親子関係の解消・絶縁は可能?5つの法的手続きを弁護士が解説

「親からの暴力や暴言に長年苦しめられている」
「親の借金の肩代わりを何度も求められて困っている」
「親からの過度な干渉や束縛から逃れたい」
「親と完全に絶縁して二度と関わりたくない」


このような親との深刻な問題を抱え、「親との縁を切りたい」「親子関係を解消したい」と悩んでいる方は少なくありません。

特に成人してからも親からの悪影響が続く場合、「法的に親子関係を断ち切ることはできないのか?」「親と絶縁する方法はないのか?」「弁護士に相談すれば何か解決方法があるのか?」といったように悩む方も多いのではないでしょうか?

残念ながら、実の親子関係を法的に完全に解消することはできません。

しかし、現実的に親との関わりを断ち、親からの悪影響を最小限に抑える方法は複数存在します。引っ越しや連絡先の秘匿、戸籍の分籍、相続放棄、場合によっては接近禁止の法的手続きなど、状況に応じた対処法を選択することが可能です。

本記事では、親子関係の法的な意味と限界、親との関わりを断つための具体的な5つの方法、それぞれの手続きの詳細について、弁護士監修のもと詳しく解説していきます。

記事に入る前に・・・

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目次

親子関係は法的には解消できる?

さまざまな理由により、法的に親子関係を解消したいと考えるケースは少なくありません。

そもそも血の繋がった親子関係を解消できるのか紹介していきます。

法的には親子関係を完全に解消することはできない

実親との親子関係は、法的には基本的に解消はできません。そもそも、血の繋がった親との縁を切ることは難しいのです。

法的な親子関係は主に「生活扶助義務」「相続」があります。

親はあなたを産み育てる義務がありますし、成人した子どもには親との扶助義務があります。

ただし、親子だからといって親と仲良くしなければいけない義務や、会わなければいけない義務などはありません。

特別養子縁組をすると実親との親子関係は消滅する

実親との親子関係を解消することは基本的には困難ですが、特別養子縁組を行うことで生物学上の親(実親)との親子関係は解消できます。

そもそも養子縁組には、普通養子縁組特別養子縁組の2種類があります。

普通養子縁組は、実親との親子関係を残したまま、養子縁組をした親との親子関係を築く方法に対し、特別養子縁組は、生物学上の親との関係を解消し、養子縁組を交わした親との親子関係だけを構築する方法です。

親子関係を解消したいなら特別養子縁組をすればいいのではないか?と思いますが、特別養子縁組は家庭裁判所で審判されなければ、縁組を行うことはできません。

特別養子縁組は、実親が著しく監護ができない状態であると認められた場合に限り縁を組めます。

養子になれるのは、15歳未満の子どもだけです。15歳以上の子どもは特別養子縁組の関係を構築できません。

いわゆる「絶縁」「勘当」とはどのような状態?

では、ドラマなどでよく耳にする、「絶縁」「勘当」とはどういった状態を指すのかをご紹介しましょう。

勘当とは、親が子どもに対して言い渡す言葉で、「この先何があっても、面倒はみない」などの俗説的な意味合いがあります。

「絶縁」とは、勘当された結果の状態のことを指しています。

現在の民法では、親子関係を解消することは基本的にできません。

ですから、「勘当」や「絶縁」は、あくまでも表現上の言葉であり、法的な意味合いではないのです。

師弟関係や友人関係で利用する場合には「絶縁状」を送り、以降の関係を断ち切り、関わらないという絶縁手続きは実質可能ですが、親子関係には絶縁手続きはありません。

「親子関係」の法的な意味合いとは

では、法的な親子関係とはどのような関係なのかを理解しておきましょう。

先にお伝えした通りに、親子だからといって、仲良くしなければいけないことはありません。

成人した親子の間における法的な関係は、主に「相続」と「生活扶助」の2点に集約されます。

ただし、子どもが成人していない場合は、「親の養育義務」「監護義務」が発生します。

相続について

相続(民法第882条~第1044条)とは、財産や権利・義務を受け継ぐことです。

親が亡くなった場合は、預貯金や不動産、家具・家財道具、車などの財産を相続することができます。

親子関係では第一に相続権が発生します。親の借金などマイナスの財産がある場合は、相続を放棄することも可能です。

生活扶助義務について

次に生活扶助義務(民法877条1項)が発生します。

親が生活に困窮している等の場合、余力の範囲で親の生活の面倒を見なければいけない義務のことをいい、親子関係だけではなく兄弟・姉妹間でも発生します。

これは、「親の生活が困窮していた場合に、子どもは無条件にお金を渡さなければいけない」という義務ではありません。

生活扶助義務の前に、自身の生活を保持する義務があります。

親子だからといって、必ずしも親の面倒を見なければいけないわけではありません。反対に、子どもが困窮している場合は親が扶助する義務もあります。

このように親族間の扶助義務が発生するため、法的に親子関係を解消するのは難しいといえるでしょう。

子が未成年の場合には親に養育義務と監護義務が発生する

もしもあなたが未成年なら、親には養育義務と監護義務が発生します。親には子どもを健やかに育てる義務があります。

一般的に、未成年の子どもが自ら親子関係を解消したいと考える状況は多くはありません。しかし、親からの虐待などにより、深刻な悩みを抱えるケースも決して少なくないでしょう。

親子関係を解消したい理由とは?

そもそも、親子関係を解消したい理由にはどんな理由があるのかをご紹介します。

悩んでいるのはあなただけではありませんので、安心してください。

親の借金問題

親がお金にだらしがなく、ギャンブルなどですぐに借金を作ってきて生活に困窮してしまっているケースなどは、親子関係を解消したいと感じるでしょう。

親が借金返済のために働かずに、子どもに無心する場合はなおさら親子関係を解消したいと感じるはずです。

親からの虐待

親からの虐待がひどい場合でも親子関係を解消したいと感じるでしょう。

もしもあなたが未成年なら、児童相談所などに相談し、対策を講じてもらうことも可能です。

一人で悩まずに、適切な窓口や友人・知人などに相談しましょう。

親の異性関係

親の異性関係がだらしがなかったり、両親間で喧嘩が絶えなかったり等の場合、親子関係を解消したいと感じても不思議はありません。

片親の場合には、親の恋人が頻繁に変わる・1つの家で親の恋人と3人で一緒に生活している等も、親子関係を解消したくなるでしょう。

親からの過干渉

何についても干渉してくる場合も親子関係が煩わしいものになり得ます。

結婚に反対された、または結婚しているにもかかわらず生活について口出ししてくるなど、親の過干渉は心理的な苦痛を伴うでしょう。

成人している子どもに対しての過干渉は、対策を講じることで解決できる可能性が高いので、次の章をご覧ください。

できる限り親子関係を解消させる5つの方法

煩わしい親との親子関係をできる限り解消することはできます。

法的な親子関係を解消することはできなくても、付き合いを絶てば、解決できる可能性はあるでしょう。

1. 引っ越し先、連絡先を伝えない

親との同居を解消し、引っ越しする方法があります。

引っ越し先を教えず、また電話番号等の連絡先を伝えないことで、親子関係を希薄にすることは可能です。

できれば、引っ越し先の住民票に閲覧制限をかけておけば安心できるでしょう。

住民票の閲覧制限を希望する場合は、市区町村の役所にて「住民票等の写しの交付制限に関する申出書」を提出することで手続きが可能です。DV被害やストーカー被害を理由とする場合は無料で手続きできます。また、郵便局での転送届けも旧住所を知る第三者からの照会には応じないよう配慮されています。

親からの束縛が強い・親が付き纏って親子関係を解消したい等と感じている方にとって、引っ越しは有効な手段です。

2. 第三者との養子縁組

第三者との養子縁組も有効です。

あなたが15歳未満なら特別養子縁組を組むこともできますし、成人していても普通養子縁組なら年齢制限がありません。

普通養子縁組を組むことで、実親との親子関係を解消できるわけではありませんが、過干渉を防ぐための抑止力には繋がります。

3. 戸籍を分籍する

親と戸籍を分籍することも、有効な手段の一つです。

法的な親子関係が解消するわけではありませんが、戸籍を分けることで、親との縁を切ったという心理的な効果が得られます。戸籍上でも親子関係を感じたくないと考える方は、自分の戸籍を確認した上で、親元から除籍して独立した戸籍を作る手続きを検討するとよいでしょう。

分籍の手続きは本籍地または住所地の市区町村役場で行います。必要書類は分籍届、戸籍謄本、本人確認書類で、手数料は無料です。

分籍により新しい戸籍が作られ、筆頭者となりますが、親との法的な親子関係は変わりません。ただし、戸籍上で親と同じ戸籍にいないことで、心理的な区切りをつけることができるでしょう。

一度分籍した場合もとに戻すことはできないため、慎重に検討しましょう。

4. 相続放棄・排除をする

相続が発生した時、相続を放棄すれば親が抱えた多額の借金などを背負う必要はなくなります。

また、相続は親から子どもだけではなく(可能性は低いですが)子どもから親への相続も存在することも覚えておきましょう。

自分が亡くなった後に親に相続させたくなければ、法定相続人の排除をしておけば安心です。

「生前排除」もできますし「遺言排除」も可能ですので、相続だけでも親子関係を解消しておきたい方は、家庭裁判所に申し立てておきましょう。

審判の結果認められれば、あとは、排除届けを提出するだけで、あなたから親への相続権はなくなります。

相続放棄は親が亡くなってから3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があり、申述料800円と戸籍謄本等の書類が必要です。一度放棄すると撤回できないため、親の財産状況を十分調査してから決断しましょう。

一方、推定相続人の排除は生前でも遺言でも可能です。生前排除の場合は家庭裁判所に調停または審判を申し立て、排除事由(被相続人に対する虐待、重大な侮辱、著しい非行等)を証明しなければなりません。申立手数料は800円、戸籍謄本等の書類費用がかかりますが、認められれば市区町村役場に排除届を提出し、相続権を失わせることができます。

遺言排除の場合は、遺言書で排除の意思と理由を明記し、遺言執行者が排除届を提出します。

排除された者でも、遺留分減殺請求権は残る場合があります。そのため、弁護士と相談して慎重に進めることが重要です。

5. 接近禁止仮処分命令の申し立てをする

もしも、親が付き纏って、金銭の無心・過干渉・激しいDVがあるなどの場合は、民事保全法の「接近禁止仮処分命令」を申し立ててみるのも一つの方法です。

親子間では、DVを理由とした接近禁命令は適用されませんが、民事保全法の接近禁止仮処分命令なら適用可能ですので、家庭裁判所に申し立ててみましょう。

接近禁止仮処分命令とは、親からのつきまとい行為や脅迫的な金銭要求などに対して、法的拘束力を持って接近や連絡を禁止する命令です。DV保護命令とは異なり、親子間でも利用できる重要な法的手段となります。

この命令が認められやすいのは、以下のようなケースが挙げられます。

  • 借金の肩代わりを強要して断ると暴言や脅しを行う場合
  • 勤務先に執拗に電話をかけて業務に支障をきたしている場合
  • 深夜早朝問わず自宅に押しかけて大声で騒ぐ場合
  • SNSやインターネット上で誹謗中傷を繰り返す場合

手続きは相手方の住所地を管轄する地方裁判所に申立書と疎明資料(本人以外が交付請求する際に提出する客観的な資料)を提出します。疎明資料としては、以下のような情報が有効です。

  • 被害状況を録音したデータ
  • 写真
  • 動画
  • 精神的苦痛がある場合の診断書
  • 警察への相談記録
  • 第三者の証言書

費用は申立手数料として2,000円(収入印紙)のほか、担保金として10万円~50万円程度が必要となる場合があります。審理は通常1~2週間程度で決定され、認められれば相手方に命令書が送達されます。

命令には以下のの内容が含まれることが一般的です。

  • 申立人の住居・職場への接近禁止
  • 電話・メール・SNS等による一切の連絡禁止
  • 友人・知人を介しての間接的接触禁止

命令に違反した場合は、間接強制による金銭支払い(通常1万円~10万円程度)を命じることができるほか、精神的苦痛に対する慰謝料や実損害の賠償請求も可能となります。悪質な場合は威力業務妨害罪や脅迫罪等での刑事告発も視野に入られますが、親のつきまといが激しく、身の危険を感じるなどの必要性と緊急性が求められます。

必ずしも接近禁止仮処分命令が審判の結果有効になるとは限りませんが、審判で認められれば、接近した際に間接強制による金銭支払いや損害賠償を請求することが可能です。

手続きは非常に複雑なため、法的知識が必要です。弁護士に依頼することで、認容される可能性を高められるでしょう。

場合によっては「親族関係調整調停」を利用する

さまざまな手段を講じても、親子関係が改善しない場合は、「親族関係調整調停」を利用していくこともできます。

我慢できない親のつきまといや、DV、借金問題などで親子関係が拗れてしまった場合は、法的手段でできるだけ解消していきましょう。

親族関係調整調停の概要

親族関係調整調停とは、主に、共有財産の使用方法などで親族間トラブルが発生した場合に有効となる調停です。

感情のもつれなどで冷静に話し合いができない場合は、裁判所や調停委員等第三者を間に挟み解決していきましょう。

円満ではなくなった親子関係の修復を求めたい場合には有効手段になります。

手続き方法

親子関係調整調停は親が居住する地の家庭裁判所か、互いに合意した家庭裁判所に申し立てられます。

手続きでは、収入印紙1,200円分と、連絡時に利用する切手代が必要となります。申し立てに必要な書類は申立書とその写し1通、標準的な申し立て添付書類です

必要に応じて、追加で資料の提出を求められる可能性がありますが、基本的には、親族関係調整調停の申立書があれば申し立ては可能でしょう。

「当人同士の話し合いでは親子関係が修復できないけれど、どうにかして解決したい」という場合に、親子関係調整調停を利用して第三者の意見を聞いていくことも大切です。

合意した内容は、公正証書に残しておけば安心できます。

手続きなどに自信がない場合は弁護士に依頼すれば、調停の申し立てや公正証書の作成などで力になってくれるはずです。

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まとめ

親子関係は法的に解消することは基本的にはできません。例外として、特別養子縁組では実親との関係は解消できますが、15歳未満の子どもに限ります。

しかし、法的な親子関係解消こそできませんが、親子が仲良く付き合っていく必要はありませんし、会わなくてはいけない義務はどこにもありません。

親のつきまといなどで悩んでいる場合は、できるだけ連絡先を伝えずに引っ越しし、住民票に閲覧制限をかければ親に居所を知られずに済む可能性があるでしょう。

戸籍上関係を断ちたい場合は戸籍の分籍が有効です。どうしても親との関係が悪化し、修復したいと感じるなら、親族関係調整調停を申し立ててみましょう。

その際は弁護士に依頼すればスムーズに手続きが可能です。親子関係はなかなか断ち切れないものですが、できるだけ心理的な負担が軽減できるように親子関係を見直していきましょう。

あらかじめ、弁護士保険でリスクに備えていただくこともオススメします‼

弁護士
東拓治弁護士

東 拓治 弁護士
 
福岡県弁護士会所属
あずま綜合法律事務所
福岡県福岡市中央区赤坂1丁目16番13号上ノ橋ビル3階
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