性犯罪ニュースとセカンドレイプ(二次被害)を考える ~インターネットへの投稿のあり方~

世間では、「セカンドレイプ」や「二次被害」という言葉をよく耳にするようになりました。

特に最近は、性犯罪ニュースに絡んで、「セカンドレイプだ!」などと、炎上することも、ままあるようです。

ネットニュースやテレビ、週刊誌記事などを受けて、ネット上で自分の意見をコメントする方は、年々増えているように思われます。

もちろん、記事やニュースを受け、自分の意見を述べることは、誰にでも保障されている「表現の自由」の一環ですから、それ自体が疑問視されるわけではありません。

しかしながら、コメントの中には、特定の人物への過剰な攻撃や、憶測に基づいた誹謗中傷といった、どうしても疑問に感じてしまうような投稿も少なくありません。

今回は、法的な解説というよりは、多数の被害者の方々の思いを聞いている弁護士という立場から、このようなネットへの投稿のあり方、セカンドレイプや二次被害の実態というものを、私なりの立場で、お話してみたいと思います。

この記事を書いた人
篠田弁護士

篠田恵里香 弁護士

東京弁護士会所属

へいわ総合法律事務所 代表弁護士

東京都豊島区東池袋三丁目1番1号 サンシャイン60 45階
Tel.03-5957-7131

2008年弁護士登録。
男女問題、交通事故を中心に、幅広い分野を扱う。
大切な人生の分岐点を、一緒に乗り越えるパートナーとして、親身になって対応させていただきます。

記事に入る前に・・・

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丸山弁護士

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目次

性被害者の実態

そもそも、性被害者がどのような心情を抱えるものなのか、について、筆者の立場からお伝えします。
※類型的に被害者は女性が多いため、恐縮ですが、今回は女性に限定してお話をさせていただきます。

まず、性被害に遭った多くの女性は、「警察に行くことさえできない」という実態があります。

なぜなら、「警察に赴いて自分の遭った性被害を詳細に話すこと」事態がそもそも、辛いのです。

思い出すことさえ苦痛で、警察官の前でその記憶を再現すること自体が、ある意味、被害者にとってはセカンドレイプなのです。

「そんな思いをするくらいなら、もう忘れてしまいたい、犯人が捕まらなくてもいい。」

そんな思いになってしまうのは、「諦め」ではなく、「更なるセカンドレイプを避けたい」その一心であることも多いのです。

精神的に強く、「絶対犯人を許さない!」と言って、「犯人に刑事処罰を!!」と立ち上がる女性も勿論、少なくはないです。

しかしながら、「早く忘れたい」という気持ちと、「夜道を歩くのが怖い」「電車に乗るのが怖い」「男性と目が合うのが怖い」といった苦痛と戦いながら、被害申告ができないまま、戦い続けている女性が数多くいることも事実です。

むしろそのような女性の方が圧倒的に多いという事実もまた、改めて皆さんに知っていただきたいと思います。

性被害者に対するセカンドレイプの実態

現実に性被害に遭った女性に対し、セカンドレイプがいかにその心を深く傷つけるか、についても、合わせて皆さんに是非知っていただきたいです。

性被害者が被害を申告することは、お話させて頂いたとおり、とんでもなくハードルの高いことです。

ですから、これを乗り越えたところに、「更に非難されて傷つく」といういわゆる二次被害は、被害者にとっては耐えがたい苦痛となります。

性被害に遭った女性に対しては、「何で今になって言い出すのだ」とか、「何が目的なのか(金銭目的ではないか)」、「断ることができたのではないか(本当は同意があったのではないか)」といった投稿がよく見られるように思います。

性被害ニュースが報道されるたびに、ヤフーコメントやX、SNSでは、そのような投稿が必ずと言っていいほど、上がってきます。

しかしながら、長い間言えなくて悩んで苦しんで、ようやく勇気を出して告発した性犯罪被害女性が、このような投稿を目にした場合、どれだけ悔しく苦しく悲しい思いをするか、想像できますでしょうか。

きっと想像などできないほど苦しいはずです。

これは、被害女性にしかきっと分かりません。

夜も眠れず、心身を切り刻まれるほどの苦痛を味わうと言っても過言ではないはずです。

「自分は何も悪くなく、被害者なのに、自分の方が悪いかのように扱われること」が、どれだけ悔しいか、その女性の心中は、察するに余りあります。

「勇気を出して告発なんかしなければよかった」と後悔の念に襲われることや、更には、虚しい世の中に生きる希望を失い、自ら命を絶つ方までもがいることを、我々は、忘れてはなりません。

軽い気持ちで投稿したそのコメントが、性犯罪被害者にとっては、人生をも奪う可能性があるということを、改めて、皆さんには認識して頂きたいと思います。

ニュースや記事はたしかに必ずしも正しいとはいえない

もちろん、性犯罪報道について、意見を言うこと自体は、大切なことだと思います。

実際、「ハニートラップ」という言葉が多用されているとおり、「芸能人など有名人の顧客誘引力を利用して金儲けをするために、性的な勧誘をして、記事を週刊誌などに売る」という行為が存在することもまた事実だと思われます。

また、週刊誌に記載された事実が全て真実とは限らない(虚偽であることも多いかもしれない)ということも、意識しておく必要があります。

週刊誌記事は、あくまで、取材した人物の発言に基づいているものが多く、特に性犯罪は、動画などの「客観的証拠」が残らないことが多いので、「本人の言っていることが真実らしい」というだけでも記事にされ得ます。

女性が、大げさに伝えた内容や、誤った内容が記事になることもままあると思われます。

したがって、ニュース記事が本当なのか?被害女性の言い分に嘘がないのか?という視点を持つことも、重要なことだと思われます。

ただ、この視点で意見を言うことを超え、憶測や興味半分で、人格攻撃をすることは決して許されません

インターネットへの投稿のあり方

上記のとおり、ニュースや記事に疑問を感じる場合、「それは矛盾があるのではないか」「社会通念上無理があるのではないか」と言いたくなることは、自然なことだと思います。

特に、多数の人間が同様に感じるのであれば、自身の意見としてコメントを投稿することは、社会的にも意義があることといえるでしょう。

ただ、筆者も眉をひそめてしまうのは、「単純な意見を超えた人格攻撃・誹謗中傷」が多く散見されることです。

ヤフーコメント、X、SNSなど、いずれについてもそうですが、一定割合、ただただ面白半分で人格攻撃を繰り返す方がいるように思います。

また、それに便乗して返信やリツイートを行い、いわば、対象人物への集団いじめのような状況になっている現状も目にすることがあります。

このような度を越えた誹謗中傷・人格攻撃は、社会的な意味が薄いどころか、読み手を不快にさせ、むしろ社会にとって害悪といえるでしょう。

「社会的意義のある投稿は称賛されるべきですが、人格攻撃や誹謗中傷だけが目的の投稿は、決して許されない」ということを、強く認識してほしいと思います。

インターネット投稿が違法や犯罪となる場合

上記のとおり、ネット上で意見を述べることは尊重される権利ですが、ネット投稿が違法となったり、犯罪となったりすることも忘れてはなりません。

では、どこからがNGでどこからがセーフなのでしょうか。

まず、「違法となる=民事で損害賠償請求の対象となり得る」ラインですが、およそ、対象人物の名誉、名誉感情、社会的信用などの権利を侵害するものはもちろん、プライバシー権などを侵害する行為も違法とされています。

また、名誉毀損罪や侮辱罪、脅迫罪等の犯罪が成立する場合も少なくありません。

「私はこうだと思う」とまっとうな意見を述べることを超えて、「ぶさいく」「嘘つき」などの人格攻撃をする場合には、侮辱罪、「他にも不倫しているって聞いた」「前科者」「友達もこの人の被害に遭った」などの事実を投稿する場合には名誉毀損罪などの犯罪が成立する可能性が高いです。

軽はずみにこのような投稿をすることは絶対に許されません。

芸人さんが不祥事を起こした時に、事件とは関係なく、「もともとこの芸人は面白くないと思っていたから、テレビから消えればいい」というような投稿がなされることもありますが、このような事件と無関係な投稿も、場合によっては違法、侮辱罪という評価を受ける可能性もあります。

また、人格攻撃・誹謗中傷の投稿については、名誉やプライバシー等を侵害したものとして、発信者情報開示(裁判所を通じて投稿者の情報を開示させるもの)の対象となり得ます。

手続きを踏まれれば、自分の本名や住所などが相手に知られることになる可能性もしっかり理解しておくべきです。

発信者情報開示の手続まで進む場合は、通常は、被害者が、「絶対許せない」と思っている事案なので、その後の刑事告訴や損害賠償(慰謝料)請求に繋がることが多いと思います。

軽い気持ちで投稿したら、警察から呼び出された、いきなり逮捕された、などの事態に至らないためにも、ネット投稿は、慎重な配慮をもって行うべきといえます。

加害者側を非難する投稿について

ここで、違った視点から見てみると、性被害のニュースでは、加害者側(とされている人物)への過剰な攻撃がなされることも少なくありません。

場合によっては、実際には行っていない性犯罪疑惑で騒がれ、その名誉が大きく毀損されることもあるように思います。

まだ、真実が明らかになっていない段階で、報道があたかも真実であるかのように断定し、ネットで加害者側を責め立てるのもまた、違うように思います。

皆さんには、日本の裁判の仕組みなども、ここで知っておいていただくのが良いかと思います。

裁判で出た結論さえ真実とは限らない

加害者とされた側が、「そんなことはやっていない!」と潔白を示したい場合、最終的には裁判で白黒つけることも多いと思われます。

ただ、「裁判=必ずしも真実が明らかにはならない」ということを皆様にも知っておいていただきたいです。

もちろん、真実はひとつしかないのですが、その真実を科学的に突き止める方法はなく、これを判断するのはあくまで裁判官であり、人間です。

そして、裁判官は、100%正しい事実を認定するのではなく、「およそ真実らしい」事実を認定することになります。

日本では、証拠裁判主義がとられているので、簡単に言えば、「真実」であっても、「証拠がなければ事実とは認められない」ということになるのです。

このように、裁判所の判断が、必ずしも、100%正しいとは言い切れないがために、日本の裁判では、3回まで争える、という三審制がとられているわけです。

週刊誌側が勝ったとしても記事が真実ということにはならない

また、有名人の名誉毀損等の事件では、思った以上に、慰謝料請求等の民事裁判で勝つためのハードルが高いです。

ざっくりと言えば、法的には、「有名人だから多少騒がれてもしょうがないでしょう」という考えや、「週刊誌等がそれだけ詳細に取材をし、証拠集めをした結果であれば、たとえ真実ではなくても、週刊誌側に落ち度はないよね」とされれば負けるからです。

上記説明でお分かりいただけると思いますが、例えば週刊誌を相手取った訴訟の場合には、週刊誌側がしっかり取材を尽くしてさえいれば、「真実とは違う記事だとしても、週刊誌ができるだけの取材や調査を尽くして、真実と考えたことに相当の根拠があるのであれば、週刊誌側は悪くないよね」ということになり、訴えた側が負けるのです。

そして、裁判所の判断は、ざっくりいえば「どちらの言っていることが真実らしいか」という観点から事実の判断をすることになります。

なので、たとえ真実ではなくても、「真実っぽいから事実として認定する」ということがあり得てしまうわけです。

このように、週刊誌側を訴えた場合、訴えた側(原告)が負けたとしても、「必ずしも、記事が真実だったというわけではない」ことを知っておいていただきたいです。

刑事裁判ではどうか

刑事裁判となると話が少し変わってきます。

刑事裁判は、「疑わしきは罰せず」の理念で進みますので、ちょっとでも、「性行為への同意があった」可能性があれば、性犯罪では立件されない実態があります。

民事裁判の場合とは異なり、「本当は被害があったのだけれども証拠不十分で不起訴」となる可能性もあり、法的には、真偽不明、ということになります。

ただ、一般的なイメージとしては、「性犯罪で捜査が開始されたが証拠不十分で不起訴になった」となれば、芸能人など有名人の方は、「犯罪ではなかった」というイメージになり、一応名誉は守られる、という関係にあるかと思います。

ただ、性被害がだいぶ昔のこと、となると少し違った考慮が必要です。

この場合、加害者側としては、「捜査機関の判断で不起訴になる」という名誉回復の方法が事実上なくなることがあり得ます。

刑事犯罪には、公訴時効というものがあって、犯罪からだいぶ時間が経っている場合、刑事裁判ができなくなります。

そのような事件であれば、捜査機関が事実上、刑事告訴を受理する可能性がなくなるのです。

こうなると、加害者側としては、刑事で自らの潔白を示す手段はなく、民事でしか、その手段が残されていない、ということになります。

先ほどお話したとおり、そうなると、民事では潔白を示すことがなかなか難しいため、名誉回復も非常に難しいという事態が想定されます。

加害者とされる人物でも人として尊重すべき

これは私自身の弁護士としての個人的な意見ですが、仮に、芸能人等が「不倫」「犯罪」等のニュースで報道されたとしても、その人自身のこれまでの頑張りや生き方まで否定する権利は、我々にはないと思います。

芸能人は、「イメージ」が重要で、これを基に沢山お金を稼いでいる、という印象があるためか、イメージが崩された途端、「許し難い極悪な犯罪者」のように、日々報道に晒され、ネットの炎上も過熱する傾向にあるように思います。

ここで、過剰な、「人格攻撃・誹謗中傷」がネット上にあふれ、皆がどんどん便乗して拡散していく、そんな構図がまだまだあるようです。

繰り返しになりますが、ひとつの意見を述べる権利はとても尊重されるべきですが、これを超えた人格攻撃・誹謗中傷については、法的にも違法となるほか、決して許されるものではありません。

これまで頑張ってきた人物の全てを否定することになり、ひいては、その人物を追い詰めて命を絶たせるような事態にもなりかねません。

ネット上に投稿をしようとする方は、意見を言うことの大前提として、「相手も一人の人間である」(場合によっては自分よりもたくさん努力を積んだ人間かもしれない)というその人格に対する尊厳を忘れてはならない、ということはしっかりと意識して頂きたいと思います。

誹謗中傷投稿を楽しんでいる人へ

被害者側であれ、加害者側であれ、その人物を攻撃する投稿を繰り返す人物に対しては、「いずれ自身が民事や刑事で責任追及されることになる」ということを強くお伝えしたいです。

面白半分で投稿し、リプライや返信で盛り上がる集団の間では、共感し合い、楽しんでいるのかもしれません。

ただ、これら集団は、一歩引いてみれば、ごく少数で盛り上がっているのみであって、多くの方々からはむしろ軽侮のまなざしで見られることも多いでしょう。

そのような投稿を繰り返している人は、今後は、「法的責任を追及される」という意味も踏まえ、そのような集団から脱出してほしいと思います。

また、「人を傷つける」ことに慣れてしまう人生は、決して幸せではないということを、今一度認識してほしいです。

あくまで弁護士としての経験に基づいた個人的な意見ですが、人を攻撃し続ける方は、徐々に表情も悪い表情になって、良い人間関係を築けなくなる、素敵な人が寄って来なくなる、ということが多いように感じております。

何より「攻撃することによる快感」ではなく、「正当な意見を賛同してもらえることによる快感」を求めるように、コメント投稿者も意識を変えていってほしいと強く願います。

軽い気持ちで誹謗中傷をしてしまった人へ

仮に、思わぬところで、自身が誹謗中傷コメントを投稿してしまっていた、という方は、今すぐに削除をすることをお勧めします。

謝罪コメントを投稿した上で、削除することも視野に入ります。

また、誤った情報を投稿してしまっていた場合は、「間違いでしたので申し訳ございません。」と相手方の名誉回復コメントを投稿のうえ、削除するのがよいでしょう。

投稿後すぐに削除し、大事になっていなければよいですが、予想以上に反響があった、投稿後結構な時間が経ってしまった、というような場合には、投稿した相手もこれに気づいているかもしれません。

発信者情報開示には数か月かかる現状があるため、既に自身の情報が開示手続中となっている可能性があります。

また、投稿者不明の段階でも、「被疑者不明」というかたちで、刑事告訴が既になされている可能性もあります。

仮に、弁護士等から当該投稿に関して通知や連絡が届いた場合には、誠心誠意謝罪をし、一定の示談金を支払う流れが好ましいでしょう。

仮に、自分の情報が開示されていなくても、被疑者不明で刑事告訴された場合、警察の捜査により身元が判明する可能性が高いです。

プロバイダ等への捜査ですぐに判明する場合もあれば、そうでない場合でも、投稿日時とその際のインターネット環境、投稿時に利用したWi-Fiと防犯カメラ等で投稿者が特定され、いきなり逮捕という可能性もあります。

自分の誹謗中傷等の投稿がネット上で炎上してしまった、等の場合には、非常に複雑な判断となりますので、心配な方はまず、弁護士に相談されることをお勧めします。

性被害に遭った女性へ

最近は、性被害を堂々とメディアに申告し、戦う女性も増えてきているように思います。

一方で、その性被害報道が過熱すればするほど、その被害女性に対するネット上の投稿も多くなります。

被害女性を誹謗中傷、攻撃する投稿を目にすれば、怖くなって、ますます性被害の申告がしづらくなるかもしれません。

このような否定的な内容はもちろん、そうでなくても、世性被害が騒がれているだけで、自らの過去の経験と重なり、二次被害を恐れて、被害申告を避けようとしてしまう方も多いと思います。

ただ、一つ言えるのは、このような攻撃的な投稿をする人間の投稿など、まともに受け止める必要はない、ということです。

不必要な人格攻撃・誹謗中傷を行い、性犯罪被害者を責める投稿をする人間は、それでストレス解消をしているのかもしれませんが、逆に言えば、そんなストレス解消にお付き合いする必要などないということです。

実際、そのような投稿で、セカンドレイプの被害に遭っている女性は、本当に辛いと思います。

ただ、頑張って勇気を出したのですから、そんな投稿に振り回される必要はありません。

むしろ今後の社会のために頑張った自分をほめてあげてほしいです。

日本では、実際に性被害を申告できている女性は、わずか2割程度とも言われています。

勇気を出して申告をした女性の姿を見て、自分も勇気を出そうと思う女性がいるかもしれません。

このように勇気を出して被害申告をする方が増え、メディアやインターネット上でもその堂々とした姿を見られるようになることは、今後、「被害女性が被害申告しやすい社会になっていく」ことの一助となっていることは間違いありません。

なかなか被害を申告できない実態があり、そのことが世の中の性犯罪、常習犯化を煽っている側面は否定できませんので、被害女性がもっと積極的に声をあげられる社会になることが、本当に重要です。

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最後に

配慮のないネット投稿が、セカンドレイプとなり、被害女性に二次被害を与えてしまうことは、絶対にあってはならないことです。

これを恐れた被害女性が被害申告を諦めてしまう側面もあることも忘れてはなりません。

そのためには、ニュース報道を吟味しないままに軽はずみな投稿はすべきではなく、しっかりと事実を見つけようと努力し、その上で、自分の意見を正当に述べるよう努めてほしいと思います。

セカンドレイプに限らず、自分がネット上で攻撃された、という方もいらっしゃるかもしれません。

内容が酷い場合、そのことが頭から離れず、毎日悔しくてやりどころのない気持ちに襲われてしまうかもしれません。

ただ、そもそも、ネット上に人格攻撃的な投稿を繰り返す母集団は、そう多くはないことも忘れてはなりません。

まずは、ネット上の誹謗中傷に心を痛めている方には、「こんな人を相手にしない」という開き直りも大切であることをお伝えしたいです。

ネットでの誹謗中傷に苦しんでいる方には、「実際には、あなたの味方はたくさんいて、ごくわずかな集団が、投稿しているだけですので、そのような投稿に振り回されず、自分を大事にしてほしい」ということを、改めてお伝えしたいと思います。

改めて、ネット上の世界が少しずつ、人にやさしい世界になっていくことを、筆者も心より願っています。

あらかじめ、弁護士保険などの保険にご加入いただき、今後のトラブルの予防をするのはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
篠田弁護士

篠田恵里香 弁護士

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