ある日突然、何の前触れもなく高齢の父親から、「再婚したい人がいる」と告白されたら誰だって驚き、困惑するのではないでしょうか。
そして、冷静になった後に「自分の父親は大丈夫なのか。騙されてはいないか。」と不安や心配が頭をよぎるのではないでしょうか。
思わず不安になってしまう理由は、“高齢男性を狙った後妻業トラブルが増えている“という報道を耳にすることが一因ではないでしょうか。
今回の記事では、「本当に後妻はいるのか?」「父親の相手は後妻業の出会いのパターンと一致していないか?」そんな不安を持つ家族の方々のために、後妻業の特徴を分かりやすく解説していきます。
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「後妻業」とは?今さら聞けない基本知識


一言で、「後妻業(ごさいぎょう)」といっても、どういったもので、どのような行為を指すのでしょうか?

言葉は知っていても、その背景や仕組みは案外知られていないものです。
では、順番に見ていきましょう。
後妻とは“後にめとった妻”のこと
「後妻(ごさい)」とは、文字通り“後にめとった妻”のことを指す言葉です。
男性が最初の妻を迎えた後、再び結婚して得た配偶者のことで、昔は「うわなり」や「後連れ(あとづれ)」、「継妻(けいさい)」などとも呼ばれていました。
この「後妻」という言葉自体には、法律的な問題や後ろめたい意味合いは全くありません。
離婚や死別など、さまざまな事情で再婚することは珍しくないですし、歴史的に見ても一般的に使われてきた用語です。
現代の法制度においても、最初の妻と後から迎えた妻の間に法的な区別はありません。
あくまで“結婚の順序”を示す表現にすぎず、本来は中立的で日常的な言い回しです。
一般的に言われる「後妻業」はどんな職業のこと?
- 高齢者などに近づき結婚(またはそれに近い関係)を装い、財産・遺産を狙う詐欺的行為のこと
- 明確に職業として成立しているものではなく、犯罪行為・詐欺まがいの行為を指す
このように、「後妻業」とは、高齢男性に近づいて結婚し、財産や保険金を狙う明確な詐欺的行為、「犯罪」です。
小説やドラマの題材としてもよく耳にしたり、目にしたりと言葉だけは知っている、という方も多いかもしれませんが、現実の相続トラブルや財産目当ての詐欺被害として深刻な問題となっています。
悪質なケースでは、結婚相談所などを利用してターゲットに近づくこともあるようです。
「後妻業」と「一般的な再婚」の違い
では、「後妻業」と「一般的な再婚」の違いを見ていきましょう。
後妻業
恋愛感情や結婚生活を築いていく意思は本質的にはなく、高齢者や独身者の弱さ・孤独感につけ込んで近づいてきます。
また、ウソの経歴や優しい態度で信用を得て“計画的”に近づくのが特徴です。
実際の交際が始まっても周囲からその関係を隠す傾向があり、婚姻を急がせる等、不自然な行動がみられ、財産の管理を申し出てくる行為や、自分有利の遺言書を書かせようと誘導してきます。
最も特徴的な点として、結婚相手の家族や友人など、親しい関係者から距離を取らせることが挙げられます。
一般的な再婚
互いの信頼や、愛情に基づいて新しい家庭を築くことが目的であり、生涯のパートナーとして支え合う意志がある健全な結婚です。
“婚姻制度”そのものよりも、精神的な関係性の構築を重要視する傾向にあります。
| 後妻業 | 一般的な再婚 | |
| 目的 | 財産・遺産の搾取 | 愛情・信頼・家庭を築く |
| 本質 | 詐欺行為・犯罪 | 健全な結婚 |
| 行動 | 隠ぺい・金銭狙い | 相互理解・誠実な関係 |
| 法律上 | 詐欺行為とみなされることも | 正常な婚姻関係 |
こんな行動は要注意!後妻業の特徴チェックリスト

高齢の父親(母親)や身近な人が、急にこれまで接点のなかった人物と関わり始めたとき、早期段階での気づきが被害防止につながります。
とくに単身で生活している場合や資産管理に変化がある場合は、周囲の見守りが欠かせません。
後妻業被害の相談で、特に多いのが以下の行動となりますので、チェックしてみてください。

複数当てはまれば、それは赤信号です!
チェック1
婚姻したにもかかわらず「婚姻の様子がない」状態である。
- 婚姻しているのに本人との同居を避け、「仕事」や「体調不良」を理由に距離を保つ
- 周囲にも配偶者として紹介しない、嫌がる
チェック2
知り合ってから親密になるまでが非常に短期間である。
- 出会って数週間で急速に距離を詰めて結婚に至る
- 看病や世話を理由に、短期間での“関係急接近”
チェック3
親族に対して不自然なほど関わってこない。
- 不自然に家族や親族を避け、避ける理由も曖昧である
- 被害者自身が家族に電話をしたり、直接会うことを制限したりする
チェック4
お金に関する話題が出ている。
- 普段の何気ない会話の中で、金銭関連の話題が急に増えてくる
- 保険金の受取人変更を促してきたり、贈与を提案してきたりとお金の相談が急に増える
子どもの立場から「後妻業者」に対してできる事とは


血縁の家族ができる対策とは、どのようなことがあるのでしょうか?

ここからは、後妻業・結婚詐欺から親を守る方法を見ていきましょう。
まずは財産の保全をする
親の同意のもと、保管場所を移動したり家族全員が把握できるような対策を取りましょう。
必要があれば、印鑑や通帳を別々の場所に保管することも忘れないようにしましょう。
また、急な高額の引き出しや、保険・不動産の名義変更がないかを定期的に確認し、預金のWeb明細を家族全員が閲覧できる設定にしておくと安心です。
親が何かを契約する際など、各種手続きには実子が同席をするよう意識づけをしていくことも大切です。
例えば、結婚・同居・保険契約・不動産売買など、重要な決定は必ず家族が同席するようにしましょう。
時には、第三者(司法書士・行政書士など)への相談も検討することを念頭に置いておきます。
親に対して遺言書の作成を依頼する
親を守るために、子どもができる有効な方法のひとつとして「遺言書の作成を依頼」することもあります。
現実的には中々言い出しにくいことではありますが、公正証書遺言を作成してもらえば、財産の行き先が明確になり、不当な介入やトラブルを防ぎやすくなります。
また、親の意思を整理する機会にもなり、後妻業による不正な財産移転のリスクを大きく減らすことができます。
後妻業で財産が奪われる多くのケースは、遺言書の不備が原因です。
家族全体を守るには公正証書遺言の作成が最も効果的な防衛策と言えるでしょう。
親との関わりを絶たないようにする
後妻業や結婚詐欺は、本人の「孤独」や「判断力の低下」「家族との距離感」につけ込むケースが多く、子どもの立場では “早く気づくこと”と“親を傷つけずに関わること” が重要になります。
どのような点に注意すべきか、3つのポイントを確認しましょう。
親の言動について何か“いつもと違う”と思う違和感・変化に気づく
後妻業の傾向として、まず被害者の「さみしさ」という心理に入り込み、自分だけが味方だと思い込ませた上で家族との距離を広げようとしてきます。
最初のチェックポイントとして、「親から家族・友人への連絡が減ってくる。」という違和感は、早期発見につながる大切なシグナルです。
交際相手の「不自然な家族回避」を見逃さない
後妻業の多くは、親族との関わりを避け、家族の目を遮断したいという一貫した行動が見られます。
親に交際している相手の名前・住所・職業を聞いても答えが曖昧で、会う約束をしても、のらりくらりと断り続けてきたら危険信号です。
こうした家族に触れられたくないという不自然な行動は、典型的な要注意ポイントです。
お金の動き・契約ごとを定期的に確認する
詐欺につきものなのが、金銭的なコントロールです。
大切なことですので、できれば親を傷つけることなく、日常の会話の中で自然に確認することがベストです。
- 高額な引き出しが急増していないか
- 保険の受取人変更が行われていないか
- 名義変更、不動産売却などの話が出ていないか
- 交際相手にお金を貸していないか
親を否定せず、“味方の姿勢”を保つ
「それは結婚詐欺だよ」「後妻業に騙されているよ」等の強い否定は逆効果になることが多く、親は相手をかばうようになります。
大切なことは、親の気持ちを尊重しつつ「心配だから一緒に確認しようね」というスタンスを保ちつつ、常に心理的な味方でいることで、親が冷静さを取り戻しやすくなります。
こうした“コミュニケーション”こそが最大の防御策となります。
後妻業対策に役立つ支援機関一覧

後妻業や結婚詐欺が疑われる場合、一人で抱え込まず、早めに専門の相談窓口へつながることが安心への第一歩です。

ここでは、家族が利用できる公的な支援機関をご紹介します。
1. 消費者ホットライン(188)
「詐欺かも?」「不安がある」という段階でも相談できます。
「188」にかけていただくとお住まい地域の消費生活センターにつながります。
2. 警察相談専用電話(#9110)
後妻業は「犯罪に当たるのか分からない」ケースも多いため、まずは警察専用相談へ。
#9110 に電話すれば、都道府県警察の相談窓口につながります。
3. 地域包括支援センター
市町村が設置する高齢者(65歳以上)の生活を支える総合相談窓口です。
家族の悩み、交際相手への不安、金銭トラブルの兆しなども相談できます。
4. 弁護士会の相談窓口(ひまわりお悩み110番:0570-783-110)
法律的なトラブルの可能性がある場合に最適です。
地域の弁護士会の法律相談センターにつないでくれます。
5. 法テラス(0570-078-374)
法的トラブルに関する公的相談機関です。
収入によりますが、弁護士相談を無料にできる場合もあり、費用の立て替え制度(民事法律扶助)もあります。
6. 全国詐欺被害対策センター(民間の支援団体)
詐欺被害者支援や情報提供を行う団体で、心理的支援、法的対応のアドバイスなども受けられます。
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まとめ
後妻業の被害は、誰の家庭にも起こりうる身近な問題です。
大切なことは、親の変化に早く気づき、家族として温かく見守りながら必要な対策を講じることです。
家族がつながり続けることで、詐欺や搾取のリスクは大きく減らせます。
親の安心と安全を守るためにも、日頃からのコミュニケーションと適切な備えを忘れずにいたいですね。
日頃から、相談しやすい環境があれば、後妻業が入り込む余地は大幅に減ると思います。
この記事が、少しでもお役に立てますと幸いです。
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