【離婚】慰謝料に税金はかかるのか?弁護士が3つのポイントを解説

晴れて離婚の手続きが終了し、いくらかの慰謝料も手に入ることが分かったあなた。

先日、元夫と不倫相手からの慰謝料の振込があったけれど、 これって課税対象になるの?

はたして、不倫(離婚)の慰謝料などを受けとった場合、慰謝料は課税対象になるのでしょうか?

今回の記事では、離婚に際する慰謝料が課税対象になるのか・その計算方法について解説したいと思います。

記事に入る前に・・・

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丸山弁護士

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目次

慰謝料に対して税金はかかるの?

慰謝料に対して税金がかかる

結論からいうと、原則として慰謝料や損害賠償のために受け取った金銭については、税金がかかりません。

慰謝料や損害賠償金は一見すると「ただで受け取っているお金」のように見えますから、贈与税がかかるように思われるかもしれません。

しかし、これらの金銭はもともと「被った損害を穴埋めするために支払われるお金」ですので、この金銭を受け取ったことによってその人に何らかの利益や儲けが生じているとはいえません

そのため、「儲けが出た時に負担する所得税・住民税」や、「財産をただでもらったときに負担する贈与税」の課税対象としてふさわしくないとされているのです。

慰謝料に税金(贈与税)がかかるケース

慰謝料と税金

法律問題で「原則」という言葉が使われるときには、必ず「例外」があります。

以下のようなケースでは慰謝料や損害賠償のために受け取った金銭に対して、例外的に贈与税が課せられる可能性があります。

(1)「社会通念上相当な金額」を超える場合

(2)本人以外が慰謝料を支払った場合

(3)税金対策として離婚を偽装した場合

(4)養育費を一括払いした場合

それぞれのケースについて、順番に見ていきましょう。

(1)「社会通念上相当な金額」を超える場合

慰謝料として受け取ったお金が非課税となるのは、「社会通念上相当な金額」の範囲内に限られます。

社会通念上相当な金額というのは、簡単に言えば「一般常識的に考えて、高すぎない金額」ということです。

慰謝料がこの金額を超える場合には、その超えた部分については贈与とみなされ、贈与税として課税対象となる可能性があります。

「具体的にどのぐらいの金額が社会通念上相当なのか?」というところが問題となりますが、離婚慰謝料の金額というのは、通常は数百万円単位に収まることが多いです。

また、婚姻の期間がどのぐらいあったのかも金額算定にあたって考慮されます。

そのため、わずか数年間の婚姻期間にもかかわらず、数千万円もの金額の慰謝料を受け取っているような場合には、贈与税が課税される可能性が高くなるといえるでしょう。

(2)本人以外が慰謝料を支払った場合

「妻から夫に慰謝料を請求したが、実際には夫の親が慰謝料を支払った」というようなケースでは、夫の親から妻への贈与とみなされてしまう可能性が高くなります。

法律上、親子は別の人間とみなされます

そして、金銭を慰謝料として支払うことができるのは、慰謝料請求を受けた本人のみとなっています。

慰謝料を受け取るときには、慰謝料請求の相手方本人から金銭を支出する形をとり、証拠を残すようにしておくことが大切です。(例えば、本人名義の銀行口座から振り込みをさせるなどです)

(3)税金対策として離婚を偽装した場合

離婚が単なる偽装に過ぎず、税金の負担を免れる目的で行われた場合には、当然のことながら贈与税が課税されます。

具体的には、離婚届を提出した後にもかかわらず数年間にわたって同居生活を続けている・生活費の支出が一つの財布から出ている、などの状況がある場合には、偽装離婚とみなされる可能性があります。

(4)養育費を一括払いした場合

離婚した一方の親から、親権を持つ側の親に対して「養育費」の名目で渡したお金は、贈与税が課税されないのが原則です。

ただし、養育費として贈与税が非課税となるのは、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」という制限があります(相続税法21条の3第1項2号)

常識的に考えれば、一括払いとはいっても、それは将来の生活費にあてるためのものですから、「通常必要なもの」と認めてよさそうにも思います。

しかし、一括でお金を受け取ってしまえば、そのお金を子どもの養育以外の目的に支出することも可能になります。

そのため、税務上の扱いでは一括払いによって金銭を受け取った場合には贈与税が課税される可能性が高くなってしまうのです。

慰謝料を非課税にする方法

離婚の慰謝料を非課税にする

離婚に際して相手に慰謝料を請求するときには、今後の生活のためにも少しでも多くのお金が手元に残るようにしたいところですよね。

上で見たような「例外的に贈与税が課税されるケース」を避けるために、以下の4点に気をつけておくと良いでしょう。

慰謝料は元配偶者本人から受け取る

上でも見たように、慰謝料は請求する相手方本人から受け取らないと、第三者からの贈与とみなされ、贈与税として課税対象となる可能性があります。

したがって、慰謝料は請求を行う相手名義となっている銀行口座から振り込みをしてもらう、または離婚協議書に慰謝料の金額や支払い方法を明記しておくことが大切となります。

不動産の譲受をする場合、離婚後に行う

離婚に際して、「夫が家から出て、同時にその家を妻のものにする」といったことは珍しくありません。

このようなかたちで譲られた不動産は、離婚時に財産分与として行われた譲渡なのであれば、贈与税が課税されることはありません。

ただし、財産分与は離婚の成立が大前提になりますから、課税されないようにするなら、譲受の手続きは離婚成立後に行うことが必要になります。

離婚前に不動産の譲受を行ってしまうと贈与税として課税対象となる可能性がありますので、注意しておきましょう。

【婚姻期間が20年を超える場合】
不動産の時価によっては離婚成立前の譲受も可能

上記の例外となりますが、婚姻期間が20年を超える夫婦の場合は、不動産贈与について「配偶者控除」の適用を受けることが可能です。

この配偶者控除を利用すれば、2110万円以内の不動産(もしくは不動産を取得するための資金)であれば非課税で贈与を行うことが可能になります。

(配偶者控除の非課税枠が2000万円、暦年贈与の非課税枠が110万円ありますので、合計して2110万円の非課税枠を利用できます)

不動産の時価がそれほど大きくない場合には、離婚成立前の不動産譲受も慰謝料支払いの手段として選択肢に入れることは問題ないでしょう。

ただし、不動産の所有権を夫から妻(または妻から夫)に移転する場合には、不動産取得税や登録免許税(登記移転を行う場合)がかかります。

さらに、不動産の所有者となった人には、毎年固定資産税が課税されることも理解しておきましょう。

万が一の税務調査に備えて離婚協議書を作成しておく

離婚に際しての慰謝料として支払われた金銭であったとしても、外部から見た場合には単純な贈与や財産隠匿とみなされてしまう可能性があります。

最悪のケースでは、税務署によって税務調査が実施され、結果的に追徴課税(延滞税や加算税)を含む税金が徴収されてしまう可能性があります。

こうした事態を避けるためにも、離婚協議書は必ず作成しておくようにしましょう。

離婚協議書があれば、離婚に際して財産分与等を行ったことが外部者にも明確に説明することができますから、贈与税が課税される事態を避けることが可能となります。

慰謝料が課税対象となった場合の計算方法

慰謝料が課税対象となる

万が一、慰謝料に贈与税が課税されてしまうことになってしまった場合には、どのようにして計算を行えば良いでしょうか。

贈与税の計算には、以下の計算式を用います。

贈与税額=(受け取った金額−基礎控除額110万円)×税率−控除額

基礎控除額というのは、簡単に言えば「ここまでの範囲内であれば非課税」とされている金額のことです。

なので、受け取った金額が110万円以内であれば、たとえ慰謝料支払いが単なる贈与とみなされてしまったとしても、贈与税は1円も発生しません。

税率や控除額は、基礎控除を差引きした後の金額がいくらかによって、以下のように決まります。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

(引用元:国税庁ホームページ

例えば、1000万円の金銭を受け取り、その全額が贈与とみなされた場合

「基礎控除後の課税価格」は1000万円−110万円=890万円です。

この場合、税率は40%、控除額は125万円ですので、
課税される贈与税の最終的な金額は、231万円となります。

890万円×税率40%−控除額125万円=31万円

課税対象となった場合の手続き方法

贈与税は、納税額を自分で計算して税務署に申告書を提出し、期限までに納付書を使って納めなくてはなりません。

贈与税の申告期限は、財産を受け取った年の翌年2月1日〜3月15日です。

例えば、2020年11月3日にお金を受け取ったのであれば、2021年2月1日〜3月15日の間に申告書を作成して税務署に提出します。

納付書を税務署から受け取り、申告書に記載されているのと同じ金額を、金融機関やコンビニなどで納めることになります。

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まとめ

今回は、慰謝料や養育費を受け取った場合の税金の扱いについて解説いたしました。

本文でも見たように、慰謝料や養育費について税金はかからないのが大原則ではありますが、例外的に贈与税の負担が生じてしまうケースがあることを理解しておきましょう。

慰謝料の請求の手続きをこれから進めていく予定の方は、事前に弁護士や税理士といった専門家に相談しておくことをおすすめします。

あらかじめ弁護士保険などで備え、リスクに備えておくことをおすすめします。

弁護士
小林義典弁護士

小林義典 弁護士

東京弁護士会
袖ヶ浦総合法律事務所

住所:千葉県袖ケ浦市神納2-5-18 SKYCITY13-A
電話番号: 0438-42-1247

2009年弁護士登録。

交通事故、労働事件(労働者、使用者)から、家事事件等の一般民事事件を手広く行っています。

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2019年よりミカタ少額短期保険(株)が運営する法律メディアサイトです!

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