夫婦とはいえ、元は他人です。
性格の不一致や浮気など、さまざまな理由で一度は「離婚」という言葉がよぎった方は少なくはないでしょう。
それが、いつのまにか「離婚をしたい」と現実的に思うようになった時は、準備は必要です。
特に「財産分与」に関しては、離婚後2年で請求権がなくなりますので注意が必要です。
ここでは、「対象になる財産」「有利に進める方法等」を解りやすく解説していきます。
記事に入る前に・・・
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離婚における財産分与とは?
離婚後に婚姻生活で共に作ってきた財産を平等に分ける事を「財産分与」といいます。
なお、財産分与は、民法768条1項で、正当な権利として定められています。
1 清算的財産分与
財産分与は3種ありますが、その中で、最も中心となるものが清算的財産分与です。
財産名義に関係なく、結婚してから夫婦で協力して作ってきた共有財産、「預金・車・家」などをお互い平等に分ける事です。
ただし、「結婚前にそれぞれに持っていた所有物」「結婚後に相続・贈与されたもの」は財産分与されない「特有財産」になります。
あくまで対象は「共有財産」になりますので、ご留意ください。
例 ☞【夫:会社員、妻:専業主婦】
よく、「稼いだのは俺だ」「俺の財産だ」と身勝手な主張をされる夫も少なくはないでしょう。
しかし、妻の家事や育児の協力なくして今の生活は無かった訳です(内助の功)。
そのような身勝手な主張は「世間一般の正義に反しますよ」「夫婦で協力して作った共有財産ですよ」「きちんと分けなさい」と司法判断もされております。
2 扶養的財産分与
離婚後、所得が多い方から少ない方へ「経済的に自立できるまで一定の期間、お金で援助する=扶養する」ことです。
一般的には長くとも、3年程度が一つの目安といえるでしょう。
ただし、扶養的財産分与は清算的財産分与と違って法的な定めがない為、援助する側に、ある程度の資力がない限り現実的に困難だったり、自分本位の思考が強い方は扶養援助を拒む可能性も高いでしょう。
また、仮に援助をする約束をしたとしても、口約束で終わってしまい、不払い(約束不履行)になる事は否めません。
現在の法律において子供の養育費に関しては、「きちんと支払いなさい」と整備されておりますが、例えば、その子供を支える立場にあるもの(仮に母子家庭の母)に対する支援に関しては二の次になっているように感じます。
例 ☞【夫:57歳 会社員、妻:50歳 専業主婦 26歳の時、妊娠と同時に退職、娘:23歳 一人暮らし】
妻は妊娠と同時に退職し約20年あまり、専業主婦として夫や子供を支えてきた場合、勤め人としての長期ブランクがあり、直前の長期間にわたる勤務実績(経験スキル)が無い。
この場合、求職活動をしても即戦力を求める企業が席捲している昨今、直ちに、定職定収入の見込める仕事(フルタイム正社員等)には就けない可能性は十分あるのではないでしょうか。
離婚後、あらためて手に職をつける作業、資格取得。
収入が不安定なパート従業員等の非正規雇用で経験スキルを積む。
これらを踏んだ上でようやく正社員への移行(経済的自立:定職定収入)などの道のりができるのではないでしょうか。
つまり経済的自立までは「ある程度の期間」を要する事は必然です。
そうすると、「ある程度の期間(数年)」に対し「扶養援助しなければならない」という根拠は世間一般の道徳や正義に鑑みても明らかではないでしょうか。
POINT
「分配される清算的財産(共有財産)」が、本来必要とされる「扶養的財産(扶養援助金)」を満たすのであれば、扶養的財産(扶養援助金)として支払う必要はないかと思います。
しかし、満たすだけの共有財産が無い場合は、必ず、扶養的財産(扶養援助金)の約束を取交しましょう。
上記のような状況では、過去の判例を紐解いても、きっと、司法(裁判所・弁護士)もミカタになってくれるでしょう。
3 慰謝料的財産分与
不倫やDV等によって発生する、「ごめんなさい、というお詫びのお金」いわゆる「慰謝料」という言葉をよく耳にすると思います。
この「慰謝料」を離婚時の財産分与に加えてしまう合わせ技、それが3つめの財産分与「慰謝料的財産分与」といいます。
あくまで、財産分与ですので現金だけではなく「財産価値のある物」も対象になります。
仮に、分与財産の価値が低く、慰謝料的財産分与に組み込んでも「慰謝料」が満たされない場合(不足の場合)は、別途、慰謝料請求はできます。
慰謝料請求は、相手方の将来的に入ってくる確実な賞与など未来のものを原資にし(あてにし)約束を取交す方法など、さまざまありますので、その際は法律の専門家である弁護士に委任するなどし、泣き寝入りせず模索する事が大切です。
財産分与の分割割合は基本的には2分の1
共有財産を築くにあたって、どれだけ貢献したか、「力になったか」が根本的な考え方です。
実際の分けかたには以下の2通り【原則パターン】と【特例パターン】がありますので解説します。
【原則】2分の1で分配
一見、稼ぎ頭の配偶者が「そもそも、その財産を築いたものであるかのように勘違いされる方」もいらっしゃいますが、違います。
それは司法も人も含め発展途上だった昔話です。
現代は、専業主婦の妻の場合であっても、経済的貢献はあると判断されます。
1章の「清算的財産分与とは」で記載した通り、「妻の家事や育児の協力なくして今の生活は無かった」わけです。稼ぎの大小は関係ないと言っていいでしょう。
要はどれだけ「力になったか」です。
但し、稼ぎ頭の一方が特殊能力をもったお医者さんなど、あきらかにその人の能力がなければ、こんなに沢山の財産を築けなかったという場合は、この限り(1/2)ではありません。
しかし、このようなケースは一般の方よりも財産が多い訳ですから、一方へ分ける為の財産(分母)が大きいのです。実質、「良し」という事が多いのではないでしょうか。
【特例】2分の1ではない、主な3つのケース
【その1】 専業主婦という立場だけであって、ほとんど育児も家事もしてこなかった場合。
【その2】 どちらかがギャンブルなどで一方的に浪費していた。例えば、妻がせっせと倹約し貯蓄をしていたにも関わらず夫は「稼いでいるのは俺だから俺の金をどう使おうと俺の自由だ」と言って湯水のごとく浪費していた。
【その3】 婚姻期間中ほとんど別居していた。よって共同財産の判別は難しく、単純に半分ずつとはいきません。
財産分与の対象となるもの
プラスの財産
主に預貯金・保険・株式・自動車・不動産・年金などが挙げられます。
ポイントを踏まえ解説いたします。
預貯金
特に預貯金は一般的にお互いが共同で管理しているケースは少ないと考えますので、まずは全てオープンにする、させる事が肝心です。
自動車・不動産・家財などと違い、目に見えない性質があります。
離婚後、実は○○に隠していた財産が判明したり、後から判明し財産分与に過不足が発生しないようにしたいものです。
また現預金管理者が開示拒否や隠蔽をした場合には家庭裁判所に文書送付嘱託、いわゆる開示請求をする事はできますが、やはりはじめにオープンにすることが肝心といえます。
保険
資産運用の性質が伴う、解約返戻金がある貯蓄型生命保険が一般的です。
保険会社へシミュレーション依頼してみるとよいでしょう。
株式
公開株式の場合は市場原理にしたがって、時価を確認しましよう。
しかし、未公開株式の場合は相場がありません。
但し、仮に、株式を売却する相手がいる場合に限り、売買する当事者間で決めたものが時価になりますので、シミュレーション(試算)はできるのではないでしょうか。
自動車
現金化する必要がない場合は所有権を決める。この限りではない場合は中古車業者などで査定し時価を定めましょう。
但しローンが残っている場合は相殺し試算する事になります。
不動産
現金化する必要がない場合は所有権を決める必要があります。
売却する場合は「売却金 ― ローン残高」が時価となり、それをベースに分ける事になります。
売却金 ― ローン残高 = マイナスの場合、いわゆる「オーバーローン住宅」であるときは売却ができないわけですから「マイナスの財産」となります。
年金
婚姻期間中の厚生年金保険料は夫婦が共に収めてきたわけですから当然、分ける権利があり法律上「年金分割」という制度で認められています。
専業主婦やパート従業員で夫の扶養になっていた場合でも同様です。 現預金や不動産等とは違い離婚時に直ちにという性質ではなく、あくまで年金受給資格年齢になった時に反映されるものです。
マイナスの財産
ローンや借金はマイナスの財産となります。
つまり、プラスの財産から、これらのマイナスの財産を差し引いたものが財産分与の対象となります。
但し、夫又は妻が娯楽等々で、単独で作った借金は個々の債務として、離婚後もその返済責任は個々に残ります。
へそくりなどの隠し財産も財産分与の対象になる?
隠し財産は財産分与の対象
例えば財産の名義を不倫相手など第三者の名義にし隠蔽工作をしても、あくまで婚姻生活の中で築いた財産が原資になっているので、財産分与の対象となり、1/2で分ける必要があります。
なお、相手方の所有している口座の銀行名と支店名は事前に押さえておく事が良いでしょう。
その情報を押さえておくことによって裁判所から銀行へ現預金の開示請求(調査嘱託の申し立て)ができます。
もし、その金融機関の情報を知りえない場合は、この開示請求はできない事になります。離婚の話が出る前に押さえておきたい所です。
取得予定の退職金
将来取得できる退職金についても押さえて頂く必要があります。
但し、財産分与の「対象となる場合」と「ならない場合」がありますので、ここで解説してまいります。
【対象となる場合】
退職金がすでに支給されている場合になります。
※一般的な計算方法は以下の通り婚姻期間を、加味し計算する事になります。
退職金額×婚姻期間÷勤続期間
【対象とならない場合】
退職金が支給されていない。(支給は離婚後、当面先のものになる)
但し、就業規則等に退職金の定義が明示されており、その定義が本人の勤務状況等から確実視される場合は、対象とされる可能性は十分あります。
財産分与には時効がある
財産分与を求める権利の期限を時効期間と表現をする事がまれにありますが、財産分与に関しては時効ではなく除斥期間(じょせききかん)といい、離婚後2年経過すると請求権が消滅します。
時効期間は内容証明の送付や訴訟により「リセットや中断が出来る性質」がありますが、除斥期間はそれがありません。
但し、相手方の好意により財産分与の求めに応じてくれる場合はこの限りではありませんが、請求権が無い事にはかわりませんので執拗な請求は不当請求になりますので注意が必要です。
POINT
☞ 離婚前(除籍期間が始まる前)に夫婦間で財産分与についての取決めをする。
また、取決めが出来ないにしても即請求できる準備をしておくことが重要です。
財産分与を有利に進める方法
まずは、相手の心理を考える事が大切です。
仮に相手方が「財産を渡したくない」「少しでも分ける財産を少なくしたい」等の思いが強い場合は隠蔽工作に走る事も想定し、勝ち取る道筋を描かなければなりません。
財産分与請求調停を起こす
お互いに話しがまとまらない場合は除斥期間の関係上2年以内に(理想をいえばすぐに)、家庭裁判所に調停の申し立てをしましょう。
調停とは裁判所の調停委員が仲立ちし「裁判所で約束をする」事です。
取決めした内容を記載した「調停調書」という証拠が作成されます。
この調停証書は、裁判所で決めた事ですので、法的拘束力も伴います。
調停の起こし方
① 申立先
相手方の住所地の家庭裁判所又はお互いが合意の上決めた家庭裁判所
② 申立てに必要な費用
収入印紙1,200円
切手(管轄の裁判所へ確認する必要があります)
③ 必要な書類
<裁判所HP:財産分与請求調停より抜粋>
・申立書2枚(本人控え含む)
・離婚時の夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)(離婚により夫婦の一方が除籍された記載のあるもの)
・夫婦の財産に関する資料(不動産登記事項証明書,固定資産評価証明書,預貯金通帳写し又は残高証明書等)
※申立書のダウンロード及び記載方法に関しては下記裁判所HPをご確認頂き、ご活用できます。
弁護士に相談・依頼する
さまざま懸念材料を鑑みると弁護士に依頼する事が賢明であります。
それと、同時に「そんな事は言われなくても、、、、」と、仰せになりたい気持ちは痛いほどお察しします。
お医者さんと違い身近にあるものでもないし、勿論、かかりつけもある訳でもない。 つまり弁護士にかかった事が無い方はなおさら依頼する事に対し不安でいっぱいではないでしょうか?
弁護士に依頼するメリット
1. プロの交渉人が代理人として折衝する
相手方が「少しでも分ける財産を少なくしたい」等の思いで後々、弁護士を付けてくるかもしれません。
また、当事者同士の話し合いが、仮に今はうまくいっていても、やはり、後々、展開がどう変わるかわかりません。初動対応(弁護士への依頼)が遅れると 正当な権利の全部又は一部が認められないなど泣き寝入りする割合が高まります。
何事も初動対応で「あなたのミカタが、いるか否か」に全てがかかっていると言っても過言ではありません。
2. 財産分与の計算
現預金・不動産・家財・年金等々の複雑な評価を「不公平なく正確に計算」してもらえる事は大きな強みといえるでしょう。
3. 法廷紛争になった場合の代理人
時間・労力・ストレス等々、請け負ってもらえる事でしょう。
弁護士に依頼するデメリット
弁護士費用の発生はデメリットと言えます。
着手金といわれる手付金の相場は約20万~50万円程です。
さらに解決報酬金(成功報酬)として約20万~50万円程の弁護士をよく見受けます。
やはり、お金の負担はデメリットといえるでしょう。
しかし、財産分与は大きなお金が動きます。
最終的に自身の取り分がプラスになる可能性もありますので、法律相談だけでもしてみる価値はあるといえます。
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まとめ
対象となる財産調査は「離婚前だからできる事」が沢山あるのではないでしょうか。
調査は慎重に丁寧に行い、情報を明らかにする作業が肝心であり、「はじめの一歩」となります。
あらかじめ弁護士保険などで備え、リスクに備えておくことをおすすめします。
小林義典 弁護士
東京弁護士会
袖ヶ浦総合法律事務所
住所:千葉県袖ケ浦市神納2-5-18 SKYCITY13-A
電話番号: 0438-42-1247
2009年弁護士登録。
交通事故、労働事件(労働者、使用者)から、家事事件等の一般民事事件を手広く行っています。
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