離婚裁判にかかる費用とは!?知っておきたい3つのポイント

30代 女性

子どもが小学3年生になり、手がかからなくなってきたので、職場復帰しています。
ここ数年、夫のDVやモラハラがひどく、「離婚したい」と自分から申し出たのですが、世間体を気にする夫は「離婚したくない」とごねています。

このまま平行線のままだと自分が限界を超えてしまう、と思い、子どもと一緒にアパートに引っ越し、離婚調停を申し立てました。しかし、調停では、相手方の夫と考えが折り合わず不成立となってしまいました。

このまま別居を続けていくよりは、離婚して新しい人生を歩みたいと考えています。

離婚する方法としては離婚裁判に進むほかなさそうです。自分にも多少の収入があるため、ある程度の金額なら弁護士に依頼して、離婚裁判に挑もうかと思っています。

ただ、どのくらい弁護士費用がかかるのか想像がつきません。実際のところがどうなのかわからないので知りたいです。

「離婚裁判」の場合、「離婚調停」と異なり、訴状、準備書面などの作成が必要となるため、弁護士に依頼することが必要なケースが多いといえます。

特に裁判を起こす側(原告)は弁護士がいなければなかなか難しいと思います。

今回は離婚裁判で弁護士を依頼するにあたっての費用やポイントをお伝えしたいと思います。

記事に入る前に・・・

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目次

離婚裁判の費用について

裁判費用(実費)について

収入印紙代 13,000円

離婚訴訟の訴額は160万円とみなされます。

訴額が160万円の場合、印紙代は、13,000円です。

離婚だけでなく養育費、財産分与、面会交流等を求める場合、1つ追加するごとに1,200円かかります。

養育費は子ども1人につき1,200円ですのでご注意下さい。

また、慰謝料請求をする場合には、請求額に応じて追加する必要があります。

なお、収入印紙は、郵便局やコンビニで買うことができます。印紙の金額ごとの内訳の指定は特にありません。

切手代 6,000円

裁判所によって異なることもありますので、事前に管轄の裁判所に確認した方がよいです。

切手の金額ごとに内訳の指定があります。

東京家庭裁判所千葉家庭裁判所横浜家庭裁判所
500円×8枚
100円×10枚
84円×5枚
50円×4枚   
20円×10枚 
10円×10枚 
5円×10枚
2円×10枚 
1円×10枚 
500円×8枚
100円×10枚
84円×5枚
50円×4枚   
20円×10枚 
10円×10枚 
5円×10枚
2円×10枚 
1円×10枚 
500円×8枚
200円×3枚
100円×5枚
84円×5枚
50円×4枚   
20円×10枚 
10円×10枚 
5円×10枚
2円×10枚 
1円×10枚 

※当事者が1名増すごとに下記の2,178円を追加します。内訳は500円×4枚、84円×2枚、5円×2枚になることが多いです。

戸籍謄本 1通450円

戸籍謄本は、本籍地の市区町村の役所で取得します。

本籍地から離れて住んでいる場合は、郵送でも取り寄せが必要ですが、その場合、少し時間に余裕をもって申請したほうがいいです。

なお『全部証明(戸籍全部事項証明書)』が必要になります。

住民票の取得費用  300円~

住民票の取得費用は市区町村で金額が異なります。基本300円位が多いのですが、無料で取得できることもあります。

住民票は省略のない、全部記載されているものを取得します。

住民票は、住民のある市区町村の役所でとれますが、市区町村によって、コンビニで取得でき、また無料で取得できることもあります。

弁護士費用について

離婚裁判における弁護士費用の相場とは

依頼する項目によって異なってきます。

項目としては

  • 離婚
  • 親権
  • 養育費(婚姻費用)
  • 面会交流
  • 慰謝料

が挙げられます。

離婚裁判における弁護士報酬は、通常の弁護士費用の計算と少し異なります。具体的にいう次のように「2階建て」で構成されます。

  • 離婚裁判に関する弁護士費用
  • それ以外(財産分与や慰謝料に関する)弁護士費用

「離婚」に関する弁護士費用

旧日弁連報酬基準によれば、離婚裁判における弁護士費用は、おおよそ30~60万円とされています。

ただ、この金額は、①「離婚」に関する費用です。

その他に請求したいもの(財産分与や慰謝料請求)がある場合は、下記のほかに別途弁護士費用がかかります。

弁護士費用の内訳

弁護士費用は、主に、1.着手金、2.報酬金です。

  1. 着手金は、事件を受けるにあたって支払うお金です。
  2. 報酬金は、事件の解決に伴って報酬として支払うお金です。

離婚裁判における弁護士費用の目安

【法律相談料】 無料~30分5000円(税抜)  

依頼するにあたって相談をするときにかかる費用です。

相談だけであれば無料という事務所もあるのでうまく相談なさるのがよいと思います。

【着手金】 20万円~60万円  

着手金は、事件を受けるにあたって支払うお金で、手付金のようなものです。

旧日弁連報酬基準では30~60万円とされていますが

離婚については下限である「30万円」もしくはそれよりも安い「20万円」で受ける弁護士はそれなりにいると思われます。

【報酬金】 30万円~60万円+α  

報酬金は、事件の解決に伴って報酬として支払うお金です。離婚ができた場合に発生します。

旧日弁連報酬基準では30~60万円とされていますが、ケースに応じて下限である「30万円」にしてくれる弁護士もそれなりにはいるかと思いす。

【出廷費用など】 遠方の場合、裁判1回の出頭について5~10万円   

裁判所が遠方で行くのに時間がかかる場合には、日当がかかることがあります。

日当をもらう事務所はそれなりにありますが、もらわない事務所もあります。

「離婚以外」に関する弁護士費用

離婚裁判をする方は、離婚の合意だけではなく、お金や親権のことに関しても合が必要ではないでしょうか。その場合、弁護士費用は、上記の金額にプラスで費用が追加されます。

経済的利益に応じて以下の金額となります。

【財産分与や慰謝料請求】 着手金 報酬金
300万円以下の場合 8% 16%
300万円を超え
3000万円以下の場合
5%+9万円 10%+18万円
3000万円を超える場合 3%+69万円 6%+138円

【養育費】 
2年分の養育費を経済的利益として上記の表にあてはめて計算することが多いです。  

【親権】 
着手金・報酬金それぞれ10~20万円ずつ  

離婚裁判は弁護士に依頼すべき? 依頼の判断ポイントとは

離婚裁判をする場合、法律上の離婚原因(離婚条件)が認められることを、裁判を起こす「原告」側が主張して証明する必要があります。

(例えば、不貞行為をしたことで「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法第770条第1項5号)にあたるとして離婚裁判をするのであれば、裁判を起こす側の方で相手が不貞行為をしたことを主張して証明する必要があります)

裁判における証拠の勘どころ(どのくらいの証拠があれば裁判官が認めてくれるか)については、やはり弁護士は詳しいので離婚裁判の多くケース(特に裁判を起こす「原告」側)は弁護士に依頼するのが適切といえるでしょう。

弁護士費用を安く抑える方法

裁判で勝ち、弁護士費用を相手に支払ってもらう

基本的に難しいです。

裁判で勝った側の弁護士費用を相手が支払うというルールはありません。

ですので、自分がお願いした弁護士さんの弁護士費用は自分で支払う必要があります。

ただし、不法行為の場合は、裁判で請求する金額の10%を弁護士費用としてプラスして請求できます。

例えば、離婚裁判にあたって、離婚を求めることに加えて、不法行為をしたとして、200万円の慰謝料請求をする場合には20万円を弁護士費用として加えて、220万円の請求ができます。

弁護士費用を分割払いで支払う 

可能なことがあります!

弁護士によっては、着手金を分割払いで支払うことを対応してくれる人もいます。とはいえ、必ずしも全員ではありませんし、嫌がる弁護士もいますので常にこの方法をとれるわけではありません。

法テラスなどを利用し、一時的に立て替えてもらう

可能です!

意外と知られていない制度としては「法テラス」があります。

「法テラス」は収入条件がありますが、それを満たせば、法テラスが弁護士費用を立て替えて支払ってくれます。

利用者は、法テラスに月額1万円(ケースによっては5000円)を分割払いで支払っていきます。

また、法テラスの弁護士報酬基準は、通常の弁護士報酬基準よりも安価であるため、トータルとしてはだいぶ安い金額で弁護士を利用することができます。

ただ、法テラスと契約している弁護士しか依頼できませんので、相談の際に法テラスの利用が可能かどうかを弁護士に確認してみるのがよいでしょう。

法テラスのHPはこちら 

離婚裁判の手続

離婚裁判に必要な書類をそろえ、訴状を裁判所に提出する

訴状

 請求原因、請求の趣旨を記載します。

証拠説明書

 どのような証拠があり、出した証拠によってどういうことが証明されるのか(立証趣旨)を記載します。

調停事件の終了証明書

手元にあればコピーを、手元にない場合には調停を行った家庭裁判所に請求しましょう。

和解または判決

裁判においては、いつでも和解をすることができます。

判決はオールorナッシングですので、多くの当事者は請求が認められないことを恐れ、和解をしています

離婚裁判に進む際の注意点

裁判の前に調停を起こす必要がある

離婚裁判は、調停前置主義をとっており、調停をして不成立になったもののみができるとしています。

裁判期間はどのくらいかかる?短期間にできるポイントとは

早期に解決できるような内容であれば3~6か月程度で終了することは十分あります。

ただ、争点(争う点)がある場合には(例えば、不倫をしていた・していないで争いが長引いて1年以上かかることもあります。)

裁判を短期間にするためには、「証拠をきっちりと確保しておく」ことです。

不貞をしたということで慰謝料請求をするのであれば不貞の証拠をできるだけ多く確保しておけばおくほどあちら側が反論できなくなり、裁判が短くなるでしょう。

証拠の確保のしかたについては、ケースにより異なりますので弁護士に相談して進めるのがよいです。

弁護士費用は高額なので、あらかじめ弁護士保険などで備えていただくことを、おすすめします。

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  • 労働トラブル
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まとめ

いかがでしたか?

離婚裁判は、離婚調停と異なり、専門的な知識が多く必要となるため、弁護士に依頼する必要が高いです。

できる限り費用を抑えることができたらいいなと思ってこの記事を作成致しました。

離婚訴訟を考えている方がいい方向に進むことを願っています。

この記事を書いた人
松本隆弁護士

弁護士  松本 隆

神奈川県 弁護士会所属
横浜二幸法律事務所
所在地 神奈川県横浜市中区山下町70土居ビル4階
TEL 045-651-5115

労働紛争・離婚問題を中心に、相続・交通事故などの家事事件から少年の事件を含む刑事事件まで幅広く事件を扱う

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2019年よりミカタ少額短期保険(株)が運営する法律メディアサイトです!

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