弁護士には受任義務がなく、依頼されても断る権利があります。
例えば、医師は医師法第19条により、正当な事由なしに診療を拒否できません。
行政書士や司法書士についても同様に原則として依頼を拒否することはできません(行政書士法第11条、司法書士法第21条)。
しかし、弁護士法にも弁護士職務基本規定(弁護士倫理)にも『弁護士は依頼を断ってはならない』という規定はなく、依頼を受任するも拒否するも弁護士の自由であり、またその理由を答える必要もありません。
これは弁護士の権利であるとともに、依頼人の利益のためでもあります。
では弁護士はどういった場合に依頼を拒否するか、依頼を拒否されないようにするためにはどうすればよいか見ていきましょう。
記事に入る前に・・・
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弁護士が依頼を拒否する理由
費用倒れになる
案件によって回収できる見込みの利益が弁護士費用を下回る場合、つまり裁判・調停で依頼人が勝っても赤字になる場合は、依頼人のためを思って依頼を拒否する場合があります。
弁護士費用は着手金、成功報酬、その他交通費や書類作成等の実費がかかります。
たとえ勝訴したとしても、少額事案のように回収できる金銭的利益が弁護士費用を下回れば費用倒れとなり、金銭的に損をするだけになるからです。
「相手方に社会的制裁を加えることが目的で金銭的に赤字でも構わない」というケースを除き、赤字になるか否かは弁護士との相談時に具体的な見通しと共に説明してもらいましょう。
勝訴の見込みがない
訴えを起こしてもまったく勝つ見込みがない場合は依頼を拒否されてしまいます。
最初からまったく勝ち目が無い、負けるとわかっているのに訴訟を起こすことは、不当訴訟に該当し、逆に相手方から訴えられてしまう可能性があるからです。
主張した権利または法律関係が事実的、法律的根拠の欠くものの場合の根拠となる証拠が無い、主張自体が法的に成立しないといった場合、弁護士は依頼を断らざるを得ません。
特に証拠については重要といえます。
例えば、「貸したお金を返してもらうために法的手段をとりたい」という依頼の場合、
借用書がない、領収書や銀行の振込記録もない、相手とのやり取り(返還請求のメールやその返事等)がない、交渉時の録音がない、
借り入れを記載したメモも無いといった状況では、客観的にお金のやり取りがあったことを証明することができないため、対応は困難になります。
相談時に詳細を詰めていくことで、依頼人が気づいていない証拠が見つかる場合もありますが、可能性としては高くありません。
利益相反にあたる
既に受任した依頼者と利害が対立するような別案件を受任することを利益相反行為といい、弁護士法第25条や弁護士倫理で禁止されています。
弁護士が過去または現在 Aさんの依頼を受任している場合、Aさんを相手に訴訟を起こしたいBさんの依頼を受けることはできません。
弁護士はAさんの内情を把握しており、これを利用することは倫理に反する上、弁護士という職業の信頼を著しく損なうからです。
また、同一事務所に所属する弁護士もこれは同様で、X法律事務所に所属する弁護士がAさんから相談・依頼を受けていた場合、Aさんと争っているBさんに対して、X法律事務所の弁護士は全員相談を受けることができません。
業務の範囲内ではない
弁護士は法律のプロではありますが、全ての法律問題に対応できるわけではありません。
法律は分野によって細かく制定されており、年々改正が行われその対応が必要となるため、弁護士や法律事務所には分野・領域による得意不得意があります。
そのため多くの法律事務所が業務範囲を設定しています。
例えば、離婚・相続・交通事故を主に取り扱う法律事務所に医療事故の訴訟や知的財産権について相談に行っても、専門性の高い特殊事件(※)はノウハウがなければ闘えないため、一般的なアドバイスしかできない可能性があります。
多くの法律事務所が専門分野や取扱分野についてwebページで業務内容を載せていますので、そちらをチェックしておきましょう。
(※)特殊事件の例
医療事件、公害事件、行政事件、税務事件、知的財産事件、渉外事件等
信頼関係を築けない
弁護士の連絡や指示を無視したり何度も嘘をついたりと、コミュニケーションが正常に取れずに信頼関係を築けないと判断されれば、弁護士は依頼を拒否してしまいます。
また、費用を値切る、支払わないという場合も弁護士が警戒して依頼を拒否してしまいます。
依頼人と弁護士の二人三脚で闘う訴訟において、相互に不信を抱いていればよい結果には至りません。
冷静かつ正直に話すことは信頼関係の基礎となります。
昨今ではSNSやブログ、匿名掲示板に経過を載せる人もいます。
インターネット上に発信することは全世界に公開していることと同じであり、相手方に見つかればそれをもとに対策をされたり、表現によっては誹謗中傷として逆に不利になったりと、メリットがありません。
どうしても発信したいという場合は弁護士と十分話し合い、決着がついた後に公開しても良い情報だけを発信しましょう。
社会に発信すべき内容の訴訟も存在しますが、多くの場合その必要は全くありません。
弁護士個人の思想信条に反する
例えば、弱者救済を信条とする弁護士の場合、企業と消費者、雇用者と被雇用者といった二者の対立があれば、企業や雇用者側の依頼を受ける可能性は高くありません。
弁護士の業務内容で何となく察することができる点ではありますが、こればかりは弁護士と話してみないとわかりません。
乗り気でない弁護士に無理に依頼しても決して良い結果は生まれませんので、相性が悪ければ他の弁護士を探しましょう。
弁護士に断られないために
弁護士に断られないようにするために、下記の点を相談前・相談時に気をつけましょう。
複数の弁護士を探す
相談前にいくつかの法律事務所をピックアップしておきましょう。
業務内容・専門分野が相談したい内容に合致していたとしても、弁護士によってその問題の考え方や経験値が異なります。
また、多くの弁護士が勝てる見込みがないと判断しても、中にはより依頼者の利益になるよう提案をしてくれる弁護士もいます。
相性を確認する
複数の弁護士に相談した上で、自分との相性を考えましょう。
弁護士は機械ではないので、同じ回答でもその表現が弁護士ごとに異なることもあります。
事務的に粛々と手続きを進める弁護士もいれば、親身になって寄り添う姿勢の弁護士もいます。
短くない期間を代理人として任せる相手だからこそ、あなたが信頼を置けると感じられる弁護士に依頼しましょう。
相談時に不利な事も話す(嘘をつかない)
相談内容によっては何かしら後ろめたい事情や、言いにくいこと恥ずかしいことがあるかもしれませんが、弁護士はそれらをひっくるめて依頼人の味方となる存在です。
弁護士は依頼人からの情報を基に方針を決めますが、依頼人が嘘の情報を言ったり、不利な情報を弁護士が知らないままにしていると、そもそもの方針がずれてしまい、望ましい結果は得られなくなります。
前提が間違っていると、その上に積み上げた論理や証拠は土台からひっくり返されてしまうため、相手方から証拠と共にその嘘を指摘されれば場合によっては致命的なダメージとなり、大きな損害を被ることになります。
たとえ不利な事情があっても、それを事前に把握していれば弁護士は手の打ちようがあります。
また、依頼人が不利になると思っているだけで、適切な準備をしていれば全く問題ない場合もありますので、弁護士には全て話すようにしましょう。
費用が安い弁護士を探す
費用倒れが考えられる場合はより費用の安い弁護士を探すことで解決する場合があります。
ただし、安さの理由が、経験の浅い弁護士が対応する、着手金目的でとりあえず受任だけする等の可能性もあるため、十分注意が必要です。
具体的な見通しや訴訟の進め方の説明をしてもらい、信頼できるかどうかを検討しましょう。
受任後も辞任することがあるのか
弁護士は依頼者から委任契約を結び、委任契約の期間中は代理人として法律上必要な手続きを行います。
しかし、場合によっては委任契約が終了する前に弁護士から辞任されてしまうケースがあります。
主な事例としては
- 着手金を払わない
- 弁護士の指示に従わない
- 打ち合わせの日程に来ない
- 弁護士との連絡を怠る
- 弁護士に嘘をつく
- 弁護士のやり方に過剰に口を出す
等が挙げられます。
つまり、依頼人との信頼関係が壊れることが原因です。
弁護士にとって途中での契約解除はメリットがないため、理由なく辞任することはありません。
解決方針の変更や違いが生じた場合には、弁護士の経験・能力を信頼した上で、疑問点を解消するために円滑なコミュニケーションを心がけることが大事です。
委任契約の契約書にも「こういったことがあれば契約後であっても辞任します」と辞任事由の記載があるので、契約時によく目を通しておきましょう。
辞任事由は逆にいえば、それさえなければ信頼するという弁護士の表明でもあります。
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まとめ
弁護士が依頼拒否する理由についてまとめました。
複数の理由がありますが、信頼関係の構築が何より大事といえるでしょう。
弁護士に依頼する際には、相談前に業務内容(取扱分野・専門分野)を確認した上で、
- 相談内容
- 希望する最終的なゴール
をメモ等にまとめて整理し、相談してみましょう。
あらかじめ弁護士保険などで、今後のリスクに備えておくことをおすすめします。
医療過誤、一般民事(離婚や労働問題)、企業法務を注力分野としています。
敷居が低く親しみやすく、かつ、頼りになる弁護士を目指しております。
一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
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