離婚時にすべき作業は多々あると思いますが、当事者同士での話し合いでこじれる可能性が高いのは財産分与ではないかと思います。
不動産や預貯金など、大きなお金が動く中、「まだ支払われていないけれど退職金も財産分与したい」とお考えの方もいるかもしれません。
結論から申し上げますと退職金は財産分与できます。
実際の裁判で、未来に支払われる退職金の財産分与を拒否した夫に対し申し立てをしたところ、「退職金約半分は妻の取り分とし、支払うべき」をいう判決がでたケースがあります。
この記事では、財産分与として退職金を獲得できる主なケースと算出方法について解説致しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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財産分与とは
財産分与とは、結婚している期間に築いた財産を、離婚時に分配することをいいます。
結婚している期間に夫婦が協力して築いた財産ならば、財産分与の対象となります。
すなわち、夫の退職金についても財産分与できる財産の1つなのです。
「夫婦が協力して築いた財産」というと、「夫が稼いだ預貯金を専業主婦の自分がもらえるのか?」と疑問に思うかもしれません。
財産分与の分配割合は、どのくらい財産の維持や形成に貢献したかによって変わります(寄与といいます)が、一般的には50%になることが多いです。
財産分与として退職金を獲得できるケースと算出方法
一般的に退職金とは、会社を退職する際に支給されるお金のことを言います。
どのような場合、財産分与として退職金を獲得できるか詳しく見てみましょう。
退職金が支払われている
すでに退職金が支払われ、手元にあるという場合には、
- 婚姻期間(別居期間は除く)がどのくらいか
- 退職金が支払われるまでの勤続期間(年数)がどのくらいか
によって獲得できる割合が変わります。
また注意点として、「退職金がある程度手元に残っているか」が挙げられます。
せっかく退職金が支払われたのに散財して手元に残っていない、となると分けるべき財産がないわけですから財産分与の対象とならなくなってしまいます。
退職金が支払われていない
これから退職金が支払われる(予定)場合には、いつくかの条件をクリアした場合、財産分与できる可能性があります。
- 公務員など、安定していて倒産の心配のない会社に勤めている
- 「退職まであと3年」等、ほぼ勝実に退職金が支払われることが確定している
- 退職金が支払われる前(定年退職前)に解雇等や雇い止めされる心配がない
要するに「退職金が実際に支払われるか」が重要になります。
もちろんこの条件をクリアしていない場合でも財産分与できる可能性もありますし、クリアしていても財産分与できない可能も大いにあります。
このことを考えると、ベストな離婚タイミングは、退職金が確実に支払われるだろうと確定できる時期(退職まであと1年など)であると言えそうです。
とはいえ、いつ何が起こるかわからない世の中。
確実に退職金を獲得したいとお考えなら、退職金が支払われたのを確認してから離婚を突き付けるのがいいかもしれません。
どのくらい獲得できる?算出方法について
算出方法については、実は明確な計算式はありません。ここでは一般的な算出方法についていくつか紹介します。
退職金が支払われていて手元にある場合には、寄与分(貢献度)を考慮した額を財産分与することが一般的です。
具体的には…
勤続期間(年数)のうちどのくらいの婚姻期間(年数)があったか
というように計算します。
例)退職金1000万円が支払われた。勤続期間は30年で、婚姻期間は20年である。
勤続期間(年数)中の婚姻期間は2/3であるので、退職金1000万円の2/3=約667万円が財産分与の対象となります。
ちなみに、勤続期間(年数)が婚姻期間より短い場合には、当然退職金全額が財産分与の対象となります。
退職金が支払われていない場合には、2通りの考え方があります。
離婚時点で退職したとみなし、その時点での退職金を財産分与する
退職金×婚姻期間(年数)(ただし別居期間は除く)÷勤続期間(年数)
というように計算することができます。
例)50歳の離婚時に退職したと仮定。その時点での退職金が1000万円支払われたと仮定する。
婚姻期間15年の場合、
1000万円×15年÷28年=約535万円 が財産分与の対象となります。
この50%を財産分与すると約267万円が獲得できます。
婚姻期間が10年の場合、
1000万円×10年÷28年=約357万円 が財産分与の対象となります。
この50%を財産分与すると約178万円が獲得できます。
定年退職時に支払われる予定の退職金満額分から財産分与分を計算する
まず定年退職時に支払われる予定の退職金を算出します。
この中から婚姻する以前の勤続期間(年数)分と別居(離婚)以降の勤続期間(年数)分の退職金を計算し、差し引きます。
さらに、退職金という本来なら未来に受け取れるものを今受け取ることに対しての利息分が発生します。この「中間利息」分をさらに差し引きます。
この計算方法は複雑になってきますので、この方法で退職金を財産分与する場合には弁護士に相談したほうが良いでしょう。
財産分与として退職金を獲得する際の請求方法
さて、ご自身が退職金を財産分与で獲得できるかが確認できたところで、実際にどのように請求すればいいのかを見ていきましょう。
当事者同士で話し合う
財産分与は、具体的な金額や割合が決まっているわけではありません。
基本的には当事者同士での話し合いで決めることになります。
すでに手元にある財産の場合はある程度話が進むと思いますが、まだ支払われていない退職金については話がこじれていく可能性が高いです。
上記の算出方法を参考にしながら、弁護士などに相談するとよいでしょう。
また、注意点として、財産分与の請求には時効があります。
離婚が成立してから2年経過してしまうと、財産分与の請求権がなくなってしまいます。
できれば離婚についての話と並行して進めるとよいでしょう。
調停・裁判に進む
当事者同士での話し合いでまとまらなかった場合、財産分与請求調停に進みます。また更に調停でも不成立となった場合には裁判へと進みます。
財産分与請求調停の費用、必要書類
費用 収入印紙代 1,200円分
(申立する家庭裁判所によっては郵便切手代が別途必要な場合があります)
必要書類
- 申立書原本と写し1部
- 離婚時の夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 不動産登記証明書や預貯金通帳の写しや退職金に関する事項が記載された就業規則など、夫婦の財産が把握できる資料
申立書などの書類については、こちらを参考にしてみてください。(裁判所のページにリンク)
調停期間中の退職金の仮差押について
「退職金を財産分与で取られたくない!」と考える夫は、時に退職金を使い込んだり親戚に預け隠したりすることがあります。
上記でも触れたように、財産分与の対象となるはずの退職金がないとなると、対象とはならなくなってしまいます。
そこで、退職金を仮差押することによって、一時的に退職金などの財産を処分(使い込み)できないようにすることができます。
仮差押の手続の流れは
- 裁判所への申立
- 裁判所での審理
- 担保金の納付
- 仮差押の決定
- 仮差押の執行
1 裁判所への申立
仮差押は、相手の財産を強制的に抑え込み使わせないようにできる制度ですので、それなりの根拠がなければ認められません。
申立書に
「仮差押えをすることによって守られる権利とは何か(被保全債権)」
「何故仮差押えをしなければならないのか(保全の必要性)」
を記載します。
今回は退職金を仮差押えしたいので
- 退職金額
- 勤務先
- 退職時期(見込みも含む)
- いつから勤務しているか・勤続期間(年数)
等詳細な情報が必要になります。
そして、上記について疎明資料(裁判官が一応確からしいと思える程度の資料)をそろえます。
2 裁判所での審理
裁判官と面接をすることがあります。
被保全債権があるかどうか、保全の必要性があるかどうかを確認する場ですが、多くの場合、書類の確認だけになることが多いです(5分もかからず終わることもあります)。
3 担保金の納付
担保金の額は、債権の仮差押えの場合、債権額の20~30%くらいが多いです。
なお、担保決定から1週間以内に納付する必要があるので注意が必要です。
4 仮差押の決定
担保金が納付され次第、決定が出ます。
5 仮差押の執行
決定がされれば執行の段階に入ります。
仮差押については、簡単に認められるものではありません。また使い込みをされる前に迅速に行う必要があるので、仮差押をした方がよいと思ったらすぐに弁護士に相談しましょう。
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まとめ
財産分与では多くのお金が動くことになります。その中でも退職金は非常に大きく、複雑な計算方法によって分与されることになります。
難しいと感じたらまずは弁護士に相談に行くとよいでしょう。
必要なアドバイスが得られるはずです。 少しでもこの記事がみなさんに役に立つことを祈っています。
万が一のトラブルに備え、是非弁護士保険へのご加入をご検討していただくのはいかがでしょうか。
弁護士 松本隆
神奈川県 弁護士会所属
横浜二幸法律事務所
所在地 神奈川県横浜市中区山下町70土居ビル4階
TEL 045-651-5115
労働紛争・離婚問題を中心に、相続・交通事故などの家事事件から少年の事件を含む刑事事件まで幅広く事件を扱う
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