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偽装離婚を検討しているあなたへ!偽装離婚の5つのリスクについて解説

「保育園になかなか入れないけどどうしたらいいのだろう?」とお悩みの方はたくさんいます。保育園は、共働きでもなかなか入れないのが現実です。

そんなときに「偽装離婚」という言葉が頭をよぎることはありませんか?

偽装離婚することで、シングルマザーになり、保育園にも優先的に入れる、と考える方もいるでしょう。

ですが、偽装離婚にはメリットだけではなく大きなリスクもあるのです。

本記事では、偽装離婚について知りたい方に向けて、偽装離婚について詳しく解説していきます。

偽装離婚は大きなリスクを伴いますので、慎重に考えて行動するようにしましょう。

目次

偽装離婚とは?

偽装離婚とは、法的に婚姻関係を解消したものの、実態は婚姻関係を継続していることを指しています。

偽装離婚の目的はいくつかありますが、婚姻関係を続けるよりも、子ども、夫や妻にとって離婚を選択した方が、金銭的なメリット・社会的なメリットがある場合に主に離婚を装います。

ですが、実態は同居を継続していたり、同じ家計から生活費を共にしていたりと、婚姻関係を継続している夫婦を偽装離婚夫婦というのです。

離婚そのものは法的に問題ありませんが、偽装離婚をすることで、不当に金銭を受け取っていたり、虚偽の事実を申告していたりした場合には、違法に該当するケースもあります。

これって偽装離婚になる?

では、どのような状態なら偽装離婚に相当するのかをお伝えします。

よくある4つのケースから考えてみましょう。

①離婚届を提出したが同居している場合

離婚届を提出しましたが、同居を続けている場合はどうでしょうか。婚姻関係を解消した場合は通常速やかに別居するケースがほとんどです。ですが、例えば引越し資金が貯まるまでは同居を続ける、という夫婦も意外に少なくありません。

こういった場合、離婚直後に一時的に同居をしていただけでは偽装離婚とはいえません。資金を調達でき次第、速やかに別居をするなら問題ないと理解してください。

しかし、離婚届を提出し、その後何年間もだらだらと同居を続けていれば事実婚関係です。このケースの場合は偽装離婚と認定される可能性が高いので注意しましょう。

➁別居中だが離婚届は出していない

別居中だが離婚届は提出していない、という場合は、そもそも離婚していないため偽装離婚には該当しません

別居中に離婚届を提出し、その後別居を解消し、事実婚関係になった場合は、偽装離婚に相当する可能性があります。

偽装離婚のつもりがなくても、疑われる可能性があるので注意しましょう。

③離婚届を提出し、別居しているが愛し合っている

離婚届を提出し、別居もしているが愛し合っている場合はどうでしょうか。そもそも愛し合う夫婦がすれ違いによって一時的な感情で離婚をしてしまうケースはよくあります。

このケースの場合は偽装離婚には相当しませんので、お互いにまだ愛し合っているなら、速やかに復縁した方がいいでしょう。

偽装離婚には該当しませんが、愛を認め合ってもしもすぐにまた同居に至れば、疑われる余地があります。

➃離婚届を提出し、別居していて生活費も別にしている

離婚届を提出し、別居をした上で、生活費も別にしている場合は、通常の離婚状態です。何一つ偽装離婚を疑われる余地はありませんので、安心してください。

ですが、生活費を同じくしている場合は、偽装離婚を疑われる可能性が高くなります。離婚したなら生計は別にするようにしましょう。

何故偽装離婚するの?~偽装離婚する人の特徴~

では、どうして世の中には偽装離婚をする人が多いのでしょうか。これまでの事例から解説していきます。

生活保護費や各種手当を受給するため

ひとり親家庭の場合には子どもに対する各種手当を受給することができます。各種手当は、収入制限などもあり、思うように国や自治体から子育ての費用を受給できません。

そのため、偽装離婚をして生活保護費やひとり親家庭の各種手当を不当に受給しようとする人が一定数います。

生活に苦しくなんとかお金を手に入れたいと考えている方や、配偶者が生活費を家庭に入れてくれない場合など、様々なケースでお金のために偽装離婚をする夫婦がいるでしょう。

自己破産の際の財産隠し

中には借金を抱えて、債務整理をする際に自己破産をしてしまえば全ての借金がなくなると考える方がいます。

自己破産をする場合、財産があれば全ての財産が差し押さえられてしまいます。車や家はもちろん、貯金があれば貯金も差し押さえ対象です。どんなに借金が多くても、子どもを抱えた方なら、将来のために自己破産するわけにはいきません。

そのため、偽装離婚をし、財産を配偶者に預けて本人は自己破産するという選択をする方がいます。離婚をする際に財産分与が認められていますので、夫婦で築いた財産を一方の配偶者に渡したとしても何ら不自然ではありません。

その結果、偽装離婚さえすれば自己破産がしやすくなってしまうのです。

優先的に保育園に入園させるため

保育園に入園する際には、基本指数と調整指数と呼ばれるものがあります。指数とは通称点数とも言われており、点数が高い方が保育園に入園できる確率が高まります。

シングルマザーは基本指数が高いため、優先的に保育園に入園できるケースが多いのです。そのため、なかなか保育園に入園できない夫婦が仕事のために偽装離婚をするケースが昨今意外に増えています。

日本の待機児童の問題点が偽装離婚に走らせる一つの要員でしょう。ですが、偽装離婚したからといって、必ずしも保育園に入園できるわけではないことを覚えておいてください。

先にもお話しした通りに、保育園には基本指数と調整指数があり、指数が高い方が優先的に保育園に入園できます。シングルマザーは確かに指数が高いのですが、その他にも基準がありますので、他の基準で点数が稼げない、減点される可能性も否めません。

例えば、働かなくてもいいほどの資産家の場合は、シングルマザーでも点数は上がらないのです。このケースの場合は、偽装離婚をしても保育園には入園できない可能性があるでしょう。

マネーロンダリングの為

マネーロンダリングのために偽装離婚するケースもあります。ここでいうマネーロンダリングとは、借金の経歴を不透明にすることを指します。

つまりは、偽装離婚をすることで、主に女性は旧姓に戻ることから、別人になりすまし、借金を重ねることを指しています。

マネーロンダリングは一般的には違法な取引で得た資金の出どころを隠匿する場合に利用される言葉ですが、信用情報の経歴を洗い流すことができることから偽装離婚でもマネーロンダリングという言葉を使うこともあるのです。

偽装離婚にリスクはあるのか?

偽装離婚には、主に、下記5つのリスクが存在します。

リスクを理解して軽はずみな行動は控えるようにしましょう。

  1. 公正証書原本不実記載罪に問われる
  2. 母子手当など、不正受給していた各種手当の返還を求められる可能性
  3. 詐欺罪になる可能性
  4. 自己破産時の免責が認められなくなる
  5. 元配偶者が別のパートナーと再婚してしまう可能性

1,公正証書原本不実記載罪に問われる

公正証書原本不実記載罪に問われる可能性があります。離婚したことは事実のため、可能性は低いものの、悪質なケースでは犯罪に該当する可能性も。

公正証書原本不実記載罪に問われるケースとは、戸籍などの役所に提出する記録に虚偽の記載があった場合です。

本当は離婚の事実はないものの、生活保護やひとり親家庭の手当を受けるために嘘の書類を役所に提出した場合には、公正証書原本不実記載罪に問われてしまう可能性があることを覚えておきましょう。

刑法157条に該当し、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に該当してしまいます。

2,母子手当など、不正受給していた各種手当の返還を求められる可能性がある

母子手当など、不正受給していた各種手当の返還を求められる可能性があります。

偽装離婚の事実が判明して、犯罪と認められた場合は不正に受給した各種手当を返還しなければいけません。

数年に渡り不正受給した場合なら、相当高額になってしまうため注意が必要です。

一時の心の迷いで偽装離婚に踏み切った場合は大きなリスクが伴うと覚えておきましょう。

3,詐欺罪になる可能性がある

自己破産時に財産を隠していたり、マネーロンダリングをして借金を重ねていたりした場合は、詐欺罪に相当する可能性もあります。

詐欺罪が成立してしまうと、破産法252条や、破産法265条1項に該当し、詐欺破産罪に問われることに。詐欺破産罪が成立すると、10年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金が課せられます。

詐欺罪は大変重い刑罰になりますから、偽装離婚は気軽にするべきではありません。

4,自己破産時の免責が認められなくなる

偽装離婚が発覚すると、自己破産時の免責が認められなくなり、精算した借金は元に戻ってしまいます。それどころか利息が増えて、元々の借金額よりも増加するでしょう。

偽装離婚でまんまと自己破産できたとしても、偽装離婚がバレた結果、余計な借金を背負う羽目になってしまいます。

5,元配偶者が別のパートナーと再婚してしまう可能性

偽装離婚は偽装とはいえ、法的には正式に離婚が成立しています。離婚した状態で元配偶者が他の異性と恋愛をしたとしても、何ら問題はありません。

そのため、当初は偽装のつもりで離婚したものの、相手の気が変わり、そのまま本当の離婚になってしまっても誰にも文句はいえませんし、復縁は叶わないでしょう。

相手が違う異性と再婚してしまったり、財産を預けたまま相手が他の異性と結婚したりした場合は、財産を取り戻す手段もないのです。

あなたは本当に一人で子どもを抱えて、生きていかなければいけなくなってしまう可能性があります。

偽装離婚はどうやってバレるの?

では偽装離婚がどのようにバレてしまうのかを解説します。

偽装離婚は離婚手続きをして、バレないように装ったとしても意外なところからバレるケースが多いものです。

身近な人物(近隣住民や親類)からの通報

意外にも、身近な人物からの通報でバレてしまうケースがあります。近隣の住民や親族などからの通報です。例えば、偽装離婚した後も頻繁に元配偶者が会いに来て、喧嘩をする様子もなく、宿泊していた場合や、洗濯物に頻繁に異性の下着などが干されているなどからバレるケースがあります。

また、財産を預けて偽装離婚し自己破産をしたにもかかわらず羽振りがいいなどで、不審に感じた親族から通報をされるケースも。

身近な人物だからこそ、バレてしまうケースがあるのです。

保育園や近隣施設などでのやり取りでバレることも

偽装離婚でうまく保育園に入園できても、運動会などのイベントに夫婦揃って参加しているケースや、離婚したはずの元配偶者が頻繁にお迎えに来るなど、保育園からの通報でバレるケースもあります。

また、子どもは正直なので離婚したはずの元配偶者がいつも家にいる、「パパもママも仲良しだよ」などと話してしまうケースも。

その他、仲の良いママ友などに「実は偽装離婚だった」などとうっかり話してしまうケースもあるでしょう。

「離婚した」と噂されるのに耐えかねて、事実を話してしまう女性が多いのです。偽装離婚したもののプライドを捨てきれない女性に多くありがちです。

保育園に無事入園できたとしても、偽装離婚はすぐにバレてしまうことを覚えておきましょう。

相談員やケースワーカーの訪問時のチェック

偽装離婚がバレる多くのケースが相談員やケースワーカーの訪問時のチェックです

生活保護申請をしてうまく生活保護を受けられたとしても、偽装離婚をしていたならすぐにバレてしまいます。

チェックは厳しく贅沢品の保有の有無や洗濯物や履物などの生活品などで離婚したはずの元配偶者の私物などから偽装離婚が発覚するケースが多いのです。

偽装離婚はバレないだろうではなく、基本的にバレるものと認識しておきましょう。

偽装離婚をする前に考えたいこと

偽装離婚をする前に考えておきたいことを2つご紹介します。偽装離婚は一時の感情でしてはいけません。

他の解決方法がないかを考える

例えば、お金に困って、偽装離婚をしてしまうケースがあります。ですが、本当に偽装離婚しか手立てがないのかを先によく考えてみましょう。

例えば、親族や知人などに頼る方法だってあります。もっと効率良く稼ぐ方法もあるかもしれません。国の助成金制度を上手に活用する方法も。借金に困っているのなら、債務整理する方法もあるでしょう。

偽装離婚しなくても、金銭的に楽になる方法はいくつか考えられますので、メリットよりもリスクが高い偽装離婚は考えないようにしましょう。

弁護士に相談する

弁護士に相談することで悩みを解決する方法があります。

例えば、債務整理はその一つ。

また、配偶者の借金や、ギャンブル、生活費をくれないなどの悩みであれば弁護士に相談することで、心に寄り添い一緒に手立てを考えてくれるでしょう。

いずれにしても一人で悩まずに、誰かに相談することをおすすめします。決して犯罪になってしまうかもしれない偽装離婚は検討しないでください。

最後に

いずれにしても、偽装離婚は一時の感情で行ってしまっても後から後悔することの方が多いはずです。

偽装離婚をした後にいつ復縁できるかもわかりません。元配偶者の心がいつ離れてもおかしくはない状態ですし、預けた財産が手元に返ってくるとは限らないのです。

偽装離婚を一時考えたとしても、あなたのプラスにならない行為ですから絶対にしないようにしましょう。

弁護士

畝岡 遼太郎 弁護士

大阪弁護士会所属

 

西村隆志法律事務所

大阪市北区西天満2丁目6番8号 堂島ビルヂング501号
TEL:06-6367-5454

ひとりひとりに真摯に向き合い、事件解決に向け取り組んでます。気軽にご相談が聞けて、迅速に対応できる弁護士であり続けたいと考えております。 

※事前予約いただければ平日夜間や土日にも対応可能です。


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