弁護士なしで裁判!本人訴訟のやり方・費用・勝率は?やってみた体験談あり【弁護士監修】

「弁護士に依頼したいけれど、費用が高くて手が出せない…」
「法的トラブルに巻き込まれたけれど、このまま泣き寝入りするしかないの?」
「自分で裁判を起こすことはできるの?」

こうした悩みを抱える方が、近年“本人訴訟”という選択肢を取るケースが増えています。
実際、相手に弁護士がついている場合の勝率は32.4%にとどまる一方で、本人同士では67.0%、弁護士同士でも67.3%と、ほぼ互角の結果という統計もあり、本人訴訟は決して不利な選択肢ではありません

本人訴訟は、弁護士を介さずに自ら裁判を進める方法です。
✓費用を抑えられる一方で、法的知識や書類作成、証拠の整理など、一定の準備と覚悟が必要です。
✓裁判所のサポートや法律相談を活用することで、個人でも十分に対応可能なケースもあります。


本記事では、本人訴訟のメリット・デメリット、勝率の実情、準備のステップ、そして実際に本人訴訟を経験した方の体験談なども交え、わかりやすく解説していきます。

記事に入る前に・・・

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目次

本人訴訟について

多くの裁判は弁護士(簡易裁判所では司法書士も可)が代理人として付きますが、実際は必ずそうしなければいけないわけではなく、本人だけで遂行しても全く問題ありません。

もちろん、専門家でない限り到底理解できないような難しい裁判もありますが、中には

  • 知人にお金を貸していて何度催促しても返してくれず逃げ回っている
  • 買主が売買代金を払ってくれない

など、内容が理解しやすい裁判も少なくありません。

「できるだけ弁護士、司法書士に払うお金を節約したい」とお考えであれば、本人訴訟という選択肢を選ぶ事も可能です。

ただ、本人訴訟を行う場合のメリット・デメリットをよく理解した上でどうするかをお決めになった方がいいでしょう。

本人訴訟の実際の流れ

本人訴訟を検討する前に、実際の裁判がどのように進むのかを理解しておくことが重要です。民事裁判は、主に書面でのやり取りを通じて進められていきます。

訴状提出と審査

訴状が裁判所に提出されると、まず書記官による書類チェックと裁判官による訴状審査が行われます。審査の結果、補正(修正や追加)が必要な場合は指示が出されます。この段階での補正は裁判を進めるための最小限のものが多く、完璧な主張を求められるわけではありません。

第1回口頭弁論まで

通常、初回期日は、訴状提出から約1ヶ月後に設定されます。この期間は、訴状の送達や被告からの答弁書提出に必要な時間として設けられています。第1回口頭弁論では、形式的な訴状と答弁書の陳述が行われ、10分程度で終了することが多いでしょう。

書面でのやり取り

第1回口頭弁論以降は、双方の主張を記載した準備書面のやり取りが中心です。期日は通常1〜2ヶ月に1回のペースで開かれ、その間に準備書面や証拠の提出を行います。民事裁判はドラマのような法廷での激しい議論ではなく、すべて文書でのやり取りが基本となります。1回の期日は30分程度で終わることが一般的です。

その後の流れ

争点が明確になると、裁判所や相手方から和解の提案が行われることがよくあります。実際、日本の民事裁判において判決前に和解で解決している案件は約75%です(事案によって割合は異なります)。和解が成立しない場合には、証拠調べや証人尋問を経て最終的に判決が下されます。

裁判の全体的な期間は事案により異なりますが、和解が成立する場合で半年から1年程度です。判決まで行く場合はさらに長期化することがあります。

本人訴訟にかかる費用の目安

弁護士費用は不要ですが、裁判所への費用は発生します。主な費用の目安は以下の表のとおりです。

費用の種類目安備考
収入印紙(訴訟費用)請求額100万円→約1万円 請求額200万円→約1.5万円請求額に応じて変動
予納郵券(切手)6,000円前後裁判所・事案により異なる
その他実費数千円程度住民票取得・書類コピー代など

弁護士に依頼した場合と比較すると、着手金だけで最低10万円〜、報酬金は回収額の10〜20%程度が相場です。請求額が少額で争点がシンプルなケースでは、本人訴訟によるコスト削減効果は大きいといえます。

本人訴訟の勝率と実践のポイント

本人訴訟の勝率は、相手方に弁護士が付いているかどうかで大きく異なります。下の「本人訴訟に関する実証的研究」によるデータをご覧ください。

原告被告勝率
本人弁護士あり32.4%
本人本人67.0%
弁護士あり本人91.2%
弁護士あり弁護士あり67.3%

注目すべきは「本人同士(67.0%)」と「弁護士同士(67.3%)」がほぼ互角という点です。相手方に弁護士がついていない場合、本人訴訟は十分に戦える選択肢といえます。一方、相手方に弁護士がついている場合の勝率は32.4%と大きく下がります。この場合はこちらも弁護士への依頼を真剣に検討すべきでしょう。

本人訴訟で良い結果を得るためには、請求内容が明確で証拠が揃っていること、事前に十分な準備と学習を行っていること、そして感情的にならず和解も含めて柔軟に対応できることが重要です。

相手に弁護士がついている場合はどう考えるべきか

本人訴訟では、相手方に弁護士がついているかどうかが大きな分かれ目になります。相手が弁護士を立てている場合、こちらが感情的に反論しても通用しにくく、争点整理や証拠の出し方、主張の組み立て方で差がつきやすくなります。

特に、こちらとしては事実を話しているつもりでも、法的に意味のある主張として整理できていないと、裁判官にうまく伝わらないことがあります。また、相手方の準備書面に対して、どこをどう反論すべきか分からず、後手に回ってしまうことも少なくありません。

そのため、相手方に弁護士がついていることが分かった時点で、「最後まで一人で進めるべきか」を改めて見直すことが重要です。途中からでも弁護士に相談したり、必要に応じて依頼へ切り替えたりすることで、不利な展開を避けやすくなる場合があります。

本人訴訟は必ずしも不可能ではありませんが、相手に弁護士がついている場合は、より慎重な判断が必要です。

本人訴訟のメリット・デメリット

本人訴訟のメリット

本人訴訟の最大のメリットは、弁護士費用がかからない点です。弁護士に依頼する場合、着手金として最低10万円、報酬金としてさらに数十万円かかることもありますが、本人訴訟ではこれらの費用を全て節約できます。

また、訴状等の書き方を事前に学んでおけば、思い立ったらすぐに訴えることができる点もメリットです。弁護士に依頼する場合は裁判期日ごとに打ち合わせが必要ですが、本人訴訟ではその手間が省けます。できるだけ安く・素早く問題を解決したい人には、本人訴訟という選択肢は十分検討に値します。

本人訴訟のデメリット

本人訴訟には費用を抑えられるメリットがある一方で、いくつかの課題も伴います。

まず、法律知識の不足という問題があります。裁判では「準備書面」や「上申書」といった専門的な書類を作成する必要があり、法律用語や手続きの理解が求められます。時効が成立しているにもかかわらず援用を忘れてしまい、本来勝てる裁判で敗訴するといったケースも実際に起きています。

次に、主張や立証の不備です。証拠や主張が不十分だと、敗訴や不利な判決につながる可能性があります。特に立証責任や争点整理が不十分な場合、裁判官に自分の主張を正確に伝えることが難しくなります。

さらに、尋問が不十分になりやすい点も見落とせません。離婚裁判をはじめとする多くの裁判では、当事者尋問や証人尋問が重要な証拠となります。弁護士がついていない本人訴訟では、自分で尋問内容を考えなければならず、訓練を積んだ弁護士と比べてどうしても不十分になりがちです。

また、裁判は平日の午前10時から午後5時の間に行われるため、仕事を休まなければならない場面が出てきます。加えて、1人で対応することによる精神的なストレスも、本人訴訟における大きな負担のひとつです。ケースによっては途中で投げ出したくなることもあるでしょう。弁護士費用を節約しようとしても、精神的なダメージで体調を崩してしまっては本末転倒です。

本人訴訟での戦い方のポイント

本人訴訟で最も重要なのは、感情的になることを避け、事実に基づいた冷静な対応を心がけることです。裁判官は月に約45件もの事件を担当しており、明確で理解しやすい主張が求められます

事実による戦い方

法律論での戦いは避け、事実関係に基づいた主張を心がけることが重要です。相手が弁護士の場合、法律知識で勝負することは得策ではありません。代わりに「この日にこういうことがあった」「このような証拠がある」といった具体的な事実を丁寧に説明していきましょう。裁判官は提出された証拠と、その証拠が裏付ける事実を重視します。

準備書面作成のコツ

準備書面を作成する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 主語を明確にする
  • 相手方への非難は控える
  • 事実を端的に書く
  • 反論対象を明確にする
  • 身の上話は避ける

これらを意識することで、裁判官に分かりやすく説得力のある主張が可能となります。

和解への対応

裁判の後半では、和解を提案されることが珍しくありません。和解の判断は非常に重要で、ここで適切な判断ができないと、せっかくの勝機を逃してしまう可能性があります。

和解案が提示された場合は、以下の点をよく検討しましょう。

  • 和解金額の妥当性
  • 支払方法や期限の具体性
  • 今後のトラブル防止のための条項の有無
  • 和解が履行されない場合の対応

裁判官との向き合い方

裁判官は、中立的な立場から判断を下す役割を担っています。裁判官に対しては以下の点を意識して接することが重要です。

  • 感情的な主張を避け、客観的な事実を中心に説明する
  • 裁判官の質問には簡潔かつ正確に答える
  • 相手方への批判や個人攻撃は控える
  • 書面での主張を重視し、口頭での説明は補足程度にとどめる

裁判所のサポート体制について

本人訴訟をする場合、裁判所がどのようなサポートをしてくれるのか、また何を期待してはいけないのかを理解しておくことが重要です。

裁判所からの具体的なサポート

裁判所書記官や裁判官は、本人訴訟の方に対して、以下のようなサポートを行っています。

  • 訴状や答弁書など、書類作成の形式面での指導
  • 期日の指定や変更に関する調整
  • 訴訟費用や予納郵券などの説明
  • 次回期日までに必要な準備についての案内

裁判所に期待できないこと

一方で、裁判所は中立的な立場を保つ必要があるため、以下のようなサポートは行えません。

  • あなたに有利な主張の方法を教えること
  • 法律上の見解や勝訴の見込みについてアドバイスすること
  • 相手方への反論の仕方についての助言
  • 具体的な証拠の集め方についての指導

効果的な裁判所の活用方法

裁判所は中立的な立場ながらも、本人訴訟の方への基本的なサポートは行っています。ただし、それには限界があることを理解した上で、効果的に活用することが重要です。

裁判所のサポートを最大限活用するためには、以下の点に気をつけましょう。

  • 分からないことは、まず書記官に基本的な手続きを確認する
  • 裁判官からの指示は必ずメモを取り、理解できない場合はその場で確認する
  • 期日の調整や書類の提出期限については余裕を持って相談する
  • 手続きの説明を受けた際は、可能な限りその場でメモを取る

弁護士に相談しつつ本人訴訟を進めてみる

対応してくれる弁護士が多いとは言えませんが、本人訴訟の進め方を相談に乗ってくれる弁護士もいます。具体的には、裁判期日の前後にご本人が作成した書面を見てアドバイスをくれたり、最終的な和解金額がどのくらいが妥当かについてアドバイスをくれたりといったことをしてくれます。

例えば、弁護士に裁判のルールなどを質問できる環境にあれば「法律知識の不足」はクリアできます。また、どのように主張していくかについてアドバイスをもらうことができれば「時間と精神的な負担」のデメリットも相当程度解消されるでしょう。

ただし、多くの弁護士は依頼することを前提に業務を行っており、「そのような形式でのサポートでは責任が取れず対応できない」と断られるケースも少なくありません対応してくれる弁護士は限られるでしょう。

費用面が心配な方には、法テラス(日本司法支援センター)を利用する方法があります。収入が一定以下の方は無料で弁護士に相談でき、費用の立替制度も用意されています。弁護士会の法律相談センターでは30分5,500円程度から相談が可能です。また、弁護士保険に加入しておくことで、トラブル発生時に費用を気にせず弁護士に相談できるようになります。

本人訴訟に向いている案件・向いていない案件

本人訴訟を検討している場合、いきなり訴状を書き始めるのではなく、まずはご自身のケースが本当に本人訴訟に向いているのかを確認することが大切です。

たとえば、以下のような条件に多く当てはまる場合は、本人訴訟でも進めやすい可能性があります。

  • 請求したい内容が比較的シンプルである
  • 契約書、借用書、LINE、メール、通帳などの証拠がすでにそろっている
  • 相手方との事実関係に大きな食い違いがない
  • 請求金額が比較的少額である
  • 平日に裁判所へ行く時間を確保できる
  • 書面作成や証拠整理を自分で進める覚悟がある

反対に、証拠がほとんどない場合や、法律上の争点が複雑な場合、相手方が企業や専門家である場合には、本人訴訟は慎重に検討した方がよいでしょう。

「自分でできるかもしれない」と感じても、少しでも迷いがあるなら、訴える前に一度弁護士や法テラスへ相談しておくことをおすすめします。本人訴訟を選ぶかどうかは、裁判を始める前の見極めがとても重要です。

本人訴訟に向いている案件

本人訴訟に向いているかどうかの目安は、「法律上の争点がない、または少ない」かつ「証拠がすでに手元に揃っている」という2つの条件を満たすかどうかです。

例えば、ご自身が大家さんであり、賃借人から毎月の家賃支払いが滞ったため請求したいというケースが挙げられます。賃貸借契約書と入金があるはずの口座の通帳があれば十分に事実関係を立証できることが多く、法律的にも請求することに正当性があるため、実質的な争いになるとは考えにくいです。他にも、借用書があり返済がないというケースでも、本人訴訟に向いている場合があります。

本人訴訟に明らかに向かないケース

以下のような専門性の高いケースは、本人訴訟には向いていません。

事件類型本人訴訟が難しい理由
医療訴訟カルテ・画像の専門的分析が必要。相手の病院には顧問弁護士がつくことが多い
税務訴訟相手は国税庁・税務署のプロ。弁護士に依頼しても一般的に勝率が低い類型
知的財産訴訟特許法など専門性が極めて高く、相手企業は知的財産権法に精通した弁護士を立てる
不当解雇・残業代請求残業代の計算には細かい法的知識が必要。解雇になった時点からの行動が特に重要

本人訴訟における証拠の準備と活用

本人訴訟で勝訴するためには、適切な証拠の準備と提出が決め手となります。法律の専門知識がなくても、しっかりとした証拠があれば説得力のある主張が可能です。

証拠の種類と収集のポイント

証拠には様々な種類があります。

  • 契約関係の証拠
    契約書、領収書、請求書など。これらは金銭のやり取りや合意内容を示す基本的な証拠です。
  • コミュニケーション記録
    メールやLINE、SNSのメッセージなどのやり取りを記録したもの。特に日付や送信者が明確にわかるものが有効です
  • ビジュアル証拠
    写真や動画。たとえば、損害賠償請求では損傷箇所の写真が有効です。
  • 金融記録
    通帳の写しや取引明細書など、金銭の流れを示す記録が必要です。
  • 医療関連
    診断書や医療費の領収書は、医療関連の請求で重要です。

証拠提出時の注意点

裁判所に証拠を提出する際には、以下の点を必ず確認してください。

  • 証拠説明書の添付
    証拠がどの主張を裏付けるのかを明確に記載した「証拠説明書」を添付します。
  • 複製の用意
    提出用に裁判所と相手方の人数分の写しを準備し、原本は必ず手元に保管します。
  • プライバシーの配慮
    提出する書類に含まれる個人情報やプライバシーに配慮し、必要に応じてマスキングを行います。

これらの点がおろそかになると、証拠が却下されたり手続きに遅れが生じたりする可能性があります。

証拠収集時のよくある問題と対策

証拠収集の過程では、以下のような問題が起こりがちです。

  • 違法な手段による収集
    相手に無断で録音した音声データは裁判で証拠として使えない場合があります。事前に合法的な収集方法を確認しましょう。
  • 証拠の破損や紛失
    書類はデジタルコピーを作成し、バックアップを取ることで紛失や破損に備えることができます。
  • 証拠の不十分な説明
    裁判官に証拠の重要性を理解してもらうため、どの事実を裏付けるのかを明確に示してください。

係争内容によっては少額訴訟などの選択肢も

トラブルが起きたからといって、必ず通常訴訟を選ばなければならないわけではありません。事案によっては、本人訴訟よりも負担の少ない手続きが適している場合もあります。

たとえば、請求額が60万円以下の金銭トラブルであれば少額訴訟を検討できますし、相手方が争わない可能性が高い場合には支払督促が使えるケースもあります。また、まずは内容証明郵便を送ることで、裁判に進まず解決できることもあります。

「裁判をするか、泣き寝入りするか」の二択で考えてしまう方も少なくありませんが、実際にはその間にいくつかの選択肢があります。ご自身のケースに合った手続きを選ぶことで、時間や費用、精神的負担を抑えながら解決できる可能性があります。

本人訴訟を検討する際は、通常訴訟だけでなく、ほかの手続きも含めて比較してみることが大切です。

和解・判決後の手続きについて

和解が成立したり判決が確定しても、相手が自主的に支払ってくれないこともあります。

和解成立後の流れ

和解が成立すると、裁判所から和解調書が交付されます。和解調書には以下の内容が記載されています。

  • 具体的な支払金額
  • 支払期限や分割払いの場合は各回の支払日
  • 支払方法(振込先口座情報など)
  • 期限の利益喪失条項(分割払いの場合)
  • 遅延損害金の取り決め
  • 強制執行認諾条項

和解調書は判決と同じ効力を持つため、相手が支払期限を守らない場合はこの和解調書をもとに強制執行が可能です。

支払いが滞った場合の対応

相手の支払いが滞った場合、以下のような段階を踏んで対応します。

STEP
支払督促

相手が支払いを怠った場合、まず内容証明郵便で支払督促を行います。和解条項に期限の利益喪失条項が含まれている場合は、その旨を通知することで残債務全額の一括払いを請求することも可能です。

STEP
執行文の付与の申し立て

それでも支払いがない場合は、執行文の付与を申し立て、財産開示手続きを経て差押えへと移行します。

強制執行時の注意点

強制執行する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 新たな費用(申立手数料・予納金など)が必要
  • 預金口座や勤務先、不動産の所在など、差し押さえる財産を特定する必要がある
  • 生活保護費や給与の一定額など法律で差押えが禁止されている財産には執行できない
  • 複数の債権者がいる場合は配当手続きとなる

この段階では手続きが複雑になるため、弁護士に相談することをお勧めします。

オンラインで裁判手続きができるようになりました

2025年3月より、民事裁判の書類をインターネットで提出できるシステム(mints)が本格稼働しました。これにより、訴状や準備書面の提出、裁判所とのやり取りをオンラインで行うことが可能になっています。

ウェブ会議による口頭弁論への参加も認められており、平日に裁判所へ足を運ぶ負担は以前より軽減されています。従来どおり書面・出頭での手続きも引き続き可能です。詳細な使い方や対応裁判所については、裁判所公式サイトをご確認ください。

【体験談】本人訴訟をやってみた

実際に弁護士なしで裁判を経験した方々に、きっかけや結果、やってみて気づいたことを伺いました。

やってみた体験談①

Q.いつ頃のお話ですか?

2020年です。

Q.係争のきっかけは?

父と一緒に旅行中、一軒の中華屋さんに入ったのですが食事を終えて店を出ようとしたところ店の床が水びたしで濡れていて父が滑ってしまい転倒して頭を打ちつけてしまいました。頭を打って気を失ってしまい動かない父を見て血の気が引き急いで救急車を呼びました。幸い数時間で意識は戻ったものの、そのまま入院となりました。店側に不法行為責任による損害賠償を求めたところ店側の過失は無いと言われ揉めてしまいました。

Q.裁判の期間はどれぐらいでしたか?

1年間程かかりました。

Q.弁護士をつけずに裁判した理由は?

弁護士に頼むとかなりの費用がかかってしまうことと、妹が法律についてかなり詳しかったので弁護士は付けずに訴訟することにしました。

Q.相手側に弁護士はついていましたか?

ついていませんでした。

Q.裁判を自分で進める上で、どのような情報源やツールを活用しましたか?

妹が法学部の大学院まで出ており、かつては弁護士を目指していたこともあったのでとても頼りになりました。その妹に申請の仕方などを教わり、書類のチェックもしてもらいました。

Q.口頭弁論や法廷で動揺しなかったですか?その際、どのように対処しましたか?

しっかりと台本を作り家族の前で何度も練習をしたので緊張はしましたが動揺などはしませんでした。すぐに店の床が濡れていた証拠の写真を撮っていたことも安心材料の一つでした。

Q.裁判の結果はどうでしたか?

損害賠償の障害部分が認められ、後遺障害部分は認められませんでした。

裁判を通じて得た学びや気づきがあれば教えてください。

もし何かあったときは冷静になって写真などで記録して、しっかりと証拠を残しておくことがとても重要だと思いました。

Q.次回同じような争いが起こった場合、弁護士に依頼しますか?

弁護士には依頼せずに自分でやろうと思うのですが、相手側も弁護士を付けてきたら自分も依頼するかもしれません。

Q.本人訴訟を考えている人に向けて、特に重要だと思うポイントや注意点を教えてください。

突然の事故などだと本当に慌ててしまいますが、とにかくしっかりとした証拠を残してください。発生直後でなければ分からなくなってしまうことがたくさんあります。写真をとにかくなるべく多く撮って、周りにいた方々の証言など、できるだけ多くの証拠や証言があると有利に戦えます

やってみた体験談②

Q.いつ頃のお話ですか?

2018年です。

Q.係争のきっかけは?

交通事故に遭いました。わき道から一旦停止し、慎重に車の頭を少し出したところで直進してきた車と衝突。相手側は「直進側だから自分には過失がない」と強く主張しました。しかし、私は一旦停止を確実に行い、相手車両がこちらに寄ってきたことが事故の原因だと感じていました。事故後、話し合いを試みましたが、相手は全く譲らず、交渉は平行線のまま。保険会社にも相談しましたが、任意保険に弁護士特約をつけていなかったため、弁護士の費用が負担となることから、自ら訴訟を起こす決断をしました。

Q.裁判の期間はどれぐらいでしたか?

約2年間です。

Q.弁護士をつけずに裁判した理由は?

弁護士への依頼の場合、着手金で10万円以上取られるとネットで調べてわかりました。さらに訴訟して判決まで長引いた場合に弁護士費用が高額になってしまうと思って弁護士はつけませんでした。

Q.相手側に弁護士はついていましたか?

ついていませんでした。

裁判を自分で進める上で、どのような情報源やツールを活用しましたか?

裁判を進める上で、法律関連の書籍やインターネット上の本人訴訟体験談、裁判所の公式ウェブサイトを活用しました。また、交通事故の過失割合については判例集や専門サイトを参考にし、資料を整理しました。

Q.口頭弁論や法廷で動揺しなかったですか?その際、どのように対処しましたか?

口頭弁論や法廷では緊張しましたが、事前に発言内容をメモにまとめ、繰り返し練習することで準備を整えました。また、深呼吸をして冷静さを保ち、裁判官や相手の発言に対して感情的にならず、論理的に答えるよう心がけました。わからないことは無理せず「確認させてください」と伝えることで、動揺を最小限に抑えました。

Q.裁判の結果はどうでしたか?

判決では、双方に一定の過失があると認められました。私の一旦停止が評価され、相手の直進時の注意義務不足も考慮され、過失割合は6:4(相手:私)となりました。結果として、完全な勝利ではありませんでしたが、相手側の過失を認めさせたことは良かったです。

Q.裁判を通じて得た学びや気づきがあれば教えてください。

事前準備の重要性を痛感しました。法律の知識がなくても、関連する法律や過去の判例を調べ、資料を整理し、論点を明確にすることで、自信を持って主張できることを実感しました。また、法廷では冷静な対応が何よりも重要で、感情的にならず事実と証拠に基づいて話すことが裁判官に信頼感を与える鍵だと感じました。一方で、弁護士特約の必要性も強く感じました。

Q.次回同じような争いが起こった場合、弁護士に依頼しますか?

はい。弁護士特約はしっかりとつけたので、同じような争いが起こったら依頼します。

Q.本人訴訟を考えている人に向けて、特に重要だと思うポイントや注意点を教えてください。

まず、最も重要なのは事前準備だと思います。自分の主張を裏付ける資料(現場写真、事故の実況見分調書、医療記録など)を徹底的に集め、整理しておく必要があります。また、裁判所の手続きやルールを理解することも欠かせません。さらに、冷静さを保つことも大切です。事前に発言内容をメモにまとめ、何を主張すべきかを明確にしておくと良いと思います。

やってみた体験談③

Q.いつ頃のお話ですか?

2014年です。

Q.係争のきっかけは?

賃金未払いによる裁判です。勤めていた会社が、倒産手続きをせずに別会社を設立しました。事業形態・経営者は変わらず、勤めていた会社は、家賃、給与、公共料金をすべて払いませんでした。労働基準監督署に相談したが、倒産ではなく夜逃げもしていないため、未払賃金立替払制度も使えないと言われました。労働基準監督署から指導をしてもらったが経営者は無視。何度も新会社に給与支払いの催促をしたが、新会社なので旧会社の支払い義務はないと言われました。

Q.裁判の期間はどれぐらいでしたか?

書類準備を含めて、1ヶ月ぐらいです。

Q.弁護士をつけずに裁判した理由は?

約15万円ぐらいの給与未払いでした。弁護士に相談すると、給与を支払ってもらう可能性が低いため差し押さえも難しいと言われました。本人訴訟なら裁判費用のみだったので、弁護士はつけませんでした。

Q.相手側に弁護士はついていましたか?

ついていませんでした。

Q.裁判を自分で進める上で、どのような情報源やツールを活用しましたか?

弁護士に相談しました。探偵にも相談しました(差し押さえの銀行口座情報等を調べてもらうため)。

Q.口頭弁論や法廷で動揺しなかったですか?その際、どのように対処しましたか?

相手は裁判に来なかったです。弁論等はなかったため、その場で勝訴しました。

Q.裁判の結果はどうでしたか?

給与未払金額の全額が認められました。銀行口座は、働いている間に調べていたので、差し押さえ手続きをしました。しかし、回収できたのは10万円程度でした。

Q.裁判を通じて得た学びや気づきがあれば教えてください。

裁判に勝訴しても、相手に十分な資産がない場合、全額を回収するのは難しいことが分かりました。

Q.次回同じような争いが起こった場合、弁護士に依頼しますか?

請求金額によって、弁護士に相談するか決めます。弁護士費用のみが発生しそうな場合は、弁護士に依頼しません。

Q.本人訴訟を考えている人に向けて、特に重要だと思うポイントや注意点を教えてください。

本やネットで一通りのことを調べてから、弁護士に相談したほうが良いと思います。弁護士に相談する場合は、1時間1万円程度かかります。法テラスを利用するのも良いと思います。相手は財産を隠すので、差し押さえは難しいと思います。特に、法人相手は難しいです。

やってみた体験談④

Q.いつ頃のお話ですか?

被告になった裁判は2018年くらい。原告になった方は2021年くらいです。

Q.係争のきっかけは?

最初は著作権違反の被告として訴えられましたが、その時の賠償請求金額があまりにも高額でこちらがとても納得できるような金額ではなく裁判をする流れになりました。この時の金額が相場通りだったら和解していた可能性もあったかもしれません。次は私のお店のレジから従業員がお金を横領していたので発覚してから民事裁判をする流れです。私としては横領したお金を全額返還してほしかったです。

Q.裁判の期間はどれぐらいでしたか?

最初は4ヶ月くらい、次は3ヶ月くらいだったと思います。

Q.弁護士をつけずに裁判した理由は?

弁護士費用は思ったより高額で、金銭的な余裕が私はそこまでなかったです。

Q.相手側に弁護士はついていましたか?

最初の裁判では相手側に弁護士はついていましたが、私が原告になったときは相手側に弁護士はついていませんでした。

Q.裁判を自分で進める上で、どのような情報源やツールを活用しましたか?

私の住んでいる地域では法テラスが無料で3回まで利用できるので、最初はそちらに相談しました。ただ極端に相談できる時間が短かったので正直そこまで役には立ちませんでした。あとはネットで自分なりに民事裁判の相場や手続きの流れを調べました。

Q.口頭弁論や法廷で動揺しなかったですか?その際、どのように対処しましたか?

動揺はそこまでしていませんでしたが、少し感情的になった部分があったかもしれません。ただ自分なりには冷静に対処していたと思います。

Q.裁判の結果はどうでしたか?

こちらが被告になった裁判だと敗訴ですが、賠償金額は最初に提示された金額の20%くらいでしたので自分としては納得できたと思います。原告になった裁判だと立件できた分の横領金額は全額支払い命令が出ました。ただ一部立件できなかった分は取り戻せません。

Q.裁判を通じて得た学びや気づきがあれば教えてください。

訴訟費用は弁護士に依頼しない場合でも発生しますが、この訴訟費用自体はそこまで高くなかったです。ただ弁護士費用の場合だと実費の他に着手金、報酬金、手数料などの弁護士報酬も発生するので、かなり費用はかかりそうな印象でした。それと原告になった場合でも被告になった場合でもやることは多く、裁判のために生活のスケジュールを調整するのは結構大変だったと思います。

Q.次回同じような争いが起こった場合、弁護士に依頼しますか?

私の場合ですが、金銭的に余裕があったり、法テラスや専門機関などに「必ず依頼した方がいい」などのアドバイスを受けた場合でないと依頼しないと思います。

Q.本人訴訟を考えている人に向けて、特に重要だと思うポイントや注意点を教えてください。

本人訴訟なら弁護士費用は発生しないので私みたいに裁判費用の負担は抑えられますが、訴訟手続きには手間がかかります。相手が弁護士に依頼するとこちら側が不利にもなりやすいようですので、あまりおすすめできるものではありません。金銭的に余裕があるなら無理せずに弁護士に依頼したほうがいいと思います。

最後に

本人訴訟は、挑戦的な選択肢ですが、適切な準備と計画があれば成功への道が開けます。まずは無料相談を利用し、自分に最適な解決方法を見つけましょう。

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