【養育費算定表】2020年新基準対応!養育費の相場について

まだ決まってはいないものの離婚を考えている方や、今からまさに離婚の話をしようという方にとって、

「離婚後の養育費はどのくらいもらえるか」

つまり、養育費の相場を知りたいというニーズがあると思います。

今回はまさに「養育費の相場」について解説したいと思います。

本日の相談

私は、30代(女性)で子どもが2人いますが、現在離婚を考えています。

もし子どもの親権を手に入れた場合、女手一つで育てて行かなければいけません。
そこで、気になることとして、離婚した後「養育費をいくらもらえるのか」ということです。

事前に知っておくことで、今後の生活費等を考えることができるので、養育費の相場など何か基準があるのであれば、知りたいです。

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目次

養育費の相場について 

養育費は、財産分与や慰謝料とは違い、裁判所によって、ある程度相場が示されています。

具体的には、裁判所が示している「養育費算定表」をみていただくことになります。

つまり、この養育費算定表を参照すれば、誰でも養育費の相場がわかるようになっています

養育費を決めるにあたって、双方で話し合いをするとしても、ある程度の基準がなければ、思うように話し合いが進みません。

「双方の話合いで決める(協議)」時はもちろん、「調停」や「裁判」になった場合も、養育費算定表の金額をもとに話し合いが進められます

もちろんあくまで相場(目安)ですので、養育費が相場より高くても、低くても、お互いが合意できるのであれば、その金額で構いません。

養育費算定表について

養育費算定表は、「養育費を支払う側(義務者)」と「養育費をもらう側(権利者)」の「年収」と「子どもの人数と年齢」を基準に金額が決まります。

養育費を支払う側の「年収」が高ければ高いほど、
また、「子どもの人数」が多かったり「子どもの年齢」が高かったりすればするほど、
養育費の相場は上がる仕組みになっています。

参考
実は、2019年12月に養育費算定表は改訂されて新しくなり、以前の養育費算定表より、平均1~2万円ほど相場の金額が上がりました
そういう意味では、今から離婚を考え、養育費をもらおうという人は金額が上がるという意味ではラッキーかもしれません。

養育費の相場

それでは、具体的に養育費の相場を見ていきたいと思います。

相談の多い例をまずは下記に示します。

子ども1人の場合 (15歳未満)

横軸が支払う側(義務者)の年収
縦軸が受け取る側(権利者)の年収(以下同様)

年収 300万円 400万円 500万円 600万円
0円 4~6万円 4~6万円 6~8万円 6~8万円
100万円 2~4万円 4~6万円 4~6万円 6~8万円
200万円 2~4万円 2~4万円 4~6万円 6~8万円
300万円 2~4万円 2~4万円 4~6万円 4~6万円
400万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 4~6万円

例えば、上記の15歳未満の子どもが1人の場合
支払う側(義務者)の年収を500万円、受け取る側(権利者)の年収を100万円であれば、養育費は4~6万円となります。

子ども2人の場合(15歳未満2人)

年収 300万円 400万円 500万円 600万円
0円 4~6万円 6~8万円 8~10万円 10~12万円
100万円 4~6万円 4~6万円 6~8万円 8~10万円
200万円 2~4万円 4~6万円 6~8万円 8~10万円
300万円 2~4万円 4~6万円 6~8万円 6~8万円
400万円 2~4万円 2~4万円 4~6万円 6~8万円

子ども2人の場合(15歳未満、15歳以上)

年収 300万円 400万円 500万円 600万円
0円 6~8万円 8~10万円 10~12万円 12~14万円
100万円 4~6万円 6~8万円 8~10万円 10~12万円
200万円 2~4万円 4~6万円 6~8万円 8~10万円
300万円 2~4万円 4~6万円 6~8万円 8~10万円
400万円 2~4万円 4~6万円 4~6万円 6~8万円

その他に、
支払う側(義務者)が無収入の場合は0~1万円。
支払う側(義務者)が1000万、受け取る側(権利者)が0円の時は18~20万(子ども2人)となります。

なお、上記は、算定表の金額となります。

上記に当てはまらない方は、実際の算定表を使い、ご確認下さい。

養育費算定表の見方の手順

1 「子どもの人数」と「子どもの年齢」から、どの養育費算定表があてはまるかを選ぶ
2 養育費を支払う側(義務者)の年収を確認  →養育費算定表の縦軸で【義務者の年収】 
3 養育費を受け取る側(権利者)の年収を確認 →養育費算定表の横軸で【権利者の年収】 
4 両者の年収が、交差する場所が養育費の金額

養育費算定表

養育費の決め方について

離婚する前であっても、離婚した後であっても、養育費の決め方は、基本的には、「協議」、すなわち話し合いによるものになります。

すでにお伝えした通り、話し合いで決める際は、相場(養育費算定表)より、高くても低くても構いません。

算定表も「○万円~○万円」と幅がありますので、相手の経済状況(住宅ローンがある、収入が安定している、財産分与が多い、子どもの学費が多いなど)を加味しながら決めていくとよいでしょう。

ただ、話し合いをする時は、いくら子どものためとは言え、感情的にならないように気を付けましょう。

また、話し合いで決まらない場合は、「調停」で決めるという方法もあります

受け取る側(権利者)としては、

・相手が養育費の支払いに一切応じない
・相手が養育費算定表より低い金額を主張している
・相手の支払能力に不安がある
・お互いが感情的になり話し合いがすすまない

という事情がある場合には、調停を選択するとよいでしょう

なお、調停を利用すると、養育費算定表の金額近くで話がまとまることが多いです。

調停だけですと、弁護士に頼まずに自分でやる場合は費用も数千円と安いのでぜひお試しください。
離婚調停と同じ流れですので調停の流れはぜひチェックを!

養育費を多くもらいたい

養育費の相場は、上記に説明でだいたいご理解いただけたかと思います。

ただ、「相場はわかったけど、どうしたらより多くの養育費がもらえるの?」と思われている方もいるでしょう。

養育費を少しでも多くもらえるのであればそれに越したことはありません。

仮に「月2万円」多くもらえるのであれば、10歳の子が20歳までの10年間もらうとしたら、「240万」円の差がでてきます。(2万円×12か月×10年=240万円)

そこで、ここからは、養育費をより多くもらう方法についてお伝えします。

増額の要素 

相手の収入

相手の収入をきちんと把握しておくということが大切です。 

これは、相手の収入が多い方が、より多く、養育費がもらえるからです。

相手がサラリーマン場合、「毎月の月給は知っているけどボーナスはよく知らない」ということは実はない話ではありません。

私が相談を受けた中には給与を一切知らされたことがない方、職場がどこかさえも教えてもらっていなかった方もいらっしゃいました。

また、昨今、副業ブームなので、「副業の金額」も把握し、養育費の計算に入れるとよいでしょう。

さらに言えば、「投資」(株式、FXなど)によって稼いでいるということもあります。

収入額の確認は、「源泉徴収票」でもいいのですが、「副業」や「投資」をしている場合なども考えて、総収入がわかる「課税証明書」がおすすめです

なお、課税証明書は、市区町村役場に行けば、配偶者であれば取得することができます。

注意したいのは個人事業主や会社経営者です。

「所得」=「売上」-「経費」という計算になります。

個人事業主や会社経営者も課税証明書でわかりますが、事業主は「経費」を多く計上するなど節税をしている場合が多いため、確定申告書の「所得」の額が思ったより高くないということがあり得ます。

ただ、そもそも青色専従者の控除や減価償却費などは養育費の算定では考慮しません。

また、「経費」を多めに計上して「所得」の額を減らしている可能性があります。

ですので、「確定申告書の所得」の数字はこれらの事情を踏まえて計算し直す必要がありますから、弁護士に相談してみた方がいいかもしれません

養育費はあくまで子どものためのものです。

相手に支払いの余裕があれば「子どものため」だということを伝えることが大切です。

養育費が必要な理由を明確にする

養育費とは、子どものための費用ですので、「将来子どもにかかるであろう金額」を相手に提示すれば、養育費が上がることはよくあります。

例えば、男の子だったら食費などにお金がかかる場合がありますし、女の子だと衣服代など何かとかかることが想定されます。

特に、相手が「私立の小中学校」に通っていたなどの理由があれば、養育費の増額の要素になりますので、主張すべきポイントです。

法律上は「親と同じ水準の生活を保持する」ということが扶養義務の基本にあたりますので、当然子どもにも「親と同じ水準の教育を受けさせること」が前提になります。

その他に、「塾」に行く費用や「習い事」にかかる費用など、明確に金額を見積もった上で、相手に提示すると、相手も納得感を得て払ってもらえる可能性は高まります。

事前に子どもの年齢に応じて金額が上がるように取り決めをする

養育費算定表では「15歳以上」であれば養育費の金額が上がります。

そのことを念頭に、事前に金額の交渉をしましょう。

人によっては、15歳以上になったことで、相手と交渉もしくは調停をすればいいと考えの方もいるとは思いますが、取り決めをするのは手間と労力がかかります。

また多くの方にとってストレスになるでしょう。

そうならないためにも、はじめの取り決め時点で、「いつから養育費を増額するか」を決めておくとよいでしょう。

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現時点で養育費をもらっている方が増額したい場合

「今、養育費をもらっているが、金額を上げてほしい」と言う方もいるでしょう。

その場合、養育費の増額を主張することは、理由によっては認められることがあります

昨今、新しい養育費算定表が発表され、養育費の平均が以前に比べて上がりましたが、ただ単に「養育費算定表が新しくなったから増額して欲しい」と調停を起こしても、養育費の増額は認められません。

養育費の増額できる場合の主な理由としては

・環境の変化(子どもの進学など)
・子どもや親権者(子どもの親)が重い病気や怪我

などの事情変更が考えられます。

また、以下リンクで詳しく説明しておりますのでご確認ください。

養育費の滞納を防ぐ方法

養育費の約束はできても、支払いがなければ意味がありません。
つまり、「養育費が支払われない」という事態だけは避けなければなりません。

ここからは、取り決めが終わった後、養育費の滞納を防ぐための方法を考えていきたいと思います。

養育費の滞納は多い

厚生労働省がまとめた「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によれば、平成28年において、離婚後、養育費がきちんと支払いされている家庭(母子家庭)は全体の「24.3%」です。

平成23年は「19.7%」だったので増加傾向にありますが、それでも全体としての総数は少ないといえます。

未払いの原因は、そもそも養育費の金額などの事前の取り決めをしていないからだと思われますが、上記の厚労省の調査によれば、「取り決めをしない理由」は

・1位 相手と関わりたくない(31.4%)
・2位 相手に支払う能力がないと思った(20.8%)
・3位 相手に支払う意思がないと思った(17.8%)

となっています。

しかし、関わりたくないのであれば、弁護士に依頼する方法が考えられますし、相手の支払能力や意思の問題については令和2年4月からの民事執行法の改正によって解決できる可能性があります。

具体的には

・財産開示手続
・第三者からの情報取得手続

の改正です。

裁判所を通じて財産開示をしてもらうにあたり、請求権者の拡大や罰則の強化がなされるなどの改正がされたのですが、また別の記事にてご案内したいと思います。

相手の支払う能力や意思が理由で養育費をあきらめていた方はこれを機に弁護士に相談するのがよいでしょう。

相手と良好な関係を築く

養育費の支払いを継続してもらうためには「相手と連絡を取り続けること」が非常に重要になります。

養育費は、取り決めができれば終わりという訳ではありません。払い続けてもらえなければ意味がありません。

良好とまではいかなくても、連絡があれば誠実に対応すべきだと考えます。相手も人間ですので、こちらが誠実に対応しないと相手も誠実には対応してくれないでしょう。

面会交流を拒否する方も一定数います。

たしかに、養育費と面会交流は法律上の対応関係にはありません。

しかし、実際は「面会交流を継続している方が養育費の支払いが継続している」ことが多いです。

特に、裁判所は、子どもが小さいうちは両方の親と接することが子どもの成長にプラスになると考えます。
ですので、面会を拒否した結果、調停を起こされてしまった場合、「面会交流をしなくてよい」という形で解決することは特別な事情がない限り、可能性はほとんどありません。

養育費を支払っている親が面会交流を望むのであれば拒否することは避けるべきでしょう。

公正証書を作成する

公正証書は公文書として、高い信用力をもつ書面となります。

公正証書を作成することにより、万が一養育費の支払いが滞った場合、「強制執行受諾文言」があれば強制的に差押することができます。

公正証書の作成は、養育費の取り決めだけに限らず、離婚協議書を作成する際に、合わせて公正証書にすることが一般的です。

公正証書の作成については以下の記事からご確認ください。

あえて調停を利用する

話し合いで公正証書の作成に応じてもらえそうにない場合や、相手と話し合いで論破されそうという場合は、面倒くさくても調停をすることをおすすめします。

あえて調停にする理由

・調停が成立した場合に作成される「調書」には、法的な効果がある(公正証書を作成するのと同じ効果がある)
・相手と直接交渉しなくて済むので、相手の顔色を窺わず、主張したいことを主張できる
・弁護士を入れなければ、費用が安価で済む(数千円程度)
・比較的手続が簡単にできる

メリットの多い調停ですが、デメリットをいうと、

・養育費の金額は、養育費算定表の金額にまとまることが多い(算定表以上の大幅な増額は難しいことが多い)
・平日に裁判所に出廷しないといけないので負担がある

などがあります。

調停は、多少手間はかかりますが、子どもの養育費を確保することができる見込みがあるのであれば是非やってみるのがよいでしょう。

弁護士に依頼しなければ出費も少ないですが、仮に依頼はしなくても、事前に法律相談にいかれることをお勧めします。

相談料の相場は、30分5000円で1時間から1時間半くらいの相談にはなるかと思いますが、それ以上のリターンはあるでしょう。

また、もし、あなたが収入の面で余裕があったり、養育費が高い可能性で回収できる可能性があるのであれば、弁護士に依頼してもよいかと思います。

あなたが泣き寝入りしないために

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まとめ

養育費の相場は、ご理解いただけたでしょうか。

子どもを育てるのは、思いのほかお金がかかるものです。
その中で、養育費を確保することは、あなたにとっても、子どもにとっても非常に重要になってきます。

まずは、算定表を確認し、子どもの養育費がいくらになるかを計算してみるとよいでしょう。

あなたとあなたの子どもの未来がよりよいものになるためにアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
松本隆弁護士

弁護士  松本 隆

神奈川県 弁護士会所属
横浜二幸法律事務所
所在地 神奈川県横浜市中区山下町70土居ビル4階
TEL 045-651-5115

労働紛争・離婚問題を中心に、相続・交通事故などの家事事件から少年の事件を含む刑事事件まで幅広く事件を扱う

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