事前に備えよう!『相続代行サービス』5つの選び方

親が重病となったような場合に、亡くなったときのことを事前の段階からある程度準備することを検討する方は多くいらっしゃるかと思います。

相続手続きは書類を作成したり、添付書類をあつめたり面倒ですので、専門家に依頼(代行サービスの利用)を考える方が多いと思います。

では、一体相続にはどのような代行サービスがあるのでしょうか。

このページでは、相続を代行するサービスを5つご紹介し、その選び方をお伝えします。

記事に入る前に・・・

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目次

一般的な相続の流れ

人が亡くなると相続が発生します。

この相続には様々な手続きが必要となり、相続に関する手続きとして主なものとしては次のようなものがあります。

遺産分割

相続人が複数いる場合には、遺産分割を行います。

相続人全員の協議で行いますが、協議が整わない場合には裁判所で行なわれる調停・審判という手続きを利用することも。

協議が整うと、その後の手続のために遺産分割協議書を作成します。

不動産の相続登記

遺産に不動産がある場合には、不動産の相続登記を行います。

不動産の所有権は「登記」というシステムで管理されており、相続開始した直後は被相続人(亡くなった方)名義となっているので、不動産を相続することになった人の名義に変更する必要があります。

銀行預金の解約

被相続人が保有していた銀行預金の口座を解約します。

通常、被相続人が亡くなった場合、銀行口座から不正に引き出されないように銀行口座は凍結されます。

遺産分割協議の内容に従って銀行預金を取得した相続人が銀行口座を解約して預金を取得します。

株式の名義書換

被相続人が株式を保有していた場合には、名義書換を行います。

会社は株主がだれかを株主名簿で管理をしていますので、相続によって株式を取得した旨を会社に伝えて、名義の変更を申請します。

準確定申告

被相続人が自営業者や家賃や株式の収入があって、確定申告をする必要がある場合に行うのが準確定申告です。

通常の確定申告は2月~3月の間に行うのに対して、準確定申告は相続の開始があった日から4ヶ月以内に行います。

相続税申告

被相続人の遺産が、相続税の基礎控除額を超える場合には、相続税の申告をしなければなりません。

相続税の基礎控除額は2021年10月25日現在、

3000万円+(相続人の数✕600万円) で計算されます。

これ以上の遺産があるような場合には、相続開始を知ったときから10ヶ月以内に相続税の申告を行う必要がありますので注意してください。

 相続放棄・限定承認

相続する遺産が借金・負債しかないということもあります。

このような場合に、借金・負債を相続しない手続きとして、「相続放棄」「限定承認」という手続きも。

相続放棄は相続人とならないようにしてもらう手続きで、限定承認は相続する遺産の範囲でのみ借金・負債を相続することが可能です。

遺言書作成

以上の手続きは亡くなってからのものですが、亡くなった後の相続に備えて、遺言書を作成しておくことも検討しておきましょう。

すでに先が長くないという場合には、死亡危急時遺言という特別な方式での遺言をすることができるほか、2週間~1ヶ月程度の時間の余裕があるのであれば、公正証書遺言の作成をすることも検討の余地があります

公正証書遺言は公証役場で作成するものですが、すでに入院しており外出が難しい場合には公証人に病院まで出張してもらうことも可能です。

死亡後の諸手続き

「相続」そのものではありませんが、相続と同じく人が死亡したことが原因で発生する手続きがたくさんあります。

  • 死亡届の提出
  • 健康保険・年金の死亡届け
  • 死亡保険金の請求
  • 死亡退職金の請求
  • 電気・ガス・水道の解約や名義変更
  • 賃貸借契約の解約や名義変更

など。

各種争訟

相続に関してどうしても裁判を起こす必要がある場合として次のような場合があります。

  • 遺言が無効なのではないか
  • 遺産分割協議が無効なのではないか
  • 相続人の一人が生前財産に手を付けていた
  • 遺留分が侵害される遺言がされた

このような場合には訴訟などを起こす必要が発生します。

相続代行を利用するメリット・デメリット

相続代行を利用するメリット・デメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

相続代行を利用するデメリット

相続代行を利用するデメリットとしては次のようなものがあります。

・依頼のために費用がかかる
・どの手続をどの専門家に依頼すればいいかわかりづらいことがある

後述するように、弁護士・税理士など士業と呼ばれる人に依頼することになるので、相談料・依頼のための費用がかかるのはデメリットです。

また、特定の手続きのみ任せたいとなった場合でも、どの専門家に依頼すればよいかわかりにくいことも少なくありません。

ただ、相続に関しては専門家が棲み分けをして相互に協力しているので、手続きを相談する相手を誤ったとしても、協力関係にある専門家を紹介してくれるので、あまりに気にする必要はないかと思います。

相続代行を利用するメリット

一方で相続代行を利用するメリットには次のようなものがあります。

・難しい手続きを行ってもらえる
・面倒な手続きも完全に任せることができる

相続手続きは、遺産分割調停や相続税申告など、法律・税務の知識がないと行うことができないようなものがあります。

この点、相続代行を利用することで、これらの難しい手続きについて調べたり勉強したりせずに手続きを行うことができるでしょう。

また、一つ一つは難しいものではなくても、相続手続き全体で見ると量が膨大であり、一つ一つ確認事項が多く、裁判所や役所・金融機関など、平日の昼間でないと対応していないところもあります。

相続代行を利用すると、こういった面倒な手続きをすべて任せることが可能です。

誰に依頼(代行)をすればよいのか

では、相続代行は誰に依頼すればよいのでしょうか。

① 弁護士

相続手続きの中でも、相手との交渉を要する事項や、裁判所での手続きが必要なものについては弁護士に代行をお願いします。

例えば

  • 遺産分割交渉がこじれてしまった場合に交渉の代理を依頼する
  • 遺産分割調停・審判手続きの代理を依頼する
  • 遺言無効確認訴訟・遺留分侵害額請求などの各種争訟
  • 相続放棄や限定承認の手続き
  • 遺言書の作成

弁護士費用の目安

・相談料:無料~30分5,000円~
・着手金:20万円~(遺産の内容・額による)
・解決報酬金:40万円~(遺産の内容・額による)
・相続放棄・限定承認5万円~
・遺言書の作成10万円~(遺産の内容・額による

➁行政書士

行政書士は、行政への手続の代行や、権利関係の書面作成を代行する権限を有しています。

相続においては

  • 遺言書の作成
  • 遺産分割協議書の作成(書面の作成のみで協議の代行はできない)
  • 相続登記・税務申告以外の相続・死亡にまつわる手続き代行
  • 遺留分侵害額請求の内容証明作成(書面の作成のみで協議の代行はできない)

などを行っています。

行政書士への費用の目安

遺言書の作成:10万円~(遺産の内容・額による)
遺産分割協議書の作成:10万円~(遺産の内容・額による)
手続き代行:20万円~(手続きの量・遺産の額による)
遺留分侵害額請求の内容証明作成:2万円~

③司法書士

司法書士は、法務局・裁判所に提出する書面の代行をしています。

相続においては、

  • 相続登記
  • 不動産がある場合の遺産分割協議書の作成
  • 相続放棄・限定承認の書面作成

なお、行政書士としての業務を兼ねていることも多いので、上記の行政書士業務も併せて行っている司法書士がたくさんいます。

司法書士への費用の目安

相続登記:6万円~(不動産の価値による)
遺産分割協議書の作成:10万円~(遺産の内容・額による)
相続放棄・限定承認の書類作成:5万円

④税理士

税理士は、税務申告の代行や、節税対策のコンサルティングを行っています。

相続においては

  • 相続税申告の代行
  • 準確定申告の代行
  • 生前の相続税対策のコンサルティング
  • 生前贈与をした場合の贈与税の申告の代行

などを行います。

POINT: 費用の目安としては

・相続税申告:遺産の額の0.5%~1%(最低10万円~)
・準確定申告:申告内容によって3万円~
・相続税対策のコンサルティング:遺産が1億円以下で5万円~
・贈与税の申告:贈与金額によって3万円~

⑤銀行・信託銀行

銀行・信託銀行では、遺言信託という、信託契約に関するサービスを展開しています。

費用の目安

遺産の1.5%~最低100万円程度の費用がかかります。

依頼する際の流れ

相続手続きを依頼する際の流れは次の通りです。

事前に相談の予約をとる

どのような手続きを依頼する場合も、事前に専門家と相談を行います。

相談には事前に専門家との面談の予約をとり、予約された日時に訪問することになります。

相談までにまとめておく

相談までには次のようなことをまとめておきましょう。

現在の状況

  • 家族構成や相続人が誰か
  • 被相続人がすでに死亡した場合にはいつ死亡したのか
  • 遺産にはどのようなものがあるか

相談を希望する理由

  • 遺産分割で揉めている
  • 手続きの代行をお願いしたい

専門家と相談する

実際に指定された日時に専門家と相談を行います。

相談料の有無や、持参するもの(身分証明書・印鑑)などは予約時に聞いておきましょう。

複数の専門家と相談してもかまいません。

専門家に依頼する

信頼でき、相続代行を依頼し専門家が見つかった場合には、契約を行います。

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相続代行利用する際の注意点

相続代行を利用する場合には次のような点に注意しましょう。

相続が得意かどうかを必ず確認する

弁護士や税理士など専門家は、自分の得意な領域が存在します。

企業に関する法律問題のみを扱う弁護士や、会社や個人事業主の税務申告のみを扱う税理士等、相続が得意ではないケースがあります。

相談をしても、相続に詳しい弁護士・税理士への相談を促されることになるので、事前に相続について取り扱っているか、インターネット・ホームページまたは予約時に確認をしてみましょう。

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弁 護 士
佐々木将司弁護士

佐々木将司 弁護士

大阪弁護士会所属


グランステラ法律事務所
Tel:06-6365-1728

〒530-0047
大阪市北区西天満1-7-4 協和中之島ビル3階


医療過誤、一般民事(離婚や労働問題)、企業法務を注力分野としています。
敷居が低く親しみやすく、かつ、頼りになる弁護士を目指しております。
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