あくまでも火遊びという軽い気持ちで不倫を始めたものの、不倫関係を解消した際に
「金銭を支払え」「配偶者や職場に不倫をばらす」「ネットに拡散する」等、痛いところを突いてこられ、修羅場に巻き込まれてしまう。
なんてことも・・・。
このように万が一、不倫関係にあった女性が脅迫をしてきたときに、どのような対応をすればよいでしょうか。
この記事では冷静に対処する方法を3ステップに分けてお伝えします。
記事に入る前に・・・
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STEP1 誰に何をされているのか事実関係を整理する
後に弁護士に相談するにあたって、どんな経緯があったかが問題になることがあるので、簡単にでもまとめておくことは重要です。
不倫問題で脅迫をされる典型的なケースは以下になります。
●不倫相手から脅迫されるケース
一つは不倫相手自身から脅迫されるパターンです。
不倫といっても、お酒を飲んだ勢いで一夜を共にしたような場合から、相当長期間不倫関係にあるような場合まで様々なケースがあります。
長期間不倫関係にあり、例えば「配偶者と別れて結婚する」などと約束していたようなケースで突然一方的に不倫関係を解消したような場合には、相手はあなたを恨むこともあるでしょう。
「自分だけ悔しい思いをした」
「遊ばれた」
元は恋愛関係・肉体関係にあったものを解消するわけですから、別れ方次第では恨みを持つことは珍しくありません。
また、相手が妊娠し堕胎をした場合には堕胎にかかったお金を請求したいと思っていたり、あなたに同じ苦しみを与えたいと思っていたり等、危険な考えに至ることもあります。
その結果、「不倫を家族にばらす」という脅迫をされることもあるでしょう。
●不倫相手の親から脅迫されるケース
次に、不倫相手の家族から脅迫されるパターンです。
また、相手が精神的に参ってしまって実家に引きこもってしまったような場合には、不倫相手の親が不倫の事実を知って脅迫をしてくることもあります。
●不倫相手の配偶者から脅迫されるケース
相手の女性も既婚者であるW不倫と言われる場合には、相手の配偶者からも脅迫を受けることがあります。
不倫相手の配偶者は、不倫によって「自分の配偶者を奪われた」と思っていることが多く、感情的になり
「今から職場に乗り込んでやる」
「家族に不倫をばらしてやる」
など過激な行動に出ることがあるのです。
STEP2 脅迫行為の内容を整理する
相手が誰かを特定した場合に、実際にどのような行為があったか、法的にどのような罪に問われるのかを確認しましょう。
①金銭の請求をされた
自身が既婚者であることを隠し不倫関係を続けていた場合、不倫相手本人から慰謝料を請求される場合としては正当な行為です。
しかし、相手方の女性が既婚者と知りながら関係を続けていた場合の手切れ金は双方話し合いのうえで合意に基づいて支払われるものなので、合意がないのに、一方が一方に支払いを請求できる法律上の根拠はありません。
②家族や会社に不倫関係をばらすと脅迫
家族や会社に不倫の事実をばらすことは、刑法では名誉毀損罪が成立します。
事実関係をばらすのではなく、人でなし・女たらしなど、侮辱をする場合には侮辱罪が成立します。
③電話やメールなどでの多数の連絡
相手に対して常軌を逸するレベルで電話をかけたり、メールを大量に送りつけたりする人がいます。
このような行為は、多くの都道府県で迷惑防止条例として禁止されています。
④ストーカー行為
つきまとい・ストーカー行為を行なうような場合には、ストーカー防止法違反となり刑事罰が課せられます。
⑤「報復をするぞ」との脅し行為
「報復をする」「殴りに行く」「一生会社に居られないようにする」など、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫」することは、刑法222条の脅迫罪に該当します。
これは、たとえば「配偶者をひどい目にあわせる」「親を殴りにいく」など親族に対して行われる場合も同様です。
⑥土下座を強要
義務のないことを脅迫して行わせる場合には刑法223条の強要罪が成立します。
例えば、土下座をさせるなどがこれにあたります。
⑦報復をほのめかして金銭を脅し取る行為は恐喝に該当する
民事上の請求など正当な手段ではない方法で金銭を脅し取る行為は恐喝罪に該当します。
例えば、「お金を払わなければ奥さんをひどい目にあわせる」というような行為です。
上記のような犯罪行為を行った場合、不倫相手およびその親族は加害者となります。
この場合、民事では不法行為を行った者として、被害者に損害賠償をする義務があります。(民法709条)。
つまり、不倫相手を加害者として損害賠償をすることになります。
STEP3 不倫相手から脅迫されたときの対処法
では、相手と脅迫内容を整理すれば、どのような対応をとるのが良いか、3つの対処方法について確認しましょう。
対処法①落ち着いて話し合いを行う
対処方法の一つ目としては、まずは落ち着いて話し合いを行なうことです。
話し合った内容については、後日「言った」「言わない」と揉めないように、証拠として必ず書面に残しましょう。
もし、早めに示談ですませられるのであれば、示談を行います。
このときには、単にお金を渡すだけではなく、次のようなことを確認するのが良いでしょう。
- 不貞行為の事実と示談の当事者
- 示談金の額
- 示談金の支払日・支払方法
- 以後の本人への請求、本人・配偶者への接触禁止
- SNSへの投稿など名誉を傷つける行為の禁止
- 禁止行為に違反した場合のペナルティ
- 清算条項(お互いに一切債権債務が存在しない)
これらを「示談書」や「念書」というタイトルで作成します。
とは言っても当事者だけではなかなか難しい場合は、次の対処法に移りましょう。
対処法②弁護士等第三者を間に入れて交渉する
すでに不倫相手がヒートアップしており、本人が交渉をするとこじれそうな場合には、第三者をたてることが望ましいです。
交渉で終わらせるにしても、裁判や調停を行なうにしても、本人が目の前にいると、まとまる交渉もまとまらなくなることがあります。
このような場合には第三者を間に入れることでクッションとなってもらうのが望ましいです。
特に弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士に依頼すると大ごとになりそうと思うかもしれませんが、そんなことはありません。
弁護士に依頼するだけで相手の態度が軟化することも大いにあります。
少なくとも冷静な話し合いができるようになるので、中途半端に自分で交渉するよりいい結果がでることが大いに期待できます。
個人的には、脅迫だと感じた時点ですぐに弁護士に相談することをおすすめします。
対処法③警察に相談
すでに脅迫行為が行われており、これがエスカレートしている場合には、警察への相談も手段の一つになります。
自分の配偶者や会社に危害を加えているような場合には、信頼回復のために、警察に相談をしていることは重要です。
警察には、犯罪の被害にあっていることを申告するのですが、その方法としては被害届の提出と告訴という二種類の方法があります。
いずれも犯罪の被害者となっていることを警察に申告するものなのですが、告訴を受理すると警察は捜査をする義務が発生します。そのため、告訴はハードルが高くなりがちです。
告訴にしても被害届の提出にしても、犯罪事実の説明などの必要がありますので、弁護士に依頼して行うのが良いでしょう。
会社や家族に不倫がバレてしまったら?
適法な民事上の請求がされた結果、あるいは違法な脅迫行為によって会社や家族に不倫がバレてしまった場合にはどのような対応が必要でしょうか。
まず、家族、とくに配偶者にバレてしまった場合、不倫は離婚原因にもなります(民法770条1項1号)。
まずは配偶者との信頼関係回復が必要となります。
会社にバレてしまった場合、特に会社にFAXを大量に送りつけられる・直接乗り込んでくるなどの行為によって迷惑をかけた場合には、懲戒処分がされる可能性もあります。
このとき、きちんと弁護士や警察に依頼して問題解決にあたっていることで、処分が軽くなることも考えられますし、万が一会社からの処分が不当である場合には、そのことを争わなければならないこともあります。
以上のことを考えると、早めに弁護士に相談・依頼することは重要であるといえます。
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*1 件数は2023年3月現在 *2 2013年~2022年。単独型弁護士保険として。2023年3月当社調べ。*3 99プランの場合 *4 初期相談‥事案が法律問題かどうかの判断や一般的な法制度上のアドバイス 募集文書番号 M2022営推00409
まとめ
どのような場合でも、相手の気持ちを思いやった誠実な対応をしましょう。
ただ、相手方がヒートアップしており、自分もパニックになってしまっている場合、誠実だと思う対応が、かえって不誠実と感じられる可能性はなきにしもありません。
当事者の感情に配慮した誠実な対応をするためにも、弁護士に依頼することは必須であるといえるでしょう。
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医療過誤、一般民事(離婚や労働問題)、企業法務を注力分野としています。
敷居が低く親しみやすく、かつ、頼りになる弁護士を目指しております。
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