【内定を取り消された】不当な内定取り消しからあなたを守る4つの知恵!

もしあなたが、内定を取り消されたら…。

新卒の場合でも転職の場合でも、新しい会社からの内定を得られた時は、喜びに道溢れていたことでしょう。
しかし、その会社から、理由も伝えられず一方的に「内定を取り消ししたい」という連絡があった時、いったいどうしたらいいのでしょうか?

この記事では、内定の法的意味やどのような対抗措置があるかなどを解説したいと思います。 さらに、内定取り消しに遭わないために注意しておくべき点なども解説します。

「あなたの権利を守るため」ぜひ最後までご確認ください。

記事に入る前に・・・

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目次

内定の取り消しとは

内定の取り消し

結論を言えば、内定により労働契約は締結されています。

つまり、内定取り消しは会社による労働契約の解約すなわち解雇(クビ)にあたります。

会社が一方的な理由で内定を取り消すことはできません。内定を取り消す行為には厳しい制限があります。

「内定」とは何か

採用内定とは、労働契約の成立を意味します

最高裁判決等で、具体的なステップごとに法的な意味が整理されています。

1. 会社からの求人募集:労働契約申し込みの誘因

2. 求職者からの応募:労働契約の申し込み

3. 会社からの採用内定通知:給食者からの申し込みへの承諾

4. 以上により労働契約成立:「始期付き・解約権保留付の労働契約の成立」とされます。

  • 「始期付き」・・・入社の時期が将来の一定の日時とされていること。
  • 「解約権留保付」・・・求職者の側に問題があれば、会社側から労働契約を解約できるという意味です。(後述)

逆に言えば、そのような特別の理由がないのに、会社側の理由のみで一方的に内定を取り消すことはできない、と考えられています。

「内定取り消し」ができる場合は限られている

会社側から内定取り消しができるのは、原則として会社の解約権の要件に該当する場合です。

最高裁の判例などで「なぜ内定取り消しが認められるのか」は、次のとおりと考えられています。

「まだ実際に雇っていない。内定後に様々調査するうちに、採用にふさわしくないと判断される場合もありうる。そのため、会社が解約権を留保するのも合理性がある。 」

しかし、会社は求職者に対して社会的に優越的な地位にあります。会社が解約権を行使できるのは、客観的に合理的な理由があり、社会通念上、相当として是認することができる場合に限られる。とされています。

これを考える手がかりとして、内定の際に会社に提出する誓約書の内容を見てみましょう。 誓約書は、次のような例が一般的でしょう。

以下に該当する場合は採用内定を取り消されても異議ありません。

  1. 学歴などの記載事項に相違があった場合
  2. (新卒学生の場合)○年○月に単位不足などで卒業できなかった場合
  3. 入社までに健康状態悪化などで職務に堪えないと貴社にて判断される場合
  4. その他の事由によって入社後の勤務に不適切と認められたとき

①~③までは客観的に判断できる場合が多いでしょう。これに該当すれば内定が取り消されるのは理解しやすいと思います。

④は抽象的ですが、例えば、犯罪歴とか不品行が発覚したなどが考えられます。

しかし、会社側の一方的な都合や主観的な印象などはこれに該当しません

「社風に合わない」「印象が暗い」などといった理由での取り消しは、抽象的・主観的な理由であるといえます。そして客観的な合理性もない為、社会通念上も是認できないでしょう。

内定取り消しは解雇(クビ)に等しい

上記で見た「客観的に合理的な理由があり、社会通念上、相当として是認することができる場合に限られる。」という要件は、実は、会社から解雇が認められる場合と同様です

内定は労働契約の成立です。

それを会社から解約するのは解雇に等しい、と考えられているのです。会社の一方的な都合で解雇するのは「解雇権の濫用」として無効になる、と考えられています。

「内定」は正規の契約成立である

「内定」という言葉から、正式の契約ではない、などと会社も求職者も錯覚している事例がよく見受けられますが、これは大きな間違いです。

内定は一定の条件は付くとしても、労働契約の成立なのです。

内定の法理は中途採用者にも当てはまる

以上は新卒者の採用内定の事案について、最高裁などの判例で積み上がってきた理論です。

しかし、中途採用者の採用内定についても同様に考えられており、実際の裁判でも上記の考え方が適用されたものがあります。

内定取り消しが行われる実際の理由

内定取り消しの理由

上記では、法律の上での「内定」「内定取り消し」の意味をご説明しました。

では、実際に内定取り消しが行われるのはどんな場合でしょうか。

本人に理由がある場合

求職者本人に次のような問題がある場合です。思い当たる節はないか、念のため確認してください。

① 会社に提出する履歴書などの書類で、事実と異なることを書いていた。面接などで事実と異なることを話していた

積極的にウソをついた、という場合だけでなく、少し大げさな事を言った、誤解を招くことがあった、等も含みます。そのようなことはなかったでしょうか。

② その他の手続きに不備があった

提出すべき書類を指定の期日までに提出しなかった、などです。

ただし、これもどのような手続きの不備か、把握しておく必要があります。軽微な手続き不備で内定を取り消すのは、不適切と考えられます。

③ 病気やケガなどで勤務できなくなった

これも病気やケガの状態によります。短期間療養すれば治癒するのなら、内定取り消しの理由にはならないでしょう。

④ 学校を卒業できなかった

新卒の場合、単位不足や退学などで学校を卒業できなかった場合にも該当します。

⑤その他の不品行があった

例えば、SNSで不適切な内容を投稿した、万引きや痴漢といった破廉恥行為をした、などです。

会社として、指摘することが気が引けるので、理由を告げずに内定取り消しをしてくることも現実にはよくあります。

⑥ 一般の解雇事由に該当する場合

その他一般に解雇事由として次のようなものが挙げられています。

・労働能力低下
・職務不適格
・企業秩序違反
・社会的相当性からみて解雇にふさわしい

内定の場合にもこれらに該当すれば解雇・すなわち内定取り消しがありうるでしょう。

会社に理由がある場合

社風にあわない・人柄に問題がある

会社が内定を決めてから、その後の求職者との接触や様々な調査などで、どうもこの人はイマイチだな、と考えるような場合です。現実には非常に多いと思われます。

前述の通り、内定は条件付きとはいえ、立派に労働契約が成立しているのです。
抽象的な理由、主観的な判断で内定を取り消すことは、法律上はできません。

事例

既に内定が決まっていた某テレビ局のアナウンサーについて、内定後に明らかになった学生時代の職歴から「清廉性に欠ける」という理由により内定取り消しを告げられて、その有効性が争われた案件があります。

これは会社側の主観によって内定が取り消された例ですが、後日、内定を認めることを条件として和解が成立していることからも、会社側の主観で内定を取り消すのは難しいことがわかります。

業績の悪化

業績悪化などから、現在の社員の雇用を守るために、まだ入社していない内定者に遠慮してもらおう、と考えることなどが代表的な例です。

しかし、単に業績が悪化した、というだけで会社に内定取り消しの権利が発生するわけではありません。

内定取り消しは解雇に等しいのです。

会社が内定を取り消すことができるのは、それにふさわしい要件、すなわち「客観的に合理的な理由があり、社会通念上、相当として是認することができる場合」に限られます。

会社の一方的な都合による解雇には、整理解雇の4要素という厳格な要件が必要とされています。

1.「経営上の必要性」:整理解雇をしなければ経営が客観的に重大な危機に陥る。

2.「解雇回避処置」:解雇を避けるために新規採用の停止・配転・出向・労働時間短縮・希望退職募集などの措置を取ること

3.「人選の合理性」:被解雇者として指名される労働者の人選が合理的であること

4.「手続きの妥当性」:整理解雇事由について、労働者に時間をかけて、誠意をもって、十分に説明すること

内定取り消しについても、これら4要素を満たすものかどうかが、総合的に判断される事になるでしょう。

労働条件の変更や内定辞退の強要はどう考えるか?

内定取り消しではなく、労働条件の変更、例えば、無期契約社員でなく有期契約社員になってくれ、とか、基本給30万円といっていたが、25万円でどうか、といった申し出があった場合、どう考えればよいでしょう。

これも一旦成立した労働契約の内容の変更です。会社と労働者の合意がなければ変更はできません。

会社から一方的に変更することはできません

では、「一度内定を出したが、辞退して欲しい。」といった申し出はどうでしょうか。

これは会社からの労働契約の解約の申し入れです。

労働者の方でこんな会社は嫌だ、ということで内定の辞退を承諾すれば、労働契約の合意解約になるでしょう。

しかし、会社の一方的な通告だけで、労働契約が解約できるわけではありません。

このような会社からの労働条件変更の申し出や内定辞退の申し出などには、まずは、安直に承諾してはならない、とお考えください。

心当たりがあれば考え直す

あなた自身に内定を取り消されるにあたるような問題があるなら、考え直すべき場合もあるでしょう。

また、会社側の問題で内定取り消しの理由があっても、例えば業績悪化が原因の場合、本当にその会社に転職してよいかどうか、もう一度考え直した方が良いかもしれません。

一方的な内定取り消しへの対処

ご自分で思い当たる理由もなく、会社側の不当な一方的な内定取り消しだとお考えなら、次のように対応することが適切でしょう。

書面で理由を明らかにしてもらう

ご自身が内定取り消しの理由がわからないなら、会社から書面で理由を明らかにしてもらいます

書面でという意味は、理由が納得できるものかどうかを、正確に客観的に判断するためです。

公的機関や弁護士等との相談の際にも、証拠になります。

書面すら出してこない会社なら、あれこれ考えずに次のステップ(会社との交渉)に進んだほうが良いでしょう。

書面を出してこないというのは、会社の方でしっかりした理由を説明できない場合と考えておくべきでしょう。

あるいは、会社の担当者ベースなり中間管理職のレベルで勝手な判断をしている場合もありうるのです。

なお、書面については、内定通知と同じレベル以上の人によるものかどうかも確認すべきでしょう。

人事部長名で内定通知が発行されているのに、内定取り消し理由書が担当者や課長レベルであれば、本当に人事部内で的確に決裁されたかどうかも疑わしい、と考えておいた方が良いでしょう。

会社との交渉

書面で出された理由に納得できない場合、次のステップとして会社との交渉を行います。

ただし、自身のみで対応するのは大変かと思います。

会社との交渉は、公的機関へ相談したり、人事労務管理に詳しい弁護士と相談したりすることをぜひおすすめします。

その中で、どうしてもその会社に入社したいのか、それとも、入社したら得られたはずの未払賃金や精神的損害の慰謝料などを支払ってもらえれば自分が納得できるのか、といった方向性を考えておく必要があります。

その方向性を考えるためのアドバイスも、公的な機関や弁護士から得られるでしょう。

以下で公的機関との相談、弁護士などによる法的な争いについて、項を分けて説明します。

公的機関との相談

都道府県労働局「総合労働相談コーナー」

職場トラブルの相談・解決のための情報提供などを扱う機関です。

「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づき、労働相談のみでなく、「助言・指導」や「あっせん」も対応してくれます。

公的相談窓口については、以下の記事も合わせてご確認ください。

人事労務関係の弁護士との相談

内定取り消しへの対応は会社とのハードな交渉になります。人事労務に詳しい弁護士との相談を、早めになさるべきです。

訴訟や労働審判などでの争いになると思われます。

法的な進め方の概要は次の通りです。細かなことを理解するよりも、弁護士との相談の際の参考程度にご覧ください。公的機関の相談の前にも一度お目通しください。

実際には、弁護士が会社に対して未払賃金支払いや損害賠償の義務があることを明確に突きつけ、相応の金額で早めに和解する、といった交渉になることが多いと思われます。

1. 内定取り消しを解雇権の濫用として無効を訴える(労働契約法16条参照)。

2. 無効が認められれば労働契約上の権利を有する地位確認請求が認められる。

3. 地位確認が認められれば、賃金支払い請求も認められる。

4. 違法な内定取り消しであれば、不法行為または債務不履行として損害賠償請求も認められる。

特に採用内定を受けたために、現在の会社を退職して転職しようとしている場合には、比較的高額な損害賠償(慰謝料)が認められることが多い

内定を取り消されないための心構え

内定取り消されないために

ここで、念のために、内定取り消しに陥らないよう、あなた自身への注意点を確認しておきましょう。

軽率な行動をしない

特にSNSなどで不用意な書き込みをしたことが入社希望先の会社に伝わってしまうと、人柄がふさわしくないなどと判断されかねません。

もちろんこれは、内定だけでなく、入社後であっても常に守るべきことです。

また、今の会社のノウハウなどの営業秘密、顧客情報などを、新しい会社で役立ちそうだなどと持ち出すなどはもってのほかです。

入社してから事態が発覚してクビになってしまう、ということもあり得ます。

不正競争防止法違反として刑事罰が科されることすらあります。

前の会社にも新しい会社に非常に大きな迷惑となります。

指定された入社手続きを確認し、期限を守る

会社によっては中途採用者の入社に不慣れな場合も多いでしょう。

それだけに、内定者がしっかり入社手続きをしてもらわないと、会社としては大変困惑します。

疑問の点があれば会社の担当者にしっかり確認して、的確迅速に対応してください。

それが入社前からあなたへの信頼を勝ち取ることになります。

入社のための準備を早めに整えておく

前の会社での引継ぎ、あいさつ回りなどは当然のことです。

新しい会社に移るにあたっての、事前勉強などぜひしっかり力を入れてください。

体調管理に気をつける

身辺整理に非常に忙しいときとは思います。それでも、体が資本です。体調管理には万全の注意を払ってください。

あなたが泣き寝入りしないために

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*1 件数は2023年3月現在  *2  2013年~2022年。単独型弁護士保険として。2023年3月当社調べ。*3 99プランの場合 *4 初期相談‥事案が法律問題かどうかの判断や一般的な法制度上のアドバイス 募集文書番号 M2022営推00409

まとめ

内定取り消しは法的には大変重大な事態であり、労働者を保護するための法的な仕組みは整えられています。

とはいえ、労働契約は会社と労働者の信頼関係に基づく長期継続的な契約です。

本当に気持ちよく今の会社から新しい会社に移って活躍できるかどうかは、あなたご自身の能力・経験・人格など含めた総合的な力が試されます。

万が一の内定取り消しという場合も、落ち着いて冷静に対処してください。

それがきっと新天地での活躍のための貴重な経験となり、あなた自身を一回り大きくさせることにもつながるでしょう。

弁護士

木下慎也 弁護士

大阪弁護士会所属
弁護士法人ONE 代表弁護士
大阪市北区梅田1丁目1-3 大阪駅前第3ビル12階
06-4797-0905

弁護士として依頼者と十分に協議をしたうえで、可能な限り各人の希望、社会的立場、その依頼者らしい生き方などをしっかりと反映した柔軟な解決を図ることを心掛けている。

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