未払残業代は必ず請求できる!残業代を請求するための5つのポイント

あなたは今の会社に入って数年経ちます。責任ある仕事を任されているという自負はありますが、何と言っても残業や休日労働が続きヘトヘトです。

月100時間以上の残業をしていると思うのですが、会社の上司に聞いてもあれこれ理屈をつけられて20時間分ぐらいしか残業手当をもらえません

「本当に正しいのだろうか。」

「ちゃんともらう権利があるのではないか。」

「このままでは仕事が続けられない。」

そんな不安がよぎります。

「退職も考えてはいるが、退職したら残業代ももらえなくなるのだろうか。」

そんなことも心配しています。

働いている以上は、それに見合った残業代をもらうのは当然の権利です。

そんなあなたのために、未払い残業代を請求するための5つのポイントをまとめました。

記事に入る前に・・・

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目次

「労働時間」とは何か【法律上の規制について】

労働時間とは

労働契約は、労働者が労務を提供し会社がそれに対して賃金を支払うという契約です。

定められた労働時間以上に働いた場合や、深夜・休日に働いた場合等にはそれに見合った賃金が支払われます。

まず、労働時間とは何かを解説し、さらに、会社が労働者に命ずることのできる労働時間には規制があることもご説明します。

労働時間の定義

労働時間とは、会社の指揮命令下に置かれている時間のことです。

次のような時間が該当します。

  • 業務に必要な準備行為(所定の服装への着替え等)や業務終了後の清掃、片付けなどの時間
  • いわゆる「手持時間」「客待ち時間」など、会社から指示があればすぐに業務に従事しなければいけない時間
  • 参加が義務づけられている研修・教育訓練の受講や、会社の指示によって業務に必要な学習等を行っていた時間

会社がはっきり命令している場合だけでなく、事実上指示している・黙認しているような場合も含まれます。

残業を命ずる根拠

残業のルール

労働基準法では、会社は労働者に、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけないことになっています。

また、週に1日は休日を与えなければならないことになっています。

ただし、労働組合や労働者の代表などと会社の間の労使協定で、時間外・休日労働について定めて、労働基準監督署に届けた場合には、法定時間をこえた時間外労働、法定の休日の労働が認められます。(労働基準法36条:いわゆる36協定(サブロク協定))

この協定は、労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者が会社と締結する者であり、過半数代表と言えない人と締結しても効果はありません。

この36協定がない場合には、会社はそもそも法定時間外労働や法定休日労働を命ずる事はできません

時間外の上限規制

時間外労働時間には限度が設けられています

この規制は2019年4月から大企業に適用されており、2020年4月からは中小企業にも適用されます。

(ただし、上限規制の適用が猶予・除外となる事業・業務があります。)

冒頭で記した「毎月100時間ぐらいの残業」というのは、この上限規制にも違反している可能性があります。

違反した会社には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が科されることもあります(労働基準法119条)。

時間外労働時間の限度

  • 上限は原則として月45時間・年360時間
  • 臨時的・特別の事情があって労使が合意しても、以下を守らなくてはなりません。
  • 時間外労働が年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
  • 時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」がすべて1月あたり80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、月6カ月が限度
出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」

上限規制の適用が猶予・除外となる事業・業務などの詳細は、厚労省の資料でもご確認できます。

残業代の計算方法

「割増賃率」について(時間外労働、深夜、休日労働)

残業代の計算方法は次のようになります。通常の時間当たり賃金に割増率をかけた賃金が支払われます。

時間外労働

労働基準法の法定労働時間は1日8時間、週40時間です。

これを超えて労働した時間は、25%増しの割増賃金が支払われます。

例えば、一日8時間でも、週6日働けば48時間になるので、「48時間-40時間=8時間分」の割増賃金が支払われます。

なお、大企業で1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超えると、超過部分は50%の割増賃金となります(中小企業は2023年4月から適用)。

深夜労働

深夜労働(午後10時~翌午前5時までの労働)は25%増しの割増賃金です。

法定時間外労働と深夜労働が重なれば割増率50%となります。

休日労働

週1日の法定休日に労働した場合は35%増しの割増賃金が支払われます。

休日労働が深夜にまでなったら割増率は25%+35%の60%となります。

ただし、休日労働が8時間を超えても割増率は35%のままです。

休憩時間

会社は、従業員の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えることになっています。

当然、休憩時間は労働時間にカウントされません(無給)

休憩時間を短縮して働いたなら、その分も労働時間となります。

これも未払残業代になる可能性があります。

請求の期限(時効)

これまで賃金請求権の期限は2年間までとされていました(消滅時効)。

ただし、2020年4月からはこの期間が3年に延長される見込みです

「労働時間」の証拠を集めておこう

労働時間の証拠

上記では、「労働時間とは何か」「時間外労働」「深夜休日労働などの割増賃率」についてご説明しました。

では、実際の労働時間をどのようにして確認するのでしょうか

会社と争いがあったときにどのように証明するのでしょうか。そのための手がかりについて説明します。

会社との交渉のために、いくつかの証拠を集めておいたほうがよいでしょう。

なお、早出をして仕事をしているならそれも労働時間です。

法定労働時間を超えれば時間外労働になりえます。「残業」という言葉で誤解のないようにしてください。

また、以下の様々な記録で、社外秘情報などが入っていると、持ち出し方によっては守秘義務違反などといった紛争になることも考えられます。

証拠の集め方についても、早めに専門家と相談された方が良いでしょう。

タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等

これは、厚生労働省の労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」で推奨されている方法であり、一番原則的な方法といえます。

ところが、タイムカード等で退出したと記録した後も居残る、会社もそれを当然としている、という例が後を絶たないようです。

このような場合には、以下の証拠も併せて集めておくとよいでしょう。

業務日報・作業報告書・指示書などの記録

業務日報や作業報告書で実際の労働時間を記録していたり、作業指示書・手順書などで労働時間の予定の記載があれば、その中で残業時間がどれだけあったのかが把握できます。

上記のような資料は会社自身が作成、または、あなたに作成を命じている資料です。

会社が残業を命令していた(残業の事実を知っていた)という証拠となるでしょう。

会社のテナントビルなどの事務所館内からの入退出記録

これも客観的な記録となりますので、証拠として残しておきましょう。

メール記録

業務用のパソコンや業務用の携帯スマホなどのメール記録があれば、これらも印刷や磁気媒体などで保存して証拠にすることができると考えられます。

なお、仕事を自宅に持ち帰っている場合には、自宅から会社にメールで連絡することにより、持ち帰り仕事の立証ができる場合もあるでしょう。

手帳のメモ

個人の手帳などのメモであっても、毎日克明に記録されていれば、実際に紛争になったときに監督官庁や裁判所が事実認定に用いてくれる可能性があります。

「個人のメモだから役に立たない」とは考えずに、大切に保管してください。

会社にも労働時間把握義務がある

忘れてならないのは、会社にも労働時間の適正把握義務があることです。

会社は割増賃金を適切に計算するだけでなく、労働者の健康確保のためにも、労働時間を適切に把握するように義務付けられています。

厚生労働省の指針なども出ています。

従って紛争の場では、会社に対して会社の労働時間記録の提出を求めるのも有効な手段となるでしょう。

【参考】構成労働省

「会社の言い逃れ」に対抗する方法

会社と争う

残業代未払などについて会社と交渉する場合に、会社は様々な言い逃れをしてきます。
それらの代表例と対抗手段をまとめました。

1. 実際に働いている時間ではなかった

「準備や後片付けの時間・手待ち時間・業務上の研修などについては労働時間でない」と会社が言い張ることがあるでしょう。

前述の通り、これらもすべて労働時間です。

「自発的な早出だ」「自主的に残業していた」などというのも、会社がその事実を知って黙認している以上は労働時間となります。 労働時間の原則からも、はっきりわかることです。

2. 会社が命じていないのに勝手に残業した

これもよくある会社の理屈です。

労働者側としては「会社は黙認していた。」「就業時間内ではとても片づかない業務を命ぜられ、やむなく残業した。

会社もわかっていたはずだ。」などと争うことになるでしょう。

なお、会社によっては、残業時間の申告の上限を定めていることがありますが、これは、前述の厚生労働省の前述のガイドライン違反となりえます。

厚生労働省のガイドライン

「使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならない」

3.「みなし残業制度」を採用している

会社によっては、例えば月20時間分の割増賃金をあらかじめ支給することを決めていることがあります。

これは、たとえ時間外が20時間未満でも月20時間分の残業代を支払う、という約束に他なりません。

時間外が現実に20時間を超えた場合には、超えた部分の割増賃金を支払うことが必要です。

「みなし残業」「みなし残業制度」などという言葉が誤解を生んでいるようですが、法律の専門家は「固定残業代」などと呼んでいます。

このほうが言葉として適切でしょう。

4. みなし労働時間制が適用される

「実際の労働時間にかかわらず、一定の時間働いたものとみなす」という制度があります。

ただし、適用の範囲はごく限定されています。

① 事業場外労働

直行直帰が発生する営業マンなど、労働者が事業場外で働いていて、実労働時間の算定が難しい場合に、労使協定などで実労働時間に関わらず一定の時間労働していたとみなす制度です。

ただし、最近のようにパソコン、スマホ、携帯などでいつでも連絡が取れ、どのように仕事をしていたか分かるような場合には、この制度が適用されることはほとんどない、と考えておいた方が良いでしょう。

② 裁量労働制

研究開発や企画業務など特定の業務について、実労働時間にかかわらず、一定時間労働したものとみなす制度です。

対象となる業務は高度に専門的な特別な業務であり、通常の労働者ではほとんど適用されないでしょう。

5. 管理監督者だから時間外・休日労働の適用は受けない

労働基準法では「管理監督者」は時間外労働や休日労働の割増賃金の規定が適用されません。

しかし、同法の定める管理監督者の範囲はごく限られています。

「名ばかり管理職」「名ばかり店長」は該当しません。

「管理監督者」として時間外労働などの割増賃金の規定が適用されないのは、おおむね次のような要件すべてに当てはまる人に限られます。

・地位、職務内容、責任と権限からみて、労務管理について経営者と一体的な立場にあること。
・出勤、退勤等の自由裁量が認められていること。
・地位と権限にふさわしい賃金(基本給、手当、賞与)などが得られていること。

また、現状の判例などによると、「管理監督者」でも深夜労働は割増賃金の対象になると考えられていますので、これも注意してください。

困ったときの相談窓口

上記では、残業代未払について一通り解説しました。

ただし、このような知識を持っているだけでは、会社に対抗して未払残業代を勝ち取るのはたやすい事ではありません。

実際には以下のような相談窓口、あるいは人事労務管理に詳しい弁護士や社会保険労務士に相談されることをお勧めします。

都道府県労働局「総合労働相談コーナー」

職場のトラブルの相談や、解決のための情報提供や、会社とのあっせんなどを行っている機関です。

労働トラブルが発生したら、まず相談すべき窓口です。

都道府県労働局 総合労働相談センター

労働基準監督署

会社が労働法令等に違反しないように監督指導する機関です。労働者からの申告も受け付けています。

とはいえ、監督機関として様々な問題を扱っており、残業代未払について真っ先に相談するのが適切かは疑問です。

前述の総合労働相談コーナーで相談した場合に、必要に応じて労基署にも取り次いでくれます。

【参考】全国労働基準監督署の所在案内:全国に320ヶ所以上あります。

人事労務関係に詳しい弁護士、社会保険労務士

残業代未払の問題は、様々な証拠を集める必要があり、また会社とのハードな交渉も予想されます。

人事労務に詳しい弁護士あるいは社会保険労務士などとの相談を、早めに行うことをお勧めします。

なお、弁護士については、様々な得意分野があり、人事労務の問題に必ずしも精通していない方も少なからず見受けられます。

また社会保険労務士は、人事労務管理の専門家として専門的な知識は豊富に持ち合わせているので、相談窓口としてはふさわしいでしょう。

ただし、会社とのハードな交渉が予想されるときには、必ずしも適切とは言い切れません。

以上から、深刻な紛争が予想されるなら、人事労務管理に詳しい弁護士が一番適切と思われます。

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*1 件数は2023年3月現在  *2  2013年~2022年。単独型弁護士保険として。2023年3月当社調べ。*3 99プランの場合 *4 初期相談‥事案が法律問題かどうかの判断や一般的な法制度上のアドバイス 募集文書番号 M2022営推00409

まとめ

働いている人ならば、自分が働いた分の賃金を請求するのは当たり前のことです。

会社に言い出しにくいとか、周りのみんなが我慢している、などといったことで、うやむやにするのはよくありません。

プロフェッショナルならば自分の仕事には全力を尽くし、それにふさわしい賃金は堂々と請求すべきです。

会社がちゃんと対応しないなら、公的な機関や弁護士などの専門家をしっかり活用してください。

あなたの勇気ある行動が、会社のブラック体質を改めさせて、より働きやすい職場づくりに貢献することになります。

是非、今後の備えとして「弁護士保険」へのご加入をオススメします!

この記事を書いた人
社会保険労務士

玉上 信明(たまがみ のぶあき)

社会保険労務士 
健康経営エキスパートアドバイザー
紙芝居型講師(登録商標第6056112号) 
日本紙芝居型講師協会(登録商標第6056113号)
日本公認不正検査士協会アソシエイト会員

弁護士

木下慎也 弁護士

大阪弁護士会所属
弁護士法人ONE 代表弁護士
大阪市北区梅田1丁目1-3 大阪駅前第3ビル12階
06-4797-0905

弁護士として依頼者と十分に協議をしたうえで、可能な限り各人の希望、社会的立場、その依頼者らしい生き方などをしっかりと反映した柔軟な解決を図ることを心掛けている。

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