引っ越し費用が足りない!?離婚後の同居のメリットデメリットについて知っておくべき3つのこと

「離婚したいけど、引っ越し費用がない・・・」

「離婚したけど子どもの転校が大変・・・」

このように、離婚後の引っ越しにかかる費用や煩雑な手続きを煩わしく感じる方は少なくありません。

離婚後も引っ越しをせずに同居し続けることができれば、このような煩わしさを回避できますが、果たして離婚後も法的に同居はできるのでしょうか。

また、できたとしてもデメリットなどはあるのでしょうか。

本記事では、離婚した後も同居を続けることを検討している方に向けて、離婚後同居のメリット・デメリットを解説いたします。

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目次

離婚後も同居することは法的にOK?

離婚後の同居は法的にはなんら問題ありません。

婚前カップルが同棲しても問題ないのと同様です。

友人などと同居するケースもあるでしょう。それらの関係と同じことなので心配はいりません。

ですが、離婚して世帯を分離していないにもかかわらず、各種ひとり親手当てなどを受給していることがバレると詐欺罪に問われるケースがありますので、注意が必要です。

反対に、婚姻関係がないケースで3親等以内の親族でもなく、血縁関係もない元配偶者の扶養に入っている場合も注意しましょう。

とはいえ、そもそも婚姻関係がなく事実婚関係もない場合には扶養は認められませんので、何らかのミスがなければこのケースは発生しないかと思います。

以上のことから、離婚後同居は法的には問題ありませんが、各種手続きをしっかりしておく必要があります。

離婚後同居のパターン(1)単なる同居人

離婚はしたものの、金銭的な事情や子どもの学校の都合などで一定期間は同居すると決めて同居している関係です。

このケースの場合には、元配偶者に扶養義務はありません。

生計を別立てにして暮らしていく必要があります。各種任意保険にも新たに加入しなければいけません。

離婚後同居のパターン(2)事実婚関係

婚姻関係は解消したものの生計は共にしている場合で、家事や育児を分担し共有財産を持っているなどの場合にはこれに該当します。

このケースの場合には、元配偶者の扶養に入ることができますが、生計を共にしているわけですから、ひとり親家庭の保障などは受けられません。

ただ単に、婚姻関係を解消しているだけと理解すればいいでしょう。

離婚後の同居のメリット、デメリット

法的には問題がないとわかった離婚後同居ですが、メリットとデメリットがあります。

それぞれチェックしていきましょう。

離婚後同居のメリット

離婚後同居にはたくさんのメリットがあります。

もしも離婚で配偶者の顔を見るのも苦痛だという状態でなければ離婚後に同居してもメリットが多くいいかもしれません。

引っ越しの手間と費用がかからない

離婚をすることで基本的には夫婦のどちらか、または双方が引っ越しをすることになります。

ですが、離婚後同居をすることで引っ越しの手間がなくなり、引っ越し費用もかかりません。

もしも婚姻関係さえ解消したいだけならば、離婚後同居は大きなメリットになるでしょう。

光熱費などを折半できる

離婚後も同居を続けたとしても、婚姻費用の分担義務はなくなります。ですが、光熱費などの共同費用は折半することは可能です。基本料金だけでも1世帯の金額はバカにはできません。

少しでも生活費を安くあげたい場合には、離婚後も同居を続けた方がいいでしょう。

子どもが転校せずに済む

子どもが義務教育中は、住んでいる地域で転校が必要になってしまいます。高校生でも、県外など遠くに引っ越しする場合には転校の必要性も出てくるでしょう。
離婚後も婚姻中と同じ家に同居を続けることで、子どもの転校の必要はなくなります。

子どもが精神的に不安にならずに済む

両親の離婚は子どもにとっては苦痛かもしれません。

DVなどが離婚原因でなければ、両親が揃っている方が幸せな場合は少なくありません。

離婚している事実をたとえ子どもが知っていても、同居していれば子どもの精神的苦痛が多少は和らぐ可能性があります。

ただし、離婚後に同居してまで両親が喧嘩ばかりしているようでは話が違います。

離婚後も同居するならば、既に他人になったと理解をして互いに干渉しない姿勢が大切になるでしょう。

もしも子どもが幼いなら、離婚後も同居していれば両親が離婚したとは気がつかない可能性もあります。

復縁の可能性が少しであるなら離婚後も同居いた方が、幼い子どもにとっては幸せかもしれません。

復縁しやすくなる

離婚後も同居をすることで復縁の機会が増える可能性があるでしょう。

例えば、配偶者の仕事が忙しくすれ違い生活に耐えられずに離婚した場合などには、配偶者の仕事が落ち着き、顔を合わせる機会が増えれば愛情が復活する可能性もあります。

別居した状態よりも、復縁の機会が多くなることもメリットです。

離婚後同居のデメリット

とはいえ、離婚後に同居することにはデメリットもあります。

デメリットも理解した上で同居を判断することをおすすめします。

嫌いな相手と顔を合わせる機会が多い

離婚の理由がどうあれ、一緒に生活を共にできないと感じたために離婚したはずです。

顔を見たくもないほどに配偶者を憎んでいるケースもあるでしょう。

離婚後も同居をすることで、嫌いな配偶者と離婚後も顔を合わせる機会があることは強いストレスになるはずです。

離婚原因によって心理状況は異なりますが、同居するためには相当の覚悟が必要になるでしょう。

ひとり親家庭の保障が受けられない

児童手当など、ひとり親に対する各種保障が受けられなくなる可能性があります。

同居をしていても世帯を分離すれば保障を受けられる可能性もあるでしょう。詳しくは後述しています。

独り立ちできない

せっかく離婚をしても、同居をすることでなかなか独り立ちができないというデメリットも考えられます。

独身に戻ってやりたいことがたくさんある場合には、同居は足かせになるかもしれません。

離婚後に再スタートを切るという意味では、経済的にも自立をして仕事もしっかりこなしていくべきです。

ですが、同居をすることでどうしても甘えが出てくる可能性があります。

もしもその状態から、急に配偶者がやはり出て行くとなった場合には、あなたは離婚時よりも路頭に迷う可能性があるでしょう。

配偶者が再婚をする場合には、急にあなたが退去しなければいけない状況にも陥る可能性があります。

どうしても干渉したくなる

相手に干渉したくなる可能性があります。

例えば、離婚原因が配偶者の不貞行為だった場合には、離婚したら恋愛は自由だとわかっていても、「また違う女なの?」とつい口出ししたくなってしまうでしょう。

配偶者の生活習慣にもいちいち干渉したくなるかもしれません。

これまで夫婦だったわけですから、「栄養ちゃんと摂らないとダメだよ」などと言いたくなっても当然です。

ですが離婚したからには相手に干渉しすぎると生活が苦痛に感じられてしまいます。

新たな恋愛がしにくい

元配偶者と同居していると、新たな恋愛の機会はなかなか訪れないでしょう。

もしも恋人ができたとしても、離婚した相手と一緒に暮らしていると知られれば嫌われてしまう可能性もあります。

同居している説明も困難です。

周囲に説明が難しい

離婚した事実を説明するのも、また離婚後に同居していることを周囲に説明するのも、難しいものです。

うまく説明できたとしても、理解を得られるとは限りません。

周囲に変な噂を流されて会社や近所で居場所がなくなるケースも考えられます。

離婚後同居の注意点

離婚後に同居をするためには幾つかの注意点があります。

注意点を守らないと、最悪の場合には罪に問われて実刑判決を受ける可能性も出てくため、しっかりと理解しておきましょう。

生活費についての取り決めをする

生活費の取り決めは重要です。離婚しているわけですから、家賃、光熱費などの折半の割合を最初に決めておきましょう。

当然ながら、離婚した後は婚姻費用の分担はできません。

つまり、「夫の方が稼いでいるから」と生活費を援助してもらえるわけではないということです。

生計は別になりますから、離婚後に同居する場合には、事前に生活費や子どもにかかる費用をどうするかといったルールをしっかり取り決めしておきましょう。

もちろん、離婚の条件に「離婚後3年間は生活費を2万円/月 援助する」などと取り決めがあった場合には従ってください。

養育費は離婚後に同居していても請求できる

子どもの養育費は離婚をすれば請求できます。離婚後も同居していたとしてもこの権利はありますので、しっかり請求していきましょう。

また、両親が離婚しても子どもとの親子関係が解消されることはありません。

子どもの将来のためにも養育費は大切です。養育費算定表を元に算出して、離婚前に合意をとっておきましょう。

世帯分離をするかどうかについて話し合う

離婚後も同居する場合には、世帯分離することができます。

世帯分離とは、同居でも生計を別にしている証になる必要な手続きです。

「離婚をしても同居をしている」ということは内縁関係もしくは、事実婚にみなされるケースがあります。

世帯分離をしていない場合、事実婚関係が認められてしまい、生活保護などの保障が受けられなくなる可能性が高くなるでしょう。

もしも世帯分離をして完全に生計を別にしていれば、児童手当や生活保護の対象になる可能性があります。

その他、保険料や税金が割安になるメリットも。

ただし、保険料の中には世帯毎にかかる部分もありますから、注意が必要です。

(子どもがいる場合)同居していると各種手当が受けられない可能性がある

ひとり親家庭に対する児童手当などの保障は、離婚後同居をして世帯分離をしたとしても認められにくいでしょう。

完全に二世帯住宅などで生計が別になっていることを証明できなければ受給はできないかもしれません。

詳しくは、自治体の窓口に確認してみましょう。

離婚後同居は離婚詐欺になってしまうこともある

「離婚後も同居をして、事実婚や内縁関係の状態」とは、生計を同じくしている場合や性的関係がある場合、財産の共有や生活費・家事の分担、親族付き合いがあるケースなどを総合的に見て判断されます。

本当は事実婚関係があるにもかかわらず世帯分離をして、生活保護やひとり親家庭の給付金を不正に受けていたことが判明した場合には、詐欺罪に相当します。

また、離婚をして事実婚関係などもないにもかかわらず扶養に入っている場合も同様です。

そうならないためにも、離婚後に同居をする際には、自分たちの関係性をはっきりさせ必要な保険料や税金を支払うようにしましょう。

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まとめ

離婚後に同居することは法的には問題ありません。

もしも引越し資金が足りない、子どもの環境を変えたくない、などの場合には夫婦で相談し、期間を決めて同居することは良い対策になるでしょう。

ただし、昨今離婚をして不正に手当てを受給する偽装離婚が社会問題になっています。

離婚届を提出しても実際には夫婦関係を持続して児童手当などを不正受給するものです。

もしも離婚後同居に関して不安がある場合には、正しい手続きができているのかを弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

そのつもりはなくても犯罪に相当するケースもありますので、注意して離婚を進めていきましょう。

子どもの幸せのためにも離婚後同居は正しい手続きをするべきです。あなたが離婚をしても幸せな道を進めることを願います。

あらかじめ弁護士保険などで、今後のリスクに備えておくことをおすすめします。

弁護士
東拓治弁護士

東 拓治 弁護士
 
福岡県弁護士会所属
あずま綜合法律事務所
福岡県福岡市中央区赤坂1丁目16番13号上ノ橋ビル3階
電話 092-711-1822

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