【弁護士が教える】内容証明郵便の書き方から出し方まで

個人間で金銭の貸し借りを行う際、よくあるトラブルが返済トラブルです。

返済期限になってもお金が返ってこず、音信不通になるケースも少なくありません。

電話に出なくても住所がわかっていれば郵送で書面にて通知という手段もありますが、その際には内容証明郵便で送るのが通常です。

※相手の住所がわからない方は下記の記事が参考になります。

では内容証明郵便とは一体どんな制度でしょうか?

この記事では内容証明郵便の制度と、その効力、自分で作成する方法を解説します。

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目次

内容証明郵便とは

内容証明郵便とは

「いつ(日時)、誰が(差出人)、誰に(宛先)、どんな文書を送ったか(内容)」を郵便局が証明する郵便物のことです。

「内容文書の存在並びにその記載内容を証明する」もので、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。

内容証明郵便は裁判上の証拠能力があるため、通常の郵便と違い、

受け取った人が「そんな郵便は届いていない」「そんな内容は書いていなかった」等の言い逃れができなくなります。

そのため、郵便物の発送日や受け取り日といった日付、更にはどのような記載内容の文書を郵送したかが重要な意味を持つケースに利用されます。

内容証明郵便の効力

  1. 裁判時に証拠として採用される
  2. 相手方にプレッシャーをかける
  3. 時効中断事由の「催告」になる

❶裁判時に証拠として採用される

民法の原則として「到達主義」というものがあり、離れた場所にいる者(隔地者)の意思表示の効力は、表示が相手方に達したときに生じるとされています。

意思表示を記した書面等の内容を相手方が理解する・しないに関係なく、その書面等が相手方の支配圏(知ろうと思えばいつでも知れる状態)にあれば、その意思表示は効力を生じるということです。(民法97条1項)

この到達の事実は発信者に立証責任があるため、内容証明郵便を利用することで裁判時に証拠として効力を持ちます。

逆に言うと、内容証明郵便を用いない普通郵便は証拠として非常に弱いということです。

❷相手方にプレッシャーをかける

相手方の立場からすると、通常郵便ではなく内容証明郵便で送られてくることで心理的圧力がかかります

通常の郵便とは違い、ポスト投函ではなく配達員が直接手渡しを行い、受領の際に押印が求められます。

書面は字数が統一されており、文書の最後には「この郵便物は令和○○年○月○日、第×××××号 書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します。 郵便事業株式会社」と押印されています。

こういった郵便を日常生活で受け取ることは無いので、相手方はかなりのプレッシャーを受けます。

相手方は内容証明郵便を受け取ることで、「裁判になるんじゃないか」とあわてて連絡が取れるようになり、一気に解決に向かうことも少なくありません。

❸時効中断事由の「催告」になる

一定期間を超えて権利を行使しなかった場合、債権は消滅してしまいます。

しかし、債権者は債務者に対し、権利行使の意思を表明すれば、訴訟外であっても時効を6ヶ月停止させる(時効を6ヶ月延ばす)ことができます。

このような意思表明を「催告」といい、内容証明郵便を送ることによってその意思表明を行った証拠として、内容証明郵便は有効です。

電話やメールで催告をしても、「そんな電話を受けていない」「電話はあったがそんな話はしていない」、「メールは受信できない、受け取っていない」と主張されると、債権者は催告の事実を証明することが困難になります。

内容証明郵便は送付日時も記録されているので用意に催告の事実を証明することができます

内容証明郵便を専門家(弁護士・行政書士)に依頼するメリット・デメリット

メリット

  1. 弁護士名義で送付することによって債権回収が実現しやすい
  2. 法律上の手続きを正しく行い、証拠活用を考えて発送できる
  3. 相手との対応を任せることができる

1. 弁護士名義で送付することによって債権回収が実現しやすい

弁護士名義で内容証明を送付することによって、「請求に応じない場合は法的措置をとる」という記載が現実味を増し、受け取った相手方に相当なプレッシャーがかかります。

個人名義で送るよりもより本気度が伝わりますので、債権回収も実現性をより増すことになります。

2. 法律上の手続きを正しく行い、証拠活用を考えて発送できる

専門家に依頼することによって不備や不足、失敗がなく内容証明郵便の作成・送付が可能です。

自分で作成する場合、私情が交じることによって内容証明郵便に書かれた文書が必要以上に威圧的であったり、実現不可能な要求であったりすると、脅迫罪や恐喝罪に該当しうる場合があります。

逆に賠償金を請求されてしまうといった事態を避け、後々裁判へ移行することになっても、内容文書を証拠として活用できるよう作成できます。

3. 相手との対応を任せることができる

内容証明を受け取った相手方は、以降弁護士を通じて連絡することになります。交渉のプロに任せることで、相手とのトラブルも有利に解決することが可能です。

デメリット

内容証明郵便を専門家に依頼するデメリットは金銭的なコストがかかるという点です。

自分で作成する場合、金銭的なコストは送付費用のみですが、専門家に依頼すると報酬・手数料が必要になります。

相手方との交渉や、相手方から回収する金額次第ではこれらはメリットになりうる点ですので、内容証明郵便を自分で送付する前に一度相談し、そこで依頼するか否かを決めましょう。

参考   弁護士に内容証明を作成した場合は30,000円~50,000円位かかります。

自分でできる内容証明郵便の作成方法  

作成時に準備するもの

  • 内容文書(相手方に送るもの)
  • 上記内容文書の謄本2通(差出人・郵便局がそれぞれ1通ずつ保管するもの)
  • 差出人および受取人の住所氏名を記載した封筒
  • 内容証明郵便の加算料金を含む郵便料金(後述)

内容証明郵便は「相手方に送るもの」「郵便局に保管するもの」「差出人が控えるもの」の3部が必要になります。

内容証明郵便の書き方

手書き、パソコン作成のどちらでも構いませんが、1ページにおける字数・行数が法律で決まっているため、下記の書式を守る必要があります・

縦書きの場合

 1行20字以内、1ページ26行以内

横書きの場合(3つのうちいずれか1つ)

  • 1行20字以内、1枚26行以内
  • 1行13字以内、1枚40行以内
  • 1行26字以内、1枚20行以内
<作成例>

 

内容証明郵便 ご利用の条件等 – 日本郵便

内容証明郵便の出し方

内容証明郵便は郵便局にて手続きを行いますが、すべての郵便局で手続きができるわけではありません。

内容証明郵便を取り扱っている郵便局は基本的には大きな郵便局になりますので、あらかじめ取り扱いがあるかどうかを確認しておきましょう

内容証明郵便を取り扱っている郵便局はHPから検索できます。

窓口で「内容証明郵便で送りたい」と伝えれば対応してもらえます。

訂正が必要になったときのために印鑑も持参しましょう。

内容証明郵便送付時にかかる料金

通常の郵便料金と一般書留の料金に加えて、内容証明郵便の加算料金がかかります。

また、速達、配達証明郵便が必要な場合は別途加算料金がかかります。

  • 郵便料金 : 84円(25gまで)or 94円(50gまで)
  • 一般書留 : 435円(損害要償額が10万円までのもの )
  • 内容証明郵便 : 1枚440円。2枚目以降は1枚につき260円増し
  • 配達証明 : 320円(差し出しの際)   

例)謄本1枚の内容証明郵便を定形郵便物(25g以内)で送る場合   *2022年7月現在

郵便料84円 + 一般書留435円 + 内容証明郵便440円 + 配達証明320円

=合計1,279円

速達で送る場合は追加で290円かかります。

電子内容証明(e内容証明)について

内容証明郵便はネットを利用して送ることができます。

近場に内容証明郵便を取り扱っている郵便局がない場合や、忙しくて郵便局に行けない場合は、24時間受付のe内容証明を利用するという選択肢もあります。

メリット

  • 郵便局に行く必要がない
  • 紙や封筒を用意しなくてよい
  • 24時間受付
  • 文字数制限が緩和

 ※窓口から送る場合は1枚520文字以内、e内容証明で送る場合は1枚1584文字以内

デメリット

  • 利用登録が必要
  • 支払いはクレジットカード払いのみ ※料金後納も可能だが事前に郵便局の承認が必要なため個人では難しい
  • 対応フォーマットがMicrosoft Wordのみ

個人情報やカード情報を登録すること、パソコンを使うことに抵抗がない人にはe内容証明のほうが楽に作成・手続きができます。

e内容証明(電子内容証明) – 日本郵便

相手方から受け取り拒否された場合は

受け取り拒否の場合

内容証明郵便は必ずしも受け取る必要がなく、配達された際に受け取りを拒否することが可能です。

その場合、「相手方が受け取りを拒否しました」という旨の紙が貼られ差出人に戻ってきます。

相手方が受け取ってない=書面の内容を把握していないということになりますが、「相手方が書面を受け取ることができる状態にあった」ことを証明することができるため、法律上は内容証明郵便による意思表示は相手方に到達したものとみなされます。

したがって、受け取りを拒否されても効果はあるといえます。

不在の場合

相手方が不在の場合は不在通知書がポストに投函されます。

通常は受取人が不在通知書を確認したら再配達を指定するか郵便局で直接受け取りますが、不在通知書に気が付かなかったり、放置したりして受け取らずに、郵便局の保管期間(7日)を過ぎてしまうことがあります。

保管期間が過ぎた内容証明郵便は差出人に返送されてしまうため、内容証明郵便による意思表示が相手方に到達したとみなされるのは難しくなります。

たまたま不在であれば、再度内容証明郵便を送れば相手方が受け取ることができますが、わざと放置していた場合はいつまでも相手方に届かないため、無駄になってしまいます。

内容証明郵便と同じものを特定記録で送ることで、相手方が転居先不明という状態でない限り確実にポストに投函され、かつ配達日時の記録を残すことができます。

ただし、内容証明郵便のように「どんな文書を送ったか」の記録は残らないため、「相手方が転居先不明の状態にない」ということを確認する程度の効果しかありません。

相手の住所がわからない場合

相手方の住所が不明の状態で内容証明郵便が送れない場合は弁護士に相談しましょう。

こういった場合、「戸籍法や住民基本台帳法に則り、住民票や戸籍謄本を取得し転居先住所を調査する」、「公示送達という制度を利用し意思表示の到達を成立させる」等の方法がありますが、いずれも高度な法律知識と手続きを要するため、個人で手続きを行うことは困難です。

借用書や示談書といった疎明資料があれば個人でも住民票を請求することは可能ですが、転居回数が多くて取得手続が複雑になったり、時間がかかったりという場合が少なくありません。

また、転出届けが出されておらず住民票を取得しても転出先の住所がわからないケースもあります。

弁護士は業務上必要な範囲で、その職権を以て住民票や戸籍謄本等の書類の交付を請求することができるため、個人で請求するよりもスピーディーに、確度の高い情報を得ることができます。

公示送達は、相手が最後に住んでいた場所を管轄する簡易裁判所に申し立てを行い、裁判所で送達したい文書を裁判所の掲示板に掲示したり、官報等に掲載する方法になります。

掲示・掲載から2週間が経過すると、相手がそれを確認したか否かを問わず、その意思表示が相手に到達したものとみなされます。

しかし、公示送達はそういった性質上、相手に不利益を与える可能性が高いため、裁判所はかなり厳しく審査して申し立てを受理するかを決めます。

その上で申し立てが受理される可能性は高くは無いので、個人でこの手段を取るのはかなり難しくなります。

下記の記事では、相手の住所がわからない場合のより詳しい対処法を説明しています。

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まとめ

内容証明郵便の制度や効力、出し方・書き方について解説しました。

内容証明郵便は相手方にプレッシャーを与え債権回収を実現しやすくする一方で、場合によってはその内容が法に触れ、それが逆に相手の証拠となる可能性もあります。

慎重に活用するために、自分で作成する場合も一度弁護士に相談すると良いでしょう。

弁護士

木下慎也 弁護士

大阪弁護士会所属
弁護士法人ONE 代表弁護士
大阪市北区梅田1丁目1-3 大阪駅前第3ビル12階
06-4797-0905

弁護士として依頼者と十分に協議をしたうえで、可能な限り各人の希望、社会的立場、その依頼者らしい生き方などをしっかりと反映した柔軟な解決を図ることを心掛けている。

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