配偶者と死別した後でも、配偶者の親族とはこれまで通りのお付き合いが続きます。死別は離婚とは違いますので、親族との縁は変わらないのです。
もしも、配偶者の両親とあまり仲が良くない、という状態の場合は、配偶者が死んでまでも付き合っていかなくてはいけないのか?と苦痛を感じるかもしれません。
本記事は、配偶者と死別した方で、姑や舅との仲があまり良くない方や、配偶者の死後も配偶者の親族と同居をしている、介護をしているという方に向けた記事です。
死後離婚とは何なのか?メリットやデメリット、死後離婚の方法などを詳しく解説していきます。ぜひ参考にして、自分に合っていると思えるなら、死後離婚を検討してみてください。
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死後離婚とは
死後離婚とは、死んだ配偶者と離婚するというわけではありません。
言葉だけで誤解が生じやすいかもしれませんが、意味が違います。
死別離婚とは、配偶者が死んだ後に、その親族との関係を断つ手続きのことを指しています。
ですから、死んだ夫や妻と縁を切るわけではありませんので、安心してください。
死後離婚では、通常の離婚とは異なり、配偶者との関係を断つわけでもなく、戸籍上も変わりませんので、相続や遺族年金の受け取りもできます。
死後離婚を行う理由・メリット
死後離婚は昨今増加傾向で、10年間でおおよそ1,000件ずつ増えています 。
では、どうして死後離婚は増加傾向なのでしょうか。その理由とメリットについて解説します。
1.義理の両親への扶養義務がなくなる
義理の両親への扶養義務がなくなることが大きな理由とメリットです。
配偶者が死んでもなお、配偶者の両親の扶養義務や経済的な扶助義務が残るケースがあります。
基本的には、義理の両親の扶養義務はそもそもはありません。
ですが、家庭裁判所が「特別な事情」と判断した場合は、扶養義務や扶助義務が発生する恐れがあります。(民法877条2項)
扶養義務が課せられる可能性があるのは3親等以内の親族です。
義理の子どもは1親等ですので、対象になる恐れも。たとえば、義理の両親と同居をしている場合や、他の親族が理由をつけて扶養や扶助を断り、扶養調整調停を申し立てた場合です。
死後離婚をしておくことで、将来的や今現在介護をしなければいけない現実がある場合は、不安要素を断ち切ることができるでしょう。
もちろん、姑や舅と仲が良くぜひ老後の面倒を見ていきたいという方にはメリットにはならないかもしれません。
しかし、いくら仲が良くても血がつながらない両親のために献身的に尽くすことは難しいものです。
介護が困難だと感じる人が世の中には多くいるため、死別離婚は昨今増加しています。
2.配偶者の実家としがらみを切ることができる
また、まだ姑や舅が若く、介護問題などはなかったとしても、配偶者の親族と仲良くお付き合いしていかなければいけないけ現実が苦痛の方もいるでしょう。
近所に住んでいて、頻繁に会わなければいけない、配偶者の兄弟と折り合いが悪いなどの場合には死別離婚をしておけば、しがらみがなくなります。
親族の集まりに気が乗らなくても、参加しなければならない現実を断ち切ることも可能。
できるだけ死別した配偶者の親族とは今後関わりたくない方には、死別離婚はメリットになるでしょう。
3.配偶者の両親との同居を解消しやすくなる
配偶者の両親と同居をしていた場合は、同居を解消する理由になります。
同居に苦痛を感じていた場合などには、配偶者の死亡とともに死後離婚することで、同居を解消することもできるでしょう。
死後離婚の影響について
では、死んだ配偶者の親族との縁が断ち切れる死後離婚はいいことだけのように感じられますが、死後離婚をすることで何か影響はないのか?と気になることでしょう。
影響しそうな項目をご覧ください。
相続や年金に影響があるのか
配偶者からの相続には影響しませんし、遺族年金も受け取ることができます。
配偶者からのお金に関することには何も影響がありませんので安心するといいでしょう。
また、義理の両親からの相続権は嫁や婿にはそもそもありませんので、この部分でも何一つ影響を受けることはありません。
戸籍や苗字の影響
死後離婚をしたからといって、配偶者の戸籍から抜けることはありません。
もしも死別した後に苗字を旧姓に戻したい場合は、復氏届けを役所に提出するだけで済みます。
もちろん、苗字を戻す必要がない場合はそのまま生活を続けることも可能。
ただし、苗字を旧姓に戻す場合は、新たな戸籍を作成するか、婚姻前の戸籍に入る必要があります。
また、死別離婚をしたからといって、子どもの戸籍も何一つ変わりません。
したがって、あなたが旧姓に戻った場合は、子どもの苗字とは異なる苗字になってしまいます。
子どもの苗字を自分と同じに変更したい場合は、子の氏の変更許可の申請を家庭裁判所に行う必要があります。
子どもがもしも15歳未満の場合は、親権者であるあなたが申し立てることができますが、15歳以上の場合は子ども自身が申立人になる必要があることを覚えておきましょう。
家庭裁判所から審判書をもらった後に、役所に自分の戸籍への入籍届を提出すれば、子どもと同じ戸籍に入ることが可能。子どもがいる場合に、新たな戸籍を作成する場合は手続きが少し煩雑になりますので、注意してください。
死後離婚の子供への影響
死後離婚をした場合の子どもへの影響は何もありませんが、場合によっては、子どもの理解を得られないケースがあります。
たとえば、子どもが祖母や祖父に懐いていて、「関係を断ち切る」ことに反対する場合です。
子どもがまだ未成年なら、理解が及ばず何も影響しないかもしれませんが、成人した子どもの場合には、反対されるかもしれません。
死後離婚したとしても、孫という事実は変わりませんので、これまで通りに孫として祖父や祖母とお付き合いしても問題はありません。
ですが、親が関係を絶ったことで、子どもが遠慮をしてしまうケースも考えられます。
その他
死後離婚したことで、配偶者の法要などに参加できなくなる恐れがあります。
基本的に死後離婚をしたことは、戸籍を見ない限り、配偶者の親族には知られることはありません。
そのため、参加したい場合は、死後離婚の事実などを話さずに普通に参加してしまえば問題ありませんが、それでは死後離婚をした意味がないでしょう。
今後の関係は断ち切ったと、正直に話した方が配偶者の親族とのしがらみはなくなりますが、話を切り出すタイミングなどが難しいかもしれません。
介護問題だけを避けるために死後離婚をするなら、早い段階で話す必要はないでしょう。
難しい問題ですが、適切だと思うタイミングに切り出し、配偶者の法要には、出席したいタイミングまで出席してください。
また、祭祀承継者に指名されそうな場合は、死後離婚をしておくと、指名されずに済みます。
お墓の管理などは代々引き継がれ、何かと面倒なことが多いもの。
ですが、死後離婚をしておくことで、その権利は失われます。
配偶者と同じお墓に入るかどうかは、死後離婚とは関係ありません。
そもそも、同じお墓に入るかどうかは自由に選択することが可能です。
死後離婚のたった1つのデメリット
死後離婚にはたった一つだけデメリットが存在します。
死後離婚は一度手続きしてしまうと取り消しができないということです。
もしも、子どもの理解が得られず、やはり元の関係に戻したいと願っても戻すことはできません。
また、死後離婚をしたことで、余計に配偶者の親族との関係が悪化し、嫌がらせなどを受ける事態になったとしても取り消しはできないのです。
そのことを念頭に於いて、死後離婚は慎重に進めなければいけません。
また配偶者の法要に参加したくても参加させてもらえないなどの事態になっても、関係は戻せませんので、覚えておきましょう。
死後離婚の手続きに必要なもの・手続きの流れ
では、死後離婚の手続きに必要なものや手続きの流れを解説します。
実は、死後離婚とは、法的な名称ではなく、いわゆる俗称です。死後離婚に必要なものは以下の通り。
- 姻族関係終了届
- 亡くなった配偶者の死亡事項が記載されている戸籍(除籍)謄本
- 届出人の現在の戸籍謄本(提出先が本籍地の場合は不要)
- 届出人の印鑑
- 本人確認書類
上記のものを用意して、役所に「姻族関係終了届」を提出するだけで死後離婚は成立します。
誰かの許可なども不要ですので、配偶者の死別、自分のタイミングで死後離婚は可能です。
また、手続きの期限などもありません。
死後離婚の注意点
配偶者の死後親族と関係を絶てる死後離婚ですが、注意点もありますので、ご紹介します。
姻族関係終了届は取り消しができない
先にもお話しした通りに、姻族関係終了届けは後から取り消しができません。
大きな注意点になりますので、慎重に検討してから、届けるようにしましょう。
まだ義理の両親の扶養や介護などで悩んでいない場合は、基本的に義理の親子関係には扶養義務は生じませんので、死別離婚を選択するのは時期尚早かもしれません。
扶養義務が最初に生じるのは法的に血縁の親族です。
直系血族や兄弟・姉妹のこと。
ですから、具体的に問題が生じた際に死別離婚を選択しても遅くはないでしょう。
相続放棄にはならない
死後離婚を選択したからといって、配偶者の相続を放棄したことにはなりません。
姻族関係終了届を提出しても、相続や年金には影響しませんのでご注意ください。
たとえば、配偶者に多額の借金があった場合に死後離婚を選択しても借金はなくならないということです。
もしも相続を放棄したい場合は、死後離婚ではなく、相続放棄の手続きを行いましょう。相続を開始してから3ヶ月以内の手続きが必要になります。
子どもには事前に相談し了解を得た方が無難
死後離婚を選択する場合は、子どもには事前に話し、理解を得るようにしましょう。
後から子どもとの関係が悪化せずに済みます。
死後離婚は離婚とは違うという事実をきちんと伝えることができれば、きっと理解してもらえるでしょう。
子どもからすると「死んでまでどうして意地悪するのか?」と感じてしまう可能性があります。
また、あなたが配偶者の親族と関係を断ち切っても、孫と祖父母の縁が切るわけではありません。
あくまでも死後離婚はあなたと配偶者の親族との関係を断ち切るだけです。
孫は直系血族ですので、相続などの権利を失うこともありません。
お墓参りや法要で親族と顔を合わせる機会がある
お墓参りや、法要で親族と顔を合わせる機会があることに変わりはありません。
配偶者の親はいつまでも親ですし、あなたは、配偶者と夫婦関係の事実に変わりはないのです。
法要を取り仕切るのがあなたなら、親族が参加したいと希望すれば、断ることは困難ですし、気まずい雰囲気になってしまうことは否めません。
また、法要を取り仕切るのが親族側の場合は、関係を断ち切ったことで、あなたには通知すら来なくなる恐れもあります。
もしも法要に参加したいと望む場合は、親族との話し合いは避けられないでしょう。
戸籍から姻族関係が終了していることは親族にバレる
姻族関係終了届けは親族の許可など不要で自由に提出できてしまいます。
報告しなければ、親族には事実はわからないままの可能性もあるでしょう。
秘密にしておきたくても戸籍には、「姻族関係終了」と記載が残りますので、戸籍を見た場合にはバレてしまいます。
姻族関係終了届けは、親族に通知がいくわけではありませんので、あなたが説明するか、親族側が戸籍を見て気がつくかのどちらかです。
どちらの方があなたにとって負担が少ないかを検討し、もしも先に説明しておきたい場合は、しっかり相手に納得してもらいましょう。
同居の解消や現時点の介護を放棄したい場合は、あなたから報告した方が適切です。
近所に義理の両親が住んでいる場合に気まずくなる恐れがある
もしも、近所に親族が住んでいる場合は、偶然顔を合わせる機会もあり、気まずい関係になりかねません。
死後離婚を選択して、親族とできるだけ関わりたくないと感じるなら、引っ越しなども視野に入れていきましょう。
同居を解消したなら、できるだけ近所には住まない方が無難です。
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まとめ
死後離婚とは、離婚とは異なり、配偶者の親族との関係を断つ手続きのことです。
配偶者とはずっと夫婦のままでいられますので、安心してください。
今現在義理の両親と同居の方や、介護問題でお悩みの方には、有効な手続きになりますので、検討してみてはいかがでしょうか?
配偶者の死後にまで配偶者の親族とのお付き合いが煩わしいと感じている方にも有効です。
死別離婚をしても相続や遺族年金には影響しません。
手続きや影響に不安がある方は弁護士に相談してみるのも一つの手段です。
手続き自体は難しいことではありませんが、時間がない・面倒なことが苦手という方には、弁護士は強い味方になるでしょう。
あらかじめ弁護士保険などで、今後の様々なトラブルに備えておくことをおすすめします。
東 拓治 弁護士
福岡県弁護士会所属
あずま綜合法律事務所
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【弁護士活動20年】
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