債権回収とは?回収方法や流れ、必要な手続きなどを徹底解説

日常生活やビジネスにおいて、債権回収の問題に直面することは避けられません。

しかし、債権回収のプロセスや手続き方法について知識を持っていないと、困難な局面に立たされることもあります。

今回のコラムでは、債権回収の舞台裏に迫り、弁護士費用の相場や適切な弁護士の選び方について解説します。

債権回収の知識を身につけ、スムーズな問題解決につなげるためのヒントになれば幸いです。

目次

債権回収とは何か?

債権回収とは、債権者(借金の回収権を持つ者)が債務者から貸し付けた金銭やサービスを取り戻す過程を指します。

債権回収は、債権者が法的手続きや交渉を通じて債務者に対して債務の履行を求め、借金や未払い料金を受け取るプロセスです。 

債権回収は、企業や金融機関が貸し倒れを防ぐために行われる重要な業務であり、法的手続きに関与する場合があるため、法律や規制に厳密に従う必要があります。

債権の消滅時効とは

債権回収において、債権の消滅時効は、一定の期間内に債権者が法的手続きを取らなかった場合、債務が消滅する法的ルールを指します。

債権者が債務者に対して債権を主張しないでいる期間が5年(普通債権)または10年(特別債権)経過すると、債権は消滅時効を迎え、法的に無効とされます。

この期間内に債権者が法的手続きを取らなければ、債務者はその債務を返済する必要がなくなります。

ただし、消滅時効が成立するかどうかは具体的なケースや契約条件に依存するため、法的アドバイスを受けることが重要です。

スムーズに債権回収を進めるコツ

スムーズに債権回収を進めるためのコツは、迅速かつ適切な行動が鍵です。

まず、債務者とのコミュニケーションを大切にし、問題解決のための協力的な姿勢を持つことが重要です。
具体的な措置としては、以下の点に注意すると良いでしょう。

  • 早期対応
     債務滞納が発生したら、早急に債務者と連絡を取り、問題の原因を理解しましょう。
  • 交渉と柔軟性
     債務者の状況を考慮し、返済計画の再調整や分割払いの提案など、柔軟な返済プランを検討します。
  • 書面による確認
     口頭での取り決めは避け、合意内容は書面で確認し、双方の了解を得ましょう。
     最悪、口頭の場合は、録音は必須です。
弁護士

合意内容は書面で作成するのがいいですが、最低でも電子メール等で合意内容を残しましょう。

  • 法的手続きの迅速化
     返済が滞った場合、法的手続きを早めに開始し、裁判所を通じた支払督促等を検討します。
  • 専門家の助言
     法的な専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることで、効果的な対応策を見つけやすくなります。
  • 信用調査
     (相手の会社規模が大きな場合)債務者の信用情報をチェックし、返済能力を的確に評価します。
  • 督促文書の適切な作成
     法的な手続きの際には、督促状や支払通知書を正確かつ適切に作成し、法的手続きの基盤を整えます。

これらの対策を組み合わせ、債権回収プロセスを効率的かつ円滑に進めることができます。

債権回収の具体的な方法・手順

① 電話・面会による交渉

債務者に対し、電話や面会を通じて円滑なコミュニケーションを試み、支払い合意を促します。

誠実な対話で問題解決を図ります。

メリット
迅速な対応が可能で、信頼関係を築きやすい。

デメリット
書面での証拠が少なく、口頭での合意の取り決めが難しい場合がある。
そもそも連絡がとれない場合は使えない。

② 内容証明郵便による催促

 債務者に内容証明郵便を送り、債務の確認や支払い期限の再確認を行います。

書面で催促することで法的根拠を確立します。

メリット
書面で催促ができ、法的根拠が確立される。
一定のけん制になる。

デメリット
債務者が拒否した場合、次の段階へ進む必要がある。
弁護士が書いたものでないと無視される可能性もある。

③ 民事調停手続

裁判所の調停機関を利用し、中立的な第三者の調停で債務者と債権者の合意を促進します。

解決に至れば、調停成立の決定をもとに支払いを受け取ります。

メリット
中立的な調停者により合意を促進でき、裁判手続きより迅速かつ安価でできる。

デメリット
合意が成立しない場合、成立しない。その場合、裁判手続きが必要。

④ 支払督促

裁判所を通じて、支払いを促す督促状を送ります。

期限を設け、督促状に従わない場合、次の法的手続きへ進みます。

メリット
裁判所を通じて債務者に直接通知が届くため、迅速な対応が期待できる。
督促状は書面の証拠となり、交渉や法的手続きにおいて有力な証拠として活用できる。
裁判所からの通知で法的なプレッシャーをかけ、債務者に支払いの重要性を認識させる効果が期待できる。

デメリット
拒否される可能性がある。
督促状に応じない場合裁判手続きに移行する必要があり、その場合は、費用かつ時間を要する。

⑤ 簡易裁判所での少額訴訟

少額の債権(60万円以下)については、簡易裁判所で迅速な手続きで訴訟を行い、債務者からの支払いを促すことができます。

メリット
通常の裁判とは違い1回で判決ができるので迅速な手続きが可能で低コスト。
自分だけで手続き可能。

デメリット
争いが複雑な場合、通常訴訟に移行する場合がある。
自分だけで手続き可能だが手間がかかる。
60万円を超えるものは少額訴訟ができない。

⑥通常訴訟の提起

 債務者に対して訴訟を提起し、裁判所で争います。法廷での判決に基づいて債権を回収します。

メリット
裁判所の判決があれば強制執行可能。
法的権威が明確。

デメリット
弁護士に依頼しないと現実的には難しい。
長期間の裁判手続きや訴訟費用、高い弁護士費用がかかる可能性がある。

⑦ 強制執行

裁判所の判決をもとに、債務者の財産差し押さえや給与の差し押さえなど、強制執行手続きを行い、債権を回収します。この段階で強制的に債権を取り戻します。

メリット
裁判所の強制力で債務者の財産を差し押さえ、債権を回収できる。

デメリット
債務者の財産が不足している場合、回収が難しいことがある。
弁護士への依頼費用がかかる。

これらの手続きは状況や債務の性質によって適切な選択が必要であり、特に⑥⑦などは弁護士に依頼することが必要になります。

債権回収にかかる弁護士費用の相場は?

債権回収にかかる弁護士費用は、様々な要因によって異なります。

具体的な金額は、債権の額や回収手続きの複雑さ、他には弁護士の経験や地域などによって変動します。

具体的な金額については、弁護士との面談や相談を通じて、案件の詳細を説明し、見積もりを取ることが適切です。

また、無料の法律相談を提供している弁護士事務所もありますので、事前に相談することで費用についての見積もりを求めることができます。

目安: 債権(請求する額)の20~30%

債権回収の成功は適切な知識と弁護士への相談

債権回収は、法的な複雑さや感情的なストレスを伴うプロセスですが、正しい知識と専門家の助けを得れば、スムーズに進めることができます。

この記事では、債権回収の手続きや弁護士費用の相場について理解を深め、適切な弁護士を選ぶ際のポイントを探求しました。

債権回収には、適切なタイミングでの交渉、正確な書面による催促、必要に応じた法的手続きの選択が不可欠です。

また、信頼性の高い弁護士との協力は、問題の早期解決に繋がります。最も適した方法や費用体系は個々のケースによって異なりますので、自身の状況に合わせて最適な戦略を練り、プロフェッショナルの指導を受けることが重要です。

債権回収の舞台裏を知り、適切な知識とプロのアドバイスを手に入れれば、困難な状況も克服可能です。

自信を持って行動し、成功に向けて一歩踏み出しましょう

弁護士
東拓治弁護士

東 拓治 弁護士
 
福岡県弁護士会所属
あずま綜合法律事務所
福岡県福岡市中央区赤坂1丁目16番13号上ノ橋ビル3階
電話 092-711-1822

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