有給休暇の労働基準法による定義とは?付与日数や取得義務について詳しく解説!

弁護士

皆さまは、「有給休暇」はしっかりと取得できていますでしょうか。
「有給休暇」は、法律上与えられている権利です。

普段の休日だけではなく「有給休暇」を取得することにより休養をしっかりととることができ、ワークライフバランスを整えることができますよね。

しかし、世の中には、

有給休暇を取得してしまうと業務に支障がでて使えない…。

周りの目も気になるし使いづらい…。

と感じる方もいらっしゃるのです。

この記事では、「有給休暇」とはどういうものなのか、「有給休暇」を取得できないと法律的にどうなるのかについて詳しく解説していきます。

また、法律の観点から遠慮なく取得してもよいものであることを知っていただき、この記事を読んで、皆さまが遠慮なく「有給休暇」を取得し、ご自身の心と身体のケアの為にも早速「有給休暇」を取得していただけることを祈っています。

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目次

有給休暇とは

改めて有給休暇について知っておきたいです!

弁護士

一言でいうと、ゆとりある生活を保障するための休暇です。

有給休暇とは?

有給休暇とは、ある一定期間勤続した労働者に対して、心と身体の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことを指します。

「有給休暇」を使って仕事を休むことができ、かつ、有給休暇を取得しても賃金が減額されないのが特徴です。

有給休暇が付与される条件とは?

有給休暇が付与されるための条件はありますか?

弁護士

会社によって、定めている有給休暇の付与条件は異なるのが現実です。

とはいっても、社会において一定のルールを決めないと「うちの会社は有給休暇は用意してません!」なんてことが起きてしまいます。

そのようなことが起きないように、厚生労働省が下記①②の条件を提示し、どの会社でも有給休暇を取得できるようにしています。

有給休暇付与の基本条件

  • 雇い入れの日から6か月経過している
  • その期間中、全労働日の8割以上出勤した

有給休暇は年5日取得の必要がある?!

私は有給休暇を取得しなくても支障はありません。

弁護士

お待ちください!
1年のうちに有給休暇を最低5日は取得しなくてはならないことをご存じですか?

2019年4月より、有給休暇が10日以上付与される労働者に対して、労働者の希望日により、毎年有給休暇を付与した日から1年以内に時季を指定して、年5日取得しなくてはならないという義務ができました。

また、「有休」を取得するにあたり、労働者の意見を聴取しなくてはいけないので、できる限り、本人の意思を尊重した希望休を通していただくような形になりますので、遠慮せずに「有給休暇」の取得をしてくださいね。

有給休暇はどんな人がもらえるの?

有給休暇の取得日数について

有給休暇は、業種や業態にかかわらず、また、正社員・パートなど労働者の区分なく、一定の要件を満たしている全ての労働者が取得できます。(労働基準法第39条)

基本の付与日数

労働者が雇入れの日から6か月間継続勤務し、その6か月間の全労働日の8割以上を出勤した場合には、原則10日の有給休暇を取得することができます。

弁護士

また、勤続年数に比例して付与日数が増えていきます

継続勤務年数(年)0.51.52.53.54.55.56.5以上
付与日数(日)10111214161820

週の労働日数が4日以下かつ週の労働時間が30時間未満の場合

パートや所定労働日数が少ない労働者については、有給休暇の取得日数が、所定労働日数に応じて付与されます。

週所定
労働日数
1年間の
所定労働日数
継続勤務年数(年)
付与日数
(日)
0.51.52.53.54.55.56.5以上
4日169日~216日78910121315
3日121日~168日566891011
2日73日~120日3445667
1日48日~72日1222333

有給休暇の取得方法について

さっそく有休を取得したいのですが、どのように申請したらいいのでしょうか?

弁護士

会社ごとに申請方法は異なりますが、基本的に申請書類に必要事項を記入していただき、社内の担当者に提出をすることによって取得が可能です。

なお、申請期限に関して、法律では定まっていませんが、一般的には2日から1週間前までに申請する会社が多いです。

3日以上の長期期間で取得をする場合には、3か月前に申請してもらう必要があるところもございますので、事前に担当部署に確認してみるのもよいでしょう。

有給休暇の取得理由について

当社の有休申請書には理由記入欄があります…。

弁護士

有給休暇を取得するにあたり、取得理由に関しては「私用」で大丈夫かと思われます。

ただし、会社によっては、なんの為に取得するのかと聞かれる可能性もございますが、基本的には事細かに理由を言わずとも、有給休暇を取得することはできる場合もございますので、ご安心ください。

有給休暇を取得するには、まる1日休まなくてはならないのか?

午前中だけ有給休暇としたいのですが可能でしょうか?

弁護士

有給休暇を取得する場合は、原則1日単位となります。

有給休暇を取得する理由としては、様々な理由があるかと思います。

ただ市役所や病院に行きたいだけで、まる1日有給休暇を取得するなんてもったいない!なんて思われたこともあるのではないのでしょうか。

有給休暇は、原則1日単位で与えられます。ただし、会社によっては半日単位や時間単位で取得することができる場合もございます。

1日休みのメリット・デメリット等あるかとは思いますが、ご自身の予定や状況に合わせて有給休暇を取得していきましょう。

有給休暇を取得できる期間は?

有給休暇の取得保持期間について

「仕事が忙しすぎて有給を取得することができない」なんてことを今までに経験した方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

有給休暇は、年内に有給を取得することができなかったとしても、1年間は持ち越しとなり、2年目まで持ち越すことが可能です。

有給休暇の長期取得は可能か

旅行や退職時にまとめて有休を取得したいのですが、できますか?

弁護士

結論から申し上げますと、取得することは可能です。

ただし、会社によっては、業務に支障が出てしまう影響や繁忙期等の何かしらの理由で取得することができない場合もございますので、担当部署へ確認してみるといいでしょう。

なお、本来在職中に「有給休暇」を取得できるものですが、退職までに取得できなかった場合には、退職前にまとめて申し出ることで取得することができます。

有給休暇の買取はできるのか?

在職中に、消滅となる有給休暇の買取をした場合、労働基準法では認めてはいないので買取することは原則不可能です。

仕事に集中していて、有給休暇を取得する機会がありませんでした…。

弁護士

以下の場合、対応していれば有給休暇の買取は可能です。

  • 退職時に余った有給休暇
  • 使用期限を過ぎた有給休暇
  • 法律で定められた休日日数を超えた有給休暇

有給休暇中のお金事情

有給休暇中の賃金について

有給休暇中の賃金は、雇用形態に関わらず統一されております。

また、有給休暇を取得した日・期間については、就業規則等の定めにより、原則、通常の賃金と変わらない賃金が発生しておりますので、安心して有給休暇を取得しましょう。

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まとめ

いままで、仕事に集中していたあまり「有給休暇を取得するなんて、そんな暇はない!」と思われていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

仕事に集中している姿はとてもかっこいいです。

ですが、「有給休暇」は取得しても問題がないものですし、むしろ、心身のリフレッシュをしていただくことによって、仕事への熱量があがり生産性が良いものになります。

大前提として、健康な身体があっての仕事です。

まずはご自身の体調を第一優先として、ワークライフバランスをしっかりと整えるためにも、月に1度は「有給休暇」を取得されてリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

また、弁護士保険で今後の様々な労働トラブルの予防をするのはいかがでしょうか。

弁護士
松本隆弁護士

弁護士 松本隆

神奈川県 弁護士会所属
横浜二幸法律事務所
所在地 神奈川県横浜市中区山下町70土居ビル4階
TEL 045-651-5115

労働紛争・離婚問題を中心に、相続・交通事故などの家事事件から少年の事件を含む刑事事件まで幅広く事件を扱う

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