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20%が親子関係なし?! いま流行りの親子鑑定と3つの注意点を解説

数年前に芸能人が子どもとのDNA鑑定を行った結果、親子関係にないことが判明し、世間で話題になりました。加えて鑑定業者の増加や鑑定料金が下がってきたこともあり、DNA親子鑑定が注目を浴びています。

母親である妻は実際におなかを痛めて産んでいるので子どもが自分の子でないとはなりませんが、

「妊娠時期は出張で別居していた」

「授かり婚だけど、結婚前は自由な付き合いをしていた」

等々、男性は状況によっては疑いを持ってしまうことがあります。

父親としての自覚を自身で疑ったまま子どもを育てていくのは、子どもにとっても、自身にとっても良い影響は与えません。一生疑い悩み続けるよりも一回の決断によってその後の人生を、より良く築いていける可能性はあります。

そこで、本日は親子鑑定についてお伝えします。

目次

親子鑑定とは

どのような鑑定方法があるか

親・子のDNAをそれぞれ抽出し判定するDNA抽出法が最も多く用いられます。

専用のキットを使用することが多く、DNA採取専用の綿棒を口の中で数回こすります。口の中の粘膜細胞が付着するので、そこからDNAを検査します。

その他にも、髪の毛や歯ブラシ、子どもが使用したストローやおしゃぶり等を提出することで検査できる場合もありますが、これらは使用状況や保存状態が著しく影響するため、確実にDNAを検出できるとは言えません。

鑑定にかかる時間も、キットを使用する鑑定の方が早く、また確実性が高いので、キットを使用した鑑定をおすすめします。

私的鑑定と法的鑑定

親子鑑定には目的によって二つの種類があります。

私的鑑定は主に個人的な確認を目的としたもので、先述したキットを用いて行われます。

法的鑑定は専門のスタッフが本人確認の上、偽装できないように直接採取を行い、裁判所等に提出可能な鑑定結果として行われます。

料金は業者によりますが、私的鑑定が2~4万円、法的鑑定が7~10万円が相場のようです。

鑑定の精度はどちらも変わらず、鑑定結果が出るまで約1~2週間ほどかかります。

親子鑑定する人の人数と判定結果の割合

鑑定を行う会社・機関の中には「年間で2000件以上」と発表しているところもありますが、センシティブな話題であるためか、親子鑑定が行われた数や割合に関する公表は多くないのが現状です。

とある機関の鑑定結果によると、親子鑑定を実施した8割が「親子関係あり」とのことです。

つまり、2割は「親子関係なし」といった結果がでています。

親子関係に疑いを持ったケースの人が親子鑑定している、という前提条件もありますが、「2割が親子関係なし」といった結果は、決して少なくはない数だといえるでしょう。

親子鑑定をするメリット・デメリット

「子どもが成長するにつれ、自分とは似ていないことがひっかかる」

「結婚前は自身も交際相手も遊んでいた」

など、小さな疑念を抱えたままではいられないことから鑑定を行うケースが少なくありません。

しかし、たとえ「親子関係あり」と結果が出ても精神的に負担がかかる場合もあります。

男性側の意見

疑念が晴れる

「この子は本当に自分の子だろうか」と疑ったままでは、知らず知らずのうちに子どもへの接し方も変わってきてしまいます。

子どもからしても、「父親は愛情をもって接してくれない」ということを説明できなくても感じ取ってしまうものです。

心にヒビを入れたままにせず、わだかまりを払拭することで、自身の子どもに愛情をもって接することができるようになります。

疑った事への罪悪感を抱く

親子鑑定の結果「親子関係あり」と判定された場合、ほっと胸をなでおろすだけでは終わりません。

自分の主観で「親子関係に疑いがある」と判断したことに対して、客観的にその考えが間違いであると結果が出ることによって、妻を疑ったことに対する罪悪感を抱えてしまう人も少なくありません。

クロだった場合に、今後のことを考えなくてはならない

「親子関係なし」と判定された場合、その事実を心に押し込めたまま元通り過ごすというケースは多くありません。

離婚はもちろんのこと、慰謝料・損害賠償についての話し合いも必要になってきます。親子関係を解消するか否かについても決断しなければなりません。

鑑定前に「クロだったら別れる」と決めていても、いざ結果が出て子どものことを考えたとき、それまで親子として過ごしてきた日々を考えて親子関係を解消しないまま、さらには子どものために婚姻関係を継続するというケースもあります。

このように決断は揺らぎやすくもありますので、鑑定前に熟考することが必要です

女性側の意見

「自分の不貞が疑われている」という不快感

おなかを痛めて産んだ子どもを「自分の子なのか」と疑われること自体が女性にとって耐えがたい屈辱です。

「パートナーは夫だけなので、親子鑑定をされてもなんとも思わない」という女性は少数派です。

男性であっても痛くない腹をさぐられたら不快になるように、もしくはそれ以上に、女性にとって不快なことであることは念頭に置いておかなければいけません。

「親子鑑定をすること」を条件に、相手より優位に立てる可能性

妻と相談の上で親子鑑定を行った場合、

「親子鑑定をしてもいいけれど、もしシロだった場合にはどうするのか」、

「疑ったことに対してどういった埋め合わせをするつもりか」と持ち掛けられるケースは少なくありません。

たとえ鑑定時に何も言われなくても後々「あなたはすぐそうやって人を疑うから」などとその人間性を責められ、節目節目で家庭内の方針を決定する際にも、妻の意見が通りやすくなる(夫の意見が却下される)ことが多くなるでしょう。

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親子鑑定を受ける際の注意点

夫婦でしっかり話し合う

親子鑑定自体は夫とその子どもの二者の関係についての判定なので、妻の同意等は必要ありません。

しかし、鑑定を行っていたことが後々発覚した場合、事前に話し合って鑑定を行う以上に妻にとって大きなショックとなります。

「陰で疑われていたと思うと、一緒にいるのが苦痛」と夫婦関係が悪化し、親子関係ありと鑑定結果が出ても離婚に至ってしまう可能性もあります。

夫にとって非常に切り出しづらいことではありますが、妻の同意を得た上で鑑定を行えるよう夫婦でよく話し合いましょう。

シロだった場合とクロだった場合のその後の対応を決めておく

「親子鑑定を行って、結果が出てから後のことを考えよう」と思っていては、実際に鑑定結果が出たときにショックを受け止められず、その後の行動で誤った判断をしてしまう可能性があります。

親子鑑定を行う前に、それぞれの結果による対応を冷静なうちに決めておいたほうがよいでしょう。

親子鑑定の結果は100%ではないという事を知っておく

現代の技術において、DNA型親子鑑定の信頼性はかなり高く、その精度は約99.99%以上とも言われています。しかし、鑑定の結果が必ずしも正確といえない場合があります。

私的鑑定の場合、サンプル(採取物)の劣化が著しく、正確にDNAを読み取れなかった場合やサンプル自体が正確なものでない場合(不純物が混じってしまったり、違う人物のものを提出してしまったり)等、正確に鑑定できないケースもあります。

他言し難いセンシティブな内容だけに、それを悪用した詐欺業者も存在しています

業者は慎重に選択し、不安であれば弁護士に相談しましょう。

なお、理論上は数百億人以上に1人という確率で一致することがありますが、実際にそれが起こる可能性は極めて低いです。

子どもの親が自分ではなかった時にすべきこと

離婚を考える

親子鑑定によって夫の実子でなかったことが判明した場合には離婚に至るケースが少なくありません。

「嫡出否認調停」や「親子関係不存在確認調停」等を申し立て、それが認められれば親子関係の解消が可能です。

法律上の親子関係が解消された場合、以後の養育費を請求されることは無く、過去の養育費を損害賠償として請求できる可能性もでてきます。

親子鑑定によって実子でないと証明されても、法律上の親子関係を解消していない場合には養育費の支払い義務も消滅していないので、引き続き養育費を支払う必要があります。

なお、夫と子どもの親子関係が解消されると、子どもには法律上の父親が存在しない状態となります。

父親が判明(妻の不倫が発覚)した場合に慰謝料請求ができる

親子鑑定で夫の実子でないと判明した場合には、同時に妻の不倫が発覚したことになります。この場合離婚に際して妻・不倫相手それぞれに慰謝料を請求できるようになります。

慰謝料の時効について、妻に請求する場合、

(1)不貞行為および不倫相手を知った時から3年間
(2)離婚後6か月間経過

のいずれか遅い時期に時効になります。

不倫相手に請求する場合には、不貞行為および不倫相手を知ったときから3年間となります。

妊娠してから何年も経っている等は関係ありません。

また、実の父親が認知すれば法律上本来の親子関係とすることができます。認知を拒否した場合、調停を申し立てて強制的に認知させることも可能です。

まとめ

DNA鑑定は以前よりも安価で手軽に行えるようになっています。

しかし、そのメリット・デメリットを把握し、検討を重ねた上で行わなければ、家庭はもちろん子どもにとっても自身にとっても悪影響でしかありません。

「家族の証明に科学を持ち込むことは疑いから生ずるもの」と否定的な意見もありますが、「なんの疑いもなく、晴れやかに家庭を築いていくためのいちツール」としてみれば、親子鑑定を用いることは決して否定されるものではないでしょう。

弁護士
西村雄大弁護士

西村 雄大 弁護士


大阪弁護士会所属 
梅田パートナーズ法律事務所 代表弁護士
住所 大阪市北区西天満4-6-4 堂島野村ビル2階
電話 0120-074-013

ご相談に来ていただいた全ての方に寄り添い、親身になって法律トラブルを解決することを使命とし、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

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