうかは、事案の性質や解決方法によって異なります。

一般的に、以下のような区分ができます。

裁判費用(訴訟費用)

裁判所に支払う費用(裁判所手数料や郵券代など)は、原則として相手に請求できます。
民事訴訟法61条で、「訴訟費用は敗訴した側が負担することになっている」と定められています。

弁護士費用

原則として、弁護士費用を相手に請求することはできません。
これは、「トラブルは本来自分で解決できるものであり、弁護士を利用するかどうかは個人の選択による」という法的な考え方に基づいています。

弁護士

ネットでも、訴訟費用と弁護士費用を混同している記載を目にするので、裁判費用(訴訟費用)は弁護士費用とは別と知っておいてください。

ただし、例外的に「不法行為」を理由とする訴訟の場合は、弁護士費用の一部を請求できる可能性があります。

不法行為訴訟とは
不倫、交通事故、暴行、名誉毀損など、相手の違法な行為によって損害を被ったと主張するような訴訟のこと

一般的に、不法行為の裁判で損害賠償請求が可能となった場合、相手に弁護士費用相当額として請求できる相場は、認められた損害額の約1割です。

弁護士

実務では、事案の難易度や請求金額に関係なく、認容額1割のみを請求できます。
また、難易度の高い裁判でも、一部の不法行為事案と同視できるような場合を除いては弁護士費用は認められません。

請求できる範囲や手続きの詳細は、下記の記事で解説しています。

関連記事:弁護士費用は相手に請求できる?請求できるケースと金額・裁判費用との違いを解説

今後のトラブルに備える方法としての弁護士保険

ここまで紹介した方法は、すでにトラブルが起きている方に向けたものです。

これに対して弁護士保険は、トラブルが起きる前に加入しておくことで、将来かかる弁護士費用に備える方法です。

弁護士保険制度とは
月々の保険料を支払うことで、法的トラブルが発生した際の弁護士費用をカバーする保険制度のこと

この保険は、2006年に施行された「保険業法等の一部を改正する法律」で定められた「少額短期保険」に該当するものです。

弁護士保険に加入していれば、法的トラブルが発生した際に、自己負担を抑えて弁護士への相談や依頼ができます。

被害を受けた場合だけでなく、加害者になってしまった場合でも利用できるのが特徴です。

また、多くの保険では弁護士探しのサービスも提供されており、適切な弁護士を見つけるのに役立ちます。

なお、加入前に発生した事案については保険が適用されません。

そのため、事前に加入しておく必要があります。

また、多くの場合、補償が始まるのは初回の保険料支払いから1〜2ヶ月後となります。

そのため、「今後トラブルになるかもしれない」と考えている場合は、早めに加入を検討しましょう。

弁護士

ネットの普及により、自分で調べて「法的に請求できる」と考えて弁護士に気軽に相談するなど、法的請求への敷居が飛躍的に低くなりました。

あなたが泣き寝入りしないために

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まとめ

法的トラブルに直面した際、弁護士費用は大きな懸念事項となりますが、これを理由に必要な法的支援を諦める必要はありません。

もしも費用の支払いが困難になった場合は、早急に弁護士と相談し、状況を説明することが重要です。

多くの弁護士は分割払いの再調整など柔軟な対応を検討してくれます。

資力のない方でも、多くの弁護士事務所が分割払いに対応しており、法テラスなどの支援制度も利用可能です。

また、予防策として弁護士費用保険の検討や、無料相談の利用も有効です。

重要なのは、経済的な理由で法的支援を諦めないことです。

様々な支援制度があるので、自分に合った方法を見つけることが大切です。

費用面でのリスクを考慮しつつも、適切な法的支援を受けることが、問題解決への近道となります。

弁護士

吉原崇晃 弁護士

第一東京弁護士会所属
吉原綜合法律事務所

所在地 東京都港区港南2-16-1品川イーストワンタワー4階
TEL 03-6890-3973

戦略法務として、商標・著作権・景品表示法など表示関係全般や企業法務、男女トラブルや交通事故などの私的問題、社内研修まで幅広く扱う

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