あなたが知らない偽装結婚の2つの目的と裏の闇社会

このご時世、結婚には愛情だけではなく、様々な事情が入り混じるケースが存在します。

そして日本における婚姻件数が減少している一方、国際結婚の数は増加しており、そのなかでも偽装結婚被害がまだ見受けられるのが日本社会の現状です。

ベトナム人やフィリピン人、果てはカナダ人といろんな国の人が日本人との偽装結婚を行っています。

この記事では、

そもそも偽装結婚の定義とは何か、

なぜリスクを負ってまで違法な偽装結婚が行われるのか、

について詳しく説明していこうと思います。

記事に入る前に・・・

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目次

偽装結婚とは

偽装結婚とは

偽装結婚とは夫婦として生活するつもりのない結婚(何かしらの目的はあるが実態のない結婚)をすることですが、明確な定義は今のところありません

偽装結婚かどうかは、最終的には二人の意思の問題ですが、実際には結婚の実態があるかどうかで判断されます。

たとえば、二人の年齢が異常に離れているとか、お互いに言葉が通じないとか、同居の実態がないなどの事実から判断されます。

正式な国際結婚・偽装結婚、両者に共通しているものは、どちらも「婚姻届を提出している」ということです。

現在、偽装結婚を目的として国外から日本へやってくる者の大半が女性です。

また日本で外国人が偽装結婚をする際に両者に面識はないため、通常は現地のブローカーに多額の金を払い、偽装結婚および日本入国の仲介をしてもらい、時には入居先や働き先の斡旋もしてもらうのです。

ブローカーに支払う報酬の相場は日本円で100万円から200万円程度です。

100万円から200万円!?とびっくりされると思いますが、外国人はそこまでの額を支払ってでも、日本で働くことにメリットがあるのでしょう。

偽装結婚の目的

偽装結婚の目的

偽装結婚の目的は様々ですが、主に

・金銭的な目的
・ビザ問題

の2つのパターンがあります。

金銭的な目的

圧倒的に日本人男性と外国人女性という組み合わせが多く、日本人側は年配のケースが多いです。

最近では、お金持ちのおじいさんが、寂しさを紛らわせたり、身の回りの世話をお願いする目的で、外国人女性と結婚することもあるといいます。

しかし外国人女性側は最初にとりあえず結婚をして、家族へ仕送りのお金を要求し、ある程度のお金がたまったら離婚をし、故郷へ帰る。
残念ながらこういったケースも多く存在するのです。

また、日本で収入を得て母国へ仕送りをする人も多くいます。

長い間日本に住んでいる日本人にとって、日本の給料が高いという印象はないかもしれませんが、それでも経済的に発展途上の国と比べるとやはり高いのです。

例えばフィリピンの物価は日本のおよそ1/3で、日本人の収入というのはフィリピン人の基準からするとはるかに高いです。

単純計算で日本で年収が「300万円」だとしたら、フィリピンの物価に換算すると「900万円」の価値があるということになります。

完全に富裕層に位置するような収入です。

配偶者ビザ・永住ビザ

「ビザ婚」とも言い、とても悪質で被害者の数が一番多いパターンです。

・日本人と結婚をして配偶者ビザを取得したい
・結婚後3年したら永住ビザを取りたい

こんな目的です。

まずビザとは何かについてご説明します。
ビザとは日本に滞在するための入国許可証のことを言います。

外国人が日本に滞在するためには在留資格(ビザ)を持たなければなりません。
在留資格(ビザ)というのは、資格の種類によって働くことが出来なかったり、働き方が制限されていたりします。また、その在留資格(ビザ)を取得できるかどうかの取得条件も、資格の種類によって変わってきます。

① 配偶者ビザ

日本における全部で27種類ある在留資格(ビザ)のひとつに、結婚(配偶者)ビザと呼ばれる「日本人の配偶者等」という在留資格があります。

「日本人の配偶者等」という在留資格(ビザ)は非常に万能な資格で、日本人と結婚すればこのビザを取得することができ、さらに働き方にも制限がありません

要するに日本に合法に在留できない外国人にとっては、日本人と結婚さえしてしまえば日本で生活でき、さらに働き方も制限されないというメリットがあります。

② 永住ビザ

上記で説明した配偶者ビザはメリットもある反面

・日本人と離婚した場合に失効する
・最長でも5年ごとに更新しなければいけない

というデメリットがあります。

このように配偶者ビザを失うと基本的に帰国することになり外国人にとって好ましい状況とはいえません。

そこで、長期的に日本で稼ぐとなると永住ビザが有効になってきます。

永住ビザを取得するためには日本に継続して10年以上居住している必要がありますが、日本人と結婚をすれば3年で許可がおりるのです。

偽装結婚で問われる罪

偽装結婚で問われる罪

偽装結婚の婚姻届を提出した場合、実際には結婚の事実がないのに嘘の結婚の届出をしているということになり婚姻届の偽装にあたります。

この場合で説明しますと、外国人の在留資格(ビザ)問題に関する偽装結婚という場面を考えた場合の登場人物は、偽装結婚の当事者である「外国人女性」・「ブローカー」・「日本人男性」という形が最も多いパターンで、それぞれの罪は以下の通りです。

【偽装結婚当事者(外国人女性)】

市役所などの「公務員」に対して、偽装結婚であるにもかかわらず真実の結婚であるとして「虚偽の申立て」をして、戸籍簿に「不実」の「権利」の記載をさせた者は公正証書原本不実記載罪(刑法157条1項)によって処罰されます。

公正証書原本不実記載罪の法定刑は、「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですから、

この範囲で刑罰が科されることになります。

【ブローカー】

偽装結婚を営利目的にし、これを繰り返していたブローカーであれば、 出入国管理及び難民認定法によって

5年以下の懲役及び500万円以下の罰金

が科され、偽装結婚当事者(外国人女性)より、量刑が重くなる可能性が高いです(第74条の8第2項)。

公正証書原本不実記載罪と異なり、懲役刑及び罰金刑の両方が併科される可能性があることからも非常に重い罪であることがわかると思います。

【日本人男性】

偽装結婚について知っており報酬を受け取っていた日本人男性は上記ブローカーと同じように処罰される可能性が高いです。

一方、偽装結婚について知っていたが無報酬の日本人男性は、偽装結婚当事者(外国人女性)と同じように処罰される可能性が高いです。

但し、報酬を受け取っていなくても、この偽装結婚が偽装結婚当事者の退去強制を免れさせる目的で外国人を隠避させたと判断されれば、出入国管理及び難民認定法によって、

3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科される可能性が高いです(第74条の8第1項)。

なお、日本人男性は偽装結婚について全く知らなかった場合や偽装結婚の被害者となった場合には罪を問われません。

しかし、意図的に犯罪に関わっているつもりはなくても、犯罪に関わっている可能性があるかもしれないという事を見過ごしたり、偽装結婚である事を状況から推測できるようなケースは、「未必の故意」つまり犯罪の可能性を認識しながらも、犯罪を容認する故意犯として罰則の対象になる場合があるので要注意です。

なぜ偽装結婚がばれてしまうのか

偽装結婚がばれる理由

単なる不法滞在とは異なり、偽装結婚などの偽装滞在者は表面上では正規の滞在者となっております。
しかし入国管理局側も情報収集力や分析力を強化しており、下記のようなきっかけに摘発がされています。

●在留期間更新、永住権取得、帰化申請の際に届け出る情報
●法律違反や犯罪等による警察官による調査
●近隣住民や知人による通報

また、真実の結婚をしているにもかかわらず、上記のような事があった場合に偽装結婚ではないかというあらぬ疑いがかかることもあります。

万が一、これは偽装結婚ではないか??そんな場合はコチラに連絡を↓

※匿名通報ダイヤル 
フリーダイヤル: 0120-924-839
犯罪に関する情報を匿名で通報することができるダイヤルです。

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まとめ

母国の家族を支えるため外国人女性は偽装結婚に手を染めるのです。

そうした背景には両国の経済格差があるのは言うまでもありません。
しかし、違法なのが現実。

偽装結婚に手を染める外国人女性たちが平等に働くことのできる社会はいつやってくるのでしょうか。

あらかじめ弁護士保険にご加入いただき、様々なリスクに備えておくことをおすすめします。

弁護士

木下慎也 弁護士

大阪弁護士会所属
弁護士法人ONE 代表弁護士
大阪市北区梅田1丁目1-3 大阪駅前第3ビル12階
06-4797-0905

弁護士として依頼者と十分に協議をしたうえで、可能な限り各人の希望、社会的立場、その依頼者らしい生き方などをしっかりと反映した柔軟な解決を図ることを心掛けている。

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